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日常生活の工夫

日常生活の工夫

衣類

アトピーっ子は肌が敏感で、少しの刺激でも痒くなってしまいます。 できるだけ肌触りの良いコットンの服を着せましょう。また、汗をかくと肌トラブルの原因となるので、肌着を着て汗を吸収させたり、汗を掻いたらすぐに拭くなど、汗を肌に残さないように心がけましょう。 アトピー服

お風呂

アトピーにはじっくり入浴して体を芯から温めることも大切です。熱いお湯は痒みの原因になるので、お湯の温度は37~8度のぬるめの温度に設定し、のぼせない程度にゆっくりつかるようにします。 保湿効果のある入浴剤を入れてもいいですが、肌に合わない場合もあります。かゆみや湿疹などが出る場合は、使用をやめましょう。 体を洗うときは、石鹸を泡立てネット等で良く泡立て、モコモコの泡で撫でるように洗います。あかすりタオルやスポンジなどは刺激になることもあるので、やさしく手のひらで洗ってあげましょう。また、少し温度を下げたシャワーを患部にあて、冷やしてあげると痒みが軽減します。 お風呂上りには、できるだけ早くスキンケアを行いましょう。 アトピーお風呂

住環境

ダニのフンや死骸に含まれるタンパク質はアレルゲンとなり、アトピーを悪化させます。絨毯や布製のソファは避け、換気しながら掃除機をかける、カーテンをまめに洗う、雑巾で水拭きをするなどのこまめな掃除で、ダニやダニの餌となる埃などを取り除くことが大切です。

外遊び

皮膚の状態が悪く、ジュクジュクの傷になっている時の外遊びは、細菌感染のリスクがある場合もあります。砂遊びや汗をかく遊びの後は、よく汚れを洗い落として普段より丁寧にスキンケアを行いましょう。 日焼け止めを使う場合は、事前に腕の内側などに少量塗り、パッチテストをおこなってから塗るようにしましょう。虫除けも同様です。

アトピーと睡眠の質

アトピー性皮膚炎は、夜寝る前が一番かゆいといわれます。眠りにつく際に体温を下げるため、手足の血管を開いて熱を放出する作用により、体が温まる事が原因と言われています。 痒みが出ると、本人も眠れず肌を掻きむしって血だらけになったり、隣で寝ているパパやママも、真夜中に肌をボリボリ掻く音に起きてしまうことも。 体内で生成される抗炎症物質である副腎皮質ホルモンは、夜寝ている間に分泌されます。夜ぐっすり眠ることは、アトピーの改善に大きく関わってきます。少しでも良い睡眠をとるために、かゆみをできるだけ取り除いてあげたいものです。 ・寝る直前にお風呂に入ると、体が温かいまま布団に入ることになってしまいます。 お風呂は寝る1時間前には出るようにしましょう。 ・子供は大人が思うより暑がりです。パジャマは薄手のものに替え、上掛けは一枚少なめにかけるようにすると良いでしょう。 ・痒がったらスキンケアをしてあげる お風呂上りだけがスキンケアのチャンスではありません。痒がったら、「保水+保湿+保護」のスキンケアをしてあげましょう。肌がひんやりし、かゆみが治まりやすいです。
アトピーについて  
アトピー性皮膚炎とは?
アトピー性皮膚炎は、アレルギーと関連する皮膚炎の一種。 強いかゆみをともなう湿疹が長く続き、治ったかな?と思っても繰り返し症状が出てくることが特徴です。 ・左右同じところに湿疹が出る ・肘やひざの裏など、関節部内側に出やすい。耳の下、目口の周り等にも出る ・皮膚がカサカサ・ごわごわし、かきむしるほどのかゆみがでる。また、かきむしるとジュクジュクした体液が出る ・長い間(赤ちゃんの場合:2か月以上 成人の場合:半年以上)痒み、湿疹を繰り返す などの症状が出た場合は、アトピー性皮膚炎が疑われます。
アトピー性皮膚炎の診断
アトピーの原因を特定するため、検査を行う場合があります。 繰り返す皮膚症状の原因がアトピーであれば、原因となる物質を特定することで、 つらい症状の緩和や早期の治癒につながります。
①問診 ・どんな時にかゆいか ・特定の食物を摂取した時に症状が出るか ・家族にアトピー性皮膚炎やアレルギーを持った人はいるか ・アトピー性皮膚炎以外のアレルギーがあるか ・ペットを飼っているか …等
②血液検査 血液検査では、主に以下の項目がチェックされます。 ・好酸球数 白血球の一種である「好酸球」の数を調べます。アトピー性皮膚炎の人は、好酸球の数が多い傾向があります。 ・IgE値 アレルゲンから体を守る為にある抗体の一種です。この値が高いと、何らかのアレルギーを持っていると考えられます。 ・LDH 体内の酵素で、皮膚や肝臓などに多く含まれます。皮膚が炎症を起こすと血液中に出るので、アトピーの湿疹がひどいと、この数値が上昇します。 ・TARC アトピー性皮膚炎の重症度の評価に使われる数値です。重症であるほど数値は高くなります。
子供の成長とアトピー性皮膚炎
一般的に、アトピー性皮膚炎の赤ちゃんは、生後1~2ヶ月頃から湿疹がみられます。湿疹は頭部、顔面から始まり、首や身体に広がっていきます。 皮膚がカサカサし、かゆみがでるため自分で顔をひっかいたり、顔をこすりつけてきたりするので、そのようなしぐさが見られたら、注意が必要です。 湿疹は、離乳食が始まる5~6ヶ月の間にピークになり、それを過ぎると少しずつ消えていき、顔面の湿疹は1才頃には消えてしまう場合が多いようです。 幼児期~学童期にかけては首、腋の下、肘や膝の内側など柔らかい部分に、かさかさした皮膚炎や湿疹がみられるとともに、胴体部分に鳥肌のような毛穴の盛り上がりがみられます。秋~冬にかけては肌が乾燥し、粉を吹いたようになります。 自分で体を掻くことのできる年齢の子供の場合は、皮膚のかき壊しに注意する必要がありますが、「掻いちゃダメ!」と言われすぎるとかえってそのストレスで体を掻きたくなる子供も多くいます。「掻いちゃダメ」と怒るより、集中できる手遊びなどに誘い、掻かない工夫をしていくことも大切です。  

アトピーっ子の食事

アトピー食事

アトピーと栄養素

特定の栄養素でアトピー性皮膚炎が劇的に治る!ということは、残念ながらありません。 しかしながら、栄養のバランスを整えることで皮膚の代謝を助けたり、炎症に負けない皮膚を作ることはできます。 アトピー性皮膚炎の方の血液中には、ビタミンA、ビタミンB群、亜鉛が少ない傾向にあります。 ビタミンAは上皮細胞である皮膚の新陳代謝を促し、ビタミンB群、特にビタミンB1とパントテン酸は、ビタミンCと一緒に摂る事で、天然の抗炎症物質である体内での副腎皮質ホルモンの産生と分泌を助けます。 亜鉛は、皮膚の細胞分裂に必要な酵素を生み出すミネラルです。皮膚の炎症を抑えたり、老化を防いだりするSODという酵素を働かせ、皮膚のコラーゲン生成を促進させたりするのに重要な役割を持ちます。 また、脳のために良いと言われるDHAや血液をサラサラにすると言われるEPAには、炎症抑制作用もあります。 栄養のバランスを整えるためには、多種類の食物をバランスよく食べることが大事ですが、アトピーっ子は食物アレルギーを持っている場合も多く、食べられるものが制限されている場合もあります。マルチビタミンやマルチミネラル、DHAなどのサプリメントを上手に取り入れ、炎症を起こしにくい皮膚づくりに役立てましょう。

アトピーと腸内環境

近年、腸内環境とアレルギーに深い関係があるという研究結果が発表され、乳酸菌が注目されています。 腸には体内の免疫細胞の60%以上が存在しています。つまり腸を元気にすれば、体の免疫機能がきちんと働き、アレルギーやアトピーといった炎症を緩和することができるということです。 そこで、腸内環境を整えるための腸内細菌、いわゆる善玉菌を増やすために乳酸菌を摂ると良い、と言われているのです。 ヨーグルトや味噌、納豆などの発酵食品、善玉菌のエサになるオリゴ糖、便通を良くするための食物繊維を多く含む食品を積極的に取り入れ、腸を元気に保ってあげましょう。

離乳食とアトピー

赤ちゃんは消化機能が未熟なため、食物に含まれるタンパク質を分解できません。大きな分子のまま吸収されたタンパク質は抗体を作りやすく、アレルギーの原因となります。 アトピー性皮膚炎は、乾燥による敏感肌にアトピー素因が重なって発症する慢性の湿疹ですが、乳児期には食物アレルギーが関係することもあります。 離乳食が始まったとたんに湿疹が出始めた場合、食物のアレルギーを疑ってみましょう。

気を付けたい食材

・卵 特に卵白に含まれるタンパク質「オボムコイド」がアレルギーの原因になりやすく、注意が必要です。 ・乳製品 牛乳・チーズ・ヨーグルト・アイスクリームなど、乳製品にはタンパク質が多く含まれ、アレルゲンになる可能性があります。 ・小麦 パン、麺など主食の他、シチューのルーなどにも小麦が使われているので注意が必要です。 ・イモ類 山芋、サトイモには「アセチルコリン」という物質が含まれており、かぶれなどの症状を起こします。 ・蕎麦 少量でもアナフィラキシーいう劇症の発作を起こす場合があります。 ・ピーナツ 蕎麦同様、アナフィラキシーを起こしやすい食材です。ピーナツオイルでもアレルギーを起こす場合があります。 ・大豆 タンパク質を多く含むため、アレルゲンとなることがあります。 ・魚介類 サケ・マグロ・イワシ・カレイ・アジ・タイ・タラ・ブリ・サバなどがアレルゲンとなりやすい魚です。離乳食に取り入れる場合は、できるだけ後期に与えた方が安心です。

アトピーっ子のスキンケア

 
アトピーっ子のスキンケア
赤ちゃんの皮膚は薄く、乾燥しやすい状態にあります。皮膚が乾燥するとバリア機能が損なわれ、外部からの刺激や細菌、埃などに弱くなり、アトピー性皮膚炎を発症しやすくなります。 本来、皮膚表面の角層には、 ①水分を保持する ②外部刺激をシャットアウトする という2つの働きがありますが、アトピー性皮膚炎の場合、どちらの働きも弱く水分を保持できません。そのため乾燥しやすく、少しの刺激でもかぶれやかゆみ、湿疹などのトラブルを起こしやすくなっています。 また、アトピー性皮膚炎患児の皮膚には「セラミド」が少ないという特徴があります。 セラミドとは「角質細胞間脂質」のことで、表皮の一番上の層である角質層に存在する、その名の通り「細胞と細胞の間を埋める細胞間の脂質」の一種です。 細胞と細胞の間がセラミドで満たされていれば、水分を蓄えて皮膚を保湿することができ、また細胞間に隙間がないため、外部からの刺激をシャットアウトすることができます。 アトピーっ子の皮膚は水分が逃げていきやすく、また水分を与えてもそれを蓄える力が足りません。お風呂上りだけでなく、皮膚が乾燥しているなと感じた時は、「保水」+「保湿」+「保護」のスキンケアで、皮膚の状態を整えることが大切です。
○保水 お風呂あがり、シャワーの後はすぐにスキンケアを行いましょう。 お風呂上りは、皮膚に含まれる水分が蒸発しやすい状態になっています。 いきなり乳液などの油分を含むアイテムを塗るよりも、化粧水状の保湿剤を先に塗ってあげることで、皮膚にしっかりと水分を与えることができます。
○保湿 水分を与えたあとは保湿です。 乳液状のアイテムで、与えた水分を閉じ込め、皮膚を乾燥させないようにします。
○保護 クリーム、バームなど、油分の多いアイテムでさらに蓋をし、皮膚を保護します。夏場など、あせもができやすい時期には、油分の多いアイテムの量を減らすなどし、さらなる痒みを引き起こさないよう気を付けましょう。
近年、新生児期からスキンケアを十分に行うことでアトピー性皮膚炎の発症リスクを3割減らすことが可能との研究結果を、国立成育医療研究センターが発表しました。 生まれてすぐからの保水・保湿、保護で、赤ちゃんの皮膚を守ってあげましょう。  
 
アトピー性皮膚炎の薬
子供の皮膚に湿疹やかゆみが出た場合、アトピー性皮膚炎を疑って受診すると保湿剤が処方され、それで改善しない場合はステロイド外用薬が出される場合が多いようです。 ステロイド外用薬を塗ると、湿疹やかゆみはすぐに治まります。 しかし、ここで間違ってはいけないのは、「ステロイドはアトピーを治す薬ではない」ということです。 ステロイド外用薬は、炎症がひどく保湿剤では手に負えなくなった場合に、期間を限定して炎症を鎮めるために使用するための薬です。 ステロイドとは副腎皮質ホルモンのことで、体内の副腎という内分泌器で作られる物質です。 副腎は髄質と皮質で構成され、このうちの皮質から「グルココルチコイド」というホルモンを出します。このホルモンは強力な抗炎症作用と免疫抑制作用を持ちます。 このグルココルチコイドを人工的に合成し、消炎効果を高めたものがステロイド外用薬です。 ステロイド外用薬を使用すると、その強力な抗炎症作用により、皮膚の炎症がたちまち消えていきます。しかし、強力すぎるがゆえに、使用方法を誤るとときにさまざまな副作用を引き起こしてしまいます。  
ステロイド外用薬の種類
ステロイド外用薬は、薬効の強さにより「Strongest(最も強い)」から「Weak(かなり弱い)」まで、5種類に分別されます。
強さ 商品名
Strongest (最も強い) デルモベート ジフラール ダイアコート
very-strong (非常に強い) ネリゾナ トプシム シマロン パンデル マイザー リンデロン-DP ビスターム アドコルチン フルメタ アンテベート
strong (強い) リンデロン-V リンデロン-VG 抗生物質配合 コルデールG 抗生物質配合 トクダーム ボアラ リドメックスコーワ エクラー プロパデルム フルコート フルコートF 抗生物質配合
medium (弱い) ロコイド キンダベート ロコルテン アルメタ ケナコルトA レダコート
weak (かなり弱い) グリメサゾン オイラゾン デキサメタゾン プレドニン テラ・コートリル 抗生物質配合 ネオ・メドロールEE 抗生物質配合
  ステロイド外用薬には副作用があるため、患部の炎症のひどい箇所と軽い場所、また吸収しにくい部分としやすい部分とで、使い分けをする必要があります。 たとえば、吸収しにくい腕と吸収しやすい顔に同程度の炎症が起こったとしても、使う薬剤は変えなければいけません。
ステロイド外用薬による副作用
・皮膚萎縮・毛細血管の拡張 ステロイドは炎症を抑える代わりに、皮膚の細胞増生も抑制してしまう働きがあります。 必要以上に強いものを長期にわたって使用すると皮膚細胞の増殖が抑制されて皮膚が薄くなってきます。また、皮膚が薄くなるため、毛細血管が浮き上がってみえるようになります。 ・細菌への感染 ステロイドは強力な抗炎症作用を持つとともに、免疫抑制作用をも持っています。そのため、ステロイド外用薬を塗布した患部の免疫力が抑制され、白癬菌やカンジダ、黄色ブドウ球菌、溶連菌などに感染し、合併症を起こすことがあります。 ・多毛 主に乳幼児に見られる副作用です。使用をやめるともとに戻っていきます。 ステロイド外用薬は、荒れた皮膚の表面を一時的に立て直すものです。 アトピー性皮膚炎は体質と深く関わっているため、一時的にきれいになっても、季節の変わり目など些細なきっかけでぶり返します。 皮膚の炎症のひどいときに必要な量のステロイド外用薬を短期間使用し、炎症が治まった時点で徐々にスキンケアと併用して使用頻度を少なくしてから使用を止める等、副作用を極力起こさないようにすることが重要です。    
ステロイド以外の薬
・タクロリムス軟膏(プロトピック) 臓器移植後の拒絶反応を抑制するために使われていた免疫抑制剤を外用にした軟膏です。ステロイド外用薬のミディアム~ストロング程度の抗炎症作用を持ち、皮膚萎縮や皮膚バリア機能低下などのステロイド外用薬でみられるような副作用はないとされています。 ただし、まったく副作用がないわけではなく、塗った時に灼熱感やほてり感、ヒリヒリ感、かゆみなどが出たり、ステロイド同様皮膚の免疫作用を抑えるため、細菌やウィルスに感染しやすい状態になります。 また、妊婦への使用および2歳以下の幼児への使用は禁止されています。 ・非ステロイド外用薬 以前は非ステロイド外用薬の代表としてよく使用されましたが、この外用薬は発赤や刺激感、かゆみなどが出ることがあり、また最近の研究ではアトピー性皮膚炎をかえって難治化してしまうことが判明しました。したがってその使用に関しては、医師と十分に相談しましょう。 ・ヘパリン類似物質(ヒルドイド) 主に保湿剤として処方される外用薬です。皮膚の血行を促進したり、炎症を抑える効果も持っています。 ビーソフテンはヒルドイドの後発のジェネリック医薬品で、同等の効果を持ちます。 ・ワセリン(プロペト) 主に保護剤として処方され、他の軟膏と混ぜて薄めるための基剤として処方されることもあります。 皮膚を潤わせるものではなく、皮膚を保護したり水分の蒸発を防ぐためのものなので、単品でいきなり塗るよりも、保水・保湿をしっかり行ったうえで保護剤として使用する方が向いています。

耳鼻咽喉科医の三塚先生に教わるベビーヘルスケア。

耳鼻咽喉科医・三塚沙希先生はなんと2人の男の子のママ!先輩ママでもある三塚先生に、赤ちゃんの「みみ・はな・のど」のケアについて教えていただくコーナーを設けました。教えて三塚先生!  
鼻水Q&Aコーナー
三塚先生にママの疑問にお答え頂きました!
第1回 『赤ちゃんの耳掃除について』
耳掃除はいつから始める?どのくらいの頻度?コツはある?などなど、気になる赤ちゃんの耳掃除の正しい方法は?
第2回 夏に多い「プール熱について」
暑い夏!保育園や幼稚園でも、そろそろ水遊びやプールが始まった頃ではないでしょうか?しかし楽しいプールで熱が出てしまっては残念。そもそもプール熱って何なの?
第3回 赤ちゃんの花粉症
秋の気配と同時に、こどもの鼻水が止まらない…もしかして、これって花粉症?
第4回 アレルギー検査「イムノキャップ」について
赤ちゃんのアレルギー検査ってどうやるの?何歳からできる?
第5回 赤ちゃんの「いびき」について
放っておいて大丈夫?いびきをかく原因は? >動画コーナー<
小児科医 浦島崇監修
   
運動神経の良い子・頭の良い子のカギは足?
その理由は・・・ 踏ん張る力をつけることによって歩けるようになり、筋肉が発達する→歩けるようになると行動範囲が広がるので色々な事に関心を示して手も使い出す。→足裏・手指から伝わる刺激は脳も刺激する事になり神経細胞の増加につながる。というメカニズムです。「立つ」「歩く」「走る」「跳ぶ」刺激は脳を活性化させて、血液好循環と共に脳の発育を促進させます。健康な足は、「積極性」 「創造性」「集中力」をも生み出し、活発で健康な子供達の心と身体を作ります。 一生の足は、土踏まずを作る7つの足根骨がかたい骨になる小学生までに決まってしまいます。一番大切な時期の【足育】を一緒に考えましょう。
 
巻き爪は足の退化
巻き爪 お母さんの中にも、足に爪が食い込んで痛い【巻き爪】で悩んでいる方も多いはず。日本人の男女6割が巻き爪といわれ、 パンプスや革靴など底が厚い靴による現代病です。巻き爪とは、爪が退化することでアーチ状に親指の肉にくいこんだ状態をいいます。それではなぜ爪が退化してしまうかというと、本来、人間は歩く時には、かかとから足の指にかけて、図のように①→②→③→④と重心を移動して歩いているのですが、巻き爪の人は、足指が使えないため、①→②→③→①→②→③・・・の繰り返しで歩いています。巻き爪とは、爪の退化ではなく、厚い靴底に守られた足指が、地面から浮いた状態で退化しているのです。 足指が地面から浮いて使えない状態を【浮き足】といいます。 近年、足指を使えない【浮き足】、土踏まずにアーチのない【偏平足】、ハイヒールを履いた女性に見られる【外反母趾】などの足病が、小学生の50-60%に見られ、突然の転倒や、頭痛・腰痛・自律神経失調など、様々な障害のもととなっています。特に【浮き足】と【偏平足】は、足指のクッションが使えないため、かかとから過剰な刺激が脊髄・頚椎・脳にまで伝わってしまったり、まっすぐ立てずに猫背になるなど、最も気をつけなければならない足病です。
 
浮き足・扁平足
浮き足 浮き足とは、足指の機能の低下により、2点でしか重心をささえていない状態で、重心の位置がかかと寄りになっている状態です。かかと重心で立った姿勢は、非常に不安定です。そのため、頭を前に出して背中を丸めて、猫背でバランスをとっているのです。逆立ちや、腕立て伏せなど、手に体重をかける時、私たちは必ず手指に力を入れて踏ん張っている にもかかわらず、歩いている時には足指を浮かせている。というのが、【浮き足】の状態です。 私たち大人の足の指は、親指と親指以外の4本のゆびが一緒に動きますが、赤ちゃんは、 親指・小指と真ん中の指3本は別に動きます。なぜかというと、親指の神経は、第4腰椎、 次の3本は第5腰椎、小指はその下の仙骨から出ているからです。なので、赤ちゃんの足の指は、 大人に比べてよく動きます。足指が動くことによってしっかりと踏ん張って歩けるようになり、 バランス能力や運動能力が身につきます。逆に、足指が使えないと ・バランスがうまく保てない ・すばやい動きができない ・いきなり転ぶ などの障害が出ます。 残念ながら、年を経るごとに、赤ちゃんのときの能力が退化し、足指が動きにくくなってきます。それまでの間に、裸足や裸足に近い環境で、足指が動きやすい状況を作って能力を高めてあげなければなりません。 浮き足チェック方法 親指をそらせた時、90度以上曲がるようなら要注意。 子供の足裏に水をつけて、フローリングの床に立たせた時、指のあとがきちんと写るかどうからも判断できます。 出展:オーソティックスソサエティー 偏平足 足指には、開いたり閉じたり上下させたりして全身のバランスを取る機能があります。 ところが、幼稚園の年長組の子どもを調査したところ、足の指を全部開くことができた子供は約1割。 特に偏平足の子どもの9割近くが、まったく指を開けないとの報告があります。 土踏まずにアーチを作る筋肉は、足の指につながっています。足の指をよく使うことが、これらの筋肉を引き締め、 理想的なアーチをつくってくれるのです。逆に、指を使わないと、足裏の筋肉はゆるみ、偏平足になりやすくなります。 足指の衰えと偏平足には、深い関係があるのです。 土踏まずの役割 ・足裏をアーチ状で支えるため、立った状態や片足立ちの姿勢を安定させます。 ・飛び跳ねた時にクッションの役割を果たし、ショックを和らげます。 ・足指の動きを良くします。 つまり、立つ・走る・跳ぶ・踏ん張るなど、基本的な動きの全てに土踏まずが重要な役目を果たしています。
 
0歳からのフットケア
赤ちゃんの手のひら・足の裏をつつくと、ぎゅっと握り返す反射があります。これは「把握反射」「足底反射」とも呼ばれ、生まれながらにして備わっている原始反射です。足底反射を促す事によって、足裏をぎゅっと握らせて踏ん張り力を脳に記憶させてあげましょう。 フットケア ①歩き始める前に歩く準備を 歩き始める少し前から、抱っこしながら足裏全体をマッサージしてあげましょう。赤ちゃんの足裏は、厚い脂肪に覆われていますので、優しくなでるより、爪先で軽く刺激を与えます。足裏の刺激は、脳の神経を刺激し、踏ん張る動作と同時に本能的に体のバランスをとったり、安全に歩くための運動能力をめざめさせます。歩き始める前から足裏を刺激して、 踏ん張る力をつけておく事が最初のフットケアです。 ②歩行器よりもハイハイを 立って歩かせたい!という親心をぐっとおさえ、ハイハイさせましょう。ハイハイは、歩行器よりも肺を強く、呼吸を深くし、脳にたくさんの酸素を送り込みます。足裏刺激とハイハイで、脳を活性化させます。 ③立ち上がったら、手にも刺激を 歩き始める事によって、自然と足裏からの刺激が脳に伝わります。足裏刺激によって足指をぎゅっと踏ん張れる赤ちゃんは、ますます踏ん張る力が強くなるとともに、土踏まずのアーチもはっきり形成され、うまく歩けるようになり、体も発達していきます。 歩けるようになると行動範囲も広がるので、色々なものに触ったり、踏んづけたりと新たな刺激が加わり脳が発達します。立ち上がったら足の刺激同様に、手にも刺激を与えて、握る力【把握反射】を発達させてあげましょう。足底と手のひらへの刺激は、脳に伝わり神経細胞や神経細胞同士をつなぐ【シナプス】の増殖へとつながります。
子共と一緒に楽しく足育してみませんか?
タオルのひっぱりっこ お母さんと1枚のタオルの端と端を足の指で引っ張りっこします。 床にタオルを広げ、指を使ってたぐり寄せるタオルギャザリングも効果的です。 足じゃんけん 偏平足気味の子は足指5本を開いて【パー】の指にすることができない傾向があります。 これは、足に筋肉がないために開いた状態を作ることができないのが原因です。 足じゃんけんは、子供の足の状態を知り、鍛える良い方法です。 足からの刺激は、脳の発育には欠かせません。 また、子供が成長してから浮き足や偏平足の心配をする事がないように、歩き始めからきちんと対策をしておきましょう。 子供の足のトラブル参考サイト 特定非営利活動法人(NPO)オーソティックスソサイエティー http://www.orthotics-society.or.jp/visitor/children/index.html
小児科医 浦島崇監修
 

赤ちゃんの歯とお口のケア

赤ちゃんの口

赤ちゃんのお口

赤ちゃんがおっぱいを吸うことを吸啜(きゅうてつ)といいます。口に入ってきたものを強く吸うという赤ちゃんが持って生まれた反射によるもので、舌をうねらせるような動きの蠕動様(ぜんどうよう)運動で母乳を引き出します。 生後約6ヶ月頃になると、徐々に反射がおさまり、離乳食の準備をはじめることができます。 小さな歯が初めてお口の中に顔を出すのもこの頃です。また、歯が生える前になるとよだれがたくさん出たり、口をブーブーいわせる赤ちゃんもいます。歯が生えてくる痛みやむず痒さがイヤで「歯ぐずり」をしているのかもしれません。そんな時はちょっと表に出て気分転換をしたり、歯固めを与えてみてもいいかもしれません。

授乳期のお口のケア

あかちゃんのよだれは1日に1.5リットルも出ると言われています。このよだれはいつもお口をお掃除して虫歯を予防してくれていますので、歯が生えてくるまでは、赤ちゃんのお口のお掃除は必須ではありません。飲みすぎによる嘔吐の後や舌の汚れなどが気になる保護者は、湿らせたガーゼでやさしくぬぐってあげると良いでしょう。 生後3か月頃になると、口の中に色々なものを入れて噛むようになります。安全な赤ちゃん専用の歯ブラシを持たせ「お口ピカピカしようか」などと声をかけてあげると、歯みがきなどこれからのお口のケアの練習になります。

指しゃぶり(おしゃぶり)と歯並び

生後6か月頃の赤ちゃんは何でも口へ運び、おしゃぶりのようにしゃぶるようになります。これは目と手の協調運動の学習とともに、手や口を刺激することで脳の発達が促進されるといわれています。 3歳くらいまでの指しゃぶりは、吸啜(きゅうてつ)という反射の名残です。「歯並びに影響するのでは?」「取れなくなったらどうしよう」と心配される方もいるようですが、基本的に指しゃぶり・おしゃぶりともに、3~4歳になると自然に減っていきますのであまり神経質になる必要はありません。 どうしても気になるようであれば、おしゃぶりをくわえる回数を制限してみたり、指しゃぶりをしている時に何か他のものに興味を持たせるようにするなど、無理せず徐々にやめさせる方向にもっていきたいですね。どうしても治らない場合は専用の器具などもあるようなので、歯科医や小児科の先生に相談してみるのもよいかもしれません。

赤ちゃんの歯みがきはいつから?

赤ちゃんの歯みがきは、6ヵ月~1才くらいから始めると良いでしょう。この時期は間食も少なく、だ液の自浄作用で十分お口を清潔に保てるので、歯をゴシゴシみがくというよりも、歯ブラシを口に入れる感覚と歯みがき習慣を身につけましょう。自分で歯ブラシを持てるようになったら、自分みがきにも挑戦してみましょう。しかし、自分みがきではほとんど歯が磨けていないのが現実。保護者は大変ですが仕上げ磨きで毎日しっかりチェックして正しいお口のケアを教えてあげることが大切です。仕上げ磨きはできれば大人の歯が生えそろう12歳までしたいところです。それを通じて、親子のスキンシップの場にもなり、むし歯だけでなく歯並びチェックや精神衛生上有意義な時間となることでしょう。 歯ブラシの段階 ・ふき取り&マッサージ (ガーゼでふきふき&シリコンで歯ぐきマッサージ) ・保護者による仕上げみがき ・自分みがき
歯ブラシの段階
歯科検診に行き「添い乳をしてると虫歯になるよ」などと言われて心配に思っている保護者もいるかもしれませんね。虫歯になりやすい歯質の赤ちゃんと、虫歯になりにくい歯質の赤ちゃんがいますので、一概に「添い乳が悪い!」とは言えませんが、基本的に母乳に含まれる乳糖だけでは、虫歯の原因になることはないと言われています。 ただし、離乳食やおやつ、ジュースを飲んだ後、そのまま添い乳をして眠ってしまうと虫歯になる可能性があります。虫歯が心配な保護者は、添い乳して寝る前に、一度口の中を濡れたガーゼなどでやさしくそっと拭ってあげてください。

ママの虫歯がうつるって本当?

「むし歯菌」とも呼ばれる「ミュータンス菌」という言葉を、耳にしたことはありますか? ミュータンス菌とは虫歯の原因となる細菌の一種で、甘いものや食べカスが反応し、歯垢となり、酸を作って歯を溶かします。 虫歯菌は歯の表面に住みつきます。まだ歯がない赤ちゃんの場合、口の中へ入ってしまっても住みつくところがないので影響はありません。 生まれたばかりの赤ちゃんのお口の中を調べて見ると、虫歯菌はひとつもありません。 では、どうして虫歯になってしまうのでしょう?何かの機会に家族の誰かから、赤ちゃんのお口の中に虫歯菌が感染してしまうからです。ミュータンス菌は唾液から赤ちゃんにうつると言われていますので、まずはお母さんやお父さん、ご家族の方がむし歯を治し、口腔ケアを大切にしましょう。むし歯菌のみならず多くの菌が、生後かなり早い時期に赤ちゃんの口の中でみつかります。 早期にむし歯菌へ感染することを予防するためには、お箸などを使い分けるのも一つの方法です。また、食べ物の口移しをしないなど、感染の機会を減らすように気を付けましょう。しかし、お箸の共有などは親子のスキンシップや集団生活上必要なことでもありますので、歯みがきができるようになったら、歯磨きをしっかりすることに気を付けて、様子を見ながら箸などの共有をしていっても良いでしょう。
★こどもの虫歯の三大要素★ ・虫歯菌 ・食べ物(糖類) ・歯の質 虫歯歯の三大要素
子どもは生まれ持って歯の質が強かったり、弱かったりします。実は乳歯のみならず大人の歯も、お母さんのお腹の中にいる時からでき始めます。「この子は歯が弱いかもね」と歯科検診で指摘された保護者もいるのでは?そういった場合、牛乳や小魚でカルシウムをしっかり摂り、バランスの良い食事をして、なるべく歯の質を上げられるようサポートしてあげましょう。歯医者さんでフッ素を塗布してもらうのも効果的です。

歯の生え始め

保護者が妊娠してから6~7週目で、すでに赤ちゃんの乳歯ができ始めます。その後1〜2年の長い時間をかけて乳歯が完成し、生後6〜9か月頃に下の前歯が生えはじめ、2〜3歳頃にかけてだんだんと生え揃っていきます。 乳歯は全部で20本。通常は下のような順番で生えていきますが、前後することもあります。 1. 生後6~9ヶ月 下の前歯 2. 生後9~10ヶ月 上の前歯 3. 生後11ヶ月~1歳頃 上下の前歯4本ずつ 4. 1歳2ヶ月~1歳6ヶ月 奥歯(第一乳臼歯) 5. 1歳9ヶ月~2歳頃 犬歯 6. 2歳6ヶ月頃 奥歯(第二乳臼歯)
虫歯歯の三大要素
歯の生え始める時期や生える順番にはずいぶんと差があり、生まれた時にすでに1本生えていたり、1歳になってからようやく1本目が生えてきたり、それぞれ違います。まわりの子より多少早かったり、遅かったりしても、特に気にする必要はありません。 「歯ぐずり」という言葉があります。歯の生え始めは歯ぐきがむずむずしたり、歯が歯ぐきをやぶって出てくる痛みがあったりと、不機嫌になったり不安定になったりする時があります。 赤ちゃんがぐずり続け、何をしても泣き止まない時はもしかするとこの歯ぐずりが原因かもしれません。そんな時のためにベビー用品店ではさまざまな歯がためが販売されています。シリコン素材のやわらかいものや、水を入れて冷蔵庫でひんやりさせられるものも。赤ちゃんのお口に入るものですから、素材に注意をして安全なものを選ぶようにしましょう。

お口のケアと虫歯予防

歯が生えてきたら、虫歯予防に寝る前の歯みがきを習慣に。睡眠中は唾液の分泌量が減少するためお口の中の細菌が繁殖しやすくなります。就寝前にしっかり食べカスなどを取り除くという習慣をつけましょう。歯みがき後、麦茶などのお茶を飲むと、お茶わんの茶しぶと同じで歯に着色が出ることがあります。水分補給はお水か白湯にしましょう。 仕上げ磨きの上手な磨き方 ・持ち方 えんぴつを握るように持つと、細かく動かすことができます。 ・動かし方 小刻みに左右に振動させ、少しずつずらしていきます。 ・あて方 歯の面に垂直にあてる 歯と歯茎の境目に45度の角度 歯ブラシを縦にして縦みがき ・雰囲気 保護者は笑顔で、やさしく楽しくを心がけましょう。 ・体勢 だっこみがき 寝かせみがき ※仰向けが嫌いなお子さんもいますので、その場合は向い合せになりみがいてあげましょう。お子さんを立たせることだけは絶対にしないでください。転倒して歯ブラシがのどの奥や脳に突き刺さる事故につながります。また、無理やり押さえつけての仕上げみがきも厳禁です。お子さんが歯みがきを嫌ってしまいます。ご注意ください。
歯ブラシ体勢
Point! ・歯と歯ぐきの境目や、奥歯の溝、上の前歯の裏側、歯と歯の間は、磨き残しの多い部分です。気を付けてみがいてあげましょう。
歯と歯茎の境目 歯上から
・赤ちゃんの上唇の裏にある「上唇小帯」は歯に近く大きいので当たりやすく、当たるととても痛いので歯ブラシを嫌いになってしまう可能性があります。 保護者の指で押さえたり、左右別々にみがくなど当たらないよう気を付けてみがいてあげましょう。歯と歯の間にまで延びているものは切除することもありますので、歯科医院で相談してみてください。
上唇小帯
・歯ブラシは毛先が開くと弾力性が落ち、みがき残しが多くなります。ブラシの毛が開いたままではせっかく歯みがきをしてもお口の中がきれいになりません。歯ブラシが開くのが目に見えるちょっと前、目安として1か月くらいで交換をしてあげるといいでしょう。

離乳食やおやつがはじまったら・・・

歯が生えはじめ、離乳食が始まったら、保護者の仕上げ磨きをスタートしましょう。また、おもちゃ代わりに赤ちゃん用の歯ブラシを持たせて歯ブラシを持つことに慣れさせましょう。まだうがいのできないうちは、うがいのかわりに湯冷ましや麦茶を食後に飲ませてあげましょう。また寝る前の歯磨きを習慣にしましょう。ここでの歯みがきの習慣づけができるかどうかで、お子さんの一生を決めてしまいますので、とても大切です。
・おやつのあげかた 砂糖を含んだ甘いものを食べると、お口の中の虫歯菌の活動が活発になり、虫歯菌が酸を出します。歯は酸にとても弱いので、この酸によって歯が溶け始め、これが虫歯の原因になります。食べ始めてから数分後には歯の表面からイオンやミネラルが溶けだしていき、その後、唾液によって酸が中和され、歯の表面が元の状態に戻っていきます。(この修復作用を再石灰化といいます)。おやつの時間を決めずに1日に何度もお菓子を食べたりジュースを飲んだりしていると、再石灰化が追いつかなくなり、その度に虫歯菌に溶かされて修復が間に合わなくなり、虫歯が出来てしまうのです。これを酸蝕歯(さんしょくし)と言います。酸蝕歯では、歯が白濁(はくだく)したり透き通ったりします。また中には歯が欠けてしまうこともあります。・虫歯になりやすいおやつ 砂糖の多く含まれているもの(クッキー、チョコレート、など) 食べ終わるのに時間のかかるもの(あめなど) 歯にくっつきやすいもの ※長時間お口に残ってしまうため(キャラメル、ガムなど) おやつに上記のようなものを食べた時は、しっかり歯を磨くようにしましょう。・甘い飲み物にも砂糖がいっぱい コーラやスポーツドリンクなどの炭酸飲料には砂糖がたくさん入っていることはみなさんご存知だと思いますが、実は野菜ジュースやイオン飲料水にも含まれています。飲み物の成分にも注意が必要です。飲みすぎには注意したいですね。 ・おやつは量よりも回数に注意 おやつはあげる時間と1日の回数を決めましょう。食べた後は歯みがきやうがい、まだうがいができない場合は水や麦茶を飲む習慣をつけることも大事です。 ・かむ力を育てよう 赤ちゃんのかむ力を育てることはとっても大事。噛むことで唾液の分泌量が増え、口の中がきれいになり、歯の再石灰化が促進されます。あごが強くなり歯並びもきれいに。また脳が刺激され、発達にもよい影響を与えるといわれています。 Point! 噛む力を育てるため、こどもにおすすめのおやつ。 おしゃぶり昆布・するめ・煮干・枝豆・とうもろこし・りんご・なし・干しいもなど

はじめよう虫歯予防!

乳歯は虫歯になりやすい ・歯がやわらかいため虫歯になる確率が高い ・乳歯は再生能力が弱い ・上手に歯磨きができない(仕上げ磨きが大変) 乳歯はいずれ生え変わるから、虫歯になっても平気…? 乳歯が虫歯になるとこのような影響があります。 永久歯の歯並びが悪くなる (虫歯などで抜いてしまうと永久歯は生えてくる目印を無くしてしまい、歯並びが悪くなってしまいます) 永久歯の歯の質が悪くなる (乳歯の虫歯で歯の根っこに膿が溜まってしまうと、下でつくられている永久歯にも影響があります) 事前にできる虫歯対策 ・フッ素を塗布する 「フッ素」とは歯質を強化し、歯に汚れがつかないようにすることで虫歯菌から歯を守ることができます。現在ではフッ素の入った歯磨き剤も味や濃度さまざまなものが販売されています。
虫歯になりやすいおやつ
・シーラント シーラントは、形が複雑だったり溝が深い奥歯の溝にレジン(樹脂)を貼り付ける処置のことです。ブラッシングだけでは予防しきれない虫歯を防ぎます。一般的には3~4歳から使用が可能と言われています。
虫歯になりやすいおやつ
・定期健診 市区町村で行われる歯科検診はもちろん、かかりつけの歯科医を作り、定期的に健診を受けることが大切です。最近では予防歯科と言われ、虫歯ができる前に歯医者に行くことが推奨されています。乳歯が生えたら、1歳までに歯科検診を受けましょう。赤ちゃんのなるべくご機嫌の良い午前中に済ませてしまうのがオススメ。歯とお口のケアや生活上の注意点について不安に思うことがあればこの機会に先生に相談してみましょう。

乳歯と永久歯

乳歯は赤ちゃんがおなかの中にいる妊娠7週頃に発生します。妊娠4〜5ヵ月ころには石灰化といって、歯が硬くなっていきます。その後1〜2年くらいかけて乳歯の完成です。いくつかの永久歯も妊娠4か月ごろにつくられ始め、永久歯は長い年月をかけて完成していきます。 「乳歯」がはえてくるのは、ほぼ生後6ヵ月ごろからですが、この歯の芽(歯胚しはい)は妊娠して約6~7週めころからでき始めます。 妊娠したことがわかるのは、早くて4~5週めですから、受胎を確認したころには、もう歯胚が形成されていることになります。赤ちゃんのためにも、お母さんは栄養管理やたばこや過度なお酒といった嗜好品にも気をつけてください。
耳鼻咽喉科医 三塚沙希監修
花粉やホコリなどのアレルギーの原因が体内に侵入しないように、鼻水が分泌されます。 鼻水の状態で病気の症状を判断することができるので、注意して見てみましょう!  
 
鼻水の種類
ここでは代表的な2種類を説明します。 ①サラサラの鼻水 鼻の前の方に流れることが多く、風邪やアレルギーによる鼻炎のときに出ます。 ②ネバネバの鼻水 鼻水が出始めてから数日経った頃や、慢性副鼻腔炎の疑いがある時にみられます。鼻の奥からのどに向かって流れることが多く、これを後鼻漏といいます。
奥に詰まった鼻水はどうやってとるの?
鼻をかんでも出すことができない奥に詰まった鼻水は、口で吸うタイプの吸引器ではなく、電動の鼻水吸引器を使用すると簡単にとることができます。 とはいえ、鼻の中は複雑な構造をしているので、「電動鼻水吸引器を使うだけで、すぐにすっきり!」という訳ではありません。 うまく吸うためにも、鼻の構造について勉強しておきましょう。

鼻水をうまく吸引する方法

鼻水を吸引する際に、念頭に置いておくべきポイントは2つあります。 その1:鼻の中はとても狭く、凹凸があるため、複雑に入り組んでいる。 外から見るかぎりだと、鼻の穴はまっすぐ伸びているように感じますが、実は内側は粘膜が出っ張っていて、複雑な形をしています。さらに、子どもの鼻腔内は、細く曲がりくねっているので、とても狭いです。奥にある鼻水を吸い取るには、ノズルの先を正確に鼻水のたまっているポイントへ向ける必要があります。しかし誤って出っ張った粘膜を吸引してしまうと、傷がついたり、腫れて余計に鼻が詰まってしまうことがあります。 吸引器を使うときは鼻の構造をしっかり理解し、粘膜を吸ってしまわないように注意しましょう。鼻の中の出っ張りは手前から順に下鼻甲介(かびこうかい)中鼻甲介(ちゅうびこうかい)上鼻甲介(じょうびこうかい)と並んでいます。 その2:後鼻漏の原因となるネバネバ鼻水は喉に近い鼻の奥にたまっている。 鼻の穴は下に向かって開いています。そのため、鼻水を吸引するときは吸引器の先端を真上に向けて入れてしまいがちです。しかし図のように後鼻漏の原因となるネバネバの鼻水は、鼻の穴からほぼ水平方向の一番奥にたまっています。その1でも述べたように、手前には粘膜のでっぱりがあることをふまえて、その奥へと吸引器の先端を入れましょう。

鼻水吸引のポイント

鼻の構造を学んだところで、次はいよいよ吸引方法をご紹介します。吸い方のポイントを抑え、安全に鼻水を吸引しましょう。 ポイント1:吸引器の先端(ノズル)は鼻の穴から水平方向に入れる! 鼻の穴は下に向いているため、ノズルの先を上に向けてしまいがちですが、ネバネバの鼻水は鼻の穴とほぼ水平方向の一番奥、のどに近いところにたまっています。ノズルは、鼻の穴の水平方向へゆっくり入れていきましょう。 ポイント2:少しずつ角度を変えて、よく吸い取れるポイントを探す! 水平方向を意識しながら、少しずつ角度を変えながら吸引していると鼻水がどんどん出てくるポイントがみつかることがあります。ポイントを見つけたらその角度をキープして、吸引を行いましょう。 吸引時の注意 ・強い力で一気に吸引しない ずるずると鼻水が取れ始めると一気に吸い出したくなりついつい強い圧で吸ってしまいがちですが、焦らずゆっくりと少しずつ吸いましょう。 ・強く押し当てない ノズルは鼻の穴に軽くあてるだけでもよく吸い取れるので、強く押し込まないようにしてください。鼻が詰まっているときは、下鼻甲介の腫れによって通常よりも鼻の中は狭くなります。粘膜を吸ってしまわないように気をつけて吸引を行いましょう。
吸引時の体勢
鼻水を吸引する際は頭をしっかり固定してください。頭が固定されていれば、基本的にどのような体勢でも大丈夫です。(頭が動いてしまうとノズルの位置が安定せず、出っ張った粘膜を傷つけて鼻づまりを悪化させてしまう恐れがあります。) 小さいお子さんの場合は、横向きに抱き、手で頭を支えながら、空いた手で吸引するのがオススメです。また赤ちゃんの場合は、床に座ってひざや太ももで頭を抑え、上から覗き込むようにして吸うとラクに吸引できます。 子どもは一度「鼻水を吸引する=怖い!」と感じてしまうと、次から吸引を嫌がるようになってしまいます。「治療」というより、あくまで「ママとのスキンシップの延長線」のような感覚で行えるのが理想です。子どもを安心させるためにも、吸引の前に一度ママが自分で試しながら「怖くないよ?楽になるよ?」と子どもに見せて上げることも効果的です。
 
鼻水吸引による影響
鼻は口はもちろんのこと目や耳ともつながっています。 鼻水の吸引を間違った方法で行ってしまうと、鼻以外の部分にも影響が及ぶことも… 安全なケアを行うためにも、鼻水吸引による体への影響について勉強しましょう!
耳の痛み 鼻を強くかんだとき、耳がキーンと痛く感じたことはありませんか? これは鼻と耳が耳管でつながっているために起こる現象です。 吸引器を使って鼻水を吸うとき、子どもにもこれと同じ現象が起こることがあります。 特に強い圧で長い時間吸引していると起こりやすく、一時的に痛いだけの場合もありますが、この状態が続くと中耳炎を発症する原因にもなるので注意が必要です。 頭や歯の痛み 鼻水を吸引しているとき、子どもが急に頭痛や歯痛を訴えることがあります。 急性副鼻腔炎という病気にかかっている時に多くみられる現象で、これは鼻の奥にある副鼻腔にウィルスが入り、炎症を起こす病気です。この時に鼻水を吸引すると、粘膜に圧力がかかり強い痛みが起こる場合があります。 この痛みはとても強く、子どもが一度経験すると次から怖がって鼻水の吸引をさせてくれなくなってしまうことがあります。 たくさん鼻水が吸えるからといって、強い圧で長く吸いすぎないように注意してください。 ☆吸引器を使うときの注意 ・吸引する際は吸引器の先端(ノズル)を徐々に鼻の穴に近づけて、弱めの圧で少しずつゆっくりと!苦しそうにしていると、すぐになんとかしてあげたいと思い、強い圧で一度に吸い取ろうとしてしまいがちです。 しかし、こういう時こそ焦らずゆっくりと少しずつ吸うことが大切です。 一度に全部吸いきるのではなく、だいたい6割から7割程度の吸引をこまめに行うよう、心がけましょう。弱めの圧で少しずつ吸引を繰り返すことで、耳への負担も少なくなります。 鼻血 鼻水を吸引していると鼻血が出てしまったということがあると思います。 基本的に吸引時の鼻血は、子どもの場合、鼻中隔(びちゅうかく)という鼻の穴の真ん中にある壁のあたりから出血していることが多いです。 鼻中隔は薄い粘膜の下に細い動脈が走っているため、すこしの刺激でも出血しやすくなっています。そのため、吸引の際にこの部分へ吸引器の先端(ノズル)が当たってしまうと、出血しやすいのです。 とは言うものの、鼻中隔のあたりは絶好の鼻水ポイント!鼻の中は外側から内側に向かって下鼻甲介が張り出しているため、鼻水をうまく吸うためには、鼻中隔に向けてノズルを入れる必要があります。粘膜を傷つけないためにも、ノズルは深く入れすぎず軽く当てる程度にしましょう!
鼻血 ☆出血してしまったら 気をつけていても出血してしまうことはあると思います。 子どもは鼻血が出やすいので、慌てずゆっくりと対処しましょう。 ・ティッシュなどを当てて安静にする ティッシュを詰め込んでしまうと抜き出すときの衝撃でまた鼻血が出ることがあるので、注意してください。 ・その日は吸引を控える 一度鼻血が出ると再出血しやすいので、その日は吸引を控え、翌日に吸引してあげましょう。 子どもの頃は粘膜が薄く弱いため、鼻水吸引時以外でも鼻血が出ることが多いです。慌てず、落ち着いて対処してあげましょう。 あまりにも頻度が高ければ一度耳鼻咽喉科へ相談するのもオススメです。止血の処置を取ってもらうと、出血の頻度が抑えられます。
鼻水をうまく吸うポイント
「鼻水のネバネバすぎてうまく吸引できない!」と感じた時は、以下のことをお試しください。 鼻水の粘度が高く、うまく吸えない場合 ・点鼻薬を使う ネバネバの鼻水には、点鼻液を差すのが効果的です。 食塩重曹水の点鼻薬なら自宅でも簡単に作ることができるのでオススメです。 点鼻液には、鼻水の粘度を緩和させるだけでなく、鼻の粘膜に付着したアレルギー物質や細菌、ウィルスなどを除去する働きがあります。
①~③の材料をペットボトルに入れ、良くかき混ぜるだけで完成です。重曹は必須ではないので、なければ食塩と水だけを混ぜた食塩水でも大丈夫です。食塩水の理想の濃度は0.9%で、この濃度の食塩水を生理食塩水と言います。上記の割合で作成すれば、生理食塩水に近いものができますが、食塩の濃度が高すぎると粘膜への刺激が強くなってしまうので注意してください。自信が無い方は薬局などでも売っているので、そちら使うのもオススメです。 高価な物では無いので、作る手間などを考えると買った方が楽かもしれません。また、コンタクトレンズの洗浄液の多くは生理食塩水です。少量しか必要ない場合は、こちらで代用することもできます。食塩水を購入したら、上記の割合で重曹を追加してください。 鼻水を吸う前に、作成した点鼻薬を2,3滴鼻に差してあげると、鼻水の粘りが緩和されます。一度に作る量が多いですが、1ヶ月程冷蔵庫で保存ができるので、必要な分だけ小さな容器入れておくと使いやすくてオススメです。

点鼻薬を挿すときのポイント

点鼻薬 ・体温と同じくらいの温度にする。 体温と同じ温度に温めてから差してあげると痛みが少なくなります。 ・目薬のようにポツポツ点鼻する。 一度にたくさんの量の点鼻薬を差すと、鼻がツーンとしてしまうことがあります。使用する際は目薬のようにポツポツと差すと痛みが少なくなります。しかし嫌がるようなら、特にこだわらなくても大丈夫です。鼻に入れば効果は同じなので子どもにあった差し方をしてあげてください。 上記の方法を試しても、吸引できない場合は以下のことをご確認ください。 ・抗ヒスタミン薬を使用していないか 抗ヒスタミン薬は一般的に花粉症や風邪などによる鼻水を止めるために処方されます。この薬によってダラダラと鼻水が垂れることは少なくなりますが、子どもに使った場合、鼻水の粘度が強くなり、余計に鼻が詰まってしまうことがあります。ですので、鼻水を止めるために抗ヒスタミン薬を処方してもらっているのであれば、一度これをやめてみてください。ネバネバ鼻水が改善されるかもしれません。 ただし、ひとつ注意点があります。 抗ヒスタミン薬は、鼻の治療以外にも様々なアレルギーに対して処方されることがあります。 この場合、薬を飲むのをやめてしまうと、アレルギー症状が悪化してしまうおそれがあります。薬の服用をやめる前は、必ずお医者さんに相談してください。
耳鼻咽喉科医 三塚沙希監修
 

鼻水について勉強しよう!

耳鼻咽喉科医 三塚沙希監修

  鼻が詰まっていたり、鼻水がズルズルしていると苦しいですよね。自分で鼻をかめない赤ちゃんは大人よりもっと苦しい思いをしているはず。「たいしたことない」と放っておくと深刻な病気になったり、それが重症化してしまうなんてことも…。そうなってしまう前に、鼻水について勉強しておきましょう!  
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鼻水ってどうして出るんだろう?
 

鼻水が出る原因は大きくわけて2つあります。

その1:アレルギー反応による炎症

花粉やホコリ、ハウスダストなどが鼻に入りアレルギー反応を起こすことで鼻水が出ます。

その2:ウイルス感染による鼻風邪

ウイルスによって鼻の粘膜が刺激されると、鼻づまりや鼻水が垂れるなどの症状が起こります。 いわゆる急性鼻炎と呼ばれるものです。

子どもの鼻の特徴って ?

子どもの鼻の中は狭く、鼻と耳をつなぐ耳管が太く水平のため、ウイルスが入りやすい構造になっています。また、子どもの鼻はちょっとした環境の変化で鼻水の分泌が増えやすいのも特徴です。

鼻水が詰まるとどうなるの ?

・中耳炎になってしまうことがあります 鼻と耳は耳管という管でつながっています。ウィルスや細菌を含んだ鼻水が耳管へ流れ込み中耳に入ると、炎症を起こし中耳炎になってしまうことがあります。 ・うまくミルクが飲めなくなる場合があります 乳児期は主に、ミルクを飲みながらできる鼻呼吸をしています。そのため鼻が詰まってしまうと息がしづらいだけでなく、うまくミルクが飲めなくなる場合もあります。 ・目やまぶたが腫れることがあります 目と鼻は鼻涙管(びるいかん)という管でつながれています。鼻がつまると鼻涙管の出口がふさがれ、涙が逆流し、目やまぶたが腫れることがあります。 このように鼻水が詰まると息が苦しいだけでなく、他の病気を誘発したり、様々な影響があります。「鼻水だから」と放置せずに、こまめにケアすることが大切です。    
家庭でできる鼻水ケア
 

部屋を加湿する

乾燥を防ぐことで鼻の通りが良くなり、呼吸がラクになります。

鼻をかませる

鼻をすすらせないように片方ずつ小刻みにゆっくりとかませてください。このとき、強くかみすぎないように注意しましょう。

鼻水を吸引する

鼻をかんでも出せない奥に詰まった鼻水は、簡易な吸引器ではなく、電動の鼻水吸引器を使用すると簡単にとることができます。

部屋の湿度を高め・綿棒やガーゼなどでやさしく拭き取る

鼻の粘膜を傷つけないように、やさしく詰まった鼻水を取り除きましょう。

蒸しタオルや吸入器をつかう

鼻に蒸しタオルを当てたり、吸入器で蒸気を吸わせると、粘度の高い鼻水も取れやすくなります。またお風呂の後や、温かい物を食べた後なども鼻水が取れやすいです。

?鼻水のかみ方の教え方
1.鼻の穴の入り口に手をあてさせ、鼻から「フンッ」っと息を強めに出して空気がでてくるのを実感させましょう。
2.口を閉じて鼻から息を吐くことが大切です。ティッシュを使わずにすると、息がどこから出ているかわかりやすくなります。
3.2ができるようになってきたら、鼻の穴の一方を押さえてかむようにしてください。

家庭や、保育所での対応
 

鼻水にはウィルスや細菌がたくさん含まれています。 他の子どもや、保護者の方への感染を防ぐためにも、鼻をかんだ後のティッシュは適切に処理しなければなりません。

ティッシュはフタ付きのゴミ箱に捨てる!

鼻水は乾燥すると空気中を数時間浮遊します。鼻をかんだティッシュを捨てる際はフタ付きのゴミ箱を使ったり、ビニール袋の口を結んだりしましょう。

ティッシュは子どもの手の届かないところに置く!

鼻をかんだティッシュを子どもが触ると、感染はもちろん、口に入れてしまうと窒息してしまう恐れもあります。これらを防ぐためにも鼻をかんだティッシュは子どもの手に届かないところへ置くようにしましょう。

鼻をかんだ後は手を洗う!

感染を防ぐために鼻をかんだ後や、そのティッシュを触った後はよく手を洗いましょう。指の間、手首、手全体を石鹸でくまなくしっかり洗うことが大切です。


鼻水からわかる症状って?
 

透明でサラサラの水っぽい鼻水

水様性鼻水と言われ、主にアレルギーによる鼻水と風邪のひき始めにみられます。

色の薄いねばり気のある鼻水

粘液性鼻水と言われ、透明から薄い黄色をした鼻水です。鼻水が出始めてから数日経った頃や、慢性副鼻腔炎の疑いがある時にみられます。

色が濃くねばり気の強い鼻水

膿性鼻水と言われ、副鼻腔炎の症状の1つです。粘液性鼻水と比べると色が濃く、ねばり気が強いことが特徴で、においがする場合もあります。

血の混じった鼻水

鼻の内部に傷があったり、炎症が起こっている可能性があります。片方だけから血の混じった鼻水が出る場合は、鼻に異物が入っていることも多いですが、両方から血の混じった鼻水が出る場合は、進行性鼻壊疽(しんこうせいびかいそ)や悪性腫瘍など、重い病気の可能性もあります。病院での診察を受けましょう。    
鼻水によって起こる病気ってどんなものがあるんだろう?
 
鼻水を放っておくと以下のような違う病気を誘発してしまうこともあります。

中耳炎(ちゅうじえん)

キケン度
特徴 細菌やウイルスによって、鼓膜の奥にある「中耳」が炎症をおこす病気です。 耳が痛くなったり、高熱などの症状が出ます。 子どもは耳管が太く水平のため、中耳へウィルスや細菌などが侵入しやすく、中耳炎にかかりやすいとされています。0歳~3歳までの間に約7割の子どもが中耳炎を発症しているといわれる程、子どもに多い病気です。
症状 ・耳が痛い ・聞こえづらい ・熱が出る ・耳だれが出る
→ 詳しくは「中耳炎ってなぁに?」をご覧ください。

副鼻腔炎(ふくびくうえん)

キケン度
特徴 鼻の穴の中のことを鼻腔といい、この鼻腔の周りにある骨に囲まれた空洞部分が副鼻腔です。この副鼻腔にウィルスや細菌が入り、炎症を起こすと副鼻腔炎を発症します。主な症状としては、ネバネバで黄色い鼻水が出る、頭痛や発熱する等が上げられます。慢性化することもあり、副鼻腔炎が1ヶ月続くと「急性副鼻腔炎」、3ヶ月以上続くと「慢性副鼻腔炎」と、かかった期間により呼び方が変わります。
症状 ・鼻づまり ・ネバネバした黄色い鼻水が出る ・頭痛、発熱、体が怠いなどの症状 ・においがわかりにくくなる
「たいしたことない」と思っていた鼻水も、放置すると違う病気を誘発してしまうおそれがあります。 これらの病気にかかってしまうと、子どもがつらいのはもちろん、通院や家でのケアなど、お母さんも大変です。 そうなる前にこまめな鼻水ケアで、しっかり対策していきましょう。

注意をしたい鼻水の症状「後鼻漏」(こうびろう)とは?

かぜやアレルギー性の鼻炎では、さらさらの鼻水が鼻の穴に向かって流れます。それに対し、副鼻腔炎にかかっていると、粘り気のある鼻水が鼻の奥からのどにかけて流れます。これを「後鼻漏」といいます。

この後鼻漏によって鼻水がのどに流れると、
・のどのイガイガや咳・たんなどの症状が出るようになる。
・口呼吸になり、ウイルスや細菌が体内に侵入するリスクが高まる。
・息苦しくなり、ミルクが飲めなくなったり、夜眠れなくなる。

その結果、体力の低下を引き起こし、風邪が長引くなど、赤ちゃんに様々な悪影響を及ぼします。

また、ウイルスを含んだ粘り気のある鼻水が耳管を通って中耳に流れるため、中耳炎を引き起こす原因にもなるのです。後鼻漏の対策は、こまめに、しっかり鼻水を吸引してあげる事です。しかしながら、鼻の中は狭く複雑に入り組んでおり、粘り気のある鼻水が鼻の奥にたまっているため、簡易な吸引器で吸い出すのは簡単ではありません。耳鼻科で処置してもらうだけでなく、吸引力の強い電動鼻水吸引器を使用するなど、家庭内でも後鼻漏の対策をとっていきましょう。

体を横にしたときに、鼻水が喉へ流れ「ゴホッ、ゴホッ」というたんが絡んだようなせきが出る場合は、副鼻腔炎や後鼻漏を発症している場合があります。この症状を「湿性咳嗽(しっせいがいそう)」といい、起床時や就寝時に多くみられます。後鼻漏や副鼻腔炎を判断する大きな目安となるので、鼻水が続いていると感じたら気にかけてみましょう。

耳鼻咽喉科医 三塚沙希監修

子どもの医療費

耳鼻咽喉科医 三塚沙希監修
  赤ちゃんは大人に比べて免疫が低く病気になりやすいものです。どのような病気であれ、ママにとってはとても心配で胸が痛みますが、病気になった時、もうひとつ心配になるのが、治療費や入院費用。最近は助成や控除等が充実していますので、上手に制度を利用しましょう。
子どもにかかる医療費
子どもにかかる医療費はだいたいどのくらいか知っていますか?平均的な金額は以下の通りです。
0~4歳 年間の医療費…22万円、保険適用後の自己負担額…3.7万円5~9歳 年間の医療費…11万円、保険適用後の自己負担額…2.6万円
子どもにかかる医療費はだいたいどのくらいか知っていますか?平均的な金額は以下の通りです。
0~4歳 年間の医療費…22万円、保険適用後の自己負担額…3.7万円5~9歳 年間の医療費…11万円、保険適用後の自己負担額…2.6万円
赤ちゃんの間は検診なども多く、少し高くなっていますが、払えないような金額ではありません。しかしこれはあくまでも平均なので、重い病気にかかったりすれば当然治療費もかさんでしまい、家計にも響いてしまいます。そこで、赤ちゃんや子どもの医療費に対して行政が様々な助成をしてくれます。
定期予防接種
国が指定している疾病のワクチンは「定期予防接種」と呼ばれ、無料で受けることができます。2013年には新たに3種類が追加され、現在は合計11種類のワクチンが無料で接種できます。年齢や時期など制限もあるので、いつ何を受けないといけないかを早めにチェックし、病気を予防してゆきましょう。 >>詳しくは「予防接種」ページへ
子どもの医療費助成
子どもの医療費助成とは、健康保険の自己負担分(未就学児は2割、小学生以上は3割)を各都道府県や市町村が負担してくれる制度です。ここ数年でずいぶん充実してきました。各自治体で助成対象や内容は大きく違い、年齢制限や、親の所得額による制限、通院か入院か、全額助成か一部自己負担金があるかなど様々です。 例えば東京都の場合は、小学校入学までは原則無料となり、23区内では中学3年生までが助成対象です。他の道府県でも乳幼児を対象とする自治体が95%以上、9歳以上を対象とするところも40%近くにのぼります。さらにプラスして各市区町村の助成もあります。助成が手厚い地域では最長で高校生まで無料になる事もあります。 注意したいのは、赤ちゃんの定期検診は病気ではないので保険診療外となり、助成の対象にならないことです。ただし検診の結果、治療が必要となった場合は助成対象になります。 ※自治体によっては、定期予防接種以外のワクチンも無料で受けられることがあります。
 
助成を受けるには 助成を受けるには、健康保険に入っていることが条件です。出生後、戸籍の届出をしたらすぐに健康保険に加入して、医療費助成についても確認しておきましょう。生まれてすぐ、保険加入前に病気になってしまった時は、役所に相談しましょう。事後加入でも助成してくれる事があります。 健康保険に加入している 助成金は、基本的には以下のどちらかのパターンで適用されます。 【1】自治体が発行する受給券を保険証と一緒に提示することにより、その場で適用され、 各市町村が設定している自己負担金のみ、もしくは無料で受診が可能。 【2】窓口で一旦、健康保険自己負担分(2割または3割)を支払い、後日申請すれば、助成分が返還される。(1~3か月後)
 
(例・東京都の場合) ●東京都では、子どもの年齢によって2種類の医療費助成制度が設けられています。 ・乳幼児医療費の助成制度(マル乳)・・・小学校入学まで ・義務教育就学児医療費の助成(マル子)・・・小学生~中学校卒業まで 中学生までは医療費の助成が受けられる仕組みになっていて、それぞれの医療証を受診時に医療機関の窓口に提示すれば助成が受けられます。ただし、都外や本制度による診療を取り扱わない医療機関で診療を受ける場合や、都外国民健康保険に加入している人は、一度医療保険の自己負担分を医療機関の窓口に支払う必要があります。後日、その領収書をもって、お住まいの区市町村の義務教育就学児医療費助成担当課に医療助成費の申請をすれば、助成金が戻ってきます。 ●控除の対象となるもの 医療保険の対象となる医療費、薬剤費等 ●控除の対象とならないもの ・医療保険の対象とならないもの(健康診断、定期予防接種以外の予防接種、薬の容器代、差額ベッド代、紹介状を持たずに受診した200床以上の病院の初診料等) ・交通事故等の第三者行為 ・保育園等管理下の傷病で、独立行政法人日本スポーツ振興センター法に基づく災害共済給付制度対象の場合 ・健康保険組合等から支給される高額療養費・附加給付に該当する医療費 ・他の公費医療で助成される医療費
 
【3】医療費控除 各世帯の1年間の医療費が10万円以上または、控除後所得の5%以上なら所得税、住民税が安くなります。 医療費控除とは、各世帯の年間(1月1日~12月31日までの間)の医療費が10万円を超えた場合(所得200万円以下の場合は所得の5%を超えた場合)は、所得税、住民税が一部返還、減額されます。所得税を支払っている方であれば、家族の誰が申請しても構いませんが、共働きでパパとママがそれぞれ所得税を支払っている場合は、税率の高い方が申請するとよいでしょう。申請には領収書が必要で、申告は5年間有効です。知らなかった人も5年以内で領収書が残っていれば申告できます。 【医療費控除額の計算方法】 医療費控除額=(A)実際に払った金額-(C)実際に払った金額
(A)実際に支払った医療費等の合計額
 
(B)保険金などで補てんされる金額 (出産育児一時金、高額医療、生命保険、医療保険、損害保険などから出る給付金など。 休職に対して支給される出産手当金、傷病手当金は含まれない)
 
(C)10万円(所得200万円以下の場合は所得の5%)
医療費控除額×所得税率(以下参照)=還付される所得税額 療費控除額×住民税率(10%)=減額される住民税額 ※所得税の税率
課税される所得金額 税率
195万円以下 5%
195万円超 330万円以下 10%
330万円超 695万円以下 20%
695万円超 900万円以下 23%
900万円超 1800万円以下 33%
1800万円超 40%
●薬の購入代金や交通費も申請可能! 病院での治療代以外にも、薬の購入費用や通院の際の交通費も控除対象となります。 対象になる費用については、領収書をとっておく癖をつけておきましょう。 【◎控除の対象になるもの】
  • 治療費
  • 薬局などでの購入医薬品
  • 通院にかかった交通費
  • 入院中の院内食
  • 入院時のベッド代
  • 治療の一環としてのマッサージや鍼灸
  • 妊婦定期健診
  • 分娩入院費用
  • 不妊治療費(医師が必要と認めた場合)
  • 赤ちゃんの定期健診
【×控除の対象にならないもの】
  • 審美目的の治療
  • 差額ベッド代
  • サプリメント 謝礼
●申請方法 控除を受けるには、税務署で確定申告をしなければいけません。会社の年末調整などでは出来ないのでご注意を。 確定申告は毎年、2月中旬から3月中旬の間に行われます。税務署や確定申告の会場、もしくはwebからでも出来ます。 (webからの場合は事前に登録が必要です)この時に、以下のものを必ず用意してください。
申告書源泉徴収票 医療費のレシートや領収書(※通院の際の交通費は領収書でなくメモ書きでもOKです。) 還付金の振込み先の通帳か口座番号 印鑑
申告すると、1~2か月後には指定の口座へ所得税還付金が振り込まれます。住民税は翌年に反映されるので、還付ではなく、翌年支払う住民税が安くなります。 (4)ひとり親家庭の医療費助成 自治体によって違いはありますが、ひとり親家庭は養育者である親も医療費の助成が受けられます。 (東京都の場合) 東京都では、マル親と呼ばれるひとり親家庭医療費助成制度があります。 所得が所定限度額以下で、ひとり親もしくは親のいない子どもを養育している養育者は子どもが18歳になった年の年度末 (障害があれば20歳未満)まで、親子共に助成が受けられます。 通院の場合、住民税課税者は自己負担1割(1か月の上限は12,000円)、非課税者は自己負担なしの全額助成です。 入院の場合も住民税課税者は自己負担1割(1か月上限44,400円)、非課税者は自己負担なしの全額助成になっています。
子どもの医療費助成と、ひとり親家庭の医療費助成、両方対象になる場合は? 複数の助成の対象になっている場合、これも各自治体によって違いはありますが、東京都ではマル乳、マル子が優先適用されます。つまり、子どもは中学卒業まではマル乳、マル子が適用されて、中学卒業~18歳の間はマル親が適用されます。親は子どもが18歳までずっとマル親が適用されます。
 
生涯の医療費はどのぐらい?
一生にかかる医療費はいくらか知っていますか。 現在、日本人の生涯にかかる医療費は、なんと平均2400万円(健康保険の自己負担額で485万円ほど)と言われています。あくまでも今の時点での金額ですので、今後高齢化がさらに進めば、医療費負担割合が増えて、自己負担額も増えてゆく可能性もあります。
 
●重要なのは病気の予防 病気になると体が辛いだけでなく、生活や人生設計も変わってきます。 医療費がかかるばかりか、看病する家族も仕事や生活に支障が出ますし、勉強やスポーツ、習い事などが制限されて子どもの 将来の可能性も狭くなってしまうかもしれません。 また、大人になってから病気がちだと仕事や収入で不利になったり、住宅ローンが組めない場合もあります。 日本はまだまだ予防医学の意識が低いと言われていますが、やはり病気にかかってからの治療ではなく、病気になる前に予防する ことが何よりも大事です。
●日本人の健康寿命は平均72歳 日本は世界一の長寿国と言われて久しいですが、介護などを必要とせず、日常生活に不自由なく暮らせるのは平均72歳までなんです。 その後の10年ほどは、人の手を借りながら生活しています。日々の健康管理、病気予防は、歳をとった時に差が出ます。子どもが生涯にわたり健康で充実した生活を送れるように、小さい頃から病気の予防、健康管理の意識や習慣をつけてゆくことがとても大切です。
平均寿命と健康寿命の差:平成22年
耳鼻咽喉科医 三塚沙希監修
 
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