50年間で1億500万人の命を救っている予防接種
予防接種のことを世界規模で考えてみます。実は、2024年は世界保健機関(WHO)と国連児童基金(UNICEF)の共同による「予防接種拡大計画」(EPI: Expanded Programme on Immunization)が始まってから50周年となります。
「予防接種拡大計画」(以下、EPI)とは、予防可能な感染症から世界中の子どもを守るためにワクチン接種を推進するプロジェクトで、1974年のEPI設立以来、ワクチン接種は1億5,400万人の死亡を防いでおり、そのうち1億4,600万人は5歳未満の乳児で、そのうち1億100万人は1歳未満の乳児であるとされています。
「ワクチン接種による生存率と健康の改善への貢献:予防接種拡大プログラムの50年をモデル化」 . The Lancet . 403 (10441): 2307–2316.
「Contribution of vaccination to improved survival and health: modelling 50 years of the Expanded Programme on Immunization」
EPI は発足当初、結核、ジフテリア、破傷風、百日咳、ポリオ、麻疹の 6 つの小児疾患からすべての子供を守ることに重点を置いていました。現在、この数は生涯にわたって推奨されるワクチンが 13 種類に増え、状況に応じて推奨されるワクチンがさらに 17 種類あります。
日本では、終戦直後の感染症まん延や死亡率上昇に伴い1948年に予防接種法が制定され、これにより特定の疾病を対象に公費負担で予防接種を受けることができるようになりました。
►予防接種の種類(厚生労働省)
予防接種・ワクチン情報
そもそも予防接種って何?どうして必要?
こんなにたくさんの予防接種がありますが、そもそも予防接種って何でしょう。
予防接種とは「病気に対する免疫をつけたり、免疫を強くするために、ワクチンを接種すること」をいいます。
ワクチンとは、予防接種の際に用いる投与物(薬剤)のことです。病原体(ウイルスや細菌)の病原性を弱めたりなくしたりしたものです。「ワクチン接種」という言葉が用いられることもありますが、「予防接種」と同じ意味で使われます。
では、こうした予防接種はなぜ必要なのでしょうか。
予防接種は、赤ちゃんが将来かかる可能性のある感染症から身を守るための最も効果的な方法の一つです。ワクチンによって、病気の重症化や死亡を防ぎ、集団免疫(ある感染症に対する社会全体の抵抗力)の形成にも貢献します。
予防接種を何時から始めるべきでしょう?
多くのワクチンは、生後2カ月から接種を開始できます。これは、お母さんからもらった免疫が弱まり始める時期であり、赤ちゃんが様々な感染症にかかりやすくなるからです。
予防接種のスケジュールは、生後2ヶ月から5種混合ワクチン、B型肝炎ワクチン、ロタワクチン、肺炎球菌ワクチンなど、以降定期的に追加接種を行いますが、ワクチンによって異なりますので、具体的なスケジュールは、お住まいの地域の予防接種スケジュールや、かかりつけの小児科医にご確認ください。また、以下のサイトからも予防接種の情報が得られます。
►厚生労働省
予防接種・ワクチン情報
►国立感染症研究所
予防接種情報
予防接種のメリットとデメリットは?
ここで予防接種に関するメリットとデメリットをまとめておきます。参考にしてください。
予防接種のメリット
・感染症の予防: 重い病気にかかるリスクを大幅に下げることができます。
・集団免疫の形成: 多くの人が予防接種を受けることで、社会として感染症の流行を防ぐことができます。
・医療費の削減: 感染症にかかって治療を受ける費用よりも、予防接種の費用の方が費用対効果が高い傾向があります。
予防接種のデメリット
・副反応: 発熱や接種部位の痛みなど、軽い副反応が出る場合があります。
・アレルギー: ワクチンの成分に対してアレルギー反応が出る可能性があります。
・効果の持続期間: ワクチンの効果は永久ではありません。定期的な追加接種が必要な場合があります。
※副反応については予防接種健康被害救済制度があります。
► 予防接種健康被害救済制度について
予防接種を受ける際の注意点
・かかりつけの小児科医に相談: ワクチンの種類やスケジュール、副反応など、気になることがあれば、かかりつけの小児科医に相談しましょう。
・予防接種の記録: 予防接種の記録は母子健康手帳や記録アプリなどを使って、正確に大切に保管しておきましょう。
・熱がある場合: 熱がある場合は、予防接種を延期することがあります。
・アレルギーのある場合: ワクチンの成分に対してアレルギーのある場合は、事前に医師に伝えてください。
予防接種法改正の最新の変更点(2024年10月現在)
2024年年4月1日付で予防接種法が改正され、乳幼児の定期予防接種スケジュールなどに変更が行われました。以下が主な変更点です。
①これまでの「4種混合ワクチン(ジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオ)」と「ヒブワクチン」が一つになった「5種混合ワクチン」になり、これら5つの疾患に対する接種スケジュールが簡素化され、1回の接種で可能となり、接種回数の削減と接種に対するストレス軽減につながると期待されます。
②2024年4月より15価の「小児用肺炎球菌ワクチン」接種を実施していますが、10月1日に予防接種法が改正され、20価ワクチンが定期接種に追加されました。10月以降に小児用肺炎球菌ワクチン接種を開始する場合、20価ワクチンでの接種となります。20価ワクチンは、計20種類の肺炎球菌に対して予防効果を有しています。
※「価」は、ワクチンが対応する病原体の種類を表す
③定期接種実施要領の改正に伴い、異なるワクチン間の接種間隔の制限が一部緩和されました。ワクチンには「注射生ワクチン」「経口生ワクチン」「不活化ワクチン」などがありますが、今後は注射の生ワクチン間のみ、接種してから27日以上あけることになりました。その他のワクチンについては制限がなくなりました。ただし、あくまでも異なるワクチン間の接種間隔についてですので、同一ワクチンを複数回接種する際の接種間隔の制限は従来どおりとなりますのでご注意ください。
また、2024年4月、10月の法改正では特に明記されてはいませんが、新型コロナワクチンに関しては接種をどうすればいいのかが気になるところ。
新型コロナワクチンの接種は、臨時接種(公費)での接種が2024年3月末で終了し、4月以降は任意接種となっています。日本小児科学会では、「生後6カ月~17歳のすべての小児への新型コロナワクチン接種(初回シリーズおよび適切な時期の追加接種)を引き続き推奨します」としています。
※参考サイト
►厚生労働省
予防接種・ワクチン情報
►国立感染症研究所
予防接種情報
►日本小児科学会<
生後6か月以上5歳未満の小児への新型コロナワクチン接種に対する考え方
「自家中毒」という言葉を知っていますか?
正式には、周期性嘔吐もしくは、ケトン血清嘔吐と言います。
症状
何度も嘔吐頭痛ぐったりあくびりんごの腐った口臭顔色が悪くて手足が冷たい
原因
風邪などで体が疲れている時や、過度の緊張などで、ブドウ糖がエネルギーとして使われるはずがうまく使われずに、脂肪をエネルギーとして使われる時に、血中ケトン体が増えます。
よくあるのが、遠足の緊張、胃腸炎になったあと、遊び過ぎの疲れ、親に怒られる、夕食を食べずに寝てしまった時。
かかりやすいのは?
2〜10歳 男の子に多い
痩せ課題に多いまだ脳や、自律神経系が未熟であるため。
ホームケア
もちろん、医師の診察を受けて診断をしっかりしてもらいましょう尿検査をするとすぐに分かることが多いです。
その上で、何度もなってしまう方は、もしかしたらこれかも?と思う時はこちらのホームケアをしてみてください。
① 糖分の入ったモノを少しずつ取ること
飴や糖分の高い水分を少しずつとること。体は飢餓状態にあるため、子供は一気に飲みたがりゴクゴク飲みますが、そうするとまた嘔吐をし悪化します。そのため、水分の場合には、この少しがポイントです!吐かせないように飲ませるのがコツ!氷砂糖や飴を舐めさせられる年齢であれば、舐めさせる方がゴクゴク飲むことを抑えられます。
② 吐き気止めを使用する
吐き気止めを病院でもらっている場合には、まずは吐き気止めを使用しましょう。
口から取れない場合には、坐薬をもらっておくのも良いでしょう。
③ 病院へ
①②共に難しい場合には、病院に行きましょう。脱水が進むほど家でコントロールするのが難しく、病院で点滴が必要になるのことがあります。だいたいのお子さんが、点滴をした後、すぐに元気になり、今までのは何だったのか?となることが多いのが特徴です。本当の胃腸炎での嘔吐ではここまで劇的に良くなることはありません。胃腸炎かと思って点滴したり良くなったという方は意外にもこの症状の場合が多いのです。
赤ちゃんは、小児や大人と同じく細菌感染症にかかります。ただし、生まれてしばらくは胎盤を通じて受け取った抗体により、感染症にかかりにくい状態です。しかし、しばらくすると抗体が減少し、感染症にかかりやすくなります。赤ちゃんと細菌感染をテーマに、知っておくべきリスクや予防策、対処法について詳しく紹介します。
本記事では、生理食塩水がおすすめな理由や、赤ちゃんへの使い方を解説します。
細菌感染の基本
細菌はウイルスやカビなどと同様に顕微鏡を使わなければみえないような小さな生物です。自然界にいるほとんどすべての細菌はヒトに病気をおこしません。
たとえば身近にある納豆は納豆菌の助けを得てねばねばした物質を作らせています。納豆には生きた金が無数に含まれていますね。また、ヨーグルトも乳酸桿菌(ラクトバチラスなど)を牛乳に混ぜ、発酵させることでできます。またヒトの体は口から肛門まで1本の管でつながっています。その中には様々な菌が一緒に暮らしています(共生)。ただし、腸管の中は善玉菌と呼ばれる有益なものと悪玉菌と呼ばれる病気を引き起こすものがいます。
すべての細菌が人に対して有害なわけではなく、腸内で働く乳酸菌のように適量であれば良い影響を与える細菌も存在します。
有害な細菌に感染すると、人の体内の栄養源によって増殖し、感染したところに痛みや腫れ、熱などを引き起こします。このように、細菌感染によって何らかの症状が現れている状態が感染症です。一方、症状が現れないものを「不顕性感染(ふけんせいかんせん)」といいます。
感染した人の唾液や嘔吐物、血液、体液などが口や鼻から体内に入ることで感染します。
赤ちゃんが感染しやすい主な細菌感染症
赤ちゃんが感染しやすい主な細菌感染症としては、百日咳、細菌性肺炎などがあります。
溶連菌感染症は、A群β溶血性連鎖球菌による感染症で、感染者の飛沫を吸い込むことによって感染します。症状は、発熱や咽頭痛、頭痛、イチゴ舌、倦怠感、赤い発疹などです。
百日咳は百日咳菌によって引き起こされる感染症で、飛沫感染や接触感染します。激しい咳き込みや呼吸がしづらくなるなどの症状が現れ、多くは発熱しません。生後2ヶ月以上で定期接種を開始する四種混合ワクチンによって予防できます。しかし、ワクチン接種後も百日咳菌に感染した際には気管支炎が現れることがあります。
細菌性肺炎は、肺炎球菌や、インフルエンザ菌などによって引き起こされる肺炎です。咳や鼻水といった風邪症状から始まり、発熱が長期にわたり持続します。次第に咳が激しくなるほか食欲や元気がなくなります。
各年代と原因となる主な細菌の比較
年齢 |
髄膜炎を起こす主な細菌 |
肺炎を起こす主な細菌 |
1か月未満 |
B群溶連菌・大腸菌・リステリア |
B群溶連菌・大腸菌・リステリア |
1か月〜3か月 |
B群溶連菌 |
B群溶連菌 |
3か月〜3歳ごろ |
肺炎球菌 |
肺炎球菌・インフルエンザ菌 |
赤ちゃんの免疫システムの特性
赤ちゃんは胎盤を通じて抗体を受け取った状態で生まれてくるため、生後6ヶ月頃までは感染症にかかりにくい特性があります。ただし、細菌感染に対しては弱いといわれているため、油断はできません。また、生後6ヶ月頃から抗体が減少し始め、次第に感染症にかかりやすくなります。さらに、赤ちゃんの免疫機能が発達し始めるのは1歳頃からのため、抗体の減少が始まる生後6ヶ月頃から1歳6ヶ月頃までは免疫機能が低く、感染症が重症化しやすいことに注意が必要です。
予防策
赤ちゃんの細菌感染を予防するためには、感染症にかかっている人と距離を取るだけではなく、手洗いや身の回りのものを清潔にするなどの対策が必要です。赤ちゃんのお世話をする人が食事の前やトイレの後、おむつの交換後などに石けんと流水でしっかりと手を洗いましょう。
赤ちゃんが触れるテーブルは清潔なふきんで水拭きしたり、食べこぼしを取り除いたりします。口に入れるおしゃぶりや歯がため、哺乳瓶の乳首などは、80℃以上のお湯に10分以上浸けて消毒しましょう。熱湯を使えないものは0.01%の次亜塩素酸ナトリウム液に1時間浸け、自然乾燥させます。
対処法
赤ちゃんが発熱した場合は、咳や鼻水、発疹などの有無や機嫌、食欲、おしっこの量などを観察し適切な水分を与えて症状の経過をみていきましょう。もし、何か変!、ぱっと見た印象が悪ければすぐに医療機関にいきましょう。
発熱はからだの免疫反応のひとつで病原体とたたかっているためです。発熱したからといってすぐに熱を下げる必要はありません。発熱時には脱水しやすいため、こまめに水分を補給させてください。
なお、生後3ヶ月以内での発熱や意識がはっきりしない、嘔吐を繰り返す、呼吸が苦しそう、ひきつけが5分以上続いたり繰り返したりする場合は、医療機関を受診する必要があります。
今回は、赤ちゃんの細菌感染について解説しました。生後6ヶ月頃までは感染症にかかりにくいとされていますが、やはり細菌にもウイルスにも感染します。ワクチンで予防できる病気はワクチンを受けて赤ちゃんを様々な感染から守りましょう。感染対策を徹底しつつ、感染症にかかったときは適切に対処しましょう。
急性中耳炎は、耳の中の中耳という場所に炎症が起きたり膿が溜まったりする病気です。中耳は、鼓膜の奥にある骨に囲まれた空間で、耳管によって鼻の奥とつながっています。
乳幼児は急性中耳炎になりやすいとされているため、あらかじめ治療法や予防法について理解しておきましょう。
急性中耳炎の原因
急性中耳炎は、中耳に細菌やウイルスが感染することで発症します。よくあるのが風邪をひいたときに鼻から侵入したウイルスが耳管経由で中耳に侵入したり、鼻が悪くなることにより、もともと鼻にいる常在菌が増えて、細菌が中耳に侵入し中耳炎を引き起こすケースです。
また、風邪やアレルギー性鼻炎などで鼻に症状がある場合、鼻を強くかんだりすすったりしたことで、細菌やウイルスが中耳へと侵入する可能性もあります。
滲出性中耳炎との違い
滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん)は、急性中耳炎を繰り返したり、耳管の機能が悪くなることで、中耳に膿ではなく、滲出液という液体が溜まる病気です。痛みはあまりありませんが、液体が溜まることで耳が聞こえにくくなります。
中耳炎を繰り返したり、アデノイド肥大や、アレルギー性鼻炎の鼻すすりなどが原因となります。また、ダウン症候群や口唇口蓋裂がある子供も滲出性中耳炎になりやすいです。
乳幼児が急性中耳炎にかかりやすい理由
乳幼児は、急性中耳炎にかかりやすいといわれています。急性中耳炎は大人でもかかるものの乳幼児によくみられ、半数以上が小学校入学までにかかるといわれています。
乳幼児が急性中耳炎にかかりやすいのは、大人と比べて耳管が太くて短いうえに、ほぼ真っ直ぐであることで細菌やウイルスなどが耳に侵入しやすいためです。
また、大人と比べて免疫機能が十分に発達していないことや、集団保育などで頻繁に風邪を引きやすいことが要因となります。他に急性中耳炎のリスクとして、おしゃぶりや受動喫煙もあげられています。
急性中耳炎の治療
急性中耳炎の治療方針は、重症度で変わります。非常に軽い場合は、痛み止めや解熱剤などで経過観察することもありますが、中耳炎の程度が中等度~高度である場合は、抗菌薬で治療します。
急性中耳炎のきっかけとなる風邪はウイルスなのに、なぜ抗菌薬で治療するのでしょうか?確かに風邪はほとんどがウイルスです。ただし鼻にウイルスが感染した後、急性中耳炎を引き起こす場合、かなりの高頻度に鼻にいる常在菌を中耳へ連れて行くことが分かっています。ですので、ごく軽症のもの以外は、抗菌薬治療を行うことが多くなります。
強い痛みや発熱は数日で改善することが多いものの、その時点では中耳に膿が残っている状態です。完全に貯留液が無くなるには1ヶ月くらいかかることもあり、それまでは医師の指示に従って治療を続ける必要があります。
また、薬での治療では改善が見込めない場合には、鼓膜切除術を検討します。これは、中耳に溜まった膿を排出させることを目的に、鼓膜に小さな穴をあける手術です。急性中耳炎が改善すれば鼓膜にあけた穴も数日でふさがるため、日常生活に影響もありません。
急性中耳炎の予防法
急性中耳炎は、風邪やアレルギー鼻炎などをきっかけに発症することがあります。そのため、風邪やアレルギー鼻炎の予防や早期の治療が中耳炎の予防につながります。
また、鼻水をすすったり強く鼻をかんだりすることをやめさせることも大切です。鼻吸引器で吸ってあげたり、鼻の正しいかみ方を教えてあげたりしましょう。
特に、鼻吸引や鼻洗浄は、鼻の中の細菌叢(さいきんそう)を良い状態へと整えるとともに、鼻腔環境を改善する効果が期待できます。鼻水が溜まると耳管機能が低下し、結果的に中耳炎が起きやすくなるため、鼻の症状に適切に対処することがポイントです。
子供は大人と比べて急性中耳炎にかかりやすいうえに何度でも繰り返す可能性があるため、風邪やアレルギー性鼻炎になったときは保護者の方が注意深く観察し、耳を痛がるときは速やかに医師に相談しましょう。また、治療の際は処方された薬を最後まで飲みきることが大切です。
保育施設におけるSIDS(乳幼児突然死症候群)の対策
SIDSの発症は年々減少傾向にありましたが、最近の研究から保育施設での突然死が増加していることが明らかになっています。保育所の需要が増加し、低月齢の子どもが預かられる期間が長くなっている中で、安全な保育環境の確立が喫緊の課題となっています。
慣れない環境でSIDS発生のリスクが急増
保育園でのSIDS発生事例に関する研究が進むにつれ、登園開始日からの在園期間が重要であることが明らかになってきました。調査によると、SIDS発生事例の14%が登園初日に発生し、一週間以内には全体の30%が発生していることが報告されています。特に預かり開始後の1週間以内のSIDSの危険度は、1〜2ヶ月後の4倍、さらに2ヶ月以降では17倍に上昇しているという結果が得られました。
子どもは環境の変化や慣れない場所への適応が苦手です。海外の研究によれば、子どもが初めての場所で一人にされた場合、SIDSの発症率が高まることが明らかになっています。子どもにとって、生まれて初めて母親から離れるという心理的ストレスを感じており、また集団生活による感染源への接触や疲労などの身体的ストレスが重なることで、SIDSのリスクが高まると考えられます。
保育現場でもSIDSの危険因子の排除を
保育施設でのSIDS発生事例を個別に見てみると、1歳の子どもが午睡中に泣き出した際、周囲の子どもの睡眠を妨げないために、いつもと異なる部屋で1人でうつぶせ寝させられたケースがありました。その子どもは別室で寝かされた30分後に心肺停止で発見されました。この時の子どもの在園期間は明らかになっていませんが、「いつもと異なる環境」で、「一人」で、「うつ伏せ寝」さらに「うつ伏せ」で寝かされたことが、SIDS発生の誘因と考えられています。
SIDSの対策と予防
乳幼児突然死症候群(SIDS)の予防に関する一般的なガイドラインとして、乳児を仰向けで寝かせること、タバコの煙を避けること、適度な温度と柔らかすぎない寝具を使用することが推奨されています。これらの予防策は、自宅だけでなく保育所でも同様に重要です。
特にうつ伏せ寝は乳幼児の呼吸を妨げ、再呼吸(すでに吸った空気を再度吸うこと)を引き起こす可能性があります。これが乳幼児の酸素供給を阻害し、SIDSのリスクを高めると考えられています。世界的に実施されたBack to Sleepキャンペーンの成果からも、うつ伏せ寝を避けることがSIDS予防に有効であることが示されています。
また、感染症や熱性けいれんなどの他の危険因子も存在します。これらの危険因子や遺伝的要因が重なると、SIDSの発症リスクが高まる可能性があります。保育現場でも家庭同様に、これらの危険因子を排除し、対策を講じることが求められます。
最後に
保育施設を利用する保護者は、保育者と緊密な連携をとり、子どもの体調や様子を細かく伝えるよう心がけましょう。また、新たに保育所に入る際には、親が付き添った慣らし保育などを丁寧に行い、子どものストレスをできるだけ軽減することも重要です。
乳幼児突然死症候群(SIDS)は乳幼児の生命を脅かす深刻な問題であり、その対策は喫緊の課題となっています。社会全体で意識を高め、適切な対策を講じることで、すべての乳幼児が安心して成長できる環境を作り上げましょう。
<保育施設でのSIDS対策>
乳幼児を仰向けで寝かせる
乳幼児は仰向けの寝姿勢が最も安全です。保育者は乳幼児が仰向けで寝ていることを確認し、適切な寝姿勢を維持するよう配慮しましょう。
タバコの煙を避ける
タバコの煙はSIDSのリスクを増加させます。保育施設内では絶対的に禁煙とし、子どもたちを煙のない環境で育てるよう心がけましょう。
適切な温度と寝具
保育施設内の温度管理は重要です。過度な暖房や暑い環境はSIDSのリスクを高める可能性があります。また、柔らかすぎない寝具を使用し、乳幼児の窒息や過熱を防ぐようにしましょう。
ストレス軽減と安心感の提供
保育現場では子どもたちのストレスを軽減し、安心感を提供することが重要です。保護者との密な連携や慣らし保育の実施など、子どもが安心して保育環境に適応できるようなサポートを行いましょう。
赤ちゃんは鼻詰まりを起こしやすいため、家庭での鼻水ケアが欠かせません。家庭での赤ちゃんの鼻水ケアには、生理食塩水が効果的です。
ドラッグストアで手軽に購入できて、粘度のある鼻水をほぐして鼻詰まりを緩和させたり、鼻水吸引をスムーズにしたりします。
本記事では、生理食塩水がおすすめな理由や、赤ちゃんへの使い方を解説します。
生理食塩水とは
生理食塩水とは、0.9%の濃度の食塩(塩化ナトリウム)を溶かした水のことです。ヒトの体液と浸透圧が等しく、傷口や粘膜の洗浄、麻酔薬や注射液の希釈など医療で広く用いられています。
一般的な水よりも体液と近い液体なため、鼻に入れても痛みを感じにくく、赤ちゃんにも使用が可能です。鼻うがい用の洗浄液や、赤ちゃん向けの鼻水スプレーに使用されています。
生理食塩水が鼻水吸引前に効果的な理由
赤ちゃんは鼻の穴が狭いため、鼻が詰まりやすいです。赤ちゃんは鼻呼吸しかできないので、鼻が詰まると呼吸がしづらくなり、ミルクや母乳が上手く飲めなくなったり、寝つきや機嫌が悪くなったりすることもあります。
赤ちゃんは鼻をかむことができないので、お母さんがこまめに鼻水吸引器などを使って鼻水ケアしてあげることが重要です。鼻水吸引の前に生理食塩水を使うとより効果的である理由を解説します。
鼻水を柔らかくする
生理食塩水の鼻水スプレーを赤ちゃんの鼻に噴射すると、粘っこくなった鼻水が柔らかくなります。鼻水が柔らかくなることで鼻詰まりが緩和したり、鼻水吸引がスムーズになったりする効果が期待できます。
大人も生理食塩水で鼻うがいをすると鼻水が出やすくなるので、口呼吸や鼻すすりの癖がある方にはおすすめですよ。
ツンとしない水道水が鼻に水が入ると、ツンとした痛みを感じますよね。生理食塩水は塩を混ぜることによって体液に近い液体になっているため、鼻の粘膜に触れてもしみにくいので、赤ちゃんから使用できます。
また鼻に水道水を使用すると、潜んでいる菌が鼻の中で繁殖したり、鼻の粘膜が傷付いたりする可能性があります。鼻洗浄液として販売されている生理食塩水は抗菌処理されているので、細菌の繁殖リスクがありません。
1日に何度も使用できる
生理食塩水は薬ではないので、副作用を気にする必要がありません。添加物を含んでいないため、鼻の状態が悪いときは1日に何度も使用できます。
生理食塩水の鼻水スプレーなら噴射するだけで鼻水をほぐすことができるので、使い方も簡単です。
生理食塩水の正しい使用方法
小さいお子様は鼻うがいが難しいので、鼻が詰まっているときは市販の鼻水スプレーを使用しましょう。薬局で売っている鼻水スプレーは抗菌処理されているため、自宅で作るよりもおすすめです。
使い方は、鼻水吸引する前に鼻水スプレーのノズルの先端を、赤ちゃんの鼻の中に入れてスプレーします。(垂れた液体はティッシュで拭き取ります)スプレーが鼻に行き渡ったら、鼻水吸引器で吸引を行いましょう。生理食塩水によって鼻水がほぐれているので、鼻水吸引がスムーズに行えます。
すぐに連れていかなくてもいい?赤ちゃんを病院に連れていく目安とは
赤ちゃんに咳や鼻水、発熱などの症状がみられると、なるべく早く病院やクリニックを受診すべきと考える方もいますが、実は症状によっては数日様子を見ても問題ありません。
発熱後すぐに受診しても原因を確定するのは困難なので、赤ちゃんの状態を確認して、必要なときにのみ受診することが大切です。
病院へ行く目安
診療時間外に赤ちゃんが発熱しても、すぐに救急を受診する必要はありません。水分や食事、睡眠をとれていて、それほど機嫌が悪くなく、発熱しているが夜は眠れている、あやすと笑う、遊ぼうとするといった場合は、診療時間になるまで様子を見てもよいでしょう。
休日や夜間などの救急受診の判断基準
赤ちゃんに以下の症状がある場合は、休日や夜間などでも救急を受診することが大切です。
発熱
・生後3ヶ月未満での38°C以上の発熱
見た目
・無表情であやしても笑わない(いつも興味を示すものに興味を示さない)
・何をしても機嫌がよくならない
・ぐったりしている、反応が悪い
・嘔吐する(噴水のように強く吐く、飲むのと吐くのを繰り返す)
・苦しそうに泣く、泣き方が弱い
・呼びかけに反応しない、しゃべらなくなった
・発熱が無いのにけいれんした場合。発熱がある場合でも5分以上続く時や、5分以内でも2回以上繰り返すけいれん
呼吸
・呼吸が苦しそう
・小鼻がヒクヒク
・肩で息をしている
・咳き込んで何度も吐く
・水分もとれない
・ケンケンと犬が吠えるような咳をする
血のめぐり
・呼吸が苦しそう(小鼻がヒクヒク、肩で息をしている、咳き込んで何度も吐く、水分もとれない)
・顔が青い、白い
・手足がいつもよりも異様に冷たい、白い
・皮膚がまだら色、紫色になっている
・冷や汗が出ている
身体を強く打った
・頭を強く打った後にすぐに泣かなかった、何度も吐く、意識がもうろうとしている、打ったところがブヨブヨしている、血が止まらない、けいれんが起きた
・腹部を強く打った
・手足を強く打った後にその部分が腫れているか、動かさないか、変形している
・やけどをした場合、特にその子の手のひら以上の面積のやけどの場合は必ず受診。
また、全身が真っ青になっている、呼吸ができていない、呼吸が止まっている、痛みなどの刺激に対して反応を示さない、眠ってばかりいる、けいれんが5分以上続いているといった場合はすぐに救急車を呼びましょう。
救急車を呼ぶかどうかを含め受診の判断に迷う場合は
「子ども救急電話相談(電話番号:#8000)」を利用してください。
病気の時の自宅ケア
最初は単なる発熱でも、後から救急受診の必要性が高い症状が現れる可能性もあるため、注意深く観察することが大切です。発熱が持続している場合、嘔吐や母乳・ミルクの飲み、食欲、息苦しさ、反応はあるか、機嫌、よく眠れているかなどを観察しつつ、次のようにケアしてください。
・こまめに水分補給をする
・汗をかいたときは拭いてあげる、着替えさせる
・悪寒で寒がっている時は適宜保温。熱が高く本人が辛そうな時は、やや涼しい状態にしてあげましょう。本人が嫌がらないようなら、氷枕やアイスパックなどで冷やしてもかまいません。
上記の受診を要する症状がなくとも、保護者の方が大きな不安を抱えているような場合は、一度受診しておくとよいでしょう。
大人とは違う?小児科診察の特徴
流れを紹介しますね!
① 小児科のナースは受診する前に、問診表に記載されていたものを確認します。
【受診時に医療従事者が何を知りたいのか】
► 今までの病気や治療、入院したことがあるのか、何かお薬をのんでいるのか。
► 母子手帳に記載されている妊娠から出産、周産期と呼ばれる次期に入院や手術歴など
► いつから症状があるのか。
これはまた別途各症状についてのところでお伝えします。
► 周囲の流行情報
► 予防接種歴
► 保護者からの何か変
時には医療者の視点だけでは気づかないこともあります。医療者は重症なのかの判断はできますが、常にその子を観察している訳では無いので、保護者が見る元気と医療者が見る元気は違いますよね。その元気一つとってみると、実は保護者がいつもと違うんですとか、何となく機嫌が悪いとか、何となく元気がない気がすると言ったあとに、その日の夜から発熱したとか、口の中に口内炎があったとか、っていうことはよくあります。
なので何か変と、いつもの様子を見ている人が気づきほうこくしてくれることはとても重要です。
► 診察前の状況の確認
診察時には怖くて泣いてしまったりするお子さんもいます。そのため、待合いにて、保護者がどのようにかかわっているのか、笑顔や活気はあるのかということを小児科のナースは観察しています。
② 身長・体重(半年頃までは頭囲・胸囲測定)
特に、新生児から乳児にかけては、ミルクや母乳の飲みが良好か、身長と体重を主に測定しています。
また、必要時には頭囲や胸囲も測定しています。
全身裸になるのもこの時なので、全身の肌の状態(発疹があるか、カサカサはどうか)など、アザなどが無いか確認をしています。
小児科の診察前や診察時など、沢山全身状態を見る機会があります。そのため、ベビーちゃんの場合のお洋服は着脱しやすいマジックテープのものだと保護者の負担も無くなると思います。
③ ドクターの診察
月齢によって、ドクターが診る視点というのは変わります。小児科では、成長発達過程が著しく月齢によっても違うため、月齢に合った診察を行います。
初めて診察するお子さんは、基本頭~足の先まで全身状態を確認していますね。また、症状によっても見る部位なども変わってきます。
なるべくお子さんが泣いてしまうと診察が出来ない部位があったりしますので、お口の中を見たり注射などの嫌がることは最後に行います。
処置の時に中に保護者が中に入れないのはなぜ?
これは、採血などの処置の時に保護者が中に入れないのはなぜ?という質問です。これはかなり多くの保護者からの質問を受けます。
結論ですが、病院によっては入れる入れないは違うということ!
正直、病院やナースの考え方で、一概にどちらがいいとは言えないこと。
ちなみに私が働いていたクリニックは採血時に保護者も中に入ってもらっていました。
その理由として、保護者と離れることに恐怖を覚えているお子さんも多く、意外に保護者がいて応援してくれれば、頑張れるお子さんも多くいます。保護者の方も、中に入れなくて何をされているのか分からず、我が子の泣き声だけ聞こえる状態にトラウマになったという研究もあり、そういった意味では、ある意味採血をすることは難しい手技だったり、医療従事者も頑張っていることを見てもらうことも、信頼関係を作るうえでは重要と考えていました。
実際に自分の子供が入院した際に、いつの間にか沢山の針跡を見た時に、難しかったんだと思いながらも、医療従事者への不信という思いも少なからずありました。自分の子供が一番大切ですからね。
保護者にも動くため危ないので、しっかり固定させてほしいという旨伝え、バスタオルでぐるぐる巻きにしして、保護者に上から「ぎゅー」っと抱きしめてもらい、腕はナースが抑え、もう一人のナースが採血をするという形をとっていました。
また、理解があるお子さんと保護者の場合には、保護者と向き合って抱っこしてもらい採血をすることもしていました。
採血が「意地悪をしていること」ではなく、治療としてしっかり必要なこととしてしっかり伝えることと、なるべく早くこの恐怖の時間を終えることができるように協力をいただくことを目的に中に入ってもらいました。
ナースサイドから見たら、緊張するということでもありましたが、それは慣れでもありますし、見ている見ていないに関わらず、同じ手技をしているまでであるので、あまりにももうナースでは無理!となったら、ドクターにお願いすることもしていました。でもその緊張の中行うと、ナースの手技はとても爆上げするんですよね。私はそのように採血が得意になるナースを育てていました。とはいっても、血が苦手や我が子の痛がる姿を見ていられないという方もいますので、その場合には保護者の意見を尊重していました。
採血時に保護者に外で待っててもらう場合は?
病院によってはまだ外で待っていてもらう場合も多いようです。私も過去の病院ではそのようにしている所が殆どでした。
その理由に、保護者は近くにいるのに助けてくれなかったと思うことや、保護者との時間に辛い思いを共有してほしくないという思いで外でお待ちいただくということをしています。
ご自身のお子さんが採血や処置をする際に、中に入りたいですか?外で待っていたいですか?
選べるようになったら良いなと個人的には思っています。
よくあるのが・・・
「せっかく来たのに、予約で埋まっていてみてもらえなかった」
「一般診療と予防接種の時間に分かれているため、 予防接種の時間に行ってしまったら熱ではみてもらえなかった」
「夏休みでやっていなかった」
私が以前働いていた小児科クリニックでは、一日に150人位の患者さんが来ており、なるべく制限はしたくないものの、緊急時以外制限をせざるを得ない状況だったりしました。特にワクチンの場合には、1週間単位で在庫や入荷本数など計算したりしますので、余分に確保しているもののワクチンの種類によってはすぐには受けられないこともありますので余裕をもって予約をした方がよいです。特に、2か月の予防接種開始時には、産まれたらすぐに予約を取らないと取れない場合もあります。
朝イチの予約枠を開示する同時に予約が埋まってしまい、朝イチなのにこれだけの人数が来たら夜中になってしまう・・・なんて時もありました。
必ず、受診前に受診する先の診察時間や予約方法などの情報を確認した上での受診をしてくださいね!
必ず必要な持ち物チェックリスト
これがないと受診できないので注意 ※保険証は無くても大丈夫だけど自費覚悟です。
母子健康手帳
ナースは何を見ているの?
産まれた時のこと、今の体重や身長の伸びやママの状態、初めてのワクチン接種以外の時には今までの予防接種歴、過去の病気など沢山の情報から、お子さんが今どのような状態にあるのかを見させてもらってるよ!
この情報からママやお子さんが何に困っているかを察知することもできる大切なものなんです。
医療証(市区町村によって違う)
これは受診時に無料になったりするよ。市区町村をまたいだりすると使用できないこともあるので、必ずどこの病院を受診するかも含めて事前に確認しておいてね!
健康保険証
医療証だけではなく、必ず健康保険証も必要になるよ!
ワクチン予診票
ワクチンを受ける際は必ず必要で、市区町村によっても対応が違う。
この予診票も市区町村によって異なりますので、任意接種以下外のものは市区町村から配布される予診票をもってきてもらう、もしくは病院に置いてあるものを使用できる場合など、様々。
問診票
今はオンライン上での問診が必要な場合が多いため、受診前にチェックを!
オンライン上の場合では事前に記載が必要無かったりゆっくり記入できるので便利ですよね。でもどちらにしても当日詳細や症状は聞かせていただいています。
紹介状
これは床以上の大きな病院を受診する際に必要な場合、また電話予約が必要なことが多い。
あった方がよい持ち物チェックリスト
これがなくても受診できるけど、無いと困るかも。理由と共にお伝えします!
~新生児から乳児編~
まず、受診する際に、【待ち時間】 があることを覚えておいてほしいです。
病院毎になるべく短縮する努力はしているものの病院によって、ドクターによって、症状によって、その日の混雑具合のよっても変わってきます。
オムツ・おしりふき
新生児なら特に、絶対必要なものですね。病院で購入できる場合もありますが、用意が無い場合もあるため、まさかのオムツパンパンで漏れちゃう!なんてことも良くあります!
ビニール袋
オムツを持ち帰りの場合が多いため、 おむつ用のビニール袋を用意しておくと良いです。他に色々使えるので、数枚持っておくと良いと思います。
ミルクまたは授乳グッズ
診察前には飲ませないが基本です。そのため、待ち時間が長いと、終わった後におなかを空かせているためとても不機嫌だったり、泣き止まないなんてことがあったりします。
特にワクチン注射後にそうなっていることが多く、ご褒美と落ち着かせるために、与えてから帰るママが多かったです。
お着換え
泣きすぎて吐く!おしっこやうんちが漏れる!何度となく私はそのようなお子さんを見てきましたので、あった方が良いと思います!
短肌着とか長肌着とかまでのお着換えは無くとも、おうちに帰るまでのお洋服はあった方がよいかもしれません。なぜなら、バスタオルでくるんでそのまま帰宅したお子さんを見てきたからです!
お薬手帳
産まれてから飲んでいるお薬や使用しているお薬がある場合には、教えてほしい情報になります。
よく使用しているけど、薬の名前やどれくらいの量なのかが分からない場合が多いため、正確な情報のお薬手帳は必需品です。
ハンドタオル
ミルクがこぼれた時や、涙を拭く時など、何かと便利です。
子供の食べ物の好き嫌いを直したい!
よく相談を受けます。確かに、全ての食べ物に偏りが無く食べるバランスは栄養面でもとても重要になります。
そもそも、食べ物が好きか嫌いかといつ決まるのでしょうか。
もちろん私も食べ物の好き嫌いある?と聞かれるとあると言います。でも赤ちゃんは好きか嫌いかなんて知りません。
実は、【保護者や保育者が子供が食べなくて残したものを見た時に、嫌いなの?】と聞いた時から始まると言われています。残した=嫌いなんだと認識するということです。
保育士や幼稚園教諭に聞くと、プロは声をかけないと言います。敢えてその事実に触れないということです。
人は一度「嫌」という感情になると嫌と認識してしまうんです。そこから好きに移行するのってとても難しい。
ではプロはどうしているのか?
もしかしたら「ニンジンが嫌い」かもしれないと思ったら、まず何が嫌なのかを観察をすると言います。
機能的
キノコやお肉など繊維などかみ切れない。魚やパンなど、パサパサして飲み込めない
感覚
形や色・見た目のこだわり・もし持ちが気持ち悪い・サクサクが痛く感じる
精神的
つっかえることや気持ち悪くなることへの不安。残さず食べることへのプレッシャー・食べることが嫌いになってる
子供の場合には主にこの3つが原因のことが多い。
そのため、毎回観察し、これなら食べれているけど、にんじん丸ごとは嫌なんだなと、子供の感情を大切にみていくことが必要なんですね。そうすると、ニンジンが嫌いではなく、ニンジンの味・触感・見た目が嫌なんだねという気持ちに共感して、これなら食べれるんだね!を沢山伝えれたらよいですね。
上記を踏まえると、好き嫌いは聞かない方がよい?
好き嫌いの2択にしない方がよいということですね。この食感は苦手なんだ、この見た目は興味がないんだ、今はただ遊んで観察しているんだ・・・と嫌いではなく、苦手や興味がないだけで、勝手に保護者や保育者が好きか嫌いの2択にしたら幅は狭まってしまう。
食べられない理由=感情的なもので本人の努力によってなんとかなるものだと間違った認識を与えることになる。
よく好き嫌いを無くしましょうとか、好き嫌いをしないようにとか、嫌いなものを食べられるようにと思っている方も多く、私もその一人でした。でも本当に子どものためを思うと、バランスよく食べることはしたいこと、それは健康な体を作りたいからですよね。
でもこの根拠を知ると、自然と子供は食べ物に対しての嫌いという思いは無くなります。なので、おうちの食卓では、あきらめずに同じものを出したり、形や見た目、食感を変えて出していくことがとても大切なんですよね。
それを回りの大人が美味しそうに食べる、食べるって楽しい!と伝えることが一番大切です。
好き嫌いの考え方は人間関係にも通じる?
この世の中、同じ食べ物、同じ人はいません。自分と違う人がいます。合う合わないはあるでしょう。しかし、嫌いという感情でそれ以上の関わりを止めてしまうのは勿体ない。何かされて嫌だったのか、嫌いになる理由はあるはずで、子供自身はその相手自身を嫌いと思っていないかもしれないですよね。
嫌いを強制するとどうなるのか・・・
トラウマになるんです!
私が外来で見てきたお子さんでは、幼稚園や小学校に入った際に、【給食が苦手】になってしまうお子さんが多いです。
本当に給食が苦手なお子さんは多いです。とくに強制されて食べた経験があるお子さんや、時間内に食べきれないと思ってしまうお子さん、給食時に嘔吐してしまった経験があるお子さん、食事は楽しい時間と感じないお子さんは、学校での給食の時間が苦痛になり、不登校になってしまう方も見てきました。今は、給食ではなく、自分のお弁当を持っていくなど対応してくれる学校も多くなりましたが、不登校にならなくても、登園や登校への不安に感じるお子さんは少なくないです。
そのため、本当に小さい頃からの食事は楽しいという思いは本当に大切になります。
【日本教育資料より】
► NGな声かけ例
・好き嫌いをしないで食べよう
・残さず食べよう
・残さず食べるまで次のことが出来ない⇒これはもう虐待です。
► トラウマの例
・食べ物を見ただけで、吐き気がする。
・みんなの前で吐いてみんなと一緒に食べられない
・大人になって外食が出来ない
► 食を広げる対応
・食べられない理由を考える
・本人が食べられると覚える
・においをかぐことから始める
・少しでも食べられたら、食べられたことを伝える
► トラウマになってしまった時の個別対応例
・学校や保健室や相談室、空き教室などで食べる
・お弁当を持っていくなど
【余談コラム】
口の中がピリピリする方嫌だった・・・
たまたま、私が働いていた時の小学生に、なんでトマトが嫌いなのか聞いてみた。そしたら、口の中がピリピリするから嫌いなんだけど、みんな無理して食べてっていうから嫌なんだよね・・・と。
それは、アレルギーだったのです!!小学生まで気づかなかった、無理に頑張ってピリピリしながら食べていた。そんなこともあるので、理由を聞くことはとても大切ですね。