動画コーナー
三塚先生に鼻水吸引について解説して頂きました!
ノズル挿入のコツ
一時的に吸引力を上げる
鼻水吸引のメリット
上手に吸引する姿勢
ボンジュールの使い方
中耳炎
-
Q: こどもの中耳炎の場合、耳鼻科と小児科どちらを受診した方が良いですか?
(新生児の場合、乳幼児の場合、熱も出てる場合)
A: できれば耳鼻咽喉科がいいと思われますが、わからなければ小児科でももちろん大丈夫です。
-
Q: 鼻をすする癖があり中耳炎になってしまいました。癖を直す良い方法はありますか?
A: まずは鼻をすするくせを治さないといけません。本人に言い聞かせてはなすすりをすると耳が痛くなってしまうときちんと説明することが大事ですね。
-
Q: こどもの中耳炎で、こまめに鼻をかむ、鼻水吸引する以外の予防方法について教えてください。
A: まずはウイルスや細菌感染から中耳炎が引き起こされますので風邪予防が大事です。手洗いうがいをこまめにして、栄養をつけ風邪をひきづらく生活環境から改善しましょう。
-
Q: 中耳炎と目やには関係がありますか?
A: 鼻水が多くなると鼻を目をつなぐ鼻涙管を逆流して細菌が目のほうに達してしまいめやにが多くなります。
-
Q: 滲出性中耳炎はどうして耳に水が溜まるのですか?繰り返すのはなぜですか?
A: 耳と鼻をつなぐ耳管というところの機能がうまくいかないことが原因になります。
鼻水吸引関連
-
Q: 電動鼻水吸引器は何歳まで使えますか?こどもは何歳まで鼻がかめないものですか?
A: 大人になるまで使えます。鼻がかめないのはお子様によって年齢差があります。
-
Q: 両方の鼻が詰まってしまった時の鼻水吸引に関して注意することはありますか?
A: とくに普段の鼻水吸引と変わりはありません。
-
Q: 新生児がメルシーポット等の鼻水吸引器を使う場合は、ボンジュールなどの先が細いノズルがあった方がいいですか?なくても吸えますか?
A: もちろんなくても吸えます。鼻の孔が小さいのでほっぺをすこし引っ張りながら吸引してあげるとやりやすいです。
-
Q: 新生児の鼻水吸引をする時のノズルのあて方のコツを教えてください。
(小鼻を引っ張ると書いてありましたが、赤ちゃんにするのが難しかったので)
A: ほっぺをすこし引っ張りながら吸引するといいかもしれないですね。わからない場合には耳鼻咽喉科に受診して鼻吸引をしてもらいましょう。
-
Q: 吸っても吸ってもどんどん鼻水が出てくるのですが、一度にどれくらいの時間吸っていいなどの目安がありますか?
A: とくに目安はありません。
-
Q: こどもが寝た体勢と起きた体勢ではどちらがより多く鼻水を吸引できますか?
A: 起きていたほうが吸引がうまくできます。
-
Q: 吸引中に鼻血が出てしまいました。なぜですか?また吸っても大丈夫ですか?
A: 鼻粘膜を傷つけてしまった可能性が高いです。すこし待って鼻血が止まったことを確認してからであれば再度吸引しても問題ないです。
-
Q: 赤ちゃんの鼻水は何回吸引していいの?
A: 鼻水を吸引する回数の目安はありますか?とよくお母さんに聞かれますが、そんな時は、「特に目安はないですよ」とお答えしています。
赤ちゃんは自分で鼻をかめません。鼻水が詰まっていると、夜も眠れなくなり、おっぱいも上手に飲むことができないのです。鼻水が出ているとわかったら、回数にこだわらずこまめに吸引してあげましょう。
-
Q: 鼓膜チューブ留置術中も鼻水吸引をしていいの?
A: チューブ留置中に鼻水の吸引をすることは全く問題ありません。チューブ留置中だからこそ、ご家庭でも積極的に鼻水吸引をしましょう。
※鼓膜チューブ留置術中とは、鼓膜を小さく切開して鼓膜用の換気チューブをそこに留置し鼓室を換気できるようする処置です。
その他
-
Q: 鼻水が出ているこどもを病院に連れて行くタイミングを教えてください。
A: すこしの鼻水だと病院に行くのも躊躇してしまいますがほっておくと中耳炎や副鼻腔炎に移行してしまうこともあります。心配になったらすぐに病院に受診しましょう。
-
Q: 熱がなく鼻水だけ出ているときは病院に行ったほうがいいですか?
A: 熱がなくても鼻水が止まらない場合や黄色い鼻水のときには病院に受診しましょう。
-
Q: 白い鼻水、黄色い鼻水と、サラサラの水っ鼻の違いは何ですか?
A: 風邪の初期や花粉症・アレルギー症状の場合には白い透明な鼻水の場合が多いです。
黄色の鼻水のときには副鼻腔炎になっている可能性もあります。
-
Q: 風邪の時の鼻水とアレルギーでの鼻水、違いの見分け方はありますか?
A: 初期では見分け方が難しく目のかゆみややくしゃみがあるときには花粉症やアレルギーが疑われます。
-
Q: 花粉症のこどもにはどんな治療法がありますか?赤ちゃんでも薬を飲むのでしょうか?
A: 内服薬や点眼薬、点鼻薬もあります。症状によって内服することもありますので病院で相談しましょう。
-
Q: こどもの鼓膜が破れたらどうなりますか?
A: 中耳炎で鼓膜が破れた場合には耳垂れがでてきます。鼓膜は1日~1週間程度で閉鎖しますので経過をかならずみてもらうため病院に受診しましょう。
-
Q: こどもが飛行機に乗った際の耳抜きの仕方、教え方を教えてください。
A: こどもは難しいので水や麦茶、ミルクなどを離陸と着陸時にあわせて飲ませてあげましょう。
-
Q: 三塚先生が個人的にされているお子さまの健康管理の方法はありますか?
A: 手洗いうがいを徹底的にしています。
赤ちゃんの「いびき」について
第五回は赤ちゃんの「いびき」。放っておいて大丈夫?いびきをかく原因は?
赤ちゃんの半分くらいはいびきをかくことがあると言われていますが、いびきには睡眠時無呼吸症候群の可能性が潜んでいることも。
教えて三塚先生!
いびきの原因で最も多いのはアデノイド
赤ちゃんのいびきの原因で最も多いのは「アデノイド」。
鼻の穴のつきあたりにあり、このアデノイドが大きくなるとアデノイド増殖症と呼びます。空気の通り道を塞いでしまい、いびきの原因に。
赤ちゃんも睡眠時無呼吸症候群に?
いびきをかいている時に、一時的に呼吸が止まって見えることがあれば、睡眠時無呼吸症候群の可能性も。睡眠時無呼吸症候群の赤ちゃんは、しっかり睡眠が取れないので夜泣きが多く、昼間もぐずりがちです。
アデノイドの治療方法
ほとんどが成長とともに自然に治りますが、睡眠時無呼吸がある場合などはアデノイド切除手術の対象になります。
赤ちゃんがいびきをかいていたら、気軽に耳鼻科で相談してくださいね。
事前にスマートフォンでいびきの動画を撮っておくとスムーズにお話ができますよ。
アレルギー検査「イムノキャップ」について
第四回は最新のアレルギー検査「イムノキャップ」についてです。
赤ちゃんのアレルギー検査ってどうやるの?何歳からできる?教えて三塚先生!
イムノキャップとは?
指先に針を刺して血液をとり、20分で結果がでるアレルギー検査です。少量の血液で検査ができるので、小さなお子さんにおすすめです。
何のアレルギーかわかるの?
ダニ、ゴキブリ、ネコ、イヌ、スギ、カモガヤ、ブタクサ、ヨモギの8項目のみが検査項目に含まれています。
何歳から検査できる?
とくに何歳からという規制はありませんが、生まれてすぐの赤ちゃんには体のなかの抗体というものがすぐに増えてこないため、検査を行っても必ずわかるわけではありません。
1歳~2歳では約30%の陽性率、それ以降では約80%という報告がありますので、2歳以降のお子さんにおすすめしています。
何科で検査できる?
耳鼻咽喉科、小児科、眼科などで行っています。事前に調べてから病院に行きましょう。
アレルギーの原因「アレルゲン」がわかったら、症状を悪化させないように出来る限り避けるようにしましょう。花粉症の場合はマスクやめがねで対策し、ハウスダスト(ダニ、ゴキブリ)は室内をこまめに掃除しましょう。
「赤ちゃんの花粉症」について
第三回「赤ちゃんの花粉症」について秋の気配と同時に、こどもの鼻水が止まらない…もしかして、これって花粉症?教えて三塚先生!
主な症状
鼻水、鼻づまりと目のかゆみが主な症状です。鼻をこするなどでかゆみを訴えます。赤ちゃんは言葉で「つらい」と言えないので、いつもと違うところがないか気を付けて見てあげてください。
予防のしかた
なるべく花粉に触れないよう気を付けてあげましょう。洗濯物や布団は外に干すのは控え、帰宅後は顔や手をよく拭いて。空気清浄器などを導入しても良いですね。
治療法は?
基本は対処療法になりますので、アレルギー症状を抑えるお薬や点鼻薬・点眼薬などをお出ししています。ご自宅でよく目を洗い、しっかり鼻水を吸引してあげることも大事ですよ。
花粉症とは長い付き合いになりますので、赤ちゃんが快適に過ごせるようにしてあげたいですね。
夏に多い「プール熱について」
第二回は夏に多い「プール熱について」暑い夏!保育園や幼稚園でも、そろそろ水遊びやプールが始まった頃ではないでしょうか?しかし楽しいプールで熱が出てしまっては残念。そもそもプール熱って何なの?教えて三塚先生!
主な症状は高熱、結膜炎、咽頭炎
39℃近い高熱と結膜炎、咽頭炎が主な症状です。特徴的なのは目とのどの症状で、目は充血して目やにが出ます。またのども赤く腫れて痛みます。
脱水症状に注意!
特効薬がないため症状に合わせた対症療法のみになりますが、高熱が続くため赤ちゃんの場合は脱水症状に特に注意が必要です。できるだけ少しずつゆっくりと水分を与えてください。
プール熱は登園停止
病院やクリニックに行けばウイルス検査キットがあり、すぐに診断が可能です。先ほど挙げた症状があった場合には早めに受診しましょう。プール熱は飛沫感染しやすいため、登園許可証が出るまで保育園や幼稚園への登園ができません。高熱や結膜炎・咽頭炎が治まり2日過ってから、医師の登園許可をもらってくださいね。
症状が治まったあとも2週間位はウイルスが排出されますので、よく手洗いとうがいが重要です。タオルなどからも感染するので共用を避け、ママも一緒にゆっくり休んで体力を回復しましょう。
『赤ちゃんの耳掃除、どうしてる?正しい方法を耳鼻科の先生に聞きました!』
耳掃除はいつから始める?どのくらいの頻度?コツはある?などなど、気になる赤ちゃんの耳掃除の正しい方法は?
赤ちゃんの耳掃除について
第一回は意外に知らない「赤ちゃんの耳掃除について」。2歳の息子が中耳炎になり、鼻水を吸ってもらいに耳鼻科に行った時、「耳掃除は耳垢を押し込むだけだから一切しないように」と言われたことがありました。それまで綿棒で一生懸命お掃除していたのですが、逆に耳垢を押し込む結果になっていたとは…。では、正しい耳掃除はどうすればいいの!?
耳掃除は入口付近を清潔にするだけで十分
耳には自浄作用というものがあり、耳垢は自然に奥から入口へと移動してくるため、入口付近にある耳垢を取れば十分に耳を清潔に保つことができます。ですから、入浴後、耳垢が水分を多く含んでいるうちに、タオルや綿棒などで耳の手前のところだけやさしく拭いてあげるだけで十分なんですよ。
ママの耳掃除では耳垢を奥に押し込むことも
綿棒を耳の奥に入れすぎると、せっかく入口付近に出てきた耳垢を逆に押し込んでしまうことがあるため注意が必要です。赤ちゃんは嫌がってなかなか耳掃除をさせてくれないこともあり、泣いたり暴れたりして鼓膜を傷つけてしまう恐れもあります。
耳鼻咽喉科を活用しましょう
そんな時は、迷わず耳鼻咽喉科を受診して耳掃除をしてもらってください。病院に行くのをためらうママも多いですが、耳鼻咽喉科医はいわば耳のプロです。耳鏡という耳の穴を覗く器具を使って観察し専用の道具や耳垢を柔らかくするお薬などでしっかり耳のお掃除をします。
日常生活の工夫
衣類
アトピーっ子は肌が敏感で、少しの刺激でも痒くなってしまいます。
できるだけ肌触りの良いコットンの服を着せましょう。また、汗をかくと肌トラブルの原因となるので、肌着を着て汗を吸収させたり、汗を掻いたらすぐに拭くなど、汗を肌に残さないように心がけましょう。
お風呂
アトピーにはじっくり入浴して体を芯から温めることも大切です。熱いお湯は痒みの原因になるので、お湯の温度は37~8度のぬるめの温度に設定し、のぼせない程度にゆっくりつかるようにします。
保湿効果のある入浴剤を入れてもいいですが、肌に合わない場合もあります。かゆみや湿疹などが出る場合は、使用をやめましょう。
体を洗うときは、石鹸を泡立てネット等で良く泡立て、モコモコの泡で撫でるように洗います。あかすりタオルやスポンジなどは刺激になることもあるので、やさしく手のひらで洗ってあげましょう。また、少し温度を下げたシャワーを患部にあて、冷やしてあげると痒みが軽減します。
お風呂上りには、できるだけ早くスキンケアを行いましょう。
住環境
ダニのフンや死骸に含まれるタンパク質はアレルゲンとなり、アトピーを悪化させます。絨毯や布製のソファは避け、換気しながら掃除機をかける、カーテンをまめに洗う、雑巾で水拭きをするなどのこまめな掃除で、ダニやダニの餌となる埃などを取り除くことが大切です。
外遊び
皮膚の状態が悪く、ジュクジュクの傷になっている時の外遊びは、細菌感染のリスクがある場合もあります。砂遊びや汗をかく遊びの後は、よく汚れを洗い落として普段より丁寧にスキンケアを行いましょう。
日焼け止めを使う場合は、事前に腕の内側などに少量塗り、パッチテストをおこなってから塗るようにしましょう。虫除けも同様です。
アトピーと睡眠の質
アトピー性皮膚炎は、夜寝る前が一番かゆいといわれます。眠りにつく際に体温を下げるため、手足の血管を開いて熱を放出する作用により、体が温まる事が原因と言われています。
痒みが出ると、本人も眠れず肌を掻きむしって血だらけになったり、隣で寝ているパパやママも、真夜中に肌をボリボリ掻く音に起きてしまうことも。
体内で生成される抗炎症物質である副腎皮質ホルモンは、夜寝ている間に分泌されます。夜ぐっすり眠ることは、アトピーの改善に大きく関わってきます。少しでも良い睡眠をとるために、かゆみをできるだけ取り除いてあげたいものです。
・寝る直前にお風呂に入ると、体が温かいまま布団に入ることになってしまいます。
お風呂は寝る1時間前には出るようにしましょう。
・子供は大人が思うより暑がりです。パジャマは薄手のものに替え、上掛けは一枚少なめにかけるようにすると良いでしょう。
・痒がったらスキンケアをしてあげる
お風呂上りだけがスキンケアのチャンスではありません。痒がったら、「保水+保湿+保護」のスキンケアをしてあげましょう。肌がひんやりし、かゆみが治まりやすいです。
アトピー性皮膚炎とは?
アトピー性皮膚炎は、アレルギーと関連する皮膚炎の一種。
強いかゆみをともなう湿疹が長く続き、治ったかな?と思っても繰り返し症状が出てくることが特徴です。
・左右同じところに湿疹が出る
・肘やひざの裏など、関節部内側に出やすい。耳の下、目口の周り等にも出る
・皮膚がカサカサ・ごわごわし、かきむしるほどのかゆみがでる。また、かきむしるとジュクジュクした体液が出る
・長い間(赤ちゃんの場合:2か月以上 成人の場合:半年以上)痒み、湿疹を繰り返す
などの症状が出た場合は、アトピー性皮膚炎が疑われます。
アトピー性皮膚炎の診断
アトピーの原因を特定するため、検査を行う場合があります。
繰り返す皮膚症状の原因がアトピーであれば、原因となる物質を特定することで、
つらい症状の緩和や早期の治癒につながります。
| ①問診
・どんな時にかゆいか
・特定の食物を摂取した時に症状が出るか
・家族にアトピー性皮膚炎やアレルギーを持った人はいるか
・アトピー性皮膚炎以外のアレルギーがあるか
・ペットを飼っているか
…等 |
|
②血液検査
血液検査では、主に以下の項目がチェックされます。
・好酸球数
白血球の一種である「好酸球」の数を調べます。アトピー性皮膚炎の人は、好酸球の数が多い傾向があります。
・IgE値
アレルゲンから体を守る為にある抗体の一種です。この値が高いと、何らかのアレルギーを持っていると考えられます。
・LDH
体内の酵素で、皮膚や肝臓などに多く含まれます。皮膚が炎症を起こすと血液中に出るので、アトピーの湿疹がひどいと、この数値が上昇します。
・TARC
アトピー性皮膚炎の重症度の評価に使われる数値です。重症であるほど数値は高くなります。
子供の成長とアトピー性皮膚炎
一般的に、アトピー性皮膚炎の赤ちゃんは、生後1~2ヶ月頃から湿疹がみられます。湿疹は頭部、顔面から始まり、首や身体に広がっていきます。
皮膚がカサカサし、かゆみがでるため自分で顔をひっかいたり、顔をこすりつけてきたりするので、そのようなしぐさが見られたら、注意が必要です。
湿疹は、離乳食が始まる5~6ヶ月の間にピークになり、それを過ぎると少しずつ消えていき、顔面の湿疹は1才頃には消えてしまう場合が多いようです。
幼児期~学童期にかけては首、腋の下、肘や膝の内側など柔らかい部分に、かさかさした皮膚炎や湿疹がみられるとともに、胴体部分に鳥肌のような毛穴の盛り上がりがみられます。秋~冬にかけては肌が乾燥し、粉を吹いたようになります。
自分で体を掻くことのできる年齢の子供の場合は、皮膚のかき壊しに注意する必要がありますが、「掻いちゃダメ!」と言われすぎるとかえってそのストレスで体を掻きたくなる子供も多くいます。「掻いちゃダメ」と怒るより、集中できる手遊びなどに誘い、掻かない工夫をしていくことも大切です。
アトピーと栄養素
特定の栄養素でアトピー性皮膚炎が劇的に治る!ということは、残念ながらありません。
しかしながら、栄養のバランスを整えることで皮膚の代謝を助けたり、炎症に負けない皮膚を作ることはできます。
アトピー性皮膚炎の方の血液中には、ビタミンA、ビタミンB群、亜鉛が少ない傾向にあります。
ビタミンAは上皮細胞である皮膚の新陳代謝を促し、ビタミンB群、特にビタミンB1とパントテン酸は、ビタミンCと一緒に摂る事で、天然の抗炎症物質である体内での副腎皮質ホルモンの産生と分泌を助けます。
亜鉛は、皮膚の細胞分裂に必要な酵素を生み出すミネラルです。皮膚の炎症を抑えたり、老化を防いだりするSODという酵素を働かせ、皮膚のコラーゲン生成を促進させたりするのに重要な役割を持ちます。
また、脳のために良いと言われるDHAや血液をサラサラにすると言われるEPAには、炎症抑制作用もあります。
栄養のバランスを整えるためには、多種類の食物をバランスよく食べることが大事ですが、アトピーっ子は食物アレルギーを持っている場合も多く、食べられるものが制限されている場合もあります。マルチビタミンやマルチミネラル、DHAなどのサプリメントを上手に取り入れ、炎症を起こしにくい皮膚づくりに役立てましょう。
アトピーと腸内環境
近年、腸内環境とアレルギーに深い関係があるという研究結果が発表され、乳酸菌が注目されています。
腸には体内の免疫細胞の60%以上が存在しています。つまり腸を元気にすれば、体の免疫機能がきちんと働き、アレルギーやアトピーといった炎症を緩和することができるということです。
そこで、腸内環境を整えるための腸内細菌、いわゆる善玉菌を増やすために乳酸菌を摂ると良い、と言われているのです。
ヨーグルトや味噌、納豆などの発酵食品、善玉菌のエサになるオリゴ糖、便通を良くするための食物繊維を多く含む食品を積極的に取り入れ、腸を元気に保ってあげましょう。
離乳食とアトピー
赤ちゃんは消化機能が未熟なため、食物に含まれるタンパク質を分解できません。大きな分子のまま吸収されたタンパク質は抗体を作りやすく、アレルギーの原因となります。
アトピー性皮膚炎は、乾燥による敏感肌にアトピー素因が重なって発症する慢性の湿疹ですが、乳児期には食物アレルギーが関係することもあります。
離乳食が始まったとたんに湿疹が出始めた場合、食物のアレルギーを疑ってみましょう。
気を付けたい食材
・卵 特に卵白に含まれるタンパク質「オボムコイド」がアレルギーの原因になりやすく、注意が必要です。
・乳製品 牛乳・チーズ・ヨーグルト・アイスクリームなど、乳製品にはタンパク質が多く含まれ、アレルゲンになる可能性があります。
・小麦 パン、麺など主食の他、シチューのルーなどにも小麦が使われているので注意が必要です。
・イモ類 山芋、サトイモには「アセチルコリン」という物質が含まれており、かぶれなどの症状を起こします。
・蕎麦 少量でもアナフィラキシーいう劇症の発作を起こす場合があります。
・ピーナツ 蕎麦同様、アナフィラキシーを起こしやすい食材です。ピーナツオイルでもアレルギーを起こす場合があります。
・大豆 タンパク質を多く含むため、アレルゲンとなることがあります。
・魚介類 サケ・マグロ・イワシ・カレイ・アジ・タイ・タラ・ブリ・サバなどがアレルゲンとなりやすい魚です。離乳食に取り入れる場合は、できるだけ後期に与えた方が安心です。