「乳児が急変する病態とモニタリングの可能性と限界に関して」
(第8回日本産前産後ケア・子育て支援学会)
背景
乳児の突然の急変には、乳幼児突然死症候群(SIDS)のほか、先天性心疾患、不整脈、感染症、先天性代謝疾患など、さまざまな病態が関係します。
なかには、それまで目立った症状がなく、出生後の健診でも発見が難しい疾患や、乳児期早期に急激に状態が悪化する疾患もあります。
こうした乳児の急変に対し、心電図や酸素飽和度測定、体動センサーをはじめとするモニタリングが、異変を早期に捉えるためにどのような役割を果たし得るのか、その可能性と限界について発表が行われました。
学会発表概要
【学会】
第8回日本産前産後ケア・子育て支援学会
【開催日】
2024年11月4日
【会場】
恩賜財団母子愛育会研修室
【演題】
「乳児が急変する病態とモニタリングの可能性と限界に関して」
【発表】
愛育病院 小児科/うらちるクリニック 浦島 崇 医師

浦島 崇先生
発表内容
本発表では、乳児突然死症候群(SIDS)をはじめ、先天性心疾患、不整脈、感染症、先天性代謝疾患など、乳児の突然の急変につながる可能性のあるさまざまな病態について解説されました。
また、心電図や酸素飽和度測定、ウェアラブルデバイス、体動センサーなどを取り上げ、乳児を見守るためのモニタリング技術について、その可能性と限界の両面から考察されています。
体動センサー(ベビーアラーム E-202)については、機器の仕組みや検知方法、使用上の注意点とともに、実際に利用者から寄せられた声も紹介されました。
利用者の声として、自宅で体動センサーのアラームが作動した際に保護者が乳児の状態を確認し、呼吸が止まっていることに気づいて救急搬送につながったという内容が2件紹介されています。
※ 紹介された内容は利用者から寄せられた声に基づくものであり、医療機関等による症例報告や医学的な検証結果ではありません。
学会発表で示唆されたポイント
発表では、乳児の急変とモニタリングについて、以下の点が示されました。
・乳児の突然の急変には、先天性心疾患、不整脈、感染症などさまざまな病態が関係する
・心電図や酸素飽和度の測定など、病態に応じたモニタリングが早期診断やスクリーニングにつながる場合がある
・乳幼児においても、ウェアラブルデバイスをはじめとしたモニタリング技術の発展が期待される
・体動モニターは、無呼吸など乳児の異変に早く気づくための手段となる可能性がある
・一方で、不整脈などによる突然死の検知には限界があり、体動センサーですべての急変を捉えられるものではない
・体動モニタリングの有用性については、今後さらにエビデンスを蓄積し、検証していく必要がある
※ 体動センサーは、赤ちゃんの状態を機器の情報だけで判断するものではありません。アラームが作動した際には、保護者や看護者が実際に呼吸、顔色、体動などを確認し、異常が認められた場合には必要な対応を行うことが重要です。
考察・まとめ
本発表では、乳児が突然急変するさまざまな病態とともに、早期の気づきを支えるモニタリング技術について、その可能性と限界が示されました。
体動センサーは乳児の体動を継続的に見守ることで、無呼吸などの異変に気づくきっかけとなる可能性があります。一方、すべての急変を検知できるものではなく、その特性を理解したうえで適切に使用することが大切です。
今後、乳幼児に適したモニタリング技術の発展とともに、データや知見を蓄積し、家庭での見守りにおける有用性と適切な活用方法について検証を重ねていくことが求められます。