間違いなし!赤ちゃんのスキンケア用品の選び方と使い方
【第3回】赤ちゃんにおすすめのスキンケア製品と使用方法
赤ちゃんの肌は非常にデリケートで乾燥しやすいため、普通のスキンケア用品選びよりもさらに慎重さが求められます。見た目やネーミング、価格だけで選んでしまい、さらに間違った使い方をすると結果的に大きなマイナスになります。以下に、スキンケア用品を選ぶ際に考慮すべきポイントや上手な使い方をまとめてみました。ぜひ参考にしてみてください。
基本は無添加・低刺激の製品がベスト
赤ちゃんの敏感な肌には、無添物で、極力低刺激の製品を選ぶことが重要です。アルコールや香料、着色料などの刺激物が含まれている製品は、赤ちゃんの肌に負担をかけるので避けるべきです。アルコールは肌を乾燥させることがあり、香料はアレルギーや刺激に繋がります。また界面活性剤やパラベンなども極力避け、肌に優しい成分を選ぶことが大切です。天然製品やオーガニック認証を受けた製品は、肌に優しく赤ちゃんにも安心して使用できることが多いといえます。
製品を選ぶときには成分表に注意しましょう。あくまで天然由来の成分を使用した製品や、「無添加」「低刺激」と謳われている製品を選びましょう。もしわからない場合はドラッグストアやベビー用品店で、専門のスタッフに相談するなどして、これから使う製品のことを理解しておきましょう。皮膚科や小児科クリニックなどで販売されている製品は、臨床テスト済みで安全性が高く推奨されるものがあります。例外もありますが比較的信頼できるものが多いです。
乳液、クリーム、オイルにはそれぞれの特徴がある
赤ちゃんの保湿のために使うスキンケア製品には、主に、ベビーローション(乳液)、ベビークリーム、ベビーオイルといった異なるタイプがあり、各特徴を理解して上手に活用することが大切です。
ベビーローション(乳液)
軽い使用感で、水分と油分のバランスがよく配合されています。日常的に使いやすく、赤ちゃんの肌に負担をかけずに潤いを与えるのに適しています。比較的乾燥が少ない季節や、保湿が必要なシーンで手軽に使えます。
ベビークリーム
乳液よりも油分が多く、保湿力が高いため、特に冬場や乾燥しやすい顔やひじ、ひざ、足首などに向いています。 保湿効果が長時間持続するため、夜寝る前のケアに最適です。
ベビーオイル
オイルは高い保湿力と肌を柔らかくする効果があり、入浴後や乾燥が気になる部分に使用したり、マッサージにも適しています。
保湿剤はどんな時に使えば効果的?
最もおススメはお風呂上がりのタイミング
保湿剤を使用するタイミングとして、入浴後が最も効果的です。お風呂上がりの肌は、水分が蒸発しやすく乾燥しがちです。すぐに保湿剤を入れることで潤いを閉じ込めることができます。また、空気が乾燥している季節や、肌の乾燥が気になる時も、こまめに保湿することが大切です。 特に冬場は一日に何度も保湿剤を塗ることをおすすめします。
適量と塗り方のコツ
保湿成分入りの製品は、少なくすぎると保湿効果が十分に発揮されず、多すぎると肌がベタついてしまいます。ゴシゴシと擦ってしまわないように注意しながら、優しく塗布していきます。 特に乾燥しやすい部分には、少し多めに塗ってあげると効果的です。
顔や体の部位ごとの塗布の際の注意点
顔や体の部位ごとの、保湿剤の塗り方を変えることも大切です。顔は特に敏感な部分なので、目や口などに入ってしまわないよう、少量をゆっくりと、注意しながら塗布してあげましょう。また、ひじやひざ、足首などは乾燥しやすい部分には、重点的に保湿を行いましょう。
赤ちゃんにおすすめの3つの保湿成分
赤ちゃんにおすすめの保湿成分の働きとして3つのタイプがあります。成分表などを確認する場合に参考にしてください。
① うるおいを与える グリセリン、ヒアルロン酸、アミノ酸(ベタインなど)など
② うるおいを保持する セラミド、コレステロールなど
③ うるおいを閉じ込める ワセリン、スクワランなど
赤ちゃんの肌の状態を確認して、一番合った成分が入っているものを選んであげるのも良いかもしれませんね
赤ちゃんに優しいベビーソープの選び方
赤ちゃんの肌を清潔にするためのベビーソープ選びも、意識して行う必要があります。 洗浄力が強すぎると必要な皮脂まで洗い流してしまい、逆に肌トラブルの原因となりかねません。
固形石鹸と液体ベビーソープの違い
固形石鹸と液体状のベビーソープはどちらも体を洗うためのものですが、それぞれに特徴があります。石鹸は原料が天然由来の洗浄液で、シンプルな成分で作られていることが多く、特に固形タイプの石鹸は、泡切れが良く、汚れ(皮脂)をしっかり落としてくれるという特徴があります。皮脂の分泌が多い、生後1カ月〜3カ月までの赤ちゃんにおすすめです ただし、保湿成分が含まれていなかったり、アルカリ性のものが多いので、乾燥を防ぐために、洗った後はしっかりと保湿をしてあげることが大切です。
液体状のベビーソープはその成分によって皮膚の汚れや余分な油分を効果的に取り除くことができる高い洗浄力があります。赤ちゃんの肌と同じ弱酸性の成分で洗い上げるものが多く、他にも保湿成分など、赤ちゃんの肌のことを考えた成分が多く含まれているものが多くなっています。ただし、洗浄力の強い成分や合成保存料が使われている場合があるので注意が必要です。しっかりと肌に優しい成分が使われているか確認しましょう。
pHバランスの考慮
赤ちゃんの肌は中性に近く、外部からの刺激に対して非常に敏感です。 そのため、洗浄液を選ぶには、良いpHバランス(弱酸性)のものを選ぶことが重要です。これにより、肌の自然な保護バリアを守りながら、少しの汚れや皮脂を優しく洗い流すことができます。 赤ちゃん用にpHバランスが調整された製品を選ぶことが、肌トラブルを気にするポイントです。
こんなスキンケア製品も有効に使いましょう
ベビーパウダー
ベビーパウダーの原料はコーンスターチと滑石(かっせき)と呼ばれる成分がほとんどです。コーンスターチは余分な水分を吸収し、乾燥すると放出することから、肌の水分バランスをキープします。また滑石は皮膚の表面を均一にして皮膚同士の摩擦を少なくすることであせもや肌荒れを防ぐ効果があります。
毎回のおむつ交換時、あるいは湿ったおむつに長時間さらされた時など、必要に応じて使用しましょう。湿って汚れた赤ちゃんのおむつを素早く交換し、少量のベビーパウダーを注意深く塗布しましょう。この時、赤ちゃんが吸い込んでしまうと呼吸に問題を引き起こすおそれがありますので赤ちゃんの顔にパウダーを近づけないようにしましょう。
おむつかぶれクリーム
ベビーパウダーは塗り過ぎて固まってしまうと刺激物になってしまいますので、おむつかぶれを起こしているときは、保湿成分の多いおむつかぶれクリームがおすすめです。
ベビーシャンプー
赤ちゃんの髪や頭皮を優しく洗うためのシャンプーです。目に入ってもしみにくい成分で作られており、頭皮の乾燥や刺激を防ぐ低刺激なものがおすすめです。
ベビーリップクリーム
赤ちゃんの唇の乾燥を防ぐためのリップケア用品です。低刺激で無香料のものが多く、冬場や乾燥季節にするために特に役立ちます。
保湿バーム
ワセリンやミツロウなどに、栄養成分をプラスした軟膏タイプの製品で、特に乾燥がひどい部分に塗るための濃厚な保湿剤です。
※ミツロウは基本的には高熱処理を加えているため安全ですが、ミツロウ配合の保湿剤をご使用の際は製品情報をご確認下さい(蜂蜜と同様にボツリヌス菌が残存している可能性は0ではありません)。
日焼け止めクリーム
外出の際、特に日差しの強い場所で赤ちゃんの肌を紫外線から守るためには日焼け止めクリームを使います。敏感肌用で、酸化亜鉛や二酸化チタンなどの物理的な紫外線散乱剤が配合されているものがおすすめです。さらに無添加の、汗や水に強いウォータープルーフタイプを選ぶといいでしょう。
赤ちゃんのスキンケアで注意すること
当たり前のことですが、赤ちゃんのスキンケアの基本として、まず自分の手や服などの汚れを落とし清潔にしてから赤ちゃんに触れましょう。また、新しい製品を使う際は、刺激がないかどうか、アレルギー反応が出ないかどうかを、肌の一部でパッチテストをして確認しましょう。
もし赤ちゃんお肌に赤みや痒みなどが出たら、すぐに使用を中止し、小児科か皮膚科を受診することをおすすめします。
赤ちゃんのスキンケアは、健やかな成長を促すためにとても大切です。適切なスキンケアを行うことで、乾燥や肌トラブルを防ぎ、将来の健康なお肌を作ってあげることにも繋がります。
※この文章は一般的な情報であり、個々の赤ちゃんに当てはまるとは限りません。赤ちゃんの肌の状態や、気になることがあれば、必ず専門家や医師にご相談ください。
【第2回】赤ちゃんの肌トラブル:対処法&予防法
赤ちゃんのお肌は非常に敏感で、さまざまな肌トラブルに見舞われることがあります。
今回は、赤ちゃんによく見られる肌のトラブルについて、簡単な説明と対処法、予防法について説明します。
おむつかぶれ
おむつを長時間替えていないとき、下痢をしているときなどにおしっこやうんちが長時間触れているときなどにお尻や太ももの内側などに起きる皮膚の炎症です。かゆみのある赤み、ぶつぶつ、場合によっては水ぶくれやびらんを伴うこともあります。高品質のおむつでも、こまめに替えないとお尻がふやけて傷付きやすくなります。さらにそこに排泄物などの刺激や摩擦が加わると、おむつかぶれが起きやすくなります。
対処法
軽い赤みであれば市販のワセリンを塗って、刺激から肌を守りましょう。ワセリンを塗っても治らないとき、下痢が続いていて悪化したとき、症状がひどいときなどは小児科か皮膚科を受診しましょう。
予防法
おむつはこまめにチェックし、濡れていればすぐに交換します。うんちをしたあとに時間があれば、お尻をシャワーやぬるま湯をたっぷり含ませたティッシュなどで拭いてあげるとさらに効果的です。おむつ交換時には、肌を優しく清潔に拭き、自然乾燥させてからから新しいおむつをつけるとムレにくくなります。また、ワセリンなどの保護クリームを使えば刺激から肌を守ってくれます。普段から通気性の良いおむつを選び、時々おむつをはずして皮膚を空気に触れさせる時間を持たせると効果的です。
よだれかぶれ
よだれによって口のまわりが炎症を起こして赤くなったりブツブツができたり、場合によっては肌が乾燥してカサカサになることもあります。赤ちゃんにとってよだれはつきものですので、慌てることはありません。
対処法
赤ちゃんの口周りを清潔に保ち、保湿してあげると、症状は徐々に治まっていきます。食事の後は、軽く押さえるようにして、濡らした柔らかいタオルでやさしく口周りを拭きましょう。口周りを拭いた後は、ワセリンなどの保湿剤を塗って肌を保護しましょう。症状が改善しない場合は小児科や皮膚科を受診しましょう。
予防法
よだれや食事の後の食べかすをこまめに拭きとって、ワセリンなどの保湿剤を口の周りに塗っておくことです。口の周りを拭くときはティッシュやガーゼでこすらず、少し濡らしたものでやさしく押し拭きするよう気を付けましょう。ゴシゴシこすると肌を刺激してしまいます。拭いた後はそのままにしておくと肌が乾燥してしまうので保湿剤を使うといいでしょう。
汗疹(あせも)
汗を出すための汗管の出口が塞がれ、汗が皮膚の内部に閉じ込められることで起こる発疹です。小さな赤いぷつぷつとした形状が特徴です。かゆみやチクチクとした軽い痛みを伴う場合もあります。暑い季節や室内が暖かすぎる時、特に首周り、胸、背中などに発生しやすくなります。
対処法
赤ちゃんにこのような症状が現れたらシャワーで流して拭いて、皮膚を清潔にして、涼しい環境で過ごさせましょう。自然によくなっていきます。すでに炎症を起こしていて、かゆみや痛みがひどく不快感を示しているのであれば小児科か皮膚科への受診をお勧めします。
予防法
汗による症状なので、気温や湿度に応じて、通気性の良い衣服を選びます。また、室内の温度と湿度を適切に保ち、赤ちゃんが汗をかきすぎないようにします。さらに汗や汚れを優しく洗い流し、清潔に保つために定期的なシャワーや入浴も大切です。
乾燥肌
赤ちゃんの皮膚は水分を保持する能力が低いため、特に冬場に乾燥しやすく、赤みやかゆみ、粉をふくことがあります。 肌を触ってみてザラザラ、カサカサ感を感じたら、バリア機能がうまく働かず水分が逃げてしまって、乾燥気味になっているサインです。発生しやすいのは冬場の乾燥する季節や、室内の暖房によって湿度が低下した環境でよく見られます。顔や手足の露出部分、体の開放部に多く発生します。
対処法
まずは部屋の保湿、加湿器で部屋が乾燥しすぎないようにします。さらに赤ちゃんのお肌を清潔に保つことです。薄い皮膚を傷つけないようにやさしくぬるま湯で洗ってあげましょう。なるべく肌への刺激が少ない弱酸性のボディソープや石けん、ベビーソープを使用してやさしく洗ってあげてください。スポンジやタオルを使うと肌に刺激を与えるおそれがあるため避け、柔らかなガーゼや手のひらで洗いましょう。洗った後にはやはり保湿クリームなどを塗っておきましょう。
予防法
日ごろカサカサになる部分だけではなく、全身にたっぷりと保湿効果のあるベビーオイルやベビーローション、クリームなどを塗り、常に保湿されている状態を作ってあげましょう。 ベビーローションで水分、ベビーオイルで油分をバランス良く補給し、乾燥しやすい部位には油分が豊富なクリームを重ね付けするなどすると一層効果的です。普段から加湿器を使って室内の湿度を適切に保ち、刺激となる長時間のお風呂や熱いお湯は避け、ぬるま湯で短時間の入浴にすることもいいでしょう。
かぶれ(接触皮膚炎)
特定の物質に対する刺激反応やアレルギー反応により、皮膚に湿疹が出現する状態です。化粧品や洗剤、柔軟剤など、特定の化学物質に接触したときに、接触部位に発生します。
対処法
濡れタオルや保冷剤、冷やしたガーゼなどで患部を冷やすと赤ちゃんの不快感は少なくなることがあります。ヒリヒリや刺激感があれば、低刺激の洗浄剤で優しく洗い落したり、ワセリンなどを用いた保湿も重要です。症状が軽い場合は数日で完治することもありますが、症状が改善しない場合や長期間続く場合は小児科か皮膚科への受診をおすすめします。
予防法
刺激性のある化学物質や繊維などから肌を守るために、日ごろから赤ちゃん用の製品をきちんと選ぶことが大切です。また、洗濯物は洗剤が残らないように十分にすすぎ、柔軟剤の使用は控えめにします。
新しい衣類は着用前に必ず洗濯し、肌に直接触れることが少なくなるようにします。
これらの予防策を日常生活に取り入れることで、かぶれの可能性をかなり少なくすることができます。
乳児脂漏性皮膚炎
皮脂分泌の多い生後3~4週間ごろ、皮脂の分泌が盛んな頭部、眉間、顔面、耳のまわりなどにできはじめます。症状はカサカサしたものから黄色っぽい脂っぽいかったかさぶたができるなどさまざまです。皮脂の分泌が改善する生後3か月ごろより自然と症状は治まります。
対処法
基本の対処法は1日1回、頭や体をお風呂できれいに洗って、保湿することです。石鹸の洗い残しはかぶれの原因になるのでしっかりすすぎましょう。かさぶたは、ベビーオイルなどでふやけさせてから洗うと効果的です。たいていの場合は自然に治っていきますが、かゆみがひどい場合や、1~2カ月たってもなかなか治らない場合は小児科あるいは皮膚科を受診してください。
予防法
おでこや頭部の余分な皮脂は毛穴詰まりの原因になりますから、まずは日ごろから頭皮やおでこをきちんと洗い、余分な皮脂をきちんと落としてあげることが重要です。赤ちゃん用のヘアシャンプーを使って指の腹でしっかり洗いましょう。デリケートな赤ちゃんの肌はこすらずやさしく洗うのが大原則ですが、頭皮はある程度ならゴシゴシ洗いも大丈夫です。過剰な皮脂汚れをきちんと落とすことが大切です。
アトピー性皮膚炎
皮膚バリア機能の低下をきっかけに、慢性的な炎症を起こす皮膚の病気です。激しいかゆみや湿疹、皮膚の厚みが増すことなどが特徴です。生後数カ月から顕著になることが多く、顔(特に頬)、首、肘の内側、膝の裏などの屈曲部に起きやすいのが特徴です。赤ちゃんの場合、成長とともに湿疹は改善していく場合が多いのですが、小児期になってもなかなか治らない、あるいは成人型のアトピー性皮膚炎に移行することもあります。
対処法
入浴後や洗顔後すぐに、肌に優しい保湿剤を塗ることで、肌の水分を保持します。強い洗浄力のある石鹸は避け、赤ちゃん用の低刺激の洗浄料を使用し、丁寧にすすぎます。また、室内の湿度を適度に保つことが大切です。特に冬場などは加湿器を使用することが効果的です。
刺激的な衣料や洗剤、柔軟剤は使用を避け、肌に優しい素材の衣類を選びます。
症状が改善しない場合や、日常生活に支障をきたすほどの症状が見られる場合には、なるべく早めに専門の医師によるアドバイスを求めましょう。
予防法
最近の研究で、新生児からスキンケアを行い良い状態の肌を保つことで、アトピー性皮膚炎の発症リスクは3割以上低下するというレポートもあります。
※参考:世界初・アレルギー疾患の発症予防法を発見
また、家庭内のダストやペットの毛など、アレルゲンになり得るものを控えるようにし、アレルギーを引き起こす食品に注意し、栄養バランスの良い食事も大切です。
小児ニキビ
思春期や大人のニキビ、赤ちゃんのニキビはどれも皮脂腺の活発化が原因の一つですが、小児ニキビは主に生後数週間から数年発生します。特に新生児ニキビは、生後2〜3週間で出現することがあります。
対処法
沐浴やお風呂などで皮脂の汚れを落とす、肌に合った赤ちゃん用の石鹸で優しく洗う、すすぎをしっかり行うことがおすすめです。新生児ニキビは通常特別な治療を必要とせず、数週間から数カ月で自然に消えます。 重要なのは、赤ちゃんの肌を清潔に保つことです。
予防法
常に皮脂などの汚れに注意して肌を清潔にするように心がけてください。
まとめ
赤ちゃんの肌のトラブルは、これまで説明したようなスキンケアによる予防策を日常生活に取り入れることで、最小限に抑え、快適な育児環境を整えることができます。まとめると次のようなポイントになります。
✔ 乾燥肌:保湿クリームやオイルの使用
✔ 湿疹:清潔を保ち、刺激を避ける
✔ あせも:こまめに汗を拭き、服装に気をつける
✔ おむつかぶれ:おむつ交換の頻度を上げ、保湿クリームでケア
✔ アトピー性皮膚炎:日常のスキンケアを徹底し、早めに医師の指示を仰ぐ
しかし、赤ちゃんの肌にブツブツやジクジクしているところがあったり、症状が長期にわたり改善しない場合、特に発熱が続いている場合などは他の疾患が隠れている場合もありますのでなるべく早くかかりつけ医へ受診をしてください。
【第1回】赤ちゃんの肌の特徴とスキンケアの重要性
赤ちゃんのお肌はぷっくりしていて見るからに健康そう。大人のようにスキンケアなんて必要ないのではと思ってしまいがちですが、実は予想以上にデリケートでこまめなケアが必要です
赤ちゃんの肌は想像以上にデリケート
生まれたばかりの赤ちゃんのお肌は、大人のようにしっかりとしたバリア機能ができていません。発展途上の皮膚なのです。そのため、外部刺激を受けやすく、乾燥しやすいため、適切なスキンケアが大切です。
バリア機能の未発達
赤ちゃんのお肌の特徴を簡単に紹介すると、まずバリア機能が未発達であることが挙げられます。
皮膚は表皮(ひょうひ)・真皮(しんぴ)・皮下組織(ひかそしき)の3層から構成されています。

表皮は皮膚の最表面の層で、さらに5層にわかれています。皮脂膜の下の角質層は、角層細胞がレンガを積み上げたように重なっています。この部分が外界からの刺激や異物の侵入を防ぐバリア機能を果たしています。赤ちゃんの場合、角層細胞が小さくふぞろいでバリア機能がとても未熟です。そのため、角層細胞のすき間から異物が侵入しやすく、外部刺激を受けやすい状態にあります。このため、乾燥しやすく、アトピー性皮膚炎などの肌トラブルのリスクが高まります。
汗腺の発達が不十分
赤ちゃんの皮膚では汗腺がまだ完成していません。発達途上で、かつ大人と同じ数の汗腺があるため、同じ面積で考えると大人の6~7倍もの汗腺があり、大人の約2~3倍ほどの汗をかく大変な汗っかきと言えます。汗をかいたままにしておくと不潔な状態になりやすいので、あせもや、ひどいときは湿疹などの皮膚トラブルを引き起こすこともあります。
また、汗腺分泌機能をはじめとした体温調節機能も発達途上にあるので、汗をかいて体温を下げることが上手にできません。
皮脂の分泌が少ない
赤ちゃんの皮膚の厚さは大人の半分ほどの厚さしかありません(16歳頃までに成人と同様になります)。生後4カ月頃までは、胎盤を介するお母さんからのホルモンの働きで多く分泌されていた皮脂量も、4カ月を過ぎると急に少なくなって、大人の約1/3になります。皮脂の分泌が少ないため、乾燥しやすく、肌のバリア機能が十分に働かないので、外からの刺激などを受けやすい状態になってしまいます。
皮膚トラブルを起こしやすい
「お肌は弱酸性」という言葉はよく知られていますが、健康な肌の表面は、pH4.5~6.0の弱酸性です。pHとは、酸とアルカリの度合いを表す数値で、ピーエイチやペーハーと呼ばれます。赤ちゃんの皮膚は中性に近い状態で、酸性から中性に近づくにつれて、細菌が増えやすくなるので、皮膚トラブルが起こりやすい状態だといえます。
スキンケアの基本は保湿とバリア機能の保護
こうした未熟さと弱さを持つ赤ちゃんのスキンケアで最も大切な基本が保湿とバリア機能の保護です。この二つの基本をしっかりと意識しながらそれぞれのシチュエーションや季節、トラブルなどに対処していくことになります。
まず保湿についてですが、乾燥は皮膚トラブルを引き起こす一番大きな要因です。保湿とは水分を肌に補給し、その水分が蒸発しないように保つことが目的ですから、よく使われるのが保湿剤です。水分を皮膚に閉じ込めることで、肌を柔らかくし、刺激から守ります。特にお風呂上がりのように肌が湿っている時に保湿剤を塗ることが効果的です。
保湿剤は、セラミドなど肌のバリア機能を支える成分が含まれているものを選ぶと良いでしょう。
次にバリア機能の保護をどう考えるかですが、赤ちゃんの肌のバリア機能は未熟であり、外部からの刺激やアレルゲンに対する抵抗力があまりありません。赤ちゃんのお肌にとってどんなことが刺激になって、バリア機能にとって脅威になるかをよく理解することが必要です。スキンケアの製品では、肌に優しい成分で作られた製品を選び、刺激の強い成分の入った染料や加工物が少ないものを使用することが推奨されます。
赤ちゃんのスキンケアにはどんなメリットがあるの?
赤ちゃんのスキンケアは、その繊細で敏感な肌を保護し、健康を維持するために非常に重要です。最後に赤ちゃんのスキンケアの主なメリットをまとめてみました。
皮膚の健康の維持
適切なスキンケアによって、赤ちゃんの皮膚は適切な水分と油分を保ち、乾燥や皮膚炎などの皮膚問題を防ぐことができます。保湿は特に重要で、肌の柔らかさと健康を保つための基本です。
刺激からの保護
赤ちゃんの肌はバリア機能が未発達であり、外部からの刺激に対して非常に敏感です。スキンケアを行うことで、刺激物質や汚れが肌に直接触れるのを防ぎ、肌トラブルを予防します。
快適性の向上
適切な保湿とスキンケアをしていれば、赤ちゃんの肌はなめらかで快適な状態を保つことができます。これは、肌が乾燥してかゆみや不快感を感じるのを防ぎます。少しの不快感でも泣き出す赤ちゃんが、少しでも快適に過ごすためにスキンケアはとても大切です。
アレルギー反応のリスク減少
清潔で保湿された肌は、アレルゲンや刺激物質に対するバリアとして機能します。これにより、アレルギー反応や皮膚の感染のリスクを減少させることができます。
情緒的な絆の形成
スキンケアの時間は、親と赤ちゃんとの間の愛情深いスキンシップとしても機能します。このような触れ合いは、赤ちゃんの心理的な安心感を高め、親子の絆を深めるのに役立ちます。
以上のメリットを意識しながら赤ちゃんのスキンケアをしてあげると、赤ちゃんの健康と快適な育成環境が保たれ、発育にも良い影響を与えることが期待できます。これらのケアを行う際には、赤ちゃんの肌の状態を常に観察し、異常が見られる場合は早めに医師の診断を受けることが大切です。
これを知れば赤ちゃんの爪切りに自信がつくはず!
赤ちゃんの爪はあっという間に伸びてしまいます。そのうえ薄くて鋭利なので自分の顔を傷つけてしまうこともしばしば。低月齢の赤ちゃんは、しきりに手足をバタバタ動かすことがあり、うっかり自分で自分の目や顔などをひっかいたり、爪が衣類に引っかかり、はがれてしまうことがあります。また、授乳のときにママの肌をひっかいて傷つけてしまうこともあります。こうしたリスクを回避するためにも、赤ちゃんの爪が伸びていたら、早めに切ってあげましょう。
赤ちゃんの爪切りはいつごろから始めるの?
赤ちゃんの爪は、生後間もなくから切り始めてOKです。一般的には生後1カ月頃から始める場合が多いようですが、実は生まれてすぐの赤ちゃんでも、爪が伸びていることがあります。指の腹側から指先を見て爪が出ていたら、切ってあげましょう。
赤ちゃんの爪切りの頻度とタイミングは?
赤ちゃんの爪は非常に早く伸びるので、赤ちゃんの爪の状態をチェックして、伸びていたらその都度切ってあげてください。爪が伸びるスピードには個人差がありますが、爪切りの頻度は、3〜4日に1回程度を目安にするとよいでしょう。
赤ちゃんの爪切りに最も適しているタイミングは、お昼寝中や授乳中です。お昼寝中は明るいので作業がしやすく、暴れる心配が少ないためです。また、授乳中は大人2人体制にして、授乳する人と爪を切る人とで役割分担するのが安心です。もし、あまりにも暴れて嫌がってしまうようであれば、無理にその日に切らず、また翌日以降にお手入れしてあげるなど、赤ちゃんの様子を見ながら行うことが大切です。
赤ちゃんの爪切りにはどんな種類があるの?
赤ちゃんの爪切りを選ぶ際には、特に安全性と使いやすさを重視する必要があります。大人用の爪切りは使わずに、ベビー用の爪切りを使います。爪切りの種類は大きく分けて3種類。
はさみタイプ、てこタイプ、爪やすりタイプがあります。それぞれの商品の選び方のポイントとおすすめの商品を見ていきましょう。
新生児の薄い爪には「はさみタイプ」
はさみタイプは、生まれた直後から生後9カ月ごろの赤ちゃんにおすすめの爪切りです。刃が開きすぎないようになっていることで、一気に切ってしまうリスクが少なく、爪の状態を確認しつつ少しずつ切ることが可能です。3本の指で支えるタイプのハンドルは指になじみ、安定して使えます。また、刃の先端が丸くなっていて、肌を傷つけないような作りになっているため、安全に使用できます。キャップ付きのものが多く、衛生的に保管できるのも利点です。
大人用と同じ構造の「てこタイプ」
赤ちゃん用のてこタイプ爪切りは、大人用爪切りが、小型化した形状です。大人が使い慣れているタイプなので扱いやすく、爪が飛び散らないので場所を選びません。
中には、指をのせるサポーターや拡大鏡、やすりが付いている多機能タイプもあります。赤ちゃんの間はもちろん、少し成長してからも使えるのがうれしいポイントです。ただし、パチッと切るときの衝撃があるため、ある程度爪がしっかりしてくる生後半年~1歳以降くらいからの使用がおすすめです。
爪への負担が少ない「爪やすりタイプ」
爪やすりタイプは、赤ちゃんの爪への負担が少なく、皮膚を傷つけてしまう危険性が少ないのが特徴です。やすりで少しずつ削っていくタイプなので、刃の付いた爪切りを赤ちゃんに使うのは怖いという人にもおすすめです。
削られている間じっとしているのが苦手な赤ちゃんの場合には、短い時間でケアできる電動タイプを使うのもよいでしょう。電動タイプははさみタイプで爪切りしたあとの仕上げに使っても便利です。
赤ちゃんの爪切りの手順と切り方のポイント
赤ちゃんの爪切りを行う際には、まず赤ちゃんを安定した場所に寝かせ、手や足を優しく持ちます。 爪切りは特に赤ちゃんがリラックスしている時や眠っているときに行うとスムーズです。爪の白い部分のみを少しずつ切り、爪の根元や皮膚には刃が触れないように注意してください。 切りすぎて深爪になってしまうと、痛いだけでなく、切りすぎた部分から雑菌が入って化膿してしまう場合があります。爪の白い部分が1mmほど残るくらいの長さにカットしましょう。
赤ちゃんの爪切りでは手の爪と足の爪では少し切り方を工夫したほうが良いのでそれぞれの切り方を見ていきましょう。
赤ちゃんの手の爪の切り方
赤ちゃんの手の爪を切るときは赤ちゃんの頭の側に座り、指1本を4~5回に分けて爪の端から切っていきます。
まだ首がすわってない新生児の場合、赤ちゃんがあお向けで眠っているときが切りやすいですが、首がすわって自分で座れるようになったら、赤ちゃんの背後にまわって後ろから抱きかかえるような姿勢で切るようにするのがおすすめです。
赤ちゃんの手の爪を切る順番は、切るひとの利き手側にある指から。右利きの方は赤ちゃんの右手小指から左手小指に向けて順番に切り進めてみてください。
手の爪は切り立ての鋭利な爪で顔を傷つけることがないよう丸い形になるように意識して切りましょう。爪の端から数回に分けて少しずつ切り、最後に中心部を切ると、丸くカットできます。仕上げに電動爪やすりをかけておくと爪の断面がよりをなめらかに整います。
赤ちゃんの足の爪の切り方
足の爪を切るときは赤ちゃんの足の裏の前に座ると切りやすい場合が多いですが、あまりこだわらず、切りやすいほうから切りましょう。
足の指は手より隙間が少なく切りにくいので、指で赤ちゃんの足の指を少し浮かせるようにすると失敗がありません。切る順番は手の爪と同じように、利き手側から順番に切り進めていきましょう。
足の爪は角を丸く切ると、伸びた爪が皮膚に食い込み、巻き爪になることもあります。このため、角が残るよう、四角い形に切りそろえていきましょう。
赤ちゃんの爪切りが上手にできるコツは?
赤ちゃんがリラックスできる環境
赤ちゃんの爪切りを上手に行うコツとしては、まず、赤ちゃんが最もリラックスしているタイミングを見計らい、静かで落ち着いた環境を選びます。また、赤ちゃんが爪切りに興味を持つまで、何度かトライしてみて慣れてもらうことも必要です。
ママパパも緊張せずにリラックス
赤ちゃんの小さな爪を切るのは緊張しますが、切る方が怖がっていると、不安な気持ちが赤ちゃんに伝わってしまい、ぐずりだすことがあります。動くと危ないからと神経質になり、力が入りすぎてしまうのもNGです。深呼吸し、切る方もリラックスして爪切りしましょう。
無理をせず何回かに分けて切る
赤ちゃんは長い間じっとしているのは苦手です。赤ちゃんが動いたりぐずったりした場合は、一度にすべての爪を切ろうとせず、数回に分けて切りましょう。左手だけを切る、今日は足だけを切るなどと爪切りのタイミングを分けるのもおすすめです。
2人以上で協力して切る
ひとりで切るのが難しい場合は、無理をしないで周りの人と協力して切るのもいいでしょう。授乳中に家族に切ってもらったり、赤ちゃんを抱っこして手足を押さえてもらっている間に切ったりすると赤ちゃんも安心しますし、ママも落ち着いて切ることができます。
明るい場所で切る
赤ちゃんの爪切りはとても細かい作業です。うっかりミスが起きないように細かな部分もよく見える明るいところで安全に行いましょう。昼間に明るいところできるのが一番ですが、夜間であれば室内の照明がしっかりあるところできりましょう。
お風呂上がりは避ける
お風呂上がりは爪が柔らかいので爪切りのタイミングと思いがちですが、思ったよりも切れやすい状態で、深爪しやすいので避けてください。
嫌がる赤ちゃんはどうしたらいい?
無理に爪を切ろうとせず、いったん中断しましょう。お気に入りのおもちゃで気をそらせたり、ベランダに出てリフレッシュしたりするのもおすすめです。何をしても爪切りを嫌がる赤ちゃんには、安全・簡単に爪を整えられる電動爪やすりを使うのもよいでしょう。
赤ちゃんの爪切り中に間違って指を切ってしまったら?
赤ちゃんの爪切り中に間違って指を切ったら、まずは落ち着いて応急処置を行います。 出血がある場合は、清潔なガーゼで優しく圧迫して出血を止め、必要に応じて抗菌クリームを使用します。ガーゼや絆創膏で指を覆ってしまうと誤飲の危険性があるので、使用は控えてください。
切り傷が深い場合や出血が止まらない場合は、医師の診察を受けることをお勧めします。また、赤ちゃんが痛みを感じているような場合は、その後数日間は特に注意して爪を触るようにして爪切りに対する不快感を残さないようにしましょう。
最後に
赤ちゃんの爪切りは、お母さんにとって少し神経を使う作業かもしれません。赤ちゃんの爪は大人に比べてとても柔らかく、小さいため、切り過ぎてしまうと赤ちゃんを傷つけてしまうリスクがあります。しかし、適切な方法と注意点を知っていれば、安全に爪を切ることができます。
50年間で1億500万人の命を救っている予防接種
予防接種のことを世界規模で考えてみます。実は、2024年は世界保健機関(WHO)と国連児童基金(UNICEF)の共同による「予防接種拡大計画」(EPI: Expanded Programme on Immunization)が始まってから50周年となります。
「予防接種拡大計画」(以下、EPI)とは、予防可能な感染症から世界中の子どもを守るためにワクチン接種を推進するプロジェクトで、1974年のEPI設立以来、ワクチン接種は1億5,400万人の死亡を防いでおり、そのうち1億4,600万人は5歳未満の乳児で、そのうち1億100万人は1歳未満の乳児であるとされています。
「ワクチン接種による生存率と健康の改善への貢献:予防接種拡大プログラムの50年をモデル化」 . The Lancet . 403 (10441): 2307–2316.
「Contribution of vaccination to improved survival and health: modelling 50 years of the Expanded Programme on Immunization」
EPI は発足当初、結核、ジフテリア、破傷風、百日咳、ポリオ、麻疹の 6 つの小児疾患からすべての子供を守ることに重点を置いていました。現在、この数は生涯にわたって推奨されるワクチンが 13 種類に増え、状況に応じて推奨されるワクチンがさらに 17 種類あります。
日本では、終戦直後の感染症まん延や死亡率上昇に伴い1948年に予防接種法が制定され、これにより特定の疾病を対象に公費負担で予防接種を受けることができるようになりました。
►予防接種の種類(厚生労働省)
予防接種・ワクチン情報
そもそも予防接種って何?どうして必要?
こんなにたくさんの予防接種がありますが、そもそも予防接種って何でしょう。
予防接種とは「病気に対する免疫をつけたり、免疫を強くするために、ワクチンを接種すること」をいいます。
ワクチンとは、予防接種の際に用いる投与物(薬剤)のことです。病原体(ウイルスや細菌)の病原性を弱めたりなくしたりしたものです。「ワクチン接種」という言葉が用いられることもありますが、「予防接種」と同じ意味で使われます。
では、こうした予防接種はなぜ必要なのでしょうか。
予防接種は、赤ちゃんが将来かかる可能性のある感染症から身を守るための最も効果的な方法の一つです。ワクチンによって、病気の重症化や死亡を防ぎ、集団免疫(ある感染症に対する社会全体の抵抗力)の形成にも貢献します。
予防接種を何時から始めるべきでしょう?
多くのワクチンは、生後2カ月から接種を開始できます。これは、お母さんからもらった免疫が弱まり始める時期であり、赤ちゃんが様々な感染症にかかりやすくなるからです。
予防接種のスケジュールは、生後2ヶ月から5種混合ワクチン、B型肝炎ワクチン、ロタワクチン、肺炎球菌ワクチンなど、以降定期的に追加接種を行いますが、ワクチンによって異なりますので、具体的なスケジュールは、お住まいの地域の予防接種スケジュールや、かかりつけの小児科医にご確認ください。また、以下のサイトからも予防接種の情報が得られます。
►厚生労働省
予防接種・ワクチン情報
►国立感染症研究所
予防接種情報
予防接種のメリットとデメリットは?
ここで予防接種に関するメリットとデメリットをまとめておきます。参考にしてください。
予防接種のメリット
・感染症の予防: 重い病気にかかるリスクを大幅に下げることができます。
・集団免疫の形成: 多くの人が予防接種を受けることで、社会として感染症の流行を防ぐことができます。
・医療費の削減: 感染症にかかって治療を受ける費用よりも、予防接種の費用の方が費用対効果が高い傾向があります。
予防接種のデメリット
・副反応: 発熱や接種部位の痛みなど、軽い副反応が出る場合があります。
・アレルギー: ワクチンの成分に対してアレルギー反応が出る可能性があります。
・効果の持続期間: ワクチンの効果は永久ではありません。定期的な追加接種が必要な場合があります。
※副反応については予防接種健康被害救済制度があります。
► 予防接種健康被害救済制度について
予防接種を受ける際の注意点
・かかりつけの小児科医に相談: ワクチンの種類やスケジュール、副反応など、気になることがあれば、かかりつけの小児科医に相談しましょう。
・予防接種の記録: 予防接種の記録は母子健康手帳や記録アプリなどを使って、正確に大切に保管しておきましょう。
・熱がある場合: 熱がある場合は、予防接種を延期することがあります。
・アレルギーのある場合: ワクチンの成分に対してアレルギーのある場合は、事前に医師に伝えてください。
予防接種法改正の最新の変更点(2024年10月現在)
2024年年4月1日付で予防接種法が改正され、乳幼児の定期予防接種スケジュールなどに変更が行われました。以下が主な変更点です。
①これまでの「4種混合ワクチン(ジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオ)」と「ヒブワクチン」が一つになった「5種混合ワクチン」になり、これら5つの疾患に対する接種スケジュールが簡素化され、1回の接種で可能となり、接種回数の削減と接種に対するストレス軽減につながると期待されます。
②2024年4月より15価の「小児用肺炎球菌ワクチン」接種を実施していますが、10月1日に予防接種法が改正され、20価ワクチンが定期接種に追加されました。10月以降に小児用肺炎球菌ワクチン接種を開始する場合、20価ワクチンでの接種となります。20価ワクチンは、計20種類の肺炎球菌に対して予防効果を有しています。
※「価」は、ワクチンが対応する病原体の種類を表す
③定期接種実施要領の改正に伴い、異なるワクチン間の接種間隔の制限が一部緩和されました。ワクチンには「注射生ワクチン」「経口生ワクチン」「不活化ワクチン」などがありますが、今後は注射の生ワクチン間のみ、接種してから27日以上あけることになりました。その他のワクチンについては制限がなくなりました。ただし、あくまでも異なるワクチン間の接種間隔についてですので、同一ワクチンを複数回接種する際の接種間隔の制限は従来どおりとなりますのでご注意ください。
また、2024年4月、10月の法改正では特に明記されてはいませんが、新型コロナワクチンに関しては接種をどうすればいいのかが気になるところ。
新型コロナワクチンの接種は、臨時接種(公費)での接種が2024年3月末で終了し、4月以降は任意接種となっています。日本小児科学会では、「生後6カ月~17歳のすべての小児への新型コロナワクチン接種(初回シリーズおよび適切な時期の追加接種)を引き続き推奨します」としています。
※参考サイト
►厚生労働省
予防接種・ワクチン情報
►国立感染症研究所
予防接種情報
►日本小児科学会<
生後6か月以上5歳未満の小児への新型コロナワクチン接種に対する考え方
「自家中毒」という言葉を知っていますか?
正式には、周期性嘔吐もしくは、ケトン血清嘔吐と言います。
症状
何度も嘔吐頭痛ぐったりあくびりんごの腐った口臭顔色が悪くて手足が冷たい
原因
風邪などで体が疲れている時や、過度の緊張などで、ブドウ糖がエネルギーとして使われるはずがうまく使われずに、脂肪をエネルギーとして使われる時に、血中ケトン体が増えます。
よくあるのが、遠足の緊張、胃腸炎になったあと、遊び過ぎの疲れ、親に怒られる、夕食を食べずに寝てしまった時。
かかりやすいのは?
2〜10歳 男の子に多い
痩せ課題に多いまだ脳や、自律神経系が未熟であるため。
ホームケア
もちろん、医師の診察を受けて診断をしっかりしてもらいましょう尿検査をするとすぐに分かることが多いです。
その上で、何度もなってしまう方は、もしかしたらこれかも?と思う時はこちらのホームケアをしてみてください。
① 糖分の入ったモノを少しずつ取ること
飴や糖分の高い水分を少しずつとること。体は飢餓状態にあるため、子供は一気に飲みたがりゴクゴク飲みますが、そうするとまた嘔吐をし悪化します。そのため、水分の場合には、この少しがポイントです!吐かせないように飲ませるのがコツ!氷砂糖や飴を舐めさせられる年齢であれば、舐めさせる方がゴクゴク飲むことを抑えられます。
② 吐き気止めを使用する
吐き気止めを病院でもらっている場合には、まずは吐き気止めを使用しましょう。
口から取れない場合には、坐薬をもらっておくのも良いでしょう。
③ 病院へ
①②共に難しい場合には、病院に行きましょう。脱水が進むほど家でコントロールするのが難しく、病院で点滴が必要になるのことがあります。だいたいのお子さんが、点滴をした後、すぐに元気になり、今までのは何だったのか?となることが多いのが特徴です。本当の胃腸炎での嘔吐ではここまで劇的に良くなることはありません。胃腸炎かと思って点滴したり良くなったという方は意外にもこの症状の場合が多いのです。
赤ちゃんは、小児や大人と同じく細菌感染症にかかります。ただし、生まれてしばらくは胎盤を通じて受け取った抗体により、感染症にかかりにくい状態です。しかし、しばらくすると抗体が減少し、感染症にかかりやすくなります。赤ちゃんと細菌感染をテーマに、知っておくべきリスクや予防策、対処法について詳しく紹介します。
本記事では、生理食塩水がおすすめな理由や、赤ちゃんへの使い方を解説します。
細菌感染の基本
細菌はウイルスやカビなどと同様に顕微鏡を使わなければみえないような小さな生物です。自然界にいるほとんどすべての細菌はヒトに病気をおこしません。
たとえば身近にある納豆は納豆菌の助けを得てねばねばした物質を作らせています。納豆には生きた金が無数に含まれていますね。また、ヨーグルトも乳酸桿菌(ラクトバチラスなど)を牛乳に混ぜ、発酵させることでできます。またヒトの体は口から肛門まで1本の管でつながっています。その中には様々な菌が一緒に暮らしています(共生)。ただし、腸管の中は善玉菌と呼ばれる有益なものと悪玉菌と呼ばれる病気を引き起こすものがいます。
すべての細菌が人に対して有害なわけではなく、腸内で働く乳酸菌のように適量であれば良い影響を与える細菌も存在します。
有害な細菌に感染すると、人の体内の栄養源によって増殖し、感染したところに痛みや腫れ、熱などを引き起こします。このように、細菌感染によって何らかの症状が現れている状態が感染症です。一方、症状が現れないものを「不顕性感染(ふけんせいかんせん)」といいます。
感染した人の唾液や嘔吐物、血液、体液などが口や鼻から体内に入ることで感染します。
赤ちゃんが感染しやすい主な細菌感染症
赤ちゃんが感染しやすい主な細菌感染症としては、百日咳、細菌性肺炎などがあります。
溶連菌感染症は、A群β溶血性連鎖球菌による感染症で、感染者の飛沫を吸い込むことによって感染します。症状は、発熱や咽頭痛、頭痛、イチゴ舌、倦怠感、赤い発疹などです。
百日咳は百日咳菌によって引き起こされる感染症で、飛沫感染や接触感染します。激しい咳き込みや呼吸がしづらくなるなどの症状が現れ、多くは発熱しません。生後2ヶ月以上で定期接種を開始する四種混合ワクチンによって予防できます。しかし、ワクチン接種後も百日咳菌に感染した際には気管支炎が現れることがあります。
細菌性肺炎は、肺炎球菌や、インフルエンザ菌などによって引き起こされる肺炎です。咳や鼻水といった風邪症状から始まり、発熱が長期にわたり持続します。次第に咳が激しくなるほか食欲や元気がなくなります。
各年代と原因となる主な細菌の比較
年齢 |
髄膜炎を起こす主な細菌 |
肺炎を起こす主な細菌 |
1か月未満 |
B群溶連菌・大腸菌・リステリア |
B群溶連菌・大腸菌・リステリア |
1か月〜3か月 |
B群溶連菌 |
B群溶連菌 |
3か月〜3歳ごろ |
肺炎球菌 |
肺炎球菌・インフルエンザ菌 |
赤ちゃんの免疫システムの特性
赤ちゃんは胎盤を通じて抗体を受け取った状態で生まれてくるため、生後6ヶ月頃までは感染症にかかりにくい特性があります。ただし、細菌感染に対しては弱いといわれているため、油断はできません。また、生後6ヶ月頃から抗体が減少し始め、次第に感染症にかかりやすくなります。さらに、赤ちゃんの免疫機能が発達し始めるのは1歳頃からのため、抗体の減少が始まる生後6ヶ月頃から1歳6ヶ月頃までは免疫機能が低く、感染症が重症化しやすいことに注意が必要です。
予防策
赤ちゃんの細菌感染を予防するためには、感染症にかかっている人と距離を取るだけではなく、手洗いや身の回りのものを清潔にするなどの対策が必要です。赤ちゃんのお世話をする人が食事の前やトイレの後、おむつの交換後などに石けんと流水でしっかりと手を洗いましょう。
赤ちゃんが触れるテーブルは清潔なふきんで水拭きしたり、食べこぼしを取り除いたりします。口に入れるおしゃぶりや歯がため、哺乳瓶の乳首などは、80℃以上のお湯に10分以上浸けて消毒しましょう。熱湯を使えないものは0.01%の次亜塩素酸ナトリウム液に1時間浸け、自然乾燥させます。
対処法
赤ちゃんが発熱した場合は、咳や鼻水、発疹などの有無や機嫌、食欲、おしっこの量などを観察し適切な水分を与えて症状の経過をみていきましょう。もし、何か変!、ぱっと見た印象が悪ければすぐに医療機関にいきましょう。
発熱はからだの免疫反応のひとつで病原体とたたかっているためです。発熱したからといってすぐに熱を下げる必要はありません。発熱時には脱水しやすいため、こまめに水分を補給させてください。
なお、生後3ヶ月以内での発熱や意識がはっきりしない、嘔吐を繰り返す、呼吸が苦しそう、ひきつけが5分以上続いたり繰り返したりする場合は、医療機関を受診する必要があります。
今回は、赤ちゃんの細菌感染について解説しました。生後6ヶ月頃までは感染症にかかりにくいとされていますが、やはり細菌にもウイルスにも感染します。ワクチンで予防できる病気はワクチンを受けて赤ちゃんを様々な感染から守りましょう。感染対策を徹底しつつ、感染症にかかったときは適切に対処しましょう。
急性中耳炎は、耳の中の中耳という場所に炎症が起きたり膿が溜まったりする病気です。中耳は、鼓膜の奥にある骨に囲まれた空間で、耳管によって鼻の奥とつながっています。
乳幼児は急性中耳炎になりやすいとされているため、あらかじめ治療法や予防法について理解しておきましょう。
急性中耳炎の原因
急性中耳炎は、中耳に細菌やウイルスが感染することで発症します。よくあるのが風邪をひいたときに鼻から侵入したウイルスが耳管経由で中耳に侵入したり、鼻が悪くなることにより、もともと鼻にいる常在菌が増えて、細菌が中耳に侵入し中耳炎を引き起こすケースです。
また、風邪やアレルギー性鼻炎などで鼻に症状がある場合、鼻を強くかんだりすすったりしたことで、細菌やウイルスが中耳へと侵入する可能性もあります。
滲出性中耳炎との違い
滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん)は、急性中耳炎を繰り返したり、耳管の機能が悪くなることで、中耳に膿ではなく、滲出液という液体が溜まる病気です。痛みはあまりありませんが、液体が溜まることで耳が聞こえにくくなります。
中耳炎を繰り返したり、アデノイド肥大や、アレルギー性鼻炎の鼻すすりなどが原因となります。また、ダウン症候群や口唇口蓋裂がある子供も滲出性中耳炎になりやすいです。
乳幼児が急性中耳炎にかかりやすい理由
乳幼児は、急性中耳炎にかかりやすいといわれています。急性中耳炎は大人でもかかるものの乳幼児によくみられ、半数以上が小学校入学までにかかるといわれています。
乳幼児が急性中耳炎にかかりやすいのは、大人と比べて耳管が太くて短いうえに、ほぼ真っ直ぐであることで細菌やウイルスなどが耳に侵入しやすいためです。
また、大人と比べて免疫機能が十分に発達していないことや、集団保育などで頻繁に風邪を引きやすいことが要因となります。他に急性中耳炎のリスクとして、おしゃぶりや受動喫煙もあげられています。
急性中耳炎の治療
急性中耳炎の治療方針は、重症度で変わります。非常に軽い場合は、痛み止めや解熱剤などで経過観察することもありますが、中耳炎の程度が中等度~高度である場合は、抗菌薬で治療します。
急性中耳炎のきっかけとなる風邪はウイルスなのに、なぜ抗菌薬で治療するのでしょうか?確かに風邪はほとんどがウイルスです。ただし鼻にウイルスが感染した後、急性中耳炎を引き起こす場合、かなりの高頻度に鼻にいる常在菌を中耳へ連れて行くことが分かっています。ですので、ごく軽症のもの以外は、抗菌薬治療を行うことが多くなります。
強い痛みや発熱は数日で改善することが多いものの、その時点では中耳に膿が残っている状態です。完全に貯留液が無くなるには1ヶ月くらいかかることもあり、それまでは医師の指示に従って治療を続ける必要があります。
また、薬での治療では改善が見込めない場合には、鼓膜切除術を検討します。これは、中耳に溜まった膿を排出させることを目的に、鼓膜に小さな穴をあける手術です。急性中耳炎が改善すれば鼓膜にあけた穴も数日でふさがるため、日常生活に影響もありません。
急性中耳炎の予防法
急性中耳炎は、風邪やアレルギー鼻炎などをきっかけに発症することがあります。そのため、風邪やアレルギー鼻炎の予防や早期の治療が中耳炎の予防につながります。
また、鼻水をすすったり強く鼻をかんだりすることをやめさせることも大切です。鼻吸引器で吸ってあげたり、鼻の正しいかみ方を教えてあげたりしましょう。
特に、鼻吸引や鼻洗浄は、鼻の中の細菌叢(さいきんそう)を良い状態へと整えるとともに、鼻腔環境を改善する効果が期待できます。鼻水が溜まると耳管機能が低下し、結果的に中耳炎が起きやすくなるため、鼻の症状に適切に対処することがポイントです。
子供は大人と比べて急性中耳炎にかかりやすいうえに何度でも繰り返す可能性があるため、風邪やアレルギー性鼻炎になったときは保護者の方が注意深く観察し、耳を痛がるときは速やかに医師に相談しましょう。また、治療の際は処方された薬を最後まで飲みきることが大切です。
保育施設におけるSIDS(乳幼児突然死症候群)の対策
SIDSの発症は年々減少傾向にありましたが、最近の研究から保育施設での突然死が増加していることが明らかになっています。保育所の需要が増加し、低月齢の子どもが預かられる期間が長くなっている中で、安全な保育環境の確立が喫緊の課題となっています。
慣れない環境でSIDS発生のリスクが急増
保育園でのSIDS発生事例に関する研究が進むにつれ、登園開始日からの在園期間が重要であることが明らかになってきました。調査によると、SIDS発生事例の14%が登園初日に発生し、一週間以内には全体の30%が発生していることが報告されています。特に預かり開始後の1週間以内のSIDSの危険度は、1〜2ヶ月後の4倍、さらに2ヶ月以降では17倍に上昇しているという結果が得られました。
子どもは環境の変化や慣れない場所への適応が苦手です。海外の研究によれば、子どもが初めての場所で一人にされた場合、SIDSの発症率が高まることが明らかになっています。子どもにとって、生まれて初めて母親から離れるという心理的ストレスを感じており、また集団生活による感染源への接触や疲労などの身体的ストレスが重なることで、SIDSのリスクが高まると考えられます。
保育現場でもSIDSの危険因子の排除を
保育施設でのSIDS発生事例を個別に見てみると、1歳の子どもが午睡中に泣き出した際、周囲の子どもの睡眠を妨げないために、いつもと異なる部屋で1人でうつぶせ寝させられたケースがありました。その子どもは別室で寝かされた30分後に心肺停止で発見されました。この時の子どもの在園期間は明らかになっていませんが、「いつもと異なる環境」で、「一人」で、「うつ伏せ寝」さらに「うつ伏せ」で寝かされたことが、SIDS発生の誘因と考えられています。
SIDSの対策と予防
乳幼児突然死症候群(SIDS)の予防に関する一般的なガイドラインとして、乳児を仰向けで寝かせること、タバコの煙を避けること、適度な温度と柔らかすぎない寝具を使用することが推奨されています。これらの予防策は、自宅だけでなく保育所でも同様に重要です。
特にうつ伏せ寝は乳幼児の呼吸を妨げ、再呼吸(すでに吸った空気を再度吸うこと)を引き起こす可能性があります。これが乳幼児の酸素供給を阻害し、SIDSのリスクを高めると考えられています。世界的に実施されたBack to Sleepキャンペーンの成果からも、うつ伏せ寝を避けることがSIDS予防に有効であることが示されています。
また、感染症や熱性けいれんなどの他の危険因子も存在します。これらの危険因子や遺伝的要因が重なると、SIDSの発症リスクが高まる可能性があります。保育現場でも家庭同様に、これらの危険因子を排除し、対策を講じることが求められます。
最後に
保育施設を利用する保護者は、保育者と緊密な連携をとり、子どもの体調や様子を細かく伝えるよう心がけましょう。また、新たに保育所に入る際には、親が付き添った慣らし保育などを丁寧に行い、子どものストレスをできるだけ軽減することも重要です。
乳幼児突然死症候群(SIDS)は乳幼児の生命を脅かす深刻な問題であり、その対策は喫緊の課題となっています。社会全体で意識を高め、適切な対策を講じることで、すべての乳幼児が安心して成長できる環境を作り上げましょう。
<保育施設でのSIDS対策>
乳幼児を仰向けで寝かせる
乳幼児は仰向けの寝姿勢が最も安全です。保育者は乳幼児が仰向けで寝ていることを確認し、適切な寝姿勢を維持するよう配慮しましょう。
タバコの煙を避ける
タバコの煙はSIDSのリスクを増加させます。保育施設内では絶対的に禁煙とし、子どもたちを煙のない環境で育てるよう心がけましょう。
適切な温度と寝具
保育施設内の温度管理は重要です。過度な暖房や暑い環境はSIDSのリスクを高める可能性があります。また、柔らかすぎない寝具を使用し、乳幼児の窒息や過熱を防ぐようにしましょう。
ストレス軽減と安心感の提供
保育現場では子どもたちのストレスを軽減し、安心感を提供することが重要です。保護者との密な連携や慣らし保育の実施など、子どもが安心して保育環境に適応できるようなサポートを行いましょう。
赤ちゃんは鼻詰まりを起こしやすいため、家庭での鼻水ケアが欠かせません。家庭での赤ちゃんの鼻水ケアには、生理食塩水が効果的です。
ドラッグストアで手軽に購入できて、粘度のある鼻水をほぐして鼻詰まりを緩和させたり、鼻水吸引をスムーズにしたりします。
本記事では、生理食塩水がおすすめな理由や、赤ちゃんへの使い方を解説します。
生理食塩水とは
生理食塩水とは、0.9%の濃度の食塩(塩化ナトリウム)を溶かした水のことです。ヒトの体液と浸透圧が等しく、傷口や粘膜の洗浄、麻酔薬や注射液の希釈など医療で広く用いられています。
一般的な水よりも体液と近い液体なため、鼻に入れても痛みを感じにくく、赤ちゃんにも使用が可能です。鼻うがい用の洗浄液や、赤ちゃん向けの鼻水スプレーに使用されています。
生理食塩水が鼻水吸引前に効果的な理由
赤ちゃんは鼻の穴が狭いため、鼻が詰まりやすいです。赤ちゃんは鼻呼吸しかできないので、鼻が詰まると呼吸がしづらくなり、ミルクや母乳が上手く飲めなくなったり、寝つきや機嫌が悪くなったりすることもあります。
赤ちゃんは鼻をかむことができないので、お母さんがこまめに鼻水吸引器などを使って鼻水ケアしてあげることが重要です。鼻水吸引の前に生理食塩水を使うとより効果的である理由を解説します。
鼻水を柔らかくする
生理食塩水の鼻水スプレーを赤ちゃんの鼻に噴射すると、粘っこくなった鼻水が柔らかくなります。鼻水が柔らかくなることで鼻詰まりが緩和したり、鼻水吸引がスムーズになったりする効果が期待できます。
大人も生理食塩水で鼻うがいをすると鼻水が出やすくなるので、口呼吸や鼻すすりの癖がある方にはおすすめですよ。
ツンとしない水道水が鼻に水が入ると、ツンとした痛みを感じますよね。生理食塩水は塩を混ぜることによって体液に近い液体になっているため、鼻の粘膜に触れてもしみにくいので、赤ちゃんから使用できます。
また鼻に水道水を使用すると、潜んでいる菌が鼻の中で繁殖したり、鼻の粘膜が傷付いたりする可能性があります。鼻洗浄液として販売されている生理食塩水は抗菌処理されているので、細菌の繁殖リスクがありません。
1日に何度も使用できる
生理食塩水は薬ではないので、副作用を気にする必要がありません。添加物を含んでいないため、鼻の状態が悪いときは1日に何度も使用できます。
生理食塩水の鼻水スプレーなら噴射するだけで鼻水をほぐすことができるので、使い方も簡単です。
生理食塩水の正しい使用方法
小さいお子様は鼻うがいが難しいので、鼻が詰まっているときは市販の鼻水スプレーを使用しましょう。薬局で売っている鼻水スプレーは抗菌処理されているため、自宅で作るよりもおすすめです。
使い方は、鼻水吸引する前に鼻水スプレーのノズルの先端を、赤ちゃんの鼻の中に入れてスプレーします。(垂れた液体はティッシュで拭き取ります)スプレーが鼻に行き渡ったら、鼻水吸引器で吸引を行いましょう。生理食塩水によって鼻水がほぐれているので、鼻水吸引がスムーズに行えます。