『ベビースマイル』は赤ちゃんの健康に関する情報をお届けするサイトです。 赤ちゃんの病気や日頃のケア、健康をサポートする育児用品まで幅広く紹介しています。
BabySmile
  • HOME »
  • BabySmile »
  • 赤ちゃんの健康

ロタウイルス

浦島先生監修
  ロタウイルスとは、乳幼児の急性胃腸炎を引きおこすウイルスです。感染力が強く、5歳までのほとんどの小児が感染するといわれています。 ロタ

症状

ロタウイルに感染すると、1-3日の潜伏期間のあと症状が現れます。発熱や嘔吐といった症状が初期に現れることがあり、続いて白っぽい水のような下痢が、1週間ほど続きます。激しい嘔吐や下痢により脱水のおそれもあるため、入院が必要になる場合もあります。 また重症化すると血圧低下や脳症、けいれん、急性腎不全などを引き起こすケースもあり、注意が必要です。ぐったりしている、呼びかけてもすぐ眠るなどの様子が見られたら、すぐに医療機関を受診してください。  

治療法

ロタウイルスに対する抗ウイルス薬は現時点ではないため、下痢や嘔吐、脱水、発熱などの症状に対する対処療法を行います。特に脱水症状になりやすいため、症状が落ち着いたときに、少しずつ水分補給を行うようにしましょう。脱水症状が強い場合には、病院で点滴などを行うこともあります。  

二次感染を防ぎましょう

ロタウイルスは非常に感染力が強いため、もしお子様が罹患した場合は家族に二次感染させないように気を付けましょう。嘔吐物や排泄物にはロタウイルスが大量に含まれている可能性があるため、素早く処理するようにしましょう。  

おむつの交換の時

使い捨てのゴム手袋などを使い、できる限り手で触れないようにしましょう。捨てるときはビニール袋などで密封してください。  

寝具や衣類が汚れた時

嘔吐物や排泄物が付いてしまった寝具や衣服は、ウイルスが飛び散らないように気を付けながら、もみ洗いします。その後、次亜塩素酸ナトリウムで消毒します。熱水が使える洗濯機があれば、85℃で1分間以上の熱湯消毒をするとよいでしょう。 布団やカーペットなど、すぐに処理できないものはビニール袋にいれて密閉しておきます。洗濯ができないものは汚れをふき取った後によく乾燥させて、スチームアイロンや布団乾燥機を使ってください。  

室内や食器類の消毒

患者の使った食器類は、85℃以上で1分間以上の熱湯消毒が有効です。ウイルスが室内に浮遊して壁や床に付着する可能性もあるため、広範囲に室内の掃除を行い感染予防をしましょう。
浦島先生監修

クループ症候群

浦島先生監修
  ウイルス感染よって喉の奥にある喉頭が狭くなり、特徴的な咳や、かすれ声、喘鳴などの症状をきたす疾患の総称です。6か月から4歳ぐらいの乳幼児によくみられ、特に1歳から2歳程度の子供に頻度が高い病気です。 クループ症候群

症状

オットセイの声や犬の吠える声に例えられるような、特徴的な咳が出ます。また声のかすれ、熱が出るなどの症状があります。気道が狭くなることにより、呼吸困難を伴う場合があるため、お子さまに普段と違った様子がないか、呼吸が苦しそうにしていないかよく確認することが必要です。  

原因

クループ症候群は主にウイルス感染により引き起こされます。気温が下がる晩秋~冬にかけて多く、パラインフルエンザウイルスやRSウイルス、アデノウイルス、インフルエンザウイルス感染が原因となっています。  

治療

治療が必要な場合は、のどの腫れを引かせるため血管収縮剤、ステロイド薬の吸入を行います。また症状に応じて、解熱剤や気管支を拡張する薬、痰の薬などが処方されます。  

家庭での対処方法

咳は乾燥によって悪化するため、加湿器を使うなどして、室内の湿度を高めに保つようにしましょう。また白湯や麦茶などの温かい飲みもので水分をしっかり補給すると、脱水の予防になり咳症状も収まることがあります。また、夜間に症状が悪化することが多いため、咳で睡眠が出来なくなることがあります。 睡眠が出来ないとき、呼吸が苦しそうなときなどは医療機関を受診してください。
浦島先生監修
 
抗生剤について正しい知識を
宮本先生監修
  風邪をひいたときは抗生剤を使えばよいとお考えの方も少なくありませんが、実は風邪の約9割はウイルスが原因のため、細菌にのみ効果を発揮する抗生剤では改善につながらないことが多いのです。やみくもに抗生剤を使うと大切なお子さんの健康に悪影響が及ぶ可能性もあるため、どのようなときに使用するのかを確認しておきましょう。
 
抗生剤とは

抗生剤とは、「抗菌薬」の別称です。「抗生物質」や「合成抗菌薬」などの名称もあり、その由来が微生物か完全化学合成かで使い分けられることもありますが、現在はそのように分けないことがほとんどです。微生物由来の薬剤であっても化学合成を施されているものもあります。ですから「抗生剤」という言葉は、細菌を壊したり増殖を抑えたりする薬の総称として一般的には使われています。

抗生剤は、細菌の構造や増殖の仕組みに作用することで、細菌を壊したり増えるのを抑えたりする薬です。例えば、世界で初めて発見された抗生剤のペニシリンは、細菌が持つ細胞壁の合成を邪魔することで細菌を壊します。

人の細胞にはもともと細胞壁が存在しないため、人の細胞に影響を与えることなく細菌を壊すことができます。抗生剤は細菌に対してのみ効果を発揮するものであり、ウイルスやカビなどによる感染症には効果がありません。
抗生剤とは
抗生剤が効く病気、効かない病気

抗生剤が効く病気は細菌感染症、効かない病気はそれ以外の感染症です。

例えば、溶連菌感染症や百日咳、とびひなどは細菌感染が原因のため、抗生剤の効果が期待できます。一方、おたふくかぜ、ヘルパンギーナ、アデノウイルス、手足口病、ロタウイルス感染症、水ぼうそうなどはウイルス感染が原因のため、抗生剤の効果は期待できません。

また、扁桃炎や気管支炎、中耳炎、副鼻腔炎などは細菌とウイルスのどちらでも生じる可能性があるものの、ウイルス感染が原因のケースが多いため、抗生剤を使わなくてもよい場合がほとんどです。

以前は、細菌感染の疑いが強くなくとも抗生剤を処方する流れがありましたが、抗生剤を繰り返し使用することで良い影響を与える常在菌まで破壊されるほか、抗生剤が効かない「耐性菌」が発生して感染症に弱くなる恐れがあるため、抗生剤を処方するかどうか慎重に判断することが求められています。

また、処方された抗生剤を途中で飲むのをやめた場合、ぶり返すことで結果的に長期間服用することになるほか、耐性菌が発生する恐れもあります。処方された抗生剤は最後まで飲みきることが大切です。
 
抗生剤を赤ちゃんに処方する基準

赤ちゃんと幼児、大人において、抗生剤を処方する基準に違いはありません。のどや鼻水の状態、場合によっては血液中の成分を調べて、細菌感染が強く疑われる時に抗生剤を使用します。また、抗生剤にはさまざまな種類があり、感染が起きた箇所や原因となる細菌などに応じて使い分けなければなりません。

1日の内服回数も1回から4回などとさまざまです。抗生剤の効果を十分に得るとともに、耐性菌のリスクを抑えるためにも、医師や薬剤師の指示に従って正しく服用しましょう。
 
抗生剤の飲ませ方

生後半年以内の赤ちゃんは本能的に何でも飲み込もうとするため、抗生剤を飲ませることはそれほど難しくありません。しかし、成長するにつれて味覚の発達や自我の芽生えの影響で抗生剤の服用を嫌がるようになります。

抗生剤を嫌がる場合は、少量の水に溶かして哺乳瓶の乳首やスポイトで飲ませましょう。飲み終わったら、水やミルク、母乳などで口の中に残った薬を流してあげてください。また、好みの食べ物に薬を混ぜて飲ませたり、食べる・薬を飲むを交互に行ったりする有効です。この場合も、口の中に食べ物や薬が残らないように飲み物を飲ませてあげてください。  
宮本先生監修
小児科医 浦島崇監修
 
子どもと新型コロナウイルス
新型コロナウイルスは、当初「子どもは感染しにくい」とされてきました。しかし、厚生労働省の7月時点のまとめによると、10歳代の感染者はこれまでに9万人以上、全体の11%を占めるに至っています。子どもが新型コロナウイルスに感染する場合、症状で診断されることはほとんどありません。家族や幼稚園・保育園の先生が感染したために濃厚接触者として検査を行ったことがきっかけで、陽性が発見される例がほとんどです。
子どもに現れる症状は
子どもが感染した場合多くは無症状、あるいは1日だけ38℃程度の熱が出ることがあります。乳幼児が新型コロナウイルス感染が原因で、肺炎にまで進行することは極めてまれです。重い症状に陥る例もわずかながら報告されていますが、10代以下の死亡者はほとんどありません。デルタ株については、特に子どもが感染しやすいということはなく、全体の患者数が増える中でお子さんの患者数も増えていると考えられます。デルタ株が「現時点での子どもの重症化のリスクが高くなるというデータはない」とする見解が国内外の専門家からも示されています。
子どもがもし感染した場合
もし子どもに陽性反応が出た場合には、「ホテル療養」ができませんので、原則入院をすることになります。病院で隔離して家族や他の人に感染させないため、また悪化をしないか医療機関がチェックするために入院という処置がとられます。多くの場合は無症状のまま回復して退院されていきます。また、コロナの家庭内感染で親が入院して、濃厚接触者である子どもを保護するために入院させることも多いです。
子どもが感染源になるリスクについて
子ども同士で新型コロナウイルスを感染させることは、極めて稀であると言われています。基本的に手洗いやスクで感染予防を行い、学校や保育園・幼稚園等でも対策を講じているならば、子ども同士での感染のリスクは極めて低いと言えます。新型コロナウイルスの子どもへの感染経路の7割以上は家庭内だと推定されます。大人が家庭内にウイルスを持ち込まないように、対策を行うことが子どもへの感染をさせないためにも非常に大事です。
オミクロン株と海外での状況
英国を始め海外では5-19歳の感染者数が多い状況です。これはワクチン接種を行っていない人数が多い世代だからと言われています。子どもが家庭内感染の感染源となっています。オミクロン株の流行も危惧されこの世代へのワクチン接種は感染流行に必要かもしれません。
 
小児科医 浦島崇監修

SIDSとRSウィルスの関係性

小児科医・思春期科教授 河島尚志監修

RSウイルスとはどんな病気?

RSウイルスは、生後1歳までに70%以上、2歳までにほぼ100%が初感染を受けるといわれています。米国においては感染者の30から40%において感染症を発症し、1~3%が重症化し入院するという報告もあり、小児での入院患者の中で最も大きな原因病原体です。

海外の報告によれば、10万人当たりの年間死亡率は1歳未満で5.4人(インフルエンザで2.2人)、1-4歳で0.9人(インフルエンザで1.1人)と乳幼児の死亡の原因疾患としてはインフルエンザを凌駕する疾患です。米国において毎年2000人が亡くなるとされているなど、時に重症になることがあります。重症になる疾患は多岐にわたり、細気管支炎や重症肺炎といった重度呼吸障害がもっとも主体で、突然死、脳症、心筋炎もおこることがあります。特に基礎疾患の有無や早産児が重症化の原因となりますが、基礎疾患のない小児例においても多数の重症例がいることが確認されています。

細気管支炎や重症肺炎で入院になる原因で最も多く、重症例では、喘鳴、呼吸数の増加や陥没呼吸など呼吸困難を呈してきます。乳児では無呼吸発作をおこすこともあります。鼻汁も強く、哺乳力の低下から脱水も悪化の原因になります。 SIDSとRSウィルスの関係性

治療と医療機関での予防方法

RSウイルスに感染した場合の治療は、酸素投与、輸液、呼吸管理などが中心です。気管拡張剤およびステロイドの効果については多数の臨床研究がなされています。  

RSウイルスはSIDSとの関連性も

SIDSの診断基準が変更前の古い報告によれば、Sudden Infant Death Syndrome (SIDS)の関連ウイルスとして、RSウイルスはインフルエンザウイルス、エンテロウイルス、パラインフルエンザウィルス等と並び報告されています。古い報告では、免疫染色によれば2歳以下の乳幼児の死亡のうち18.2%にウイルス感染を認め、その内の約1/3がRSウイルスであったとされていました。SIDSの季節的発生率はRSウイルスの流行に一致することも知られており、乳幼児の突然死の一部にRSウイルス感染関連死が含まれていると考えられています。突然の変化は、窒息や中枢神経感染、心筋炎、代謝異常などが病態として推察されています。  

RSウイルスの予防法

RSウイルスの感染ルートは、主に濃厚接触や分泌物に汚染された表面への接触です。予防には感染者との距離を保ち、病院や施設では隔離をガウン手袋にて対応します。

RSウイルスは、消毒薬に弱い性質を持つため、次亜塩素酸ナトリウム、消毒用アルコール、イソジンなどポピドンヨードが有効です。感染期間は3~8日(乳幼児や免疫に問題がある場合は3週間程度持続)で、発熱・咳などの症状が安定し、全身状態の良い者は登園(校)は可能となります。  
小児科医・思春期科教授 河島尚志監修

睡眠中に潜む危険



赤ちゃんの睡眠時には、様々な危険が潜んでいます。乳幼児突然死症候群、ベッドからの転落、タオルケットによる窒息事故など、常に危険と隣合わせです。

乳幼児突然死症候群(SIDS)とはどんな病気?

乳幼児突然死症候群は通称SIDSと呼ばれ、予兆もなく赤ちゃんが亡くなる病気です。

正式には「それまでの健康状態および既往歴からその死亡が予測できず、死亡状況調査と解剖検査によっても原因が同定されない、原則として1歳未満の児に突然の死をもたらした症候群」の総称を呼びます。

乳幼児の死亡原因の第4位となっており、世界各国で様々な研究調査がなされています。しかし、いまだ原因の解明には至っておらず、予防法も確立していないのが現状です。


SIDSを発症する赤ちゃんの月齢や特徴は?

主として睡眠中に発症し、生後2ヵ月から6ヵ月に多く、稀に1歳以上で発症します。日本での発症頻度はおおよそ出生6,000~7,000人に1人と推定され、3:2で男児の多く、冬に多い傾向があります。

出典:京都大学大学院医学研究科法医学講座http://www.fp.med.kyoto-u.ac.jp/study03

出典:京都大学大学院医学研究科法医学講座http://www.fp.med.kyoto-u.ac.jp/study03

発作出現の数日前に、軽い感冒様症状を認めることがあります。低体重出生児、人工栄養児、若い母親、妊娠中の管理が不十分な母親を持つ乳幼児、やわらかい寝具、うつぶせ寝にSIDSの発症が多い傾向があります。

時間帯では朝に発見される率が高いですが、日中の昼寝の時間帯も発生しています。


SIDSの診断方法について

早産など周産期になんらかの異常があったものの死亡したときにはその問題が完全に解決されているものや、剖検所見としては、無視はできないものの死因とは新定できない病変(限局的な気管支炎・肺出血・浮腫、心房中隔欠損症・心肥大など)が認められる、あるいは、死亡状況調査において、死亡にはつながらない異常が存在するときは非典型的SIDSとすることもあります。

死亡診断書(死体検業書)上の死因は「乳幼児突然死症候群」とし、死因の種類は「病死」します。間接的にも強く影響を与えたとは考えられない病変は、副所見に記載します。このため解剖をおこなっていない場合は、SIDSと診断はできません。
SIDSの解剖での中枢神経病変は、軽度のうっ血や出血、脳幹被蓋部のアストロサイトの増加、局在性の皮質下白質軟化と反応性のアストロサイト増加、限局性脳形成異常、髄鞘形成の遅延、小脳外顆粒層の遺残などが報告されています。鑑別にあがる脳症では、アストロサイトは通常の線維構造が破壊され、clasmtodendrosisと呼ばれる顆粒状の構造を示すとされます。
代謝異常症が基礎疾患にあり突然死することもあり、SIDS以外に突然の死をもたらす疾患および窒息や虐待などの外因死と鑑別が必要となります。窒息死と診断するためには、体位に関係なく、ベッドの隙間や柵に挟み込まれるなどで、直接死因を説明しうる睡眠時の物理的状況が重要で、寝具で単にうつぶせというだけでは診断しないようにしています。また、虐待や殺人などによる意図的な窒息死はSIDSとの鑑別が困難な場合があり、SIDSの診断は慎重にします。


SIDSの原因とは

SIDSの原因として、セロトニントランスポーター、IL-10、循環器イオンチャンネル、ヒートショックなどの遺伝的な背景との関連が言われていますが、すべてを説明できるものはいまだありません。ポリソノグラフィー検査で睡眠中の無呼吸の頻度が多いこと、覚醒反応に至る頻度が少ないこと、遺伝性不整脈がSIDSの11.4%とするなど言われています。

呼吸モニター類がSIDSを防げるという実証はありませんが、無呼吸の多い乳児では酸素飽和度のモニターにて管理されることもあります。
乳幼児の予期せぬ突然死のうち感染が関与するものもあり、18から39%にウィルス感染を認めたとされてます。このなかでは、RSウィルスによるものが一番病原体して報告されています。


赤ちゃんの睡眠時には様々な危険が

SIDSの発症だけではなく、赤ちゃんの睡眠時には様々な危険が潜んでいます。ベビーベッドからの転落事故も赤ちゃんの睡眠時に多く発生しており、平成22年から6年半でその発生件数は151件に上ります。

医療機関ネットワーク事業より受けた事故情報を基に消費者庁が特別に精査したデータより(対象:平成22年12月から平成29年6月末まで)

医療機関ネットワーク事業より受けた事故情報を基に消費者庁が特別に精査したデータより(対象:平成22年12月から平成29年6月末まで)

またベビーベッドの隙間に赤ちゃんが挟まれる死亡事故も発生しています。ベッドの下に収納が付いているタイプのベビーベッドで、収納扉のロックが不十分であったためにベッドの床面と開いた扉との間にできた隙間に赤ちゃんの頭が挟まれて窒息死をした事故も起きています。

ベビーベッド転落事故例

ベビーベッド転落事故例

さらに、タオルケットが顔にかかるなどの就寝時の窒息事故は平成25年から5年間で160件発生しており、不慮の事故死全体の32%を占めています。

赤ちゃんの睡眠中の事故を少しでも減らすために、保護者の方はそういった事例を把握しておくことも大切です。

>>SIDSとRSウイルスの関係性はこちら

小児科・思春期科教授 河島尚志監修
 
耳鼻咽喉科医 三塚沙希監修
   
離乳期の栄養について
離乳期から幼児期にかけては、食習慣、嗜好、身体の基礎を作るとても重要な時期で、生活習慣病にもつながりひいては将来の病気にも影響します。乳汁だけで栄養を取っていた乳児期から離乳食、幼児食を経て、大人の食生活のベースが築かれていきますし、身体も骨や筋肉、内臓、脳など重要な器官が成長していく時期で十分な栄養が必要となります。正しい知識で栄養と健康管理を行い、健やかな成長を促進させましょう。
乳児期の栄養について
乳児にとっての唯一の栄養源は母乳もしくはミルクとなります。特に母乳は、乳児とって完全栄養食品で多くの面で優れています。 ○ 必要な栄養成分がすべて含まれている ○ 消化吸収が良く代謝負担が少ない ○ 乳児の免疫機能が高まる ○ 細菌を含まず衛生的でアレルギーの心配がない。また、母親にとっても以下のメリットがあります ○ 子宮の収縮を促進して母体の回復を早める ○ 母子関係に良い影響を与える ○ 経済的で簡便 尚、ミルクも近年は母乳に近く改良されており、栄養面で母乳と同等の成分が含まれ身体的な成長に関して劣ることはなくなってきています。 しかし、生後5~6ヶ月頃になると、乳汁だけではエネルギーやタンパク質、ビタミンやミネラルが不足するようになってくるため、乳汁以外の食物から栄養素を摂取することが必要になります。そのため離乳し、離乳食~幼児食を経て味覚を育て、咀嚼を学び、大人と同様の食事ができるようにしていきます。 尚、この時期は、離乳するだけではなく、肉体面でも知能面でも飛躍的に発達・成長する時期でもあり、必要な栄養素を与えて促進するだけでなく、味覚を養って健康的な食生活の礎を築く必要があります。 ですので、必要な栄養素の量、そして食品としてどのくらいを目安に摂取したら良いかについて紹介したいと思います。

離乳期の食事量の目安

1回あたりの目安量 生後5~6か月 生後7~8か月 生後9~11か月 1歳~1歳半
穀類 つぶしがゆから始め、すりつぶした野菜なども試してみる。慣れてきたら、つぶした豆腐や白身魚などを試してみる。 全がゆ 50~80 全がゆ90 ~軟飯80 軟飯90 ~ご飯80
野菜・果物 20~30 30~40 40~50
10~15 15 15~20
または肉 10~15 15 15~20
または豆腐 30~40 45 50~55
または卵 卵黄1~全卵1/3 全卵1/2 全卵1/2~全卵2/3
または乳製品 50~70 80 100
成長と発達のチェック方法
以下の指数およびグラフなどで判断します。 ①カウプ指数 赤ちゃんの栄養状態や体格(身長と体重のバランス/肥満かやせているかなど)の判断の参考にする指数。
[ 計算式 ] 体重(g)÷(身長(cm)の2乗)×10
カウプ指数 月齢によって基準となる指数が変わるため、注意が必要となる。

◾️ 乳児(3か月〜)

カウプ指数 判定
14.5未満 やせすぎ
14.5 ~ 16未満 やせぎみ
16 ~ 18未満 普通
8 ~ 20未満 太りぎみ
20以上 太りすぎ

◾️ 満1歳

カウプ指数 判定
14.5未満 やせすぎ
14.5 ~ 15.5未満 やせぎみ
15.5 ~ 17.5未満 普通
17.5 ~ 19.5未満 太りぎみ
19.5以上 太りすぎ

◾️ 満1歳6か月

カウプ指数 判定
14未満 やせすぎ
14 ~ 15未満 やせぎみ
15 ~ 17未満 普通
17 ~ 19未満 太りぎみ
19以上 太りすぎ

◾️ 満2歳

カウプ指数 判定
13.5未満 やせすぎ
13.5 ~ 15未満 やせぎみ
15 ~ 17未満 普通
17 ~ 18.5未満 太りぎみ
18.5以上 太りすぎ
②身体発育曲線 成長曲線のグラフに体重や身長を記入して、成長曲線のカーブに沿っているかどうかを確認する

身長

身長

体重

体重
耳鼻咽喉科医 三塚沙希監修
 
耳鼻咽喉科医 三塚沙希監修
   
 
与えてはいけない食品一覧
<食材一覧と離乳期>

はちみつ

5,6ヶ月 7,8ヶ月 9~11ヶ月 1~1歳半 1歳半~
× × ×
はちみつにはボツリヌス菌が含まれている場合があります。消化器官が未熟な赤ちゃんは腸からボツリヌス菌を吸収してしまい、食中毒を起こす恐れがあります。満1歳までは与えないようにしましょう。

青魚

5,6ヶ月 7,8ヶ月 9~11ヶ月 1~1歳半 1歳半~
× × ×
サバ、サンマなどの青魚は、EPAやDHAなどの脂肪酸が豊富に含まれている優良食品ですが、傷みやすい食材です。完了食以降から新鮮なものを十分に加熱して食べさせましょう。

マグロ(赤身)

5,6ヶ月 7,8ヶ月 9~11ヶ月 1~1歳半 1歳半~
×
マグロの赤身は、よく加熱すれば中期からOKですが、パサパサとした食感で食べづらいため、歯ぐきで噛めるようになってから与えるように。脂分が多い中トロや大トロは離乳食期は避けてください。 また、刺身は消化が悪く、食中毒の心配もあるため、離乳食期は与えないようにしてください。

お刺身(生魚)

5,6ヶ月 7,8ヶ月 9~11ヶ月 1~1歳半 1歳半~
× × × ×
生魚は消化が悪いため、離乳食を完全に卒業してからにします。また、細菌感染による食中毒の心配があるので、新鮮なものを与えるように気を付けてください。加熱した白身魚は離乳食初期からOK。

貝類

5,6ヶ月 7,8ヶ月 9~11ヶ月 1~1歳半 1歳半~
× × ×
貝類は消化が悪いため1才以降に。カキはやわらかいため、よく火を通せば後期から可能です。 あさりやはまぐりなどの二枚貝はノロウィルスによる食中毒の心配があるため、新鮮なものを選び充分に加熱してから食べさせます。

肉類

5,6ヶ月 7,8ヶ月 9~11ヶ月 1~1歳半 1歳半~
×
豚と牛は、脂肪分の少ないひき肉を選べば中期からOK。完了期以降はバラ肉などを食べやすい大きさにちぎって与えます。また、鶏のささみはよくすりつぶせば初期の後半から食べられますが、鶏のモモ肉は脂肪分が多いので皮を取り除いてすりつぶしたものであれば中期から可能です。ただし、卵アレルギーがある場合は、鶏肉を与えるのは遅めにしましょう。 肉類はO-157やサルモネラ菌などの心配があるので、子どもには生や半生の状態では絶対に与えないで下さい。

エビ・カニ・イカ

5,6ヶ月 7,8ヶ月 9~11ヶ月 1~1歳半 1歳半~
× × × ×
消化が悪くアレルギーを起こしやすい食品なので、よく加熱して幼児食期以降に与えます。 エビにアレルギーのある子は、サクラエビにも注意が必要です。イカは完全に奥歯が生えて、しっかり咀嚼(そしゃく)できるようになってから与えましょう。

牛乳

5,6ヶ月 7,8ヶ月 9~11ヶ月 1~1歳半 1歳半~
×
初期は、牛乳を与えるのではなく、粉ミルクをといてミルクがゆやミルク煮に。アレルギーがないのを確認してから、中期以降に加熱して離乳食に使います。牛乳は温めると消化がよくなるため、牛乳だけで飲ませる時は必ず加熱するようにしてください。発酵によって成分が変わっているチーズは中期以降、ヨーグルトは中期後半からOK。

全卵

5,6ヶ月 7,8ヶ月 9~11ヶ月 1~1歳半 1歳半~
×
アレルギーの心配がなければ、よく加熱した卵黄を中期後半からスタートします。全卵を与えるのは、9ヵ月以降に。

そば

5,6ヶ月 7,8ヶ月 9~11ヶ月 1~1歳半 1歳半~
× × ×
アレルギーの心配がないのを確認して、1歳を過ぎてからよくゆでたものを与えます。

大豆

5,6ヶ月 7,8ヶ月 9~11ヶ月 1~1歳半 1歳半~
× × ×
大豆は消化が悪く、そのままの大きさで食べさせると誤嚥の危険があります。 後期からよく煮たものをすりつぶして与えるようにします。豆腐は火を通して初期から、納豆はゆでこぼしてつぶし、6ヵ月以降から可能です。

ピーナッツ

5,6ヶ月 7,8ヶ月 9~11ヶ月 1~1歳半 1歳半~
× × ×
1歳を過ぎてから、よくつぶしてピーナッツあえなどに使います。そのまま与えると誤飲の危険があるため、粒のまま食べさせるのは3歳過ぎにします。 ピーナッツのアレルギーもあるので、様子を見ながら少しずつ食べさせましょう。

ごま

5,6ヶ月 7,8ヶ月 9~11ヶ月 1~1歳半 1歳半~
× × ×
栄養価は高い反面、消化が悪いので、後期食以降にすりつぶしてごまあえなどに使います。アレルギー体質の子は、ごまにも反応する恐れがあるので、様子を見ながら食べさせてください。 また、ごまアレルギーがある場合は、いちごやキウイの粒にもアレルギー反応を示すことがあるため注意します。

山いも

5,6ヶ月 7,8ヶ月 9~11ヶ月 1~1歳半 1歳半~
× × ×
アクが強く、生のまま食べると大人でも口のまわりが赤くなることもあります。子どもには刺激が強いので、後期食から火を通して食べさせます。 ごはんにとろろをかけると、かまないで飲み込んでしまい、消化が悪くなることがあります。「よく噛んで飲み込もうね」と教えてあげて。

もち

5,6ヶ月 7,8ヶ月 9~11ヶ月 1~1歳半 1歳半~
× × × ×
そしゃく力の発達を見て、よくかみつぶせるようになったら、1歳半過ぎを目安に与えます。のどに詰まりやすいので、細かく切り、与えている間は絶対に子どもから目を離さないようにします。

ハム・ソーセージ

5,6ヶ月 7,8ヶ月 9~11ヶ月 1~1歳半 1歳半~
× × ×
添加物と塩分が多いため、幼児期以降に。 無添加や手作りなら完了期から可能。

かまぼこ・ちくわ・はんぺん

5,6ヶ月 7,8ヶ月 9~11ヶ月 1~1歳半 1歳半~
× × × ×
保存料などの食品添加物や塩分が多いため、出来る限り控えましょう。与える場合は、幼児期以降に。はんぺんはつなぎに卵白が使われているので、卵白アレルギーの子どもは要注意です。

コンニャクゼリー

5,6ヶ月 7,8ヶ月 9~11ヶ月 1~1歳半 1歳半~
× × × ×
コンニャクゼリーは のどを詰まらせるキケンがあるので、3歳以降に細かく切ってからあげましょう。普通のゼリーなら1歳以降につぶして。

ケーキ

5,6ヶ月 7,8ヶ月 9~11ヶ月 1~1歳半 1歳半~
× × × ×
市販のケーキは糖分も油分も多いので、幼児期以降に。ママが手作りしたケーキは、離乳食後期からOK。

チョコレート

5,6ヶ月 7,8ヶ月 9~11ヶ月 1~1歳半 1歳半~
× × × ×
高カロリーで甘く、虫歯の原因になります。 幼児期に与える必要はありません。

アイスクリーム

5,6ヶ月 7,8ヶ月 9~11ヶ月 1~1歳半 1歳半~
× × × ×
糖分が多く、おなかが冷えるため3歳以降に与えます。

スナック菓子

5,6ヶ月 7,8ヶ月 9~11ヶ月 1~1歳半 1歳半~
× × × ×
油分、塩分、糖質が多く含まれているため、小さいうちから食べさせないようにします。幼児期のおやつとしても不適切で。 基本的に、嗜好食品を食べさせるのは遅めにしましょう。

ファーストフード

5,6ヶ月 7,8ヶ月 9~11ヶ月 1~1歳半 1歳半~
× × × ×
油分、塩分が多いので、大人も子どももなるべく食べないようにしたい。 食べさせるとしたら、幼稚園以降がいいでしょう。

水道水

5,6ヶ月 7,8ヶ月 9~11ヶ月 1~1歳半 1歳半~
× × ×
水道水は安全と言われていますが、消毒液なども含まれているので、離乳期は一度沸かしたものを冷まして飲ませます。これを白湯(さゆ)といいます。離乳食に使う場合も、必ず煮沸して。また、普通のミネラルウォーターは鉄分などが多く含まれていて消化に悪いため、赤ちゃん用のものを選んでください。

コーヒー・紅茶・緑茶

5,6ヶ月 7,8ヶ月 9~11ヶ月 1~1歳半 1歳半~
× × × ×
カフェインが多く含まれるので、離乳期はNG。3歳以降、家で、牛乳入りのミルクティー(レモンティー)をお楽しみ程ならに飲むくらいならOK。家で淹れた紅茶なら、砂糖の量も把握できます。

ジュース・炭酸飲料

5,6ヶ月 7,8ヶ月 9~11ヶ月 1~1歳半 1歳半~
× × × ×
糖分が多く含まれることと、炭酸飲料の刺激も赤ちゃんには強すぎるので、飲ませる必要はありません。 ジュースは、幼稚園(3歳以降)に入る頃から外食でOK。イオン飲料は、熱があるときなどの水分補給に便利ですが。 白湯(一度沸騰させた水をさましたもの)の代わりとして日常的に飲ませないようにします。

ケチャップ

5,6ヶ月 7,8ヶ月 9~11ヶ月 1~1歳半 1歳半~
× × ×
後期食以降に、調味料として少量使う程度に。 フライドポテトなどにたくさんつけて食べるのは避けましょう。

マヨネーズ

5,6ヶ月 7,8ヶ月 9~11ヶ月 1~1歳半 1歳半~
× × ×
完全に火を通しマヨネーズ焼きなどにしたメニューであれば完了食から。マヨネーズには、生のたまごが使われているため、アレルギーの心配のある子は少しずつあたえ、様子を見ながら増やしましす。

香辛料

5,6ヶ月 7,8ヶ月 9~11ヶ月 1~1歳半 1歳半~
× × × × ×
香辛料の強い刺激は、素材の味や香りを打ち消してしまうため、幼児のうちは使わないようにします。 カレー粉は、味付け程度に。
耳鼻咽喉科医 三塚沙希監修

離乳食

三塚先生監修

離乳とは

離乳とは、赤ちゃんが母乳やミルク以外のものを口に入れられるようになり、幼児期の食事に移行する発達のプロセスです。それまで母乳やミルクなどの乳汁を吸うだけだった状態から、徐々に噛みつぶして飲みこむことができるようになります。食べる食品の量や種類が多くなり、より多くの栄養を補給して体の成長の糧となる重要な時期で、メニューや調理方法などの工夫が必要となります。 離乳の進め方については、一番重要なのは無理なく進めることで、乳児の食欲、発達などを十分に考慮することが大事です。また、将来の生活主観病の予防のためにも、健康的な食習慣を培うことも必要です。また、この離乳の時期や離乳食の与え方について、不安に思うお母さん方が多いため、離乳の基礎知識(離乳の時期や方法)や、離乳食時に与えたい栄養分についてご紹介します。 離乳とは

離乳の開始時期

時期: 生後5~6ヶ月頃
発達段階: 首がすわってくる 支えると座れる 食べ物に興味を持つ スプーンなどを口に入れても舌で押し出さなくなる(哺乳反射が減少する)
注意事項: 離乳前に果汁などを与えない(※1) スプーンの使用は離乳後で良い(※2)
※1:離乳前の乳児にとって一番の栄養源は乳汁(母乳もしくはミルク)で、離乳の開始前に果汁などを与えることで乳汁の摂取が少なくなり、タンパク質、脂質、ビタミン類やミネラルが不足する可能性があるため。 ※2:哺乳反射が減少する前にスプーンなどを使用すると、舌で押し戻すなどして上手に与えることができない。

離乳食の進め方

ゴックン期(5~6ヶ月頃)

口を閉じてごっくんと飲み込む練習をする。味や食感に慣れる。
回数 1日1回
授乳 赤ちゃんが飲みたいだけ
おかゆ 10倍かゆ
かたさ なめらかですりつぶされた状態
味付け しない(だし程度はOK)
食材 炭水化物 米、麺類(うどん、そうめん)、食パン、いも類(じゃがいも、さつまいも)
ビタミン・ミネラル 根菜類(にんじん、大根、かぶ、たまねぎ)
葉物(ほうれん草、小松菜、キャベツ、白菜、レタス)
野菜(かぼちゃ、トマト、ブロッコリー、とうもろこし)
果物(りんご、みかん、いちご、桃、メロン、すいか、バナナ)
タンパク質 豆腐、しらす、じゃこ、白身魚(ひらめ、かれい)
調味料 だし
[ ポイント ] 栄養は母乳とミルクから摂取できているので食材の種類や量は気にしなくて良い。 スプーンや食事の雰囲気に慣れることを重視。 いやがる時は無理に与えない。 食材はアレルギーの少ないものから少しずつ増やす

モグモグ期(7~8ヶ月頃)

もぐもぐと口を動かして、食べ物をつぶして飲み込む練習をする。
回数 1日2回(母乳・ミルクの前に与える)
授乳 赤ちゃんが欲しがる時(1日5~6回が目安)
おかゆ 7倍かゆ
かたさ 舌でつぶせるかたさ(豆腐くらい)
味付け ごく薄味(だしなどで風味づけ程度)
食材 炭水化物 米、麺類(うどん、そうめん)、食パン、いも類(じゃがいも、さつまいも、里芋)
ビタミン・ミネラル 根菜類(にんじん、大根、かぶ、たまねぎ)
葉物(ほうれん草、小松菜、キャベツ、白菜、レタス)
野菜(かぼちゃ、トマト、ブロッコリー、とうもろこし、アスパラガス、えんどう豆、なす、きゅうり、青のり)
果物(りんご、みかん、いちご、桃、メロン、すいか、バナナ、なし)
タンパク質 豆腐、しらす、じゃこ、白身魚(ひらめ、かれい、たら、鯛、鮭、めかじき、ツナ)鶏ささみ、納豆、粉チーズ、卵黄(卵白は8ヶ月以降)、きなこ
調味料 だし、塩、しょうゆ、みそ
[ ポイント ] 離乳食から30~40%程度栄養を摂取する時期となるため栄養のバランスを考えて与える。 好き嫌いや急に食べなくなることがあるが焦らず無理せず与える。 味を濃くすると食欲が増すことがありますが、味覚が育ちにくくなるためできるだけ食材の味を生かして調理する。

カミカミ期(9~11ヶ月頃)

歯茎で食べ物をかむ練習をする時期。3回食になり食事のリズムもできてきます。
回数 1日3回(母乳・ミルクの前に与える)
授乳 赤ちゃんが欲しがる時(1日5~6回が目安)
おかゆ 5倍かゆ
かたさ 歯茎でぶせるかたさ(バナナくらい)
味付け ごく薄味(ごく少量の調味料や油)
食材 炭水化物 米、麺類(うどん、そうめん、スパゲッティ)、食パン、いも類(じゃがいも、さつまいも、里芋、やまいも)
ビタミン・ミネラル 根菜類(にんじん、大根、かぶ、たまねぎ、ごぼう)
葉物(ほうれん草、小松菜、キャベツ、白菜、レタス、春菊、長ねぎ、ちんげん菜、もやし)
野菜(かぼちゃ、トマト、ブロッコリー、とうもろこし、アスパラガス、えんどう豆、なす、きゅうり、青のり、ピーマン、きのこ、ひじき)
果物(りんご、みかん、いちご、桃、メロン、すいか、バナナ、なし、ドライフルーツ)
タンパク質 豆腐、しらす、じゃこ、魚介類(ひらめ、かれい、たら、鯛、鮭、めかじき、ツナ、青魚、ほたて貝柱水煮缶)、豚肉、牛肉、鶏肉(ささみ、ひき肉)、レバー、納豆、プロセスチーズ、粉チーズ、卵、きなこ
調味料 だし、塩、しょうゆ、みそ
[ ポイント ] 離乳食から半分以上の栄養を摂取する必要があるため、栄養バランスが重要となる時期。 生活習慣に慣れるためにも、毎日同じ時間に食事をすることが望ましい。 食べる量に個人差があるので、1日ではなく5~7日程度でバランスをとるようにする。 好き嫌いで食べない時は無理強しなくて良い。別の日に出すと食べることもある。 大人の食事を取り分けて調理したりベビーフードも取り入れて無理なく進める。 自主性も大切にして、自分から食べ物に手を出すようになったら手で持って食べられるものも用意する。

パクパク期(12~18ヶ月頃)

大人に近い食事がとれるように徐々にしていく時期。授乳も回数を減らし卒乳します。
回数 1日3回の離乳食と1~2回の捕食(おやつ)
授乳 次第に減らしていく
おかゆ 軟飯~ごはん
かたさ 歯茎でかめるかたさ(ゆで卵の白身や肉団子ていど)
味付け 薄味(少量の調味料や油)
食材 炭水化物 米、麺類(うどん、そうめん スパゲッティ)、食パン、いも類(じゃがいも、さつまいも、里芋、やまいも)、中華乾麺、ビーフン、春雨、蒸しパン、マフィン
ビタミン・ミネラル 根菜類(にんじん、大根、かぶ、たまねぎ、ごぼう)
葉物(ほうれん草、小松菜、キャベツ、白菜、レタス、春菊、長ねぎ、ちんげん菜、もやし)
野菜(かぼちゃ、トマト、ブロッコリー、とうもろこし、アスパラガス、えんどう豆、なす、きゅうり、青のり、ピーマン、きのこ、ひじき、セロリ、たけのこ、アボカド、かんぴょう、きくらげ)
果物(りんご、みかん、いちご、桃、メロン、すいか、バナナ、なし、ドライフルーツ、くだもの缶詰)
タンパク質 豆腐、しらす、じゃこ、魚介類(ひらめ、かれい、たら、鯛、鮭、めかじき、ツナ、青魚、ほたて貝柱水煮缶、貝、たらこ、干物、桜えび)、豚肉、牛肉、鶏肉(ささみ、ひき肉)、レバー、納豆、プロセスチーズ、粉チーズ、卵、きなこ、はんぺん、ハム、卵豆腐
調味料 だし、塩、しょうゆ、みそ、ゴマ油、カレー粉、マヨネーズ、ケチャップ
[ ポイント ] 食べられるものが多くなり、大人の食事を取り分けで準備でき負担が減りますが、反面、「好き嫌い」や「ムラ食い」「ばっかり食べ」などの癖で悩む時期。 子どもが食べなくても、いろいろな食材を準備し視覚で慣れさせたり抵抗感をなくしましょう。 1回に食べられる量が少ないため、おやつは必要です。お菓子ではなく、果物、いも類、乳製品など食事の補完となるものを選びます。 自主性を育てるために、手づかみで食べられるものや、スプーンやコップなどの食器も自分で持たせ、出来るだけ自由にさせます。
三塚先生監修

ダニアレルギー

小児科医 浦島崇監修
   
ダニアレルギーとは
ダニが原因となってアレルギー症状が起こる病気で、喘息やアレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎の7割がダニが原因だと言われています。ダニの消化管にある酵素(タンパク質)がアレルゲン(アレルギー原因物質)となっており、ダニの糞と死骸に多く含まれ、小さな粒子となって体内に侵入してアレルギー症状を起こします。 ダニアレルギー アレルギー対策としては、除去することが望ましいですが、ダニはどこの家にも生息しており、完全に除去することはできません。ですので、アレルギー対策としてできることはダニの数を減らすこととダニを増やさないことです。手順としては、①ダニを退治すること、②アレルゲンとなるダニの死骸と糞を除去すること、③ダニが増えないようにすることです。 また、ダニは繁殖力が強く、18日~29日で卵から孵化し、生まれたばかりの幼ダニから成ダニに成長するまでには2ヶ月程度かかります。寿命は3ヶ月~1年程度で、その間に産卵をして爆発的に数が増えていきます。生息に適している湿度と温度になる6月~8月は一気にダニの数が増え、これに比例してアレルギー患者さんも増えます。 この産卵のサイクルも考慮して、ダニ退治、アレルゲン除去を行うことで効率的にアレルゲンを減らすことができます。

ダニの種類

主なダニの種類は3種類で、このうち、ヒョウヒダニ(チリダニ)が一般的にアレルギーの原因のダニとして知られています。 ダニアレルギー
ダニが原因となるアレルギー
ダニアレルギー

気管支喘息

気管支(気道)で炎症が起きて空気の通り道が狭くなり、さらに痰などが出て更に気道が狭くなることで呼吸困難、咳、喘鳴(呼吸をする時にヒューヒューという音がする)などが起こる病気です。小児喘息は8%~14%、成人の喘息では9%~10%の罹患率、原因は、ダニやハウスダスト、ペットのフケ、カビなどが原因と言われています。 ダニアレルギー

アトピー性皮膚炎性皮膚炎

かゆみを伴う湿疹を繰り返す皮膚炎で、アレルギーのある人に発症しやすい病気です。 アレルギーを持っている人が多く、極度の乾燥肌であることも特徴で、皮膚表面の角質が荒れてアレルゲンが新入しやすくなることと皮膚の乾燥から、かゆみを感じやすくなり、爪で掻き壊すため更に湿疹の状態が悪くなるという悪循環に陥り慢性化します。 1才までに65%が発症し、5才までに90%が発症すると言われ、通常では6ヶ月以上症状が継続する場合慢性と診断されます。(乳児の場合は2ヶ月以上) ダニアレルギー

アレルギー性鼻炎

くしゃみ、鼻水、鼻が詰まる(鼻閉)などの症状が起こる鼻炎です。日本人の5人に1人は、この鼻炎に掛かっているとも言われ、原因は、ダニやハウスダスト、花粉などです。
アレルギー性鼻炎の種類 特徴・原因
通年性アレルギー性鼻炎 1年を通して存在し、冬に比較的強い症状が出る。サラサラとした水のような鼻水、鼻づまりが繰り返し起こる。合併症として、ぜんそくやアトピー性皮膚炎が起こることもある。
季節性アレルギー性鼻炎 一定の季節に限って症状が現れる。そのほとんどは「花粉症」と呼ばれる。鼻の症状のほか、目のかゆみ・充血(アレルギー性結膜炎)、のどの違和感、皮膚のかゆみ・湿疹、咳、頭が重たい感じなどの症状が出ることがある。
ダニアレルギー
ダニの生態
ダニの発生が多い時期と場所 ダニアレルギー 1年の中でダニが一番発生しやすい時期は、6~8月です。湿度、温度が最も高くなる時期に繁殖します。 室温 25度〜30度 湿度 60%〜70%

ダニの多い場所

1番ダニが多いのは、寝具(枕、マットレス)です。ダニの発生条件である「温度」「湿度」「エサ(人のフケやアカ)が多いところだからです。

家の中でダニの多いところ

1位:寝具(枕、マットレス) 2位:カーペット 3位:ソファ
ダニ対策のための寝具の手入れ方法
1 丸洗い 2 布団を干す 3 掃除機をかけて除去する 4 ダニが侵入できない目の細かなシーツを使う

ダニ除去率

(A)排泄物
布団 除去作業 除去前 除去後 除去率
A たたく 10,300 13,600 -32.0%
B たたく+掃除機 23,700 13,900 41.4%
C 掃除機 28,900 14,900 48.4%
(B)虫体
布団 除去作業 除去前 除去後 除去率
A たたく 12,300 15,500 -26.0%
B たたく+掃除機 36,200 19,600 45.9%
C 掃除機 40,300 24,300 39.7%

(引用:『ダニ・カビ完全対策』小峰裕己 編著)

ダニ対策年間スケジュール
ダニアレルギー 一度にダニ対策を行うのではなく、ダニの活動期、繁殖期に合わせて小まめに何回も行って駆除すると効果的です。 ●計画性をもって定期的に駆除しましょう。 ●カビはダニのエサになるため予防する(結露、洗濯物の室内干し、長時間の加湿器使用) ●布団を小まめに干す。 ●部屋の換気を行う。 ●室内の湿度を60%以下に保つ。
退治→除去→維持の3段階が効果的
ダニアレルギーの対策のためには、ダニを退治するだけでは足りず、死滅したダニを除去することが必要です。そして、その後、産卵などで再度増えないようにケアをすことでダニの数を減らすことができます。 ダニアレルギー ダニ対策のためには、まずダニを死滅させることが必要です。しかし、ダニを死滅させても、残った死骸をそのままにしていてはアレルギーの原因となります。また、その後放置してしまっては、産卵などにより再度ダニが増えてしまうため、ダニ対策では、①ダニ退治→②ダニアレルゲンの除去→③ダニ増加防止を繰り返し行うことが大切です。
ダニ退治
ダニを死滅させる方法は、熱処理(50℃で死滅)、乾燥処理、洗濯、薬剤散布 の4通りです。それぞれの処理の効果は下記の通りです。
効果 費用 評価
家庭用洗濯機 シーツ、カバー、衣服であれば十分ダニを洗い落とせますが、毛布や布団などの分厚いモノにはダニ退治効果はあまりありません。
布団乾燥機 1度の使用ではあまり効果はありませんが、朝昼2回連日行うことでダニ退治効果が見込めます。布団、マットレス、畳など様々なものに応用できます。
天日干し 1度ではほぼダニ退治効果はありませんが、こまめに行うことでダニ抑制効果が見込めます。黒い布を被せることで効果UPが見込めます。
掃除機 表面にいるダニの除去には効果がありますが、生地内部にいる大半のダニにはほとんど効果がありません。ダニアレルゲン除去に有用です。
クリーニング業者 費用こそ高いですが、手軽でほぼ確実にダニを退治してもらえます。
スチームアイロン 殺ダニ効果は高いですが、対象物を傷めないか確認し、事後の湿気処理をきちんと行う必要があります。
ダニ取りシート 即効性こそないもののダニをじわじわ減らせられます。大発生後のダニ対策には向きません。本当にダニがいるか確認できます。
ダニ駆除薬剤 リーズナブルにダニを退治できますが、使いすぎには要注意です。
除湿機 × 湿度を抑えることでダニ発生の予防ができますが、大発生してしまったダニの退治方法には向きません。
アロマ × ダニを追い払う効果はありますが殺ダニはできません。一時シノギのダニ退治となります。
熱湯 手軽で効果的だが、素材を痛める。素材によっては使用感を大きく悪化させるので非推奨。
 
小児科医 浦島崇監修
 
PAGETOP
公式LINEお友だち登録
Copyright c SEASTAR Corporation All Rights Reserved. > プライバシーポリシー