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アトピー性皮膚炎の原因

 
アトピー性皮膚炎とは
かゆみを伴う湿疹を繰り返す皮膚炎で、アレルギー体質のある人に発症しやすい病気です。 皮膚表面の角質が荒れてバリア機能が弱くなり、細胞間脂質のセラミドが失われていることから皮膚の吸水能力と保水能力が低く、極度の乾燥肌が特長です。また、表面が荒れていることからアレルゲンが侵入しやすく、その刺激によりかゆみを感じやすく、爪で掻き壊すために更に湿疹の状態が悪くなるという悪循環に陥り慢性化します。 1才までに65%が発症し、5才までに90%が発症すると言われ、通常では6ヶ月以上症状が継続する場合慢性と診断されます。(乳児の場合は2ヶ月以上) また、乳児の場合は、乳児湿疹と混同されることがありますが、日本皮膚科学会による「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2016年版」では、下記を基準として診断されています かゆみがある 湿疹 赤ちゃんの発疹は、頭、顔にはじまって、体幹や四肢に下降してくる 乳児期では2ヶ月以上、その他では6ヶ月以上湿疹が続いている

アトピー性皮膚炎の症状

アトピー性皮膚炎で一番辛いのは皮膚のかゆみで、夜も眠れず落ち着きません。また酷い乾燥肌で刺激を感じやすく、これもかゆみを感じる原因となっています。このかゆみがアトピー性皮膚炎の一番大きな苦しみでOQLを下げる原因になると同時に、掻き壊しによる湿疹の悪化と慢性化に繋がっています。 アトピー性皮膚炎

湿疹の状態と変化~湿疹三角

アトピー性皮膚炎は、急に悪くなったり、良くなったりする病気ではなく、変化を繰り返して慢性化、もしくは治癒します。湿疹の変化の過程を示したものが湿疹三角形で、どのように変化をしていくのか、その過程を知っておくことで、症状の進行度合いが理解でき、アトピー性皮膚炎の治療の助けになります。 アトピー性皮膚炎
紅斑(こうはん) 炎症により毛細血管が拡張し赤くなった状態
丘疹(きゅうしん) 蕁麻疹のように皮膚がふくらんだ状態
小水泡(しょうすいほう) 浸出液が増えて水泡となった状態
膿疱(のうほう) 炎症を起こし膿んだ状態
湿潤(びらん) 水疱や膿疱が破けた状態
痂皮(かひ) 皮膚表面に出た滲出液が固まった状態
落屑(らくせつ) 炎症の部位の表面が剥がれる状態
苔癬化(たいせんか) 皮膚の炎症が長く続いて、ごわごわと厚く硬くなった状態。 アトピーの症状としては、慢性的で強いもの。
色素沈着(しきそちんちゃく) 急性湿疹を繰り返して皮膚が黒ずんだ状態
 

アトピー性皮膚炎の原因

アトピー性皮膚炎の原因として、「体質的な要因」と「環境的な要因」があり、その二つの要因が重なった時に、アトピー皮膚炎の症状があらわれると考えられます。また、また、そのときの体調などによっても、症状が出る時と出ない時があり異なりますが、これはアトピー性皮膚炎が、いくつもの要因が重なって発症する「多因子性の病気」であるためです。
体質に関する要因 ・アトピー要因 ・皮膚のバリア機能低下
環境に関する要因 ・アレルゲン(アレルギー症状の原因となる物質) 食物、ダニ、ほこり、カビ、花粉、動物の毛やフケなど・アレルゲン以外の刺激 汗、衣類に夜摩擦、乾燥、ひっかき傷、「洗剤」などの日用品、化粧品など・その他 寝不足、過労、ストレスなど
 

アトピー性皮膚炎の治療方法

アトピー性皮膚炎は遺伝的要因に加えて、体質や環境など様々な内的、外的要因を持った皮膚病のため、今のところ完治するための治療方法はありません。そのため、症状を軽減するための対症療法が原則となり、治療の目標は、かゆみや湿疹などの症状が治まり、その状態を薬(外用薬)を使わなくても、保湿剤のみで維持(コントロール)できることになります。
  • 1
  • ADでは正常に見えてもドライスキンが存在する 保湿はきれいになってもずっと続ける
  • 2
  • かゆみや皮膚が硬くゴワゴワ触れる 炎症細胞がたくさん 炎症を抑えよう 保湿したあと重ねてステロイド・プロトピックをおよそ2週間連続して塗る
  • 3
  • 2週間ほど塗ると大分収まってくるが、一部に赤みやゴワゴワが残る 保湿は広く全体に、残った赤みやゴワゴワにステロイドやプロトピックの外用薬を塗る
  • 4
  • 治療で赤みやかゆみがとれ、皮膚がやわらかくなった ステロイド・プロトピックを休み保湿のみにする
  • 5
  • 再び赤くゴワゴワになりかゆくなった 保湿外用薬には一旦悪化した皮膚炎を抑える力はない 赤くなったところ・ゴワゴワ硬いところ・かゆいところにステロイド・プロトピックを再開。もちろん保湿は続けて
  • 6
  • 繰り返し治療していくとだんだん使用するステロイド・プロトピックが減ってくる 安心 もう一度、一時期皮膚炎がおさまっても、皮膚炎を起こしやすい体質そのものはなかなか変わらない 皮膚炎が悪化したら保湿外用薬だけに頼らず、迷わずステロイドまたはプロトピック外用薬をぬりましょう。
 

アトピー性皮膚炎の治療薬

現在のアトピー性皮膚炎治療のガイドラインは、主にステロイド外用薬と保湿剤を用いたものになり、症状や部位によって薬の強さを変えて処方し、症状が軽くになるに従って弱いステロイド薬に変更したり、塗る量を少なくするなどして徐々にステロイド薬を減らし最終的には保湿剤のみを使用して皮膚の状態を維持コントロールします。
ステロイド外用薬についてステロイドとは副腎皮質という臓器で作られるホルモンで、抗炎症作用と免疫抑制作用があります。ステロイド外用薬は、これを人工的に作ったものでアトピー性皮膚炎の外用薬以外にも、注射や内服薬、吸入薬、点鼻薬、点眼薬など様々な薬に使われています。効き目の強さによって5段階のレベルに分かれており、症状が出ている部位のステロイド吸収率を考慮して処方されます。
 

ステロイドのレベル

ストロンゲスト 0.05% クロベタゾールプロピオン酸エステル(デルモベート®)
0.05% ジフロラゾン酢酸エステル(ジフラール®、ダイアコート®)
ベリーストロング 0.1% モメタゾンフランカルボン酸エステル(フルメタ®)
0.05% 酢酸プロピオン酸ベタメタゾン(アンテベート®)
0.05% フルオシノニド(トプシム®)
0.05% ベタメタゾンプロピオン酸エステル(リンデロン-DP®)
0.05% ジフルプレドナート(マイザー®)
0.1% アムシノニド(ビズダーム®)
0.1% 吉草酸ジフルコルトロン(テクスメテン®、ネリゾナ®)
0.1% 酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン(パンデル®)
ミディアム 0.3% 吉草酸プレドニゾロン(リドメックス®)
0.1% トリアムシノロンアセトニド(レダコート®、ケナコルトA®)
0.1% アルクロメタゾンプロピオン酸エステル(アルメタ®)
0.05% クロベタゾン酪酸エステル(キンダベート®)
0.1% ヒドロコルチゾン酪酸エステル(ロコイド®)
0.1% デキサメタゾン(グリメサゾン®、オイラゾン®)
ウィーク 0.5% プレドニゾロン(プレドニゾロン®)
 

ステロイドの吸収率

アトピー性皮膚炎

ステロイド外用薬の使い方

FTU(フィンガーチップユニット)という使い方が推奨されています。これは、外用薬の使用量と塗る面積の目安を定めたもので、軟膏の場合であれば、大人の人差し指の第1関節に乗る量(0.5g/約1cm)が1FTUで、それを大人の手のひら2枚分くらいの面積に塗る方法です(体表面積の約2%に相当)。ローションの場合は、1円玉大が1FTUとなります。 アトピー性皮膚炎

ステロイド外用薬の副作用

・皮膚萎縮(皮膚が薄くなること) ・毛細血管拡張(血管が網の目状に見える) ・多毛 ・ステロイドざ瘡(ニキビ) ・ステロイド潮紅 ・細菌・真菌・ウィルスによる皮膚感染症 ・アレルギー性接触皮膚炎
[ タクロリムス軟膏 ]ステロイド外用薬以外の外用薬として認知されている薬で、2才以上を対象に処方されます。 顔の湿疹に対してはステロイド外用薬のミディアムクラス以上の有用性が認められており、副作用としてほてりなどの刺激の副作用がありますが、症状の改善に伴い刺激は薄らいでいきます。主に顔や首などの皮膚が薄くステロイドの吸収率が高い部位に処方されることが多いのが特徴です。
 

アトピー性皮膚炎の重症度の診断

アトピー性皮膚炎の治療では、ステロイド外用薬(塗り薬)が中心となりますが、効き目の強さよって弱いものから強いものまで5段階のレベルに分かれています。そのため、アトピー性皮膚炎は症状を見て重症度を診断し、それに合った薬が処方されます。また、体の部位によってステロイドの吸収度が異なるため、同じ症状でも塗る場所によってレベルの異なる薬が処方されます。 アトピー性皮膚炎の重症度の外用薬処方の診断基準

皮膚症状の重症度と選択される外用薬(日本皮膚科学会ガイドラインより)

皮疹の重症度 外用薬の選択
軽徴 炎症症状に乏しい乾燥症状主体 ステロイドを含まない外用薬(保湿剤など)
軽症 乾燥および軽度の紅斑、鱗屑などを主体 ミディアム以下のステロイド外用薬
中等症 中等症までの紅斑、鱗屑、少数の丘疹、掻爬痕を主体 ストロングないしミディアムクラスのステロイド外用薬
重症 高度の腫脹/浮腫/浸潤ないし苔癬化を伴う紅斑、丘疹の多発、高度の鱗屑、痂皮の付着、小水疱、びらん、多数の掻破痕、痒疹結節などを主体 必要かつ十分な効果のあるベリーストロングないしストロングクラスの外用薬。 痒疹結節でステロイドの効果が得られない場合はその部位に限定してストロンゲストの使用もある。
 
アトピー性皮膚炎の肌の特徴
皮膚は、一番表面にある角質層の中の皮脂膜、天然保湿因子、角質細胞間脂質などにより、体の外からの異物の侵入を防ぐとともに、水分の蒸散を防いでいます。これをバリア機能と呼び、アトピー性皮膚炎では、この機能が弱まっているために湿疹、かゆみ、皮膚の乾燥が発生します。そして、それらが影響し合ってかゆみが増幅します。 アトピー性皮膚炎の皮膚の特徴とそれによる肌への影響は下記のようになっています。
皮膚の状態 影響 症状
皮膚表面の角質層が荒れている バリア機能低下が低下してアレルゲンや細菌などが皮膚内部に侵入しやすくなる 免疫細胞が働いてヒスタミンを過剰に放出しかゆみを感じる
知覚神経が皮膚表面にまで伸びて刺激を感じやすくなりかゆみを感じる
細胞間物質(セラミド)が失われている 水分が蒸散しやすく、水分を蓄えることができない 皮膚の乾燥が進み痒みを感じやすくなる
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎の悪化サイクル
アトピー性皮膚炎の悪化の原因となっているのはかゆみによる掻き壊しで、掻くと余計にかゆみを感じさらに掻き壊して症状が次第に悪化しきます。このかゆみを感じるのサイクルを「イッチ・スクラッチサイクル」と呼び、悪循環の仕組みを図式化したものです。
 
アトピー性皮膚炎の治療上の注意点
アトピー性皮膚炎の治療における最終目標は、かゆみや湿疹などの症状が治まり、その状態を薬(外用薬)を使わなくても、保湿剤のみで維持(コントロール)できることです。 症状を改善するためには、かゆみをコントロールして「イッチ・スクラッチサイクル」を断ち切ること、また、良い状態を維持継続するためには、アレルゲンを減らし、食生活や睡眠などの生活習慣を見直し、保湿をしっかり行うことが重要です。
 

アレルギー

浦島先生監修
 
アレルギー

アレルギーとは

アレルギーとは、本来危険ではない異物に対して過剰に免疫反応が起こる病気です。 例えば、花粉症であれば、スギなどのアレルゲンを感知した時に、鼻水やくしゃみで体内への侵入を防ごうとしたり、鼻の粘膜を腫れさせて鼻を詰まらせ、花粉が鼻の奥まで入らないようにしたりする反応が起こります。

アレルギーの種類

代表的なアレルギーとして、アトピー性皮膚炎、気管支喘息、食物アレルギー、花粉症などがあり、アレルギーを引き起こす原因物質は「アレルゲン」または「抗原」と呼ばれ、アレルゲンの種類、症状、アレルギーの場所などから病名が付けられてます。名前の付け方が複数あるため ダニアレルギーで喘息とアレルギー性鼻炎を持っていたり、アトピー性皮膚炎でダニアレルギーと金属アレルギーがあるなどします。

症状の場所から付けられた病名

気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、アレルギー性結膜炎

アレルゲンから付けられた病名

ダニアレルルギー、花粉症、薬物アレルギー、金属アレルギー

症状から付けられた病名

蕁麻疹、アナフィラキシー、新生児・乳児消化管アレルギー

アレルゲンの種類

アレルギーの原因となる物質をアレルゲン(抗原)と呼び、食物アレルゲン、吸入アレルゲン、接触アレルゲンなどに分類されます。子供のアレルギーで特に問題なのが、吸入アレルゲンと食物アレルゲンです。

アレルゲンの種類

吸入性アレルゲン 室内 ほこり、カビ、ダニ、畳、ソバガラ、ペットの毛、衣服、寝具(綿、絹、羊毛、羽毛)、建材に使用される化学物質(ホルムアルデヒド、VOCなど)
花粉 ブタクサ、カナムグラ、スギ、アカマツ、ススキ、ヒメガマなど
カビ アルテルナリア、ペニシリウム、カンジダ、クラドシポリウム、アスペルギルスなど
食物性アレルゲン 卵、乳、小麦、そば、落花生、えび、かに、大豆、いか、いくら、鮭、さば、牛肉、鶏肉、くるみ、やまいも、オレンジ、キウイフルーツ、もも、りんご、バナナ、ゼラチン、あわび、まつたけ、ごま、カシューナッツ
接触性アレルゲン 化粧品、塗料、衣服、金属、うるし、ラテックス(ゴム)、寝具類、ヨード、洗剤

※出典『アトピー・アレルギー克服応援ブック』NPO法人アトピッ子地球の子ネットワーク(著) 金岡出版

  アレルゲンは表のようにくっきりと分かれるものではなく、食物性アレルゲンの小麦粉を吸い込んで喘息を起こしたり、卵が皮膚に触れて蕁麻疹を起こす場合もあります。 また、食物性と吸入性の2種類以上のアレルゲンを持っている場合もあり、複雑化していることもあります。 食物性アレルゲンの場合、原因となるのは主に分子量の大きいタンパク質です。 通常は、消化酵素でアミノ酸まで分解されてから吸収されるため、IgEが反応してヒスタミンを放出することはありません。 しかし、子供の場合などは消化吸収力が未熟なためにタンパク質を十分に分解できなかったり、腸管が炎症を起こして腸管壁に穴が開き(リーキーガット)、未消化のタンパク質が血管内に侵入することで食物アレルギー反応を起こしてしまうことがあります。 消化吸収能力が高まるにつれて、自然と症状が落ち着いてくることもありますが、一度アレルギーを起こすと抗体記憶により、抗原情報が残りますので注意が必要です。

アレルギー体質とは

アレルギー疾患を持っている人は、よく「アレルギー体質」と言われますが、これは体質的にアレルギーを起こしやすいことを指しています。アレルギー体質は、ヘルパーT細胞である「Th1」と「Th2」のバランスが崩れており、通常であれば異物として認識されない花粉やダニ、卵などのアレルゲンに対して過剰に反応し、IgE抗体を産生しやすい体質です。しかし、アレルギー体質であれば必ずアレルギーを発症するわけではありません。アレルギー発症は、アレルギー体質、アレルゲン、環境要因の3つが重なり初めて発症すると言われています。 アレルギー また、アレルギーを引き起こす原因物質を、アレルゲン(または抗体)と呼び、ハウスダストやダニ、花粉、食べ物などが良く知られているアレルゲンです。アレルギー体質は、アレルゲンに対して過剰に反応する体質で、IgE抗体を産生しやすく、血液中の量が多いのが特長です。 IgEとは、免疫グロブリンEというたんぱく質で、アレルゲンと結合することでヒスタミンを放出する。ヒスタミンは炎症などの原因となる物質で、健康な人では微量しか検出されませんが、アレルギー体質の人は血液中に多く高値で検出されます。

アレルギーコップ

アレルギーを理解する方法として、「アレルギーコップ」という表現を使うことがあります。 私達はだれもがアレルギーコップを持っており、アレルギー体質の人とそうでない人の違いはコップに「アレルギー体質」という要素が入っているかどうかの違いだという考え方です。 アレルギー コップの中には、人それぞれのアレルゲンや食生活、生活環境、ストレスなどのアレルギー発症の要素が入っており、それらでコップがいっぱいになり、溢れる時にアレルギーを発症します。 アレルギー体質の人は、そうでない人と比べて、アレルギーを発症する要素が多く、アレルギーを発症しやすくなります。また、コップの大きさは人それぞれで、重症度にも関係しています。 大小はあるものの、どんな人でもコップに要素が蓄積されると、アレルギー発症のリスクがあります。 アレルギー アレルギー体質の人で自分のアレルゲンが分かっている人は、日々の生活でそれらを除去するように注意し、食事や睡眠などの生活習慣にも気を付けることでアレルギー症状の発症のリスクを減らすことが見込めます。

アレルギー反応のメカニズム

1. アレルゲンが体内に侵入し抗体が産生される 2. IgE抗体は、粘膜などにある肥満細胞の表面に付着した状態になります(感作)。 3. 再び体に同じアレルゲンが侵入すると、肥満細胞上のIgE抗体に結合しヒスタミンが放出され、アレルギー症状を発症 アレルギー
浦島先生監修
免疫
小児科医 浦島崇監修
   
免疫とは
免疫とは、ウィルスや細菌などの有害な物質から体を守る反応の事で、免疫細胞が体内に侵入してきた時に、病気にならないよう自分の体とそれ以外を区別して排除する働きです。例えば発熱して病原菌と闘ったり、くしゃみや鼻水で体外に異物を排出しようとする反応は免疫反応の一部で、不快な症状ではありますが、このような反応が無いと私達の体は安易に有害物質に侵されて病気になってしまいます。

免疫の働き

感染の防衛 インフルエンザなどの病原性ウィルスや病原菌からの感染を防止。体にとっての異物を排除。
老化や病気の予防 新陳代謝を活性化。機能低下や細胞組織の老化・破壊などによる病気を予防。肌荒れやニキビなどを防ぐ美容効果。
健康の維持 疲労回復。病気や傷などの回復・治癒。ストレスに強い体をつくる。肩こりや腰痛など体の不調の予防・改善。
異物などを正確に識別 異物かどうかを判断。がん細胞、ウィルス、病原菌など、本来の自分の細胞と違うものを区別する。
抗体を産生 ウィルスに対抗する抗体をつくる。はしかやおたふく風邪が「二度かかり」しないのは抗体ができるため。
がんなどの予防 体の中で変異したがん細胞を発見し、攻撃し、排除する。

参考:安保徹の食べる免疫力

免疫の役割を担う免疫細胞
免疫の役割は、主に血液の中の白血球が担います。白血球は様々な免疫細胞で構成されており、大きく分けると顆粒球、リンパ球、単球の3種になります。

顆粒球の種類と働き

特定の色素に染まる性質があり、染まりやすい色素の種類により「好中球」「好酸球」「好塩基球」の3種に分かれます。
好中球 もっとも数が多く顆粒球の90%以上を占めます。主に細菌やカビなどを処理する役割を果たします。異物に向かって進む性質「遊走能力」を備え、異物に近づき、強い貪食能力(※)で異物を細胞内に取り込みます。また強い殺菌能力も備えており、取り込んだ異物は酵素や活性酸素によって消化・殺菌・分解され死滅します。好中球自身は、異物を取り込んだ後に死滅し、その死骸は膿となって体の外に排出されるか単球(マクロファージ)によって処理されます。 ケガをした際、膿(うみ)が出てくることがありますが、これは好中球が異物を取り込んで死滅させたあとの好中球の死骸です。 ※貪食能力:細胞が細胞の外にある個体や液体などの物質を細胞内に取り込む能力
好酸球 顆粒中の5~9%を占め、好中球と同様に、遊走能力、貪食能力、殺菌能力を備えています。好中球との違いはその対象で、花粉や寄生虫など細菌より大きいものに対して反応します。特殊な蛋白を出し、寄生虫やその卵を処理すると同時に、好塩基球から出されたヒスタミンを分解(不活性化)してアレルギー反応を和らげる働きもあります。しかし、その一方で、アレルギーによる炎症の原因にもなるといわれており、アレルギーの他寄生虫感染によって増える傾向があります。
好塩基球 顆粒中の1%以下となり顆粒球中で最も数の少ない細胞です。顆粒の中に、ヒスタミンやロイコトリエン、ヘパリンといった物質が含まれています。顆粒の中で通常は不活化の状態で存在しますが、好塩基球の表面にある免疫グロブリンEというレセプターの働きによりヒスタミンなどを放出してアナフィラキシーなどのアレルギーや炎症反応を起こします。役割や寿命など不明な点が多い細胞です。
※レセプター 受容体とも呼ばれ、細胞表面の膜に存在して細胞膜の外側にある物質と特異的に結合する。細胞はレセプターにより特定の物質を見分け,細胞の外からきた情報を受け取ることができる。

リンパ球の種類と主な働き

リンパ球は、免疫機能の中心的な細胞で、ウィルスや細菌などを攻撃し排除する役割を担っています。骨髄から生成されて胸腺やリンパ節などで成熟し、血管やリンパ管などを通って全身を巡り、ウィルスや細菌などの外敵の侵入を見張ります。そして、外敵を見つけたらすぐに攻撃して排除します。リンパ球の働きは幅が広く、皮膚やアレルギー、内臓の病気などに関わっています。
NK細胞 (ナチュラルキラー細胞) NKとはナチュラルキラーの略で、生まれつき(ナチュラル)ウィルスや細菌を殺傷する(キラー)能力を持っていることから命名されました。NK細胞は、高い殺傷能力を持ち、単独で機能することが特徴で、常に全身を巡りウイルス感染した細胞や悪性細胞などを見つけ次第、直接攻撃して死滅させます。生まれながらに備わっている自然免疫機能で重要な役割を担っています。
T細胞(Tリンパ球) T細胞(Tリンパ球)は、骨髄で生成されて胸腺で成熟するリンパ球で、「T」は胸腺 (thymus) に由来しています。細胞の表面にT細胞受容体(T cell receptor;TCR)を備え、 主に抗原を認識する役割を担います。
ヘルパーT細胞 [ Th1細胞 ] 細菌やウィルスに反応する細胞で、B細胞にその種類を伝達します。B細胞はこれを受けて抗体を生成してウィルスや細菌を死滅させ、同時にこの抗体情報を記憶します。 また、B細胞だけでなく、キラーT細胞やNK細胞、マクロファージなどの細胞も活性化し、貪食作用、消化酵素などにより攻撃して死滅させます。情報伝達の際Th1細胞が分泌するのが「IFN-γ(インターフェロンガンマ)」というサイトカイン(生理活性物質)です。[ Th2細胞 ] Th2細胞は、ダニやカビ、花粉など、ウィルスや細菌より大きい物質に反応してB細胞に情報伝達し、B細胞で抗体を生成して攻撃します。その際Th2細胞が分泌するのが「IL-4(インターロイキン4)」で、Th1細胞から分泌される「IFN-γ」と「IL-4」は、互いに抑制し合ってバランスを保つように働いています。しかし、このバランスが崩れてTh2細胞の働きが優位になると、アレルギーになると言われています。

単球の種類と主な働き

白血球の中で一番大きく、白血球中2~10%を占める細胞です。骨髄で生成されて、血管中の血液内で数時間~数日間留まった後、血管の外に出てマクロファージや樹状細胞、ランゲルハンス細胞などに分化します。体内の死んだ組織、変異した細胞(がん細胞など)や体内に侵入した異物を貪食(※)して消化すると同時に、貪食した異物の抗原情報などを提示する役割を担う。
※貪食とは 体内の細胞が不必要なものを取りこんで消化し、分解する作用。貪食の対象となるのは、体内に侵入した異物(ウィルスや細菌など)、自然死した細胞、変異した細胞など。また、このような働きを持つ細胞は「貪食細胞」もしくは「食細胞」と呼ばれ、好中球、マクロファージ、樹状細胞など。
マクロファージ 貪食と抗原提示が主な機能となります。炎症の初期には好中球の働きが大きいですが、やがて多数のマクロファージが集まり強い貪食機能を発揮します。また、貪食して分解した異物の特徴を細胞表面に提示する機能(抗原提示)があり、これをヘルパーTリンパ球やBリンパ球が認識することで、サイトカインが放出されて免疫機能が働きます。
ランゲルハンス細胞 表皮に存在する樹状細胞で表皮全体の2~5%を占めています。皮膚から侵入しようとする細菌やウイルス、化学物質、かびなどの異物の他、放射線、紫外線、外気温等の刺激、皮膚内部の状況を常に脳へ伝達し、皮膚の均衡を保つ役割を担っています。
ランゲルハンス細胞と アトピー性皮膚炎 表皮に異物が付着したり侵入した際、ランゲルハンス細胞がその異物を検知して抗原を調べ抗原情報を提示します。ランゲルハンス細胞は、IgEセレプターを持っていることからIgE抗体を介してアレルゲンを捕捉してアレルギー反応を加速させると言われています。
免疫システムが働くしくみ
① 異物の侵入(ウィルス・細菌・カビなど) ② マクロファージと樹状細胞が分析 ③ 樹状細胞がリンパ節に移動して抗原情報をヘルパーT細胞に伝達 ④ 抗原を認識できるヘルパーT細胞が活性化してB細胞に伝達 ⑤ B細胞が抗原に合った抗体を生成し放出 ⑥ 抗体が抗原と結合し不活性化 ⑦ 不活性化した抗原をマクロファージと好中球が貪食

自然免疫と獲得免疫

免疫には「自然免疫」と「獲得免疫」の2種類があります。 自然免疫とは、もともと体に備わっている免疫機能で、単球であるマクロファージや 顆粒球(好中球、好酸球、好塩基球)リンパ球の中のNK細胞が働いて、身体に侵入した異物を攻撃したり貪食するなどして排除します。これらの働きで排除できなかった分については、リンパ球のT細胞やB細胞が働いて攻撃して排除しますが、この後者の働きを獲得免疫と呼びます。B細胞は抗体を作って異物を攻撃すると同時に、「免疫記憶」により抗体情報を蓄積するため、感染を繰り返す度に免疫力(抵抗力)が高まっていきます。
自然免疫 マクロファージや顆粒菌など、もともと体にそなわっている働きのこと
獲得免疫 T細胞やB細胞が生きていくうちに獲得する免疫のこと

免疫力の低下とは

「免疫力(抵抗力)が低下している」という言葉を聞いたことがあると思いますが、これはどういうことで、どういうときに低下するでしょうか? まず、疫力の低下(抵抗力の低下)とは、身体に侵入する異物を排除する機能が低くなることです。ウィルスや細菌を排除できないため、風邪やインフルエンザの感染症にかかりやすくなります。下がる原因としては、①加齢、②ストレス、③睡眠不足、④食生活、⑤運動不足などが挙げられます
①加齢 免疫力は20才前後でピークを迎えます。その後は年を取るに従って徐々に低下していきます。特に高齢になると免疫力の低下が顕著になり感染症にかかりやすくなります。
②ストレス ストレスは自立神経のバランスを崩す原因となります。自立神経には交感神経と副交感神経があり、互いにバランスを取って調整していますが、ストレスによってこのバランスがくずれ、免疫細胞の量に変化が生じ免疫機能が正常に働かなくなります。 [ 交感神経が優位の場合 ] アドレナリンが分泌され、アドレナリンのレセプターを持つ顆粒球が増加します。細菌の無いところで顆粒球が増えると大量の活性酸素が放出されて炎症などが起こります。また、血管が収縮して血流障害が起き、酸素と栄養が細胞に供給されなくなると同時に血管に老廃物が蓄積されます。 [ 副交感神経が優位の場合 ] 肉が弛緩して血管が広がることで血流が悪くなり、リンパ球が増えた状態なります。リンパ球は、アレルギーに関係する免疫細胞であるため、アレルギー症状が出やくなっている状態となります。
③睡眠不足 免疫細胞は睡眠時に活動が促進されます。また、リンパ細胞のうちのB細胞は睡眠時に抗体をつくるため、睡眠不足の状態では、免疫機能が働かず、抗体も生成されないという事になります。風邪などの感染症にかかった場合で、良く睡眠を取るというのは大変重要なことだということがわかります。
④食生活 ビタミン・ミネラルなどは免疫細胞の活性化や生成を促進します。また、砂糖(白糖)は、摂取して消化分解される際に、ビタミンBやミネラルが必要になり、大量に摂取することでビタミン・ミネラル不足に陥り、免疫の働きを低下させます。
⑤運動不足 運動不足は血液の循環が悪くなり、免疫系がうまく働かなくなります。また、NK細胞は、筋肉運動により活性化され、運動をしないと低下する性質があり、これらの要因で免疫力は低下します。
アレルギーと免疫細胞

子どものアレルギーが自然に治る理由

生まれた時点では、「Th2細胞」が優位ですが、成長するに伴い様々なウィルスや細菌が身体に侵入し、次第に「Th1細胞」の免疫の働きが活発になります。そのため、大人になるに従って「Th1細胞」と「Th2細胞」のバランスが取れ、正常な免疫の働きができるようになります。子供の時にアトピー性皮膚炎や、喘息、食物アレルギーがあっても、大人になってアレルギー症状が出なくなったという場合がありますが、その理由は免役バランスが保たれるようになった為です。

アレルギー患者が増えている理由

しかし、現代では、以前に比べて衛生的な生活環境が整い、「抗菌」や「抗ウィルス」製品が溢れ、ウィルスや細菌に感染する機会が減少して感染することが少なくなり、結果として「Th1細胞」の免疫機能が働かず「IFN-γ」も分泌も促進されません。 反面、環境汚染や食生活の変化などで、「Th2細胞」が反応する物質が多くなり、サイトカイン「IL4」の分泌も活発になっています。 「IFN-γ」と「IL4」は互いに抑制しあって、バランスを保つのですが、生活環境がアンバランスな状態のため、「IL4」の分泌が過剰になる傾向があり、これがアレルギー患者が増加傾向にある背景です。

B細胞

B細胞(Bリンパ球)は骨髄で生成されて骨髄内で成熟するリンパ球で、「B」は骨髄(Bone marrow)に由来しています。ヘルパーT細胞からの情報を受信し、身体に侵入したウィルスや細菌、ダニ・花粉などのアレルゲンに合った抗体(抗体)を作り放出することで異物を排除します。また、「免疫記憶」という機能を持ち、一度作った抗体を記憶する性質があり、一度感染したウィルスの抗体は記憶され、二回目に同じウィルスが身体に侵入しても発病しないのはこのためです。また、予防接種はこの特徴を応用したものです。
※抗体とは ウィルスや細菌など身体に侵入する異物には抗原(それぞれを特定する目印のようなもの)に特異的に結合し、その異物を身体から排除するタンパク質で、免疫グロブリン(Ig)とも呼ばれます。異物が身体に入った際、その抗原とぴったりする抗体を作って放出し、異物と結合して不活性化します。また、抗体が異物と結合すると、貪食細胞のマクロファージや好中球が活性化し、異物を取り除きます。
小児科医 浦島崇監修
 

動画コーナー

三塚先生に鼻水吸引について解説して頂きました!
ノズル挿入のコツ一時的に吸引力を上げる鼻水吸引のメリット上手に吸引する姿勢ボンジュールの使い方
 
ノズル挿入のコツ
一時的に吸引力を上げる
鼻水吸引のメリット
上手に吸引する姿勢
ボンジュールの使い方
中耳炎 鼻水吸引関連 その他
 
中耳炎
  • Q: こどもの中耳炎の場合、耳鼻科と小児科どちらを受診した方が良いですか? (新生児の場合、乳幼児の場合、熱も出てる場合)

    A: できれば耳鼻咽喉科がいいと思われますが、わからなければ小児科でももちろん大丈夫です。
  • Q: 鼻をすする癖があり中耳炎になってしまいました。癖を直す良い方法はありますか?

    A: まずは鼻をすするくせを治さないといけません。本人に言い聞かせてはなすすりをすると耳が痛くなってしまうときちんと説明することが大事ですね。
  • Q: こどもの中耳炎で、こまめに鼻をかむ、鼻水吸引する以外の予防方法について教えてください。

    A: まずはウイルスや細菌感染から中耳炎が引き起こされますので風邪予防が大事です。手洗いうがいをこまめにして、栄養をつけ風邪をひきづらく生活環境から改善しましょう。
  • Q: 中耳炎と目やには関係がありますか?

    A: 鼻水が多くなると鼻を目をつなぐ鼻涙管を逆流して細菌が目のほうに達してしまいめやにが多くなります。
  • Q: 滲出性中耳炎はどうして耳に水が溜まるのですか?繰り返すのはなぜですか?

    A: 耳と鼻をつなぐ耳管というところの機能がうまくいかないことが原因になります。
   
鼻水吸引関連
  • Q: 電動鼻水吸引器は何歳まで使えますか?こどもは何歳まで鼻がかめないものですか?

    A: 大人になるまで使えます。鼻がかめないのはお子様によって年齢差があります。
  • Q: 両方の鼻が詰まってしまった時の鼻水吸引に関して注意することはありますか?

    A: とくに普段の鼻水吸引と変わりはありません。
  • ボンジュール Q: 新生児がメルシーポット等の鼻水吸引器を使う場合は、ボンジュールなどの先が細いノズルがあった方がいいですか?なくても吸えますか?

    A: もちろんなくても吸えます。鼻の孔が小さいのでほっぺをすこし引っ張りながら吸引してあげるとやりやすいです。
  • Q: 新生児の鼻水吸引をする時のノズルのあて方のコツを教えてください。 (小鼻を引っ張ると書いてありましたが、赤ちゃんにするのが難しかったので)

    A: ほっぺをすこし引っ張りながら吸引するといいかもしれないですね。わからない場合には耳鼻咽喉科に受診して鼻吸引をしてもらいましょう。
  • Q: 吸っても吸ってもどんどん鼻水が出てくるのですが、一度にどれくらいの時間吸っていいなどの目安がありますか?

    A: とくに目安はありません。
  • Q: こどもが寝た体勢と起きた体勢ではどちらがより多く鼻水を吸引できますか?

    A: 起きていたほうが吸引がうまくできます。
  • Q: 吸引中に鼻血が出てしまいました。なぜですか?また吸っても大丈夫ですか?

    A: 鼻粘膜を傷つけてしまった可能性が高いです。すこし待って鼻血が止まったことを確認してからであれば再度吸引しても問題ないです。
  • Q: 赤ちゃんの鼻水は何回吸引していいの?

    A: 鼻水を吸引する回数の目安はありますか?とよくお母さんに聞かれますが、そんな時は、「特に目安はないですよ」とお答えしています。 赤ちゃんは自分で鼻をかめません。鼻水が詰まっていると、夜も眠れなくなり、おっぱいも上手に飲むことができないのです。鼻水が出ているとわかったら、回数にこだわらずこまめに吸引してあげましょう。
  • Q: 鼓膜チューブ留置術中も鼻水吸引をしていいの?

    A: チューブ留置中に鼻水の吸引をすることは全く問題ありません。チューブ留置中だからこそ、ご家庭でも積極的に鼻水吸引をしましょう。 ※鼓膜チューブ留置術中とは、鼓膜を小さく切開して鼓膜用の換気チューブをそこに留置し鼓室を換気できるようする処置です。
   
その他
  • Q: 鼻水が出ているこどもを病院に連れて行くタイミングを教えてください。

    A: すこしの鼻水だと病院に行くのも躊躇してしまいますがほっておくと中耳炎や副鼻腔炎に移行してしまうこともあります。心配になったらすぐに病院に受診しましょう。
  • Q: 熱がなく鼻水だけ出ているときは病院に行ったほうがいいですか?

    A: 熱がなくても鼻水が止まらない場合や黄色い鼻水のときには病院に受診しましょう。
  • Q: 白い鼻水、黄色い鼻水と、サラサラの水っ鼻の違いは何ですか?

    A: 風邪の初期や花粉症・アレルギー症状の場合には白い透明な鼻水の場合が多いです。 黄色の鼻水のときには副鼻腔炎になっている可能性もあります。
  • Q: 風邪の時の鼻水とアレルギーでの鼻水、違いの見分け方はありますか?

    A: 初期では見分け方が難しく目のかゆみややくしゃみがあるときには花粉症やアレルギーが疑われます。
  • Q: 花粉症のこどもにはどんな治療法がありますか?赤ちゃんでも薬を飲むのでしょうか?

    A: 内服薬や点眼薬、点鼻薬もあります。症状によって内服することもありますので病院で相談しましょう。
  • Q: こどもの鼓膜が破れたらどうなりますか?

    A: 中耳炎で鼓膜が破れた場合には耳垂れがでてきます。鼓膜は1日~1週間程度で閉鎖しますので経過をかならずみてもらうため病院に受診しましょう。
  • Q: こどもが飛行機に乗った際の耳抜きの仕方、教え方を教えてください。

    A: こどもは難しいので水や麦茶、ミルクなどを離陸と着陸時にあわせて飲ませてあげましょう。
  • Q: 三塚先生が個人的にされているお子さまの健康管理の方法はありますか?

    A: 手洗いうがいを徹底的にしています。

赤ちゃんの「いびき」について

第五回は赤ちゃんの「いびき」。放っておいて大丈夫?いびきをかく原因は? 赤ちゃんの半分くらいはいびきをかくことがあると言われていますが、いびきには睡眠時無呼吸症候群の可能性が潜んでいることも。 教えて三塚先生!
いびきの原因で最も多いのはアデノイド
赤ちゃんのいびきの原因で最も多いのは「アデノイド」。 鼻の穴のつきあたりにあり、このアデノイドが大きくなるとアデノイド増殖症と呼びます。空気の通り道を塞いでしまい、いびきの原因に。
赤ちゃんも睡眠時無呼吸症候群に?
いびきをかいている時に、一時的に呼吸が止まって見えることがあれば、睡眠時無呼吸症候群の可能性も。睡眠時無呼吸症候群の赤ちゃんは、しっかり睡眠が取れないので夜泣きが多く、昼間もぐずりがちです。
アデノイドの治療方法
ほとんどが成長とともに自然に治りますが、睡眠時無呼吸がある場合などはアデノイド切除手術の対象になります。 赤ちゃんがいびきをかいていたら、気軽に耳鼻科で相談してくださいね。 事前にスマートフォンでいびきの動画を撮っておくとスムーズにお話ができますよ。

アレルギー検査「イムノキャップ」について

第四回は最新のアレルギー検査「イムノキャップ」についてです。 赤ちゃんのアレルギー検査ってどうやるの?何歳からできる?教えて三塚先生!
イムノキャップとは?
指先に針を刺して血液をとり、20分で結果がでるアレルギー検査です。少量の血液で検査ができるので、小さなお子さんにおすすめです。
何のアレルギーかわかるの?
ダニ、ゴキブリ、ネコ、イヌ、スギ、カモガヤ、ブタクサ、ヨモギの8項目のみが検査項目に含まれています。
何歳から検査できる?
とくに何歳からという規制はありませんが、生まれてすぐの赤ちゃんには体のなかの抗体というものがすぐに増えてこないため、検査を行っても必ずわかるわけではありません。 1歳~2歳では約30%の陽性率、それ以降では約80%という報告がありますので、2歳以降のお子さんにおすすめしています。
何科で検査できる?
耳鼻咽喉科、小児科、眼科などで行っています。事前に調べてから病院に行きましょう。 アレルギーの原因「アレルゲン」がわかったら、症状を悪化させないように出来る限り避けるようにしましょう。花粉症の場合はマスクやめがねで対策し、ハウスダスト(ダニ、ゴキブリ)は室内をこまめに掃除しましょう。

「赤ちゃんの花粉症」について

第三回「赤ちゃんの花粉症」について秋の気配と同時に、こどもの鼻水が止まらない…もしかして、これって花粉症?教えて三塚先生! 赤ちゃん花粉症

主な症状

鼻水、鼻づまりと目のかゆみが主な症状です。鼻をこするなどでかゆみを訴えます。赤ちゃんは言葉で「つらい」と言えないので、いつもと違うところがないか気を付けて見てあげてください。  

予防のしかた

なるべく花粉に触れないよう気を付けてあげましょう。洗濯物や布団は外に干すのは控え、帰宅後は顔や手をよく拭いて。空気清浄器などを導入しても良いですね。  

治療法は?

基本は対処療法になりますので、アレルギー症状を抑えるお薬や点鼻薬・点眼薬などをお出ししています。ご自宅でよく目を洗い、しっかり鼻水を吸引してあげることも大事ですよ。 花粉症とは長い付き合いになりますので、赤ちゃんが快適に過ごせるようにしてあげたいですね。

夏に多い「プール熱について」

第二回は夏に多い「プール熱について」暑い夏!保育園や幼稚園でも、そろそろ水遊びやプールが始まった頃ではないでしょうか?しかし楽しいプールで熱が出てしまっては残念。そもそもプール熱って何なの?教えて三塚先生!
主な症状は高熱、結膜炎、咽頭炎
39℃近い高熱と結膜炎、咽頭炎が主な症状です。特徴的なのは目とのどの症状で、目は充血して目やにが出ます。またのども赤く腫れて痛みます。
脱水症状に注意!
特効薬がないため症状に合わせた対症療法のみになりますが、高熱が続くため赤ちゃんの場合は脱水症状に特に注意が必要です。できるだけ少しずつゆっくりと水分を与えてください。
プール熱は登園停止
病院やクリニックに行けばウイルス検査キットがあり、すぐに診断が可能です。先ほど挙げた症状があった場合には早めに受診しましょう。プール熱は飛沫感染しやすいため、登園許可証が出るまで保育園や幼稚園への登園ができません。高熱や結膜炎・咽頭炎が治まり2日過ってから、医師の登園許可をもらってくださいね。 症状が治まったあとも2週間位はウイルスが排出されますので、よく手洗いとうがいが重要です。タオルなどからも感染するので共用を避け、ママも一緒にゆっくり休んで体力を回復しましょう。

『赤ちゃんの耳掃除、どうしてる?正しい方法を耳鼻科の先生に聞きました!』

耳掃除はいつから始める?どのくらいの頻度?コツはある?などなど、気になる赤ちゃんの耳掃除の正しい方法は? 赤ちゃんの耳掃除

赤ちゃんの耳掃除について

第一回は意外に知らない「赤ちゃんの耳掃除について」。2歳の息子が中耳炎になり、鼻水を吸ってもらいに耳鼻科に行った時、「耳掃除は耳垢を押し込むだけだから一切しないように」と言われたことがありました。それまで綿棒で一生懸命お掃除していたのですが、逆に耳垢を押し込む結果になっていたとは…。では、正しい耳掃除はどうすればいいの!?  

耳掃除は入口付近を清潔にするだけで十分

耳には自浄作用というものがあり、耳垢は自然に奥から入口へと移動してくるため、入口付近にある耳垢を取れば十分に耳を清潔に保つことができます。ですから、入浴後、耳垢が水分を多く含んでいるうちに、タオルや綿棒などで耳の手前のところだけやさしく拭いてあげるだけで十分なんですよ。  

ママの耳掃除では耳垢を奥に押し込むことも

綿棒を耳の奥に入れすぎると、せっかく入口付近に出てきた耳垢を逆に押し込んでしまうことがあるため注意が必要です。赤ちゃんは嫌がってなかなか耳掃除をさせてくれないこともあり、泣いたり暴れたりして鼓膜を傷つけてしまう恐れもあります。  

耳鼻咽喉科を活用しましょう

そんな時は、迷わず耳鼻咽喉科を受診して耳掃除をしてもらってください。病院に行くのをためらうママも多いですが、耳鼻咽喉科医はいわば耳のプロです。耳鏡という耳の穴を覗く器具を使って観察し専用の道具や耳垢を柔らかくするお薬などでしっかり耳のお掃除をします。
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