赤ちゃんのお口
赤ちゃんがおっぱいを吸うことを吸啜(きゅうてつ)といいます。口に入ってきたものを強く吸うという赤ちゃんが持って生まれた反射によるもので、舌をうねらせるような動きの蠕動様(ぜんどうよう)運動で母乳を引き出します。
生後約6ヶ月頃になると、徐々に反射がおさまり、離乳食の準備をはじめることができます。
小さな歯が初めてお口の中に顔を出すのもこの頃です。また、歯が生える前になるとよだれがたくさん出たり、口をブーブーいわせる赤ちゃんもいます。歯が生えてくる痛みやむず痒さがイヤで「歯ぐずり」をしているのかもしれません。そんな時はちょっと表に出て気分転換をしたり、歯固めを与えてみてもいいかもしれません。
授乳期のお口のケア
あかちゃんのよだれは1日に1.5リットルも出ると言われています。このよだれはいつもお口をお掃除して虫歯を予防してくれていますので、歯が生えてくるまでは、赤ちゃんのお口のお掃除は必須ではありません。飲みすぎによる嘔吐の後や舌の汚れなどが気になる保護者は、湿らせたガーゼでやさしくぬぐってあげると良いでしょう。
生後3か月頃になると、口の中に色々なものを入れて噛むようになります。安全な赤ちゃん専用の歯ブラシを持たせ「お口ピカピカしようか」などと声をかけてあげると、歯みがきなどこれからのお口のケアの練習になります。
指しゃぶり(おしゃぶり)と歯並び
生後6か月頃の赤ちゃんは何でも口へ運び、おしゃぶりのようにしゃぶるようになります。これは目と手の協調運動の学習とともに、手や口を刺激することで脳の発達が促進されるといわれています。
3歳くらいまでの指しゃぶりは、吸啜(きゅうてつ)という反射の名残です。「歯並びに影響するのでは?」「取れなくなったらどうしよう」と心配される方もいるようですが、基本的に指しゃぶり・おしゃぶりともに、3~4歳になると自然に減っていきますのであまり神経質になる必要はありません。
どうしても気になるようであれば、おしゃぶりをくわえる回数を制限してみたり、指しゃぶりをしている時に何か他のものに興味を持たせるようにするなど、無理せず徐々にやめさせる方向にもっていきたいですね。どうしても治らない場合は専用の器具などもあるようなので、歯科医や小児科の先生に相談してみるのもよいかもしれません。
赤ちゃんの歯みがきはいつから?
赤ちゃんの歯みがきは、6ヵ月~1才くらいから始めると良いでしょう。この時期は間食も少なく、だ液の自浄作用で十分お口を清潔に保てるので、歯をゴシゴシみがくというよりも、歯ブラシを口に入れる感覚と歯みがき習慣を身につけましょう。自分で歯ブラシを持てるようになったら、自分みがきにも挑戦してみましょう。しかし、自分みがきではほとんど歯が磨けていないのが現実。保護者は大変ですが
仕上げ磨きで毎日しっかりチェックして正しいお口のケアを教えてあげることが大切です。仕上げ磨きはできれば大人の歯が生えそろう12歳までしたいところです。それを通じて、親子のスキンシップの場にもなり、むし歯だけでなく歯並びチェックや精神衛生上有意義な時間となることでしょう。
歯ブラシの段階
・ふき取り&マッサージ
(ガーゼでふきふき&シリコンで歯ぐきマッサージ)
・保護者による仕上げみがき
・自分みがき
歯科検診に行き「添い乳をしてると虫歯になるよ」などと言われて心配に思っている保護者もいるかもしれませんね。虫歯になりやすい歯質の赤ちゃんと、虫歯になりにくい歯質の赤ちゃんがいますので、一概に「添い乳が悪い!」とは言えませんが、基本的に母乳に含まれる乳糖だけでは、虫歯の原因になることはないと言われています。
ただし、離乳食やおやつ、ジュースを飲んだ後、そのまま添い乳をして眠ってしまうと虫歯になる可能性があります。虫歯が心配な保護者は、添い乳して寝る前に、一度口の中を濡れたガーゼなどでやさしくそっと拭ってあげてください。
ママの虫歯がうつるって本当?
「むし歯菌」とも呼ばれる「ミュータンス菌」という言葉を、耳にしたことはありますか?
ミュータンス菌とは虫歯の原因となる細菌の一種で、甘いものや食べカスが反応し、歯垢となり、酸を作って歯を溶かします。
虫歯菌は歯の表面に住みつきます。まだ歯がない赤ちゃんの場合、口の中へ入ってしまっても住みつくところがないので影響はありません。
生まれたばかりの赤ちゃんのお口の中を調べて見ると、虫歯菌はひとつもありません。
では、どうして虫歯になってしまうのでしょう?何かの機会に家族の誰かから、赤ちゃんのお口の中に虫歯菌が感染してしまうからです。ミュータンス菌は唾液から赤ちゃんにうつると言われていますので、まずはお母さんやお父さん、ご家族の方がむし歯を治し、口腔ケアを大切にしましょう。むし歯菌のみならず多くの菌が、生後かなり早い時期に赤ちゃんの口の中でみつかります。
早期にむし歯菌へ感染することを予防するためには、お箸などを使い分けるのも一つの方法です。また、食べ物の口移しをしないなど、感染の機会を減らすように気を付けましょう。しかし、お箸の共有などは親子のスキンシップや集団生活上必要なことでもありますので、歯みがきができるようになったら、歯磨きをしっかりすることに気を付けて、様子を見ながら箸などの共有をしていっても良いでしょう。
★こどもの虫歯の三大要素★
・虫歯菌 ・食べ物(糖類) ・歯の質

子どもは生まれ持って歯の質が強かったり、弱かったりします。実は乳歯のみならず大人の歯も、お母さんのお腹の中にいる時からでき始めます。「この子は歯が弱いかもね」と歯科検診で指摘された保護者もいるのでは?そういった場合、牛乳や小魚でカルシウムをしっかり摂り、バランスの良い食事をして、なるべく歯の質を上げられるようサポートしてあげましょう。歯医者さんでフッ素を塗布してもらうのも効果的です。
歯の生え始め
保護者が妊娠してから6~7週目で、すでに赤ちゃんの乳歯ができ始めます。その後1〜2年の長い時間をかけて乳歯が完成し、生後6〜9か月頃に下の前歯が生えはじめ、2〜3歳頃にかけてだんだんと生え揃っていきます。
乳歯は全部で20本。通常は下のような順番で生えていきますが、前後することもあります。
1. 生後6~9ヶ月 下の前歯
2. 生後9~10ヶ月 上の前歯
3. 生後11ヶ月~1歳頃 上下の前歯4本ずつ
4. 1歳2ヶ月~1歳6ヶ月 奥歯(第一乳臼歯)
5. 1歳9ヶ月~2歳頃 犬歯
6. 2歳6ヶ月頃 奥歯(第二乳臼歯)
歯の生え始める時期や生える順番にはずいぶんと差があり、生まれた時にすでに1本生えていたり、1歳になってからようやく1本目が生えてきたり、それぞれ違います。まわりの子より多少早かったり、遅かったりしても、特に気にする必要はありません。
「歯ぐずり」という言葉があります。歯の生え始めは歯ぐきがむずむずしたり、歯が歯ぐきをやぶって出てくる痛みがあったりと、不機嫌になったり不安定になったりする時があります。
赤ちゃんがぐずり続け、何をしても泣き止まない時はもしかするとこの歯ぐずりが原因かもしれません。そんな時のためにベビー用品店ではさまざまな歯がためが販売されています。シリコン素材のやわらかいものや、水を入れて冷蔵庫でひんやりさせられるものも。赤ちゃんのお口に入るものですから、素材に注意をして安全なものを選ぶようにしましょう。
お口のケアと虫歯予防
歯が生えてきたら、虫歯予防に寝る前の歯みがきを習慣に。睡眠中は唾液の分泌量が減少するためお口の中の細菌が繁殖しやすくなります。就寝前にしっかり食べカスなどを取り除くという習慣をつけましょう。歯みがき後、麦茶などのお茶を飲むと、お茶わんの茶しぶと同じで歯に着色が出ることがあります。水分補給はお水か白湯にしましょう。
仕上げ磨きの上手な磨き方
・持ち方
えんぴつを握るように持つと、細かく動かすことができます。
・動かし方
小刻みに左右に振動させ、少しずつずらしていきます。
・あて方
歯の面に垂直にあてる
歯と歯茎の境目に45度の角度
歯ブラシを縦にして縦みがき
・雰囲気
保護者は笑顔で、やさしく楽しくを心がけましょう。
・体勢
だっこみがき
寝かせみがき
※仰向けが嫌いなお子さんもいますので、その場合は向い合せになりみがいてあげましょう。お子さんを立たせることだけは絶対にしないでください。転倒して歯ブラシがのどの奥や脳に突き刺さる事故につながります。また、無理やり押さえつけての仕上げみがきも厳禁です。お子さんが歯みがきを嫌ってしまいます。ご注意ください。
Point!
・歯と歯ぐきの境目や、奥歯の溝、上の前歯の裏側、歯と歯の間は、磨き残しの多い部分です。気を付けてみがいてあげましょう。
・赤ちゃんの上唇の裏にある「上唇小帯」は歯に近く大きいので当たりやすく、当たるととても痛いので歯ブラシを嫌いになってしまう可能性があります。 保護者の指で押さえたり、左右別々にみがくなど当たらないよう気を付けてみがいてあげましょう。歯と歯の間にまで延びているものは切除することもありますので、歯科医院で相談してみてください。
・歯ブラシは毛先が開くと弾力性が落ち、みがき残しが多くなります。ブラシの毛が開いたままではせっかく歯みがきをしてもお口の中がきれいになりません。歯ブラシが開くのが目に見えるちょっと前、目安として1か月くらいで交換をしてあげるといいでしょう。
離乳食やおやつがはじまったら・・・
歯が生えはじめ、離乳食が始まったら、保護者の仕上げ磨きをスタートしましょう。また、おもちゃ代わりに赤ちゃん用の歯ブラシを持たせて歯ブラシを持つことに慣れさせましょう。まだうがいのできないうちは、うがいのかわりに湯冷ましや麦茶を食後に飲ませてあげましょう。また寝る前の歯磨きを習慣にしましょう。ここでの歯みがきの習慣づけができるかどうかで、お子さんの一生を決めてしまいますので、とても大切です。
・おやつのあげかた
砂糖を含んだ甘いものを食べると、お口の中の虫歯菌の活動が活発になり、虫歯菌が酸を出します。歯は酸にとても弱いので、この酸によって歯が溶け始め、これが虫歯の原因になります。食べ始めてから数分後には歯の表面からイオンやミネラルが溶けだしていき、その後、唾液によって酸が中和され、歯の表面が元の状態に戻っていきます。(この修復作用を再石灰化といいます)。おやつの時間を決めずに1日に何度もお菓子を食べたりジュースを飲んだりしていると、再石灰化が追いつかなくなり、その度に虫歯菌に溶かされて修復が間に合わなくなり、虫歯が出来てしまうのです。これを酸蝕歯(さんしょくし)と言います。酸蝕歯では、歯が白濁(はくだく)したり透き通ったりします。また中には歯が欠けてしまうこともあります。・虫歯になりやすいおやつ
砂糖の多く含まれているもの(クッキー、チョコレート、など)
食べ終わるのに時間のかかるもの(あめなど)
歯にくっつきやすいもの ※長時間お口に残ってしまうため(キャラメル、ガムなど)
おやつに上記のようなものを食べた時は、しっかり歯を磨くようにしましょう。・甘い飲み物にも砂糖がいっぱい
コーラやスポーツドリンクなどの炭酸飲料には砂糖がたくさん入っていることはみなさんご存知だと思いますが、実は野菜ジュースやイオン飲料水にも含まれています。飲み物の成分にも注意が必要です。飲みすぎには注意したいですね。
・おやつは量よりも回数に注意
おやつはあげる時間と1日の回数を決めましょう。食べた後は歯みがきやうがい、まだうがいができない場合は水や麦茶を飲む習慣をつけることも大事です。
・かむ力を育てよう
赤ちゃんのかむ力を育てることはとっても大事。噛むことで唾液の分泌量が増え、口の中がきれいになり、歯の再石灰化が促進されます。あごが強くなり歯並びもきれいに。また脳が刺激され、発達にもよい影響を与えるといわれています。
Point!
噛む力を育てるため、こどもにおすすめのおやつ。
おしゃぶり昆布・するめ・煮干・枝豆・とうもろこし・りんご・なし・干しいもなど
はじめよう虫歯予防!
乳歯は虫歯になりやすい
・歯がやわらかいため虫歯になる確率が高い
・乳歯は再生能力が弱い
・上手に歯磨きができない(仕上げ磨きが大変)
乳歯はいずれ生え変わるから、虫歯になっても平気…?
乳歯が虫歯になるとこのような影響があります。
永久歯の歯並びが悪くなる
(虫歯などで抜いてしまうと永久歯は生えてくる目印を無くしてしまい、歯並びが悪くなってしまいます)
永久歯の歯の質が悪くなる
(乳歯の虫歯で歯の根っこに膿が溜まってしまうと、下でつくられている永久歯にも影響があります)
事前にできる虫歯対策
・フッ素を塗布する
「フッ素」とは歯質を強化し、歯に汚れがつかないようにすることで虫歯菌から歯を守ることができます。現在ではフッ素の入った歯磨き剤も味や濃度さまざまなものが販売されています。
・シーラント
シーラントは、形が複雑だったり溝が深い奥歯の溝にレジン(樹脂)を貼り付ける処置のことです。ブラッシングだけでは予防しきれない虫歯を防ぎます。一般的には3~4歳から使用が可能と言われています。
・定期健診
市区町村で行われる歯科検診はもちろん、かかりつけの歯科医を作り、定期的に健診を受けることが大切です。最近では予防歯科と言われ、虫歯ができる前に歯医者に行くことが推奨されています。乳歯が生えたら、1歳までに歯科検診を受けましょう。赤ちゃんのなるべくご機嫌の良い午前中に済ませてしまうのがオススメ。歯とお口のケアや生活上の注意点について不安に思うことがあればこの機会に先生に相談してみましょう。
乳歯と永久歯
乳歯は赤ちゃんがおなかの中にいる妊娠7週頃に発生します。妊娠4〜5ヵ月ころには石灰化といって、歯が硬くなっていきます。その後1〜2年くらいかけて乳歯の完成です。いくつかの永久歯も妊娠4か月ごろにつくられ始め、永久歯は長い年月をかけて完成していきます。
「乳歯」がはえてくるのは、ほぼ生後6ヵ月ごろからですが、この歯の芽(歯胚しはい)は妊娠して約6~7週めころからでき始めます。 妊娠したことがわかるのは、早くて4~5週めですから、受胎を確認したころには、もう歯胚が形成されていることになります。赤ちゃんのためにも、お母さんは栄養管理やたばこや過度なお酒といった嗜好品にも気をつけてください。
花粉やホコリなどのアレルギーの原因が体内に侵入しないように、鼻水が分泌されます。
鼻水の状態で病気の症状を判断することができるので、注意して見てみましょう!
鼻水の種類
ここでは代表的な2種類を説明します。
①サラサラの鼻水
鼻の前の方に流れることが多く、風邪やアレルギーによる鼻炎のときに出ます。
②ネバネバの鼻水
鼻水が出始めてから数日経った頃や、慢性副鼻腔炎の疑いがある時にみられます。鼻の奥からのどに向かって流れることが多く、これを後鼻漏といいます。
奥に詰まった鼻水はどうやってとるの?
鼻をかんでも出すことができない奥に詰まった鼻水は、口で吸うタイプの吸引器ではなく、電動の鼻水吸引器を使用すると簡単にとることができます。
とはいえ、鼻の中は複雑な構造をしているので、「電動鼻水吸引器を使うだけで、すぐにすっきり!」という訳ではありません。
うまく吸うためにも、鼻の構造について勉強しておきましょう。
鼻水をうまく吸引する方法
鼻水を吸引する際に、念頭に置いておくべきポイントは2つあります。
その1:鼻の中はとても狭く、凹凸があるため、複雑に入り組んでいる。
外から見るかぎりだと、鼻の穴はまっすぐ伸びているように感じますが、実は内側は粘膜が出っ張っていて、複雑な形をしています。さらに、子どもの鼻腔内は、細く曲がりくねっているので、とても狭いです。奥にある鼻水を吸い取るには、ノズルの先を正確に鼻水のたまっているポイントへ向ける必要があります。しかし誤って出っ張った粘膜を吸引してしまうと、傷がついたり、腫れて余計に鼻が詰まってしまうことがあります。
吸引器を使うときは鼻の構造をしっかり理解し、粘膜を吸ってしまわないように注意しましょう。鼻の中の出っ張りは手前から順に下鼻甲介(かびこうかい)中鼻甲介(ちゅうびこうかい)上鼻甲介(じょうびこうかい)と並んでいます。
その2:後鼻漏の原因となるネバネバ鼻水は喉に近い鼻の奥にたまっている。
鼻の穴は下に向かって開いています。そのため、鼻水を吸引するときは吸引器の先端を真上に向けて入れてしまいがちです。しかし図のように後鼻漏の原因となるネバネバの鼻水は、鼻の穴からほぼ水平方向の一番奥にたまっています。その1でも述べたように、手前には粘膜のでっぱりがあることをふまえて、その奥へと吸引器の先端を入れましょう。
鼻水吸引のポイント
鼻の構造を学んだところで、次はいよいよ吸引方法をご紹介します。吸い方のポイントを抑え、安全に鼻水を吸引しましょう。
ポイント1:吸引器の先端(ノズル)は鼻の穴から水平方向に入れる!
鼻の穴は下に向いているため、ノズルの先を上に向けてしまいがちですが、ネバネバの鼻水は鼻の穴とほぼ水平方向の一番奥、のどに近いところにたまっています。ノズルは、鼻の穴の水平方向へゆっくり入れていきましょう。
ポイント2:少しずつ角度を変えて、よく吸い取れるポイントを探す!
水平方向を意識しながら、少しずつ角度を変えながら吸引していると鼻水がどんどん出てくるポイントがみつかることがあります。ポイントを見つけたらその角度をキープして、吸引を行いましょう。
吸引時の注意
・強い力で一気に吸引しない
ずるずると鼻水が取れ始めると一気に吸い出したくなりついつい強い圧で吸ってしまいがちですが、焦らずゆっくりと少しずつ吸いましょう。
・強く押し当てない
ノズルは鼻の穴に軽くあてるだけでもよく吸い取れるので、強く押し込まないようにしてください。鼻が詰まっているときは、下鼻甲介の腫れによって通常よりも鼻の中は狭くなります。粘膜を吸ってしまわないように気をつけて吸引を行いましょう。
吸引時の体勢
鼻水を吸引する際は頭をしっかり固定してください。頭が固定されていれば、基本的にどのような体勢でも大丈夫です。(頭が動いてしまうとノズルの位置が安定せず、出っ張った粘膜を傷つけて鼻づまりを悪化させてしまう恐れがあります。)
小さいお子さんの場合は、横向きに抱き、手で頭を支えながら、空いた手で吸引するのがオススメです。また赤ちゃんの場合は、床に座ってひざや太ももで頭を抑え、上から覗き込むようにして吸うとラクに吸引できます。
子どもは一度「鼻水を吸引する=怖い!」と感じてしまうと、次から吸引を嫌がるようになってしまいます。「治療」というより、あくまで「ママとのスキンシップの延長線」のような感覚で行えるのが理想です。子どもを安心させるためにも、吸引の前に一度ママが自分で試しながら「怖くないよ?楽になるよ?」と子どもに見せて上げることも効果的です。
鼻水吸引による影響
鼻は口はもちろんのこと目や耳ともつながっています。
鼻水の吸引を間違った方法で行ってしまうと、鼻以外の部分にも影響が及ぶことも…
安全なケアを行うためにも、鼻水吸引による体への影響について勉強しましょう!
耳の痛み
鼻を強くかんだとき、耳がキーンと痛く感じたことはありませんか?
これは鼻と耳が耳管でつながっているために起こる現象です。
吸引器を使って鼻水を吸うとき、子どもにもこれと同じ現象が起こることがあります。
特に強い圧で長い時間吸引していると起こりやすく、一時的に痛いだけの場合もありますが、この状態が続くと中耳炎を発症する原因にもなるので注意が必要です。
頭や歯の痛み
鼻水を吸引しているとき、子どもが急に頭痛や歯痛を訴えることがあります。
急性副鼻腔炎という病気にかかっている時に多くみられる現象で、これは鼻の奥にある副鼻腔にウィルスが入り、炎症を起こす病気です。この時に鼻水を吸引すると、粘膜に圧力がかかり強い痛みが起こる場合があります。
この痛みはとても強く、子どもが一度経験すると次から怖がって鼻水の吸引をさせてくれなくなってしまうことがあります。
たくさん鼻水が吸えるからといって、強い圧で長く吸いすぎないように注意してください。
☆吸引器を使うときの注意
・吸引する際は吸引器の先端(ノズル)を徐々に鼻の穴に近づけて、弱めの圧で少しずつゆっくりと!苦しそうにしていると、すぐになんとかしてあげたいと思い、強い圧で一度に吸い取ろうとしてしまいがちです。
しかし、こういう時こそ焦らずゆっくりと少しずつ吸うことが大切です。
一度に全部吸いきるのではなく、だいたい6割から7割程度の吸引をこまめに行うよう、心がけましょう。弱めの圧で少しずつ吸引を繰り返すことで、耳への負担も少なくなります。
鼻血
鼻水を吸引していると鼻血が出てしまったということがあると思います。
基本的に吸引時の鼻血は、子どもの場合、鼻中隔(びちゅうかく)という鼻の穴の真ん中にある壁のあたりから出血していることが多いです。
鼻中隔は薄い粘膜の下に細い動脈が走っているため、すこしの刺激でも出血しやすくなっています。そのため、吸引の際にこの部分へ吸引器の先端(ノズル)が当たってしまうと、出血しやすいのです。
とは言うものの、鼻中隔のあたりは絶好の鼻水ポイント!鼻の中は外側から内側に向かって下鼻甲介が張り出しているため、鼻水をうまく吸うためには、鼻中隔に向けてノズルを入れる必要があります。粘膜を傷つけないためにも、ノズルは深く入れすぎず軽く当てる程度にしましょう!

☆出血してしまったら
気をつけていても出血してしまうことはあると思います。
子どもは鼻血が出やすいので、慌てずゆっくりと対処しましょう。
・ティッシュなどを当てて安静にする
ティッシュを詰め込んでしまうと抜き出すときの衝撃でまた鼻血が出ることがあるので、注意してください。
・その日は吸引を控える
一度鼻血が出ると再出血しやすいので、その日は吸引を控え、翌日に吸引してあげましょう。
子どもの頃は粘膜が薄く弱いため、鼻水吸引時以外でも鼻血が出ることが多いです。慌てず、落ち着いて対処してあげましょう。
あまりにも頻度が高ければ一度耳鼻咽喉科へ相談するのもオススメです。止血の処置を取ってもらうと、出血の頻度が抑えられます。
鼻水をうまく吸うポイント
「鼻水のネバネバすぎてうまく吸引できない!」と感じた時は、以下のことをお試しください。
鼻水の粘度が高く、うまく吸えない場合
・点鼻薬を使う
ネバネバの鼻水には、点鼻液を差すのが効果的です。
食塩重曹水の点鼻薬なら自宅でも簡単に作ることができるのでオススメです。
点鼻液には、鼻水の粘度を緩和させるだけでなく、鼻の粘膜に付着したアレルギー物質や細菌、ウィルスなどを除去する働きがあります。

①~③の材料をペットボトルに入れ、良くかき混ぜるだけで完成です。重曹は必須ではないので、なければ食塩と水だけを混ぜた食塩水でも大丈夫です。食塩水の理想の濃度は0.9%で、この濃度の食塩水を生理食塩水と言います。上記の割合で作成すれば、生理食塩水に近いものができますが、食塩の濃度が高すぎると粘膜への刺激が強くなってしまうので注意してください。自信が無い方は薬局などでも売っているので、そちら使うのもオススメです。
高価な物では無いので、作る手間などを考えると買った方が楽かもしれません。また、コンタクトレンズの洗浄液の多くは生理食塩水です。少量しか必要ない場合は、こちらで代用することもできます。食塩水を購入したら、上記の割合で重曹を追加してください。
鼻水を吸う前に、作成した点鼻薬を2,3滴鼻に差してあげると、鼻水の粘りが緩和されます。一度に作る量が多いですが、1ヶ月程冷蔵庫で保存ができるので、必要な分だけ小さな容器入れておくと使いやすくてオススメです。
点鼻薬を挿すときのポイント

・体温と同じくらいの温度にする。
体温と同じ温度に温めてから差してあげると痛みが少なくなります。
・目薬のようにポツポツ点鼻する。
一度にたくさんの量の点鼻薬を差すと、鼻がツーンとしてしまうことがあります。使用する際は目薬のようにポツポツと差すと痛みが少なくなります。しかし嫌がるようなら、特にこだわらなくても大丈夫です。鼻に入れば効果は同じなので子どもにあった差し方をしてあげてください。
上記の方法を試しても、吸引できない場合は以下のことをご確認ください。
・抗ヒスタミン薬を使用していないか
抗ヒスタミン薬は一般的に花粉症や風邪などによる鼻水を止めるために処方されます。この薬によってダラダラと鼻水が垂れることは少なくなりますが、子どもに使った場合、鼻水の粘度が強くなり、余計に鼻が詰まってしまうことがあります。ですので、鼻水を止めるために抗ヒスタミン薬を処方してもらっているのであれば、一度これをやめてみてください。ネバネバ鼻水が改善されるかもしれません。
ただし、ひとつ注意点があります。
抗ヒスタミン薬は、鼻の治療以外にも様々なアレルギーに対して処方されることがあります。
この場合、薬を飲むのをやめてしまうと、アレルギー症状が悪化してしまうおそれがあります。薬の服用をやめる前は、必ずお医者さんに相談してください。
鼻が詰まっていたり、鼻水がズルズルしていると苦しいですよね。自分で鼻をかめない赤ちゃんは大人よりもっと苦しい思いをしているはず。「たいしたことない」と放っておくと深刻な病気になったり、それが重症化してしまうなんてことも…。そうなってしまう前に、鼻水について勉強しておきましょう!
鼻水ってどうして出るんだろう?
鼻水が出る原因は大きくわけて2つあります。
その1:アレルギー反応による炎症
花粉やホコリ、ハウスダストなどが鼻に入りアレルギー反応を起こすことで鼻水が出ます。
その2:ウイルス感染による鼻風邪
ウイルスによって鼻の粘膜が刺激されると、鼻づまりや鼻水が垂れるなどの症状が起こります。
いわゆる急性鼻炎と呼ばれるものです。
● 子どもの鼻の特徴って ?
子どもの鼻の中は狭く、鼻と耳をつなぐ耳管が太く水平のため、ウイルスが入りやすい構造になっています。また、子どもの鼻はちょっとした環境の変化で鼻水の分泌が増えやすいのも特徴です。
● 鼻水が詰まるとどうなるの ?
・中耳炎になってしまうことがあります
鼻と耳は耳管という管でつながっています。ウィルスや細菌を含んだ鼻水が耳管へ流れ込み中耳に入ると、炎症を起こし中耳炎になってしまうことがあります。
・うまくミルクが飲めなくなる場合があります
乳児期は主に、ミルクを飲みながらできる鼻呼吸をしています。そのため鼻が詰まってしまうと息がしづらいだけでなく、うまくミルクが飲めなくなる場合もあります。
・目やまぶたが腫れることがあります
目と鼻は鼻涙管(びるいかん)という管でつながれています。鼻がつまると鼻涙管の出口がふさがれ、涙が逆流し、目やまぶたが腫れることがあります。
このように鼻水が詰まると息が苦しいだけでなく、他の病気を誘発したり、様々な影響があります。「鼻水だから」と放置せずに、こまめにケアすることが大切です。
家庭でできる鼻水ケア
● 部屋を加湿する
乾燥を防ぐことで鼻の通りが良くなり、呼吸がラクになります。
● 鼻をかませる
鼻をすすらせないように片方ずつ小刻みにゆっくりとかませてください。このとき、強くかみすぎないように注意しましょう。
● 鼻水を吸引する
鼻をかんでも出せない奥に詰まった鼻水は、簡易な吸引器ではなく、電動の鼻水吸引器を使用すると簡単にとることができます。
● 部屋の湿度を高め・綿棒やガーゼなどでやさしく拭き取る
鼻の粘膜を傷つけないように、やさしく詰まった鼻水を取り除きましょう。
● 蒸しタオルや吸入器をつかう
鼻に蒸しタオルを当てたり、吸入器で蒸気を吸わせると、粘度の高い鼻水も取れやすくなります。またお風呂の後や、温かい物を食べた後なども鼻水が取れやすいです。
鼻水のかみ方の教え方
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1.鼻の穴の入り口に手をあてさせ、鼻から「フンッ」っと息を強めに出して空気がでてくるのを実感させましょう。 |
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2.口を閉じて鼻から息を吐くことが大切です。ティッシュを使わずにすると、息がどこから出ているかわかりやすくなります。 |
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3.2ができるようになってきたら、鼻の穴の一方を押さえてかむようにしてください。 |
家庭や、保育所での対応
鼻水にはウィルスや細菌がたくさん含まれています。
他の子どもや、保護者の方への感染を防ぐためにも、鼻をかんだ後のティッシュは適切に処理しなければなりません。
● ティッシュはフタ付きのゴミ箱に捨てる!
鼻水は乾燥すると空気中を数時間浮遊します。鼻をかんだティッシュを捨てる際はフタ付きのゴミ箱を使ったり、ビニール袋の口を結んだりしましょう。
● ティッシュは子どもの手の届かないところに置く!
鼻をかんだティッシュを子どもが触ると、感染はもちろん、口に入れてしまうと窒息してしまう恐れもあります。これらを防ぐためにも鼻をかんだティッシュは子どもの手に届かないところへ置くようにしましょう。
● 鼻をかんだ後は手を洗う!
感染を防ぐために鼻をかんだ後や、そのティッシュを触った後はよく手を洗いましょう。指の間、手首、手全体を石鹸でくまなくしっかり洗うことが大切です。
鼻水からわかる症状って?
● 透明でサラサラの水っぽい鼻水
水様性鼻水と言われ、主にアレルギーによる鼻水と風邪のひき始めにみられます。
● 色の薄いねばり気のある鼻水
粘液性鼻水と言われ、透明から薄い黄色をした鼻水です。鼻水が出始めてから数日経った頃や、慢性副鼻腔炎の疑いがある時にみられます。
● 色が濃くねばり気の強い鼻水
膿性鼻水と言われ、副鼻腔炎の症状の1つです。粘液性鼻水と比べると色が濃く、ねばり気が強いことが特徴で、においがする場合もあります。
● 血の混じった鼻水
鼻の内部に傷があったり、炎症が起こっている可能性があります。片方だけから血の混じった鼻水が出る場合は、鼻に異物が入っていることも多いですが、両方から血の混じった鼻水が出る場合は、進行性鼻壊疽(しんこうせいびかいそ)や悪性腫瘍など、重い病気の可能性もあります。病院での診察を受けましょう。
鼻水によって起こる病気ってどんなものがあるんだろう?
鼻水を放っておくと以下のような違う病気を誘発してしまうこともあります。
● 中耳炎(ちゅうじえん)
キケン度 |
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特徴 |
細菌やウイルスによって、鼓膜の奥にある「中耳」が炎症をおこす病気です。
耳が痛くなったり、高熱などの症状が出ます。
子どもは耳管が太く水平のため、中耳へウィルスや細菌などが侵入しやすく、中耳炎にかかりやすいとされています。0歳~3歳までの間に約7割の子どもが中耳炎を発症しているといわれる程、子どもに多い病気です。 |
症状 |
・耳が痛い
・聞こえづらい
・熱が出る
・耳だれが出る |
→ 詳しくは「中耳炎ってなぁに?」をご覧ください。
● 副鼻腔炎(ふくびくうえん)
キケン度 |
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特徴 |
鼻の穴の中のことを鼻腔といい、この鼻腔の周りにある骨に囲まれた空洞部分が副鼻腔です。この副鼻腔にウィルスや細菌が入り、炎症を起こすと副鼻腔炎を発症します。主な症状としては、ネバネバで黄色い鼻水が出る、頭痛や発熱する等が上げられます。慢性化することもあり、副鼻腔炎が1ヶ月続くと「急性副鼻腔炎」、3ヶ月以上続くと「慢性副鼻腔炎」と、かかった期間により呼び方が変わります。 |
症状 |
・鼻づまり
・ネバネバした黄色い鼻水が出る
・頭痛、発熱、体が怠いなどの症状
・においがわかりにくくなる |
「たいしたことない」と思っていた鼻水も、放置すると違う病気を誘発してしまうおそれがあります。
これらの病気にかかってしまうと、子どもがつらいのはもちろん、通院や家でのケアなど、お母さんも大変です。
そうなる前にこまめな鼻水ケアで、しっかり対策していきましょう。
● 注意をしたい鼻水の症状「後鼻漏」(こうびろう)とは?
かぜやアレルギー性の鼻炎では、さらさらの鼻水が鼻の穴に向かって流れます。それに対し、副鼻腔炎にかかっていると、粘り気のある鼻水が鼻の奥からのどにかけて流れます。これを「後鼻漏」といいます。
この後鼻漏によって鼻水がのどに流れると、
・のどのイガイガや咳・たんなどの症状が出るようになる。
・口呼吸になり、ウイルスや細菌が体内に侵入するリスクが高まる。
・息苦しくなり、ミルクが飲めなくなったり、夜眠れなくなる。
その結果、体力の低下を引き起こし、風邪が長引くなど、赤ちゃんに様々な悪影響を及ぼします。
また、ウイルスを含んだ粘り気のある鼻水が耳管を通って中耳に流れるため、中耳炎を引き起こす原因にもなるのです。後鼻漏の対策は、こまめに、しっかり鼻水を吸引してあげる事です。しかしながら、鼻の中は狭く複雑に入り組んでおり、粘り気のある鼻水が鼻の奥にたまっているため、簡易な吸引器で吸い出すのは簡単ではありません。耳鼻科で処置してもらうだけでなく、吸引力の強い電動鼻水吸引器を使用するなど、家庭内でも後鼻漏の対策をとっていきましょう。
●体を横にしたときに、鼻水が喉へ流れ「ゴホッ、ゴホッ」というたんが絡んだようなせきが出る場合は、副鼻腔炎や後鼻漏を発症している場合があります。この症状を「湿性咳嗽(しっせいがいそう)」といい、起床時や就寝時に多くみられます。後鼻漏や副鼻腔炎を判断する大きな目安となるので、鼻水が続いていると感じたら気にかけてみましょう。
赤ちゃんは大人に比べて免疫が低く病気になりやすいものです。どのような病気であれ、ママにとってはとても心配で胸が痛みますが、病気になった時、もうひとつ心配になるのが、治療費や入院費用。最近は助成や控除等が充実していますので、上手に制度を利用しましょう。
子どもにかかる医療費
子どもにかかる医療費はだいたいどのくらいか知っていますか?平均的な金額は以下の通りです。
子どもにかかる医療費はだいたいどのくらいか知っていますか?平均的な金額は以下の通りです。
赤ちゃんの間は検診なども多く、少し高くなっていますが、払えないような金額ではありません。しかしこれはあくまでも平均なので、重い病気にかかったりすれば当然治療費もかさんでしまい、家計にも響いてしまいます。そこで、赤ちゃんや子どもの医療費に対して行政が様々な助成をしてくれます。
定期予防接種
国が指定している疾病のワクチンは「定期予防接種」と呼ばれ、無料で受けることができます。2013年には新たに3種類が追加され、現在は合計11種類のワクチンが無料で接種できます。年齢や時期など制限もあるので、いつ何を受けないといけないかを早めにチェックし、病気を予防してゆきましょう。
>>詳しくは「予防接種」ページへ
子どもの医療費助成
子どもの医療費助成とは、健康保険の自己負担分(未就学児は2割、小学生以上は3割)を各都道府県や市町村が負担してくれる制度です。ここ数年でずいぶん充実してきました。各自治体で助成対象や内容は大きく違い、年齢制限や、親の所得額による制限、通院か入院か、全額助成か一部自己負担金があるかなど様々です。
例えば東京都の場合は、小学校入学までは原則無料となり、23区内では中学3年生までが助成対象です。他の道府県でも乳幼児を対象とする自治体が95%以上、9歳以上を対象とするところも40%近くにのぼります。さらにプラスして各市区町村の助成もあります。助成が手厚い地域では最長で高校生まで無料になる事もあります。
注意したいのは、赤ちゃんの定期検診は病気ではないので保険診療外となり、助成の対象にならないことです。ただし検診の結果、治療が必要となった場合は助成対象になります。
※自治体によっては、定期予防接種以外のワクチンも無料で受けられることがあります。
助成を受けるには
助成を受けるには、健康保険に入っていることが条件です。出生後、戸籍の届出をしたらすぐに健康保険に加入して、医療費助成についても確認しておきましょう。生まれてすぐ、保険加入前に病気になってしまった時は、役所に相談しましょう。事後加入でも助成してくれる事があります。

助成金は、基本的には以下のどちらかのパターンで適用されます。
【1】自治体が発行する受給券を保険証と一緒に提示することにより、その場で適用され、
各市町村が設定している自己負担金のみ、もしくは無料で受診が可能。
【2】窓口で一旦、健康保険自己負担分(2割または3割)を支払い、後日申請すれば、助成分が返還される。(1~3か月後)
(例・東京都の場合)
●東京都では、子どもの年齢によって2種類の医療費助成制度が設けられています。
・乳幼児医療費の助成制度(マル乳)・・・小学校入学まで
・義務教育就学児医療費の助成(マル子)・・・小学生~中学校卒業まで
中学生までは医療費の助成が受けられる仕組みになっていて、それぞれの医療証を受診時に医療機関の窓口に提示すれば助成が受けられます。ただし、都外や本制度による診療を取り扱わない医療機関で診療を受ける場合や、都外国民健康保険に加入している人は、一度医療保険の自己負担分を医療機関の窓口に支払う必要があります。後日、その領収書をもって、お住まいの区市町村の義務教育就学児医療費助成担当課に医療助成費の申請をすれば、助成金が戻ってきます。
●控除の対象となるもの
医療保険の対象となる医療費、薬剤費等
●控除の対象とならないもの
・医療保険の対象とならないもの(健康診断、定期予防接種以外の予防接種、薬の容器代、差額ベッド代、紹介状を持たずに受診した200床以上の病院の初診料等)
・交通事故等の第三者行為
・保育園等管理下の傷病で、独立行政法人日本スポーツ振興センター法に基づく災害共済給付制度対象の場合
・健康保険組合等から支給される高額療養費・附加給付に該当する医療費
・他の公費医療で助成される医療費
【3】医療費控除
各世帯の1年間の医療費が10万円以上または、控除後所得の5%以上なら所得税、住民税が安くなります。
医療費控除とは、各世帯の年間(1月1日~12月31日までの間)の医療費が10万円を超えた場合(所得200万円以下の場合は所得の5%を超えた場合)は、所得税、住民税が一部返還、減額されます。所得税を支払っている方であれば、家族の誰が申請しても構いませんが、共働きでパパとママがそれぞれ所得税を支払っている場合は、税率の高い方が申請するとよいでしょう。申請には領収書が必要で、申告は5年間有効です。知らなかった人も5年以内で領収書が残っていれば申告できます。
【医療費控除額の計算方法】
(A)実際に支払った医療費等の合計額
(B)保険金などで補てんされる金額
(出産育児一時金、高額医療、生命保険、医療保険、損害保険などから出る給付金など。
休職に対して支給される出産手当金、傷病手当金は含まれない)
(C)10万円(所得200万円以下の場合は所得の5%)
※所得税の税率
課税される所得金額 |
税率 |
195万円以下 |
5% |
195万円超 330万円以下 |
10% |
330万円超 695万円以下 |
20% |
695万円超 900万円以下 |
23% |
900万円超 1800万円以下 |
33% |
1800万円超 |
40% |
●薬の購入代金や交通費も申請可能!
病院での治療代以外にも、薬の購入費用や通院の際の交通費も控除対象となります。
対象になる費用については、領収書をとっておく癖をつけておきましょう。
【◎控除の対象になるもの】
- 治療費
- 薬局などでの購入医薬品
- 通院にかかった交通費
- 入院中の院内食
- 入院時のベッド代
- 治療の一環としてのマッサージや鍼灸
- 妊婦定期健診
- 分娩入院費用
- 不妊治療費(医師が必要と認めた場合)
- 赤ちゃんの定期健診
【×控除の対象にならないもの】
●申請方法
控除を受けるには、税務署で確定申告をしなければいけません。会社の年末調整などでは出来ないのでご注意を。
確定申告は毎年、2月中旬から3月中旬の間に行われます。税務署や確定申告の会場、もしくはwebからでも出来ます。
(webからの場合は事前に登録が必要です)この時に、以下のものを必ず用意してください。
申告書源泉徴収票
医療費のレシートや領収書(※通院の際の交通費は領収書でなくメモ書きでもOKです。)
還付金の振込み先の通帳か口座番号
印鑑
申告すると、1~2か月後には指定の口座へ所得税還付金が振り込まれます。住民税は翌年に反映されるので、還付ではなく、翌年支払う住民税が安くなります。
(4)ひとり親家庭の医療費助成
自治体によって違いはありますが、ひとり親家庭は養育者である親も医療費の助成が受けられます。
(東京都の場合)
東京都では、マル親と呼ばれるひとり親家庭医療費助成制度があります。
所得が所定限度額以下で、ひとり親もしくは親のいない子どもを養育している養育者は子どもが18歳になった年の年度末
(障害があれば20歳未満)まで、親子共に助成が受けられます。
通院の場合、住民税課税者は自己負担1割(1か月の上限は12,000円)、非課税者は自己負担なしの全額助成です。
入院の場合も住民税課税者は自己負担1割(1か月上限44,400円)、非課税者は自己負担なしの全額助成になっています。
子どもの医療費助成と、ひとり親家庭の医療費助成、両方対象になる場合は?
複数の助成の対象になっている場合、これも各自治体によって違いはありますが、東京都ではマル乳、マル子が優先適用されます。つまり、子どもは中学卒業まではマル乳、マル子が適用されて、中学卒業~18歳の間はマル親が適用されます。親は子どもが18歳までずっとマル親が適用されます。
生涯の医療費はどのぐらい?
一生にかかる医療費はいくらか知っていますか。
現在、日本人の生涯にかかる医療費は、なんと平均2400万円(健康保険の自己負担額で485万円ほど)と言われています。あくまでも今の時点での金額ですので、今後高齢化がさらに進めば、医療費負担割合が増えて、自己負担額も増えてゆく可能性もあります。
●重要なのは病気の予防
病気になると体が辛いだけでなく、生活や人生設計も変わってきます。
医療費がかかるばかりか、看病する家族も仕事や生活に支障が出ますし、勉強やスポーツ、習い事などが制限されて子どもの
将来の可能性も狭くなってしまうかもしれません。
また、大人になってから病気がちだと仕事や収入で不利になったり、住宅ローンが組めない場合もあります。
日本はまだまだ予防医学の意識が低いと言われていますが、やはり病気にかかってからの治療ではなく、病気になる前に予防する
ことが何よりも大事です。
●日本人の健康寿命は平均72歳
日本は世界一の長寿国と言われて久しいですが、介護などを必要とせず、日常生活に不自由なく暮らせるのは平均72歳までなんです。
その後の10年ほどは、人の手を借りながら生活しています。日々の健康管理、病気予防は、歳をとった時に差が出ます。子どもが生涯にわたり健康で充実した生活を送れるように、小さい頃から病気の予防、健康管理の意識や習慣をつけてゆくことがとても大切です。
中耳炎ってどんな病気?
中耳炎は、鼓膜(こまく)の奥にある「中耳」が炎症を起こす病気です。
適切な治療を行わないと「急性中耳炎」や「滲出性中耳炎」に移行してしまったり、再発を繰り返す「反復性中耳炎」になったりすることも…。ひどい場合、鼓膜を切る手術をして治療するケースもあります。
中耳炎の症状は?
「耳が痛くなる」、「聞こえづらくなる」、「熱が出る」、「耳だれが出る」、などの症状がみられます。
※耳だれ…炎症によってできた内部の膿(うみ)が、鼓膜をやぶって外に流れ出ること。
中耳炎の原因は?
鼻水の中には菌やウイルスがいっぱい!
中耳炎の原因のほとんどは、なんと鼻水!鼻水には「肺炎球菌」という菌など、細菌が住みついていて、これが耳の中に入ってしまうことにより、中耳炎を引き起こします。中耳炎はくり返しやすい病気でもあるため、通院する手間や費用、おうちでのケアも大変。子供だけでなく、ママたちも苦労がたえません。
中耳炎は繰り返す病気?
適切な治療やケアを行わないと、中耳炎は何度もくりかえし発症してしまいます。
「急性中耳炎」を1年に5回以上繰り返す場合を、
【反復性中耳炎(はんぷくせいちゅうじえん)】と言います。
「反復性中耳炎」には、「急性中耳炎」だけを繰り返す場合と、「滲出性中耳炎」もいっしょに発症している場合があります。
→ 詳しくは「子供はどうして中耳炎になりやすいの?」をご覧ください。
原因は、
[1] 免疫機能が発達していない
[2] 薬剤耐性菌(薬に耐性のある菌)に感染している
[3] 生活環境(集団保育や両親の喫煙)
…などではないかと言われています。
特に、免疫機能が未発達な1歳未満の小さいお子さんは【反復性中耳炎】になりやすいのです。
中耳炎にはどんな種類があるの?
中耳炎にはいろいろな種類があります。痛みや熱があるもの、ないもの、膿が出るもの、繰り返すもの…。ここでは代表的な中耳炎を紹介します。
● 急性中耳炎(きゅうせいちゅうじえん)
キケン度 |
 |
症状 |
耳に激しい痛みや、発熱、耳だれなどの症状があります。
(乳児:不機嫌、高熱、耳漏 、幼児:耳痛、難聴 、学童:耳痛、難聴) |
原因 |
細菌やウイルスで中耳が炎症を起こします。 |
治療 |
鎮痛剤で様子をみる。抗菌薬を服用する。鼓膜切開で発熱、耳痛を回避する。
難治性の場合:鼓膜チューブを留置する。 |
治療期間 |
通常、投薬開始から数日~10日ほどで治ります。 |
注意事項 |
乳幼児や小さい子は、言葉で上手に症状を説明できないので、原因の分からない発熱や、耳を触る、ひっぱる、眠れないなどの様子があったら、耳たぶの後ろの後頭部を指で軽く叩いてみましょう。痛がって泣く場合には中耳炎かも?
放っておくと「反復性中耳炎」「滲出性中耳炎」「慢性中耳炎」になることもあるので要注意です!耳だれが出ると痛みや発熱が軽減したり、軽快することが多いですが、ここまで放っておくと、慢性化してしまう恐れが。早めの治療を心がけて! |
● 滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん)
キケン度 |
 |
症状 |
中耳に【滲出液】がたまる病気。難聴などの症状があるけれど、痛みや発熱はありません。
(幼児:聞き返し、返事をしない、TV音が大きい 学童:難聴、耳鳴り) |
原因 |
「急性中耳炎」が長引いて移行してしまったというケースがほとんど。 |
治療 |
耳・鼻の処置をする。抗菌薬を服用する。鼓膜切開で貯留液を吸引する。
難治性の場合:鼓膜チューブを留置する。 |
治療期間 |
完治までは、早くて5日程度~1か月、長いと数年かかります。 |
注意事項 |
中耳に滲出液が長い間たまっていると、とても危険!細菌の感染が起こりやすくなり、「急性中耳炎」も一緒に発症してしまい、痛みが出てしまうこともあります。「聞き返しが多くなった…」、「呼びかけても聞こえが悪くすぐに振り向かない…」そんな様子があったら、滲出性中耳炎を疑いましょう。 |
さらにこわ~い、【慢性中耳炎】についてもご紹介します。慢性中耳炎には、2種類あります。
● 慢性中耳炎(まんせいせいちゅうじえん)
キケン度 |
 |
症状 |
鼓膜に穴が開いたまま、耳だれ、難聴、耳鳴り、まれにめまいがおこります。 |
原因 |
「急性中耳炎」にかかった後、急性中耳炎が反復し遷延した場合に、この「慢性中耳炎」になってしまうことがあります。 |
治療期間 |
本来、ヒトの耳には、バイ菌を外に追い出す仕組みがあります。中耳に炎症があると、鼓膜に穴が開いて、そこから膿を出して、治そうとします。 |
注意事項 |
膿が出ると炎症がおさまるので、この時開いた穴も閉じるのですが、急性中耳炎を繰り返してしまったり、治療が十分でないと、中耳内部の炎症も継続的に起こり、空いた穴がとじなくなってしまいます。この状態が「慢性中耳炎」なのです。 |
● 真珠腫性中耳炎(しんじゅしゅせいちゅうじえん)
キケン度 |
 |
症状 |
イヤなニオイがするだけでなく、この炎症が周囲の骨を壊して進行し、難聴になったり、三半規管まで壊して、めまいがおこることも。 |
原因 |
原因ははっきりとわかっておりませんが、乳幼児期の急性中耳炎や滲出性中耳炎や鼻すすりなどが関与していると考えられてます。 |
注意事項 |
顔面神経マヒを起こすこともあり、悪化すると顔が曲がってしまうこともあります。治療も大変で、手術による摘出が必要になります。 |
いかがでしたか?中耳炎は慢性化するととても怖い病気ですね…。
ほとんどの子が経験する急性中耳炎は、原因となる鼻水をこまめに吸引する事、
そして症状が良くなったからといって、薬の服用や通院を途中でやめないことが大切です!
子どもはどうして中耳炎になりやすいの?
鼻と耳は、 「耳管」という管でつながっています。子供の耳管は大人の耳管に比べ、短くて水平になっているので、鼻水が入りやすいのです。
集団生活が感染の原因に
さらに、保育園などの集団生活でお子さんがお友達から風邪をもらってしまい、中耳炎になってしまうケースもとても多いのです。子供は上手に鼻がかめない
極めつけに、子供は5~6歳ぐらいまで上手に鼻がかめません。そのため鼻水がたまりやすく、中耳炎を起こしやすくしています。
中耳炎を治す方法を教えて!
残念ながら、中耳炎は放っておいても自然には治りません。
それどころか、悪化してしまいます。中耳炎かな?と思ったらスグに耳鼻咽喉科や小児科で診断してもらいましょう。
お医者さんが耳の中を調べてくれます。では、もし中耳炎と分ったら、どんな治療法があるのでしょうか?
病院でのケア
抗生剤による治療
中耳炎は、細菌による炎症がほとんどなので、【抗生剤】を使います。この方法だと、3~4日すると症状は軽くなり、10日ぐらいで治ると言われています。それでも治らない場合、薬に対する耐性が強い菌が住みついている可能性があります。
その場合は、お医者さんに相談してみましょう!
鼻から薬液を吸入する、ネブライザー治療
治療の基本は、耳はもちろん、原因となっている鼻やのどの処置・投薬です。ネブライザー治療は、鼻から薬液を吸入する方法です。まず、吸引機を使い、中耳炎の原因となっている鼻水を吸ってもらいます。(※)次に、ネブライザーで薬液を鼻の粘膜に直接噴霧してもらいます。これによって鼻の通りをよくすることができますよ!
※病院での鼻水吸引だけでなく、家庭でのお鼻のケアも重要です。
ひどい時は手術も…
中耳炎の症状によって、鼓膜を切開して膿などを取り出す処置を行うこともあります。
「鼓膜を切って大丈夫??」と心配かもしれませんが、鼓膜は数日すれば塞がります。
でも、手術は子供への負担や費用や考えると、できるだけ避けたいもの。そのためにも、中耳炎かな?と思ったら早めに受診しましょう!
治療は忍耐強く続けましょう
治ったと判断して、途中で治療をやめてしまってはキケン!繰り返し発症してしまう原因になるので、お医者さんに完治したと言われるまではしっかりと治療を続けましょう!
中耳炎を予防する方法はありますか?
中耳炎は、かかってしまうととっても大変。できればつらい思いをする前に、しっかり予防対策をしたいもの。では、どうしたらいいのでしょう?
中耳炎を予防する7つの方法
1. おうちで鼻水をこまめに吸ってあげる
子供の中耳炎のほとんどは、鼻水が原因。鼻水には大量の細菌やウイルスが含まれています。再発を繰り返す方や反復性中耳炎の方は特に、鼻水ケアを念入りにしましょう。
2.「小児用肺炎球菌ワクチン」を接種する
中耳炎の原因菌に「肺炎球菌」というものがあります。これは、小児用肺炎菌ワクチンを打つことで中耳炎を予防できるといわれています。
※日本では、小児用肺炎菌ワクチンは、中耳炎の治療において「承認外の効能」とされていて含まれていませんが、欧米では対象となっています。このワクチンで、米国では7%、フィンランドでは6%、中耳炎にかかる子供が減少したそうですよ!
3.ミルクは赤ちゃんの頭を立てた状態で飲ませる
哺乳瓶を使った授乳が原因で「ミルク性中耳炎」になることがあります。これは、授乳のときに姿勢が水平になったことで、ミルクが耳管を通じて中耳に流れこみ、炎症を起こすものです。
できるだけ頭を起こした姿勢(母乳に近い姿勢)で授乳したり、授乳後にゲップさせるなどで防げます!
4. タバコの煙を避ける
タバコの煙には、青酸ガスが含まれています。子供はこの青酸ガスの影響を受けやすく、中耳炎になりやすいのです。そのため、喫煙者がいる家庭の子供には中耳炎が多いのだとか。子供はタバコの煙から遠ざけるようにしてあげて下さい!
5. おしゃぶりは長い時間使わせない
生後12か月以上経ってもおしゃぶりを使用している子供は、中耳炎にかかりやすいと言われています。おしゃぶりを続けることで、のどや鼻の空間に陰圧を感じ、耳管に悪影響があるからです。中耳炎を繰り返したり、長引いてしまっている場合は、おしゃぶりの使用を中止しましょう。
6. 免疫をつける食事をとる
食事にも気を付けましょう。野菜、果物、魚介類などが、免疫増進効果が高いといわれています。
野菜、果物には「ファイトニュートリエント」が、魚介類にはオメガ3という免疫増進物質が含まれています。特に天然の鮭にはオメガ3が最も多く含まれていて、子供にも安全!
7. 環境アレルゲンを排除する
ホコリなどの環境アレルゲンは、鼻づまりの原因。腫れを引き起こして耳管を塞いでしまいます。赤ちゃんが眠る部屋は、こまめに掃除をしてあげましょう。
こういった対策が効果的です!日ごろからのケアを心がけましょう♪
中耳炎のときはお風呂に入っても大丈夫?
痛みが落ち着いて、熱もなければ、お風呂に入っても大丈夫!もし心配な場合はお医者さんに相談をしましょう。
中耳炎になりやすい子、なりにくい子がいるって本当?
中耳炎は、なりやすい子となりにくい子がいます。そのちがいは、「体質」が大きく関係していて、遺伝によるものが大きいのです。ご両親のどちらかが以下のような体質を持っていると、子供にも引き継がれる可能性が高くなります。参考にしてみてくださいね。
【耳の中の機能】
中耳内の換気機能・圧力開放機能が弱い:飛行機に乗った時など、耳の中で空気がつぶれる音がしたり、耳鳴りしませんか?
【リンパ組織】
扁桃腺、アデノイドなどのリンパ組織が弱い:扁桃腺の病気にかかったり、風邪をひいた時に腫れてしまった経験がありませんか?
【アレルギー】
アレルギー体質による鼻炎がある:花粉、ハウスダストなどでくしゃみ、鼻水に悩まされていませんか?
中耳炎がなかなか治らないのですが…
抗生剤を飲んでもなかなか治らない…そういう場合は、【薬剤耐性菌】(薬剤に耐性がある菌)に感染しているのかも。抗生剤を正しく処方しないと、【薬剤耐性菌】を増やしてしまう可能性があるので、必ずお医者さんに相談を!治らない中耳炎には、鼓膜を切り開いて、膿(うみ)を取りだす場合もあります。
夜間に中耳炎になってしまったら?
夜間に急な耳痛があり、「中耳炎かな?」と思ったら、耳鼻科の夜間診療所に行くのがいちばんですが、それが難しい場合は、応急処置をしましょう!
●応急処置
・保冷シートなどを適当な大きさにカットし、耳を包むように貼って耳を冷やす
・鎮痛解熱剤を使用する
この方法で対処しましょう!しばらく痛みを和らげることができます。でも、これらは応急処置に過ぎないので、翌日すぐに耳鼻科で受診してもらい、適切な治療を受けてくださいね!
子どもにどんな食べ物を与えるかが、今後の成長に大きくかかわります。
手遅れにならないための食知識
ママが子どもに願う事。それは、ママによって様々だと思います。しかし、全てのママに共通する一番の願いは、自分の子どもが元気で健やかに成長していく事ではないでしょうか。子どもが成長していく上で重要な役割をになうもの、それは、「食」。2~7歳の子どもを持つママへのアンケート
※によると、子どもの 「食」について何らかの悩みを持っているママは、9割以上にのぼります。
※有効回答数7832件
放射性物質、合成甘味料、野菜の栄養量減少などなど・・・
子ども達の健やかな成長をおびやかす現代の「食」の問題が、どんどん大きくなっています。
みなさんは、普段自分が子どもに与えている食べ物が子どもにどのような影響を及ぼすか、しっかり把握されていますか?
たとえば、多くのお菓子やジュースに大量に含まれている合成甘味料が、子どもの「ガン」や「脳腫瘍」のリスクを増加させていることは、ご存知ですか?
子どもは、自分で栄養配分を考えて食べものを選ぶことができません。ママが与えたもの、食べたいものを食べたい分だけ食べるのです。だから、ママには、こどもに必要な栄養を考えて安全な食べ物を与えるという、親としての責任があると私たちは考えています。正しい栄養管理には、食についての正しい知識が必要です。
これから、子どもを愛するママにこそ知っていてほしい、食についての正しい情報をお伝えします。
手遅れになる前に
「身体は食べたもので作られる」と言われますが、これは裏を返せば「有害なものを食べれば、体は有害なものでできてしまう」ということに他なりません。親なら、子どもには安全な食べ物で健康に育ってほしいと誰しも願うものです。しかしながら、
放射能に汚染された食物による
内部被ばくの疑いや、堂々と売られている
合成甘味料や
トランス脂肪酸入りの食品など、食に関する不安は尽きることがありません。手遅れになる前に、正しい栄養の知識を身に付けること。それが、将来にわたっての子どもの健康を守ることになるのです。
放射線とガンの関連性
人体が放射線にさらされることを「被ばく」といいます。人の体は細胞でできていて、細胞の中には水分や酵素等のタンパク質、遺伝子を構成するDNAなどが入っています。被ばくすると、放射線が細胞の中のDNAを傷つけます。被ばく量が少なければ、DNAの傷は自動的に修復され、細胞は正常な状態に戻りますが、被ばく量が多い場合、DNAが完全に壊れ、細胞は正常な修復ができなくなります。この壊れたDNAこそが、細胞をガン化させるのです。

成長途中の子どもの体の中では、驚くべきスピードで細胞分裂が行われています。子どものDNAに傷がつけば、異常なDNAを持った細胞も、同じスピードで増えていくことになります。
「小さな子どもほど放射線の影響を受けやすい」と言われるのはこのためなのです。
外部被ばくと内部被ばく
体の外にある放射性物質から放射線を受ける事を
「外部被ばく」と呼びます。一方、放射性物質で汚染された食物を食べたり、放射性物質を呼吸と共に吸い込んだりして、体の内側から被ばくすることを
「内部被ばく」といいます。外部被ばくと違い、内部被ばくでは体内に入った放射性物質が体外に排出されるまでの間、至近距離からピンポイントで強い放射線を継続的に浴び続けることになるため、放射線量が低くても危険性が高く、ガンが発生しやすいと言われています。
注意すべき「食」
放射性物質は今や、雨水や漏水と共に海へ、気流に乗って陸へ、と広範囲に広がってしまっています。そこで収穫される野菜や米、魚なども放射性物質が含まれていると、私たち親は疑ってかかるべきなのかもしれません。
もちろん、汚染されていない、数値の低い食物もたくさんありますが、それらを理解したうえで、産地や食材に注意したいものです。子どもは、親が与えるものしか食べることができません。ですから、子どもの食べ物に関しては、大人の食べ物以上に気を付けるのが、親の責任であるといえるのではないでしょうか。
食べてはいけない!子どもに危険な食品
世の中に出回っている食品には、長期にわたって摂取すると健康被害が懸念される物質が含まれている物がたくさんあります。これらの物質は、抵抗力の弱い子供には絶対に与えるべきではありません。

お菓子を買うなら裏を見て!
甘味料の中でも特に合成甘味料は、自然界に存在しない甘み成分を化学的に合成して作るもので、子供には摂らせたくない物質です。これらは、体内で分解・代謝されないために「ゼロカロリー甘味料」として、「カロリーオフ」を謳う商品に含まれています。また、砂糖の数百倍の甘さを持ち、使用する量が少なくて済むことから、お菓子や清涼飲料水を始めとした様々な食べ物に、甘味料として使われています。
危険な合成甘味料
アテルスパーム
ホルモンの合成研究中に発見された甘味料。腎臓機能に障害を起こす恐れがあると言われており、脳腫瘍や発がん性の可能性も指摘されています。
アスパルテームの大部分を構成するフェニルアラニンとアスパラギン酸は、単体で摂取すると両方とも脳細胞を興奮させ、死に至らしめる興奮性毒であることが判明しています。
アセスルファムカリウム(アセスルファムK)
発がん性の疑いで使用禁止になった甘味料サッカリンやチクロに構造が酷似しており、問題視されています。
スクラロース
農薬の研究中に偶然発見された甘味料。分子構造に塩素を持ち、肝臓や免疫系統に障害をもたらすと言われています。ダイオキシンやPCBなど同じ括りの「ハロゲン化合物」という物質であり、138℃以上の高温で塩素ガスを生成します。
現在の日本では、これらの合成甘味料を「体内に入る量が少ないので、人体に影響はない」としています。しかし、「人間が長期間摂取しても安全だ」というデータは非常に少なく、ましてや成長期の子供たちに、将来的に健康被害が起こらない、というデータもありません。
お菓子や清涼飲料水を買うときには、裏面の原材料表示をよく見て、これらが含まれていないものを買うようにしましょう!
「食べるプラスチック」トランス脂肪酸
植物油は動物油よりもヘルシーであるとして昔から使われてきましたが、不安定で酸化しやすく、常温では液体であるため、加工しにくいという欠点があります。これを、脂肪分子に水素原子を加える加工を行い、工業的に使いやすくした油脂、それこそが別名「狂った油脂」と呼ばれる「トランス脂肪酸」なのです。
トランス脂肪酸はプラスチックとそっくりな分子構造をしており、
心筋梗塞や狭心症のリスクを増加させ、
肥満を発症させやすくし、
アレルギー疾患の原因となり、妊婦においては
胎児の体重減少、流産、死産を生じさせる可能性があることが知られています。また、
難病との因果関係が証明されており、先進国では厳しく使用規制をされています。

トランス脂肪酸は主にマーガリンやショートニング、ファットスプレッド、植物性クリームなどに含まれています。日本においては、残念ながら含有表示すら義務付けられていないため、トランス脂肪酸を摂らないためには、原材料に「マーガリン」「ショートニング」「食用精製加工油脂」等と表示されている商品を避ける程度しか対策がないのが現状です。
栄養の「基盤」を整えよう

「生物は一番足りない栄養素の分までしか生育しない」
これは、「ドベネックの桶」と言われる、ドイツの科学者リービッヒが唱えた植物の生育に関する理論です。この理論では、植物の成長を水を満たした木桶に例えます。一枚の板を一つの栄養素と考えて、どれか一つの栄養素でも足りないと、植物は一番足りない栄養素の分までしか生育しないとされています。
私たちの体も、同じく桶に例えることができます。風邪予防にビタミンCが効くからと言って、ビタミンCばかりをたくさん摂っても、他の栄養素が足りなければ、ビタミンCは本来の力を発揮できず、風邪を予防することができません。大人向けサプリメント等で「ベースサプリメント」として、マルチビタミンを摂ることを推奨しているのはこの考え方によるものです。
栄養はバランスよく摂り、基礎を固めてはじめて体に役立つもの。
子供のこれからの体作りのために、「炭水化物」「タンパク質」「ビタミン」「ミネラル」「脂質」からなる「5大栄養素」を中心に、栄養の基盤を整えていきましょう。
きちんと食べてるつもりでも…
日本人の食事摂取基準2010」によれば、3~5歳児の一日の栄養所要推奨量は
カルシウム:600㎎
ビタミンC:45mg
カロチン(ビタミンA):450μg
とされています。どの位の量なのかピンとこないので、わかりやすく食べ物で換算してみましょう。

大人なら食べられそうな量ですが、幼児が毎日食べ続けられる量ではありませんね。
減少する野菜の栄養
化学肥料を多用する栽培方法への変化や、よりえぐみがなく食べやすい野菜を目指した交配などにより、野菜の持つ栄養量はどんどん減っています。たとえばほうれん草100gに含まれるビタミンCの値は、1951年には150mgでしたが約50年後の1994年には、わずか35㎎にまで減少しているのです。

さらに、加熱など調理の過程でも、野菜の栄養素は抜けてしまいます。
十分な量の野菜を食べているつもりでも、実は栄養素が不足してしまっているのです。
ビタミン剤の役割
ビタミンとはなんなのか?
「体の調子を整える」「健康を維持する」何となく、体に必要な物だと思っているけれど、体にどう効くの?何に効くの?たくさん種類があってよくわからない…それがビタミンではないでしょうか。
私たち生物が活動するとき、体の中では様々な化学反応(代謝)が起こっています。その化学反応を起こす物質が、近年注目されている
「酵素」です。ただし、ほとんどの酵素は、単体で代謝活動を行うことができません。酵素が活動するには、「補酵素」と呼ばれる、酵素の働きを助ける物質が必要となります。この「補酵素」という物質こそがビタミン
※。つまり、ビタミンとは、生体活動を助ける働きをする栄養素なのです。
※補酵素にはビタミンだけでなく、ミネラルにも含まれます。
脳にも体にも効くビタミン!

ビタミンは「体の機能に必要な栄養素」ととらえてしまいがちですが、実はビタミンは、子供の脳の発達にも、大
きく関わる栄養素です。
ビタミンやミネラルといった「補酵素」と呼ばれる栄養素は、代謝をつかさどる物質である酵素と結びついて、「タンパク質」「脂肪」「糖類」を分解し、脳の栄養となる「ブドウ糖」を作り出し、脳にエネルギーを与える役割を果たします。私たちが何かを考えるとき、脳内では酵素が神経を伝達する物質を一瞬にして作り出していますが、ビタミンやミネラルがなければ、酵素は働くことができません。脳内で酵素を働かせるためには、ビタミンが不可欠なのです。
イギリスでは、マルチビタミンとマルチミネラルのサプリメントを摂取した12~3歳の児童の非言語性IQが、8か月で10ポイント上昇したという研究結果も出ています。子供の体の働きだけでなく、脳が健やかに働くためにもビタミンが必要なことがわかる研究結果と言えるでしょう。
骨を作る栄養「カルシウム」
カルシウムは骨や歯などをつくる栄養素としてよく知られており、乳製品や、小松菜などの葉物、丸ごと食べる魚介類に多く含まれます。ただし、カルシウムの吸収率は乳製品でも約50%と低く、不足しやすい栄養素となっています。
体内のカルシウムは、その99%が骨や歯に蓄えられています。残りの1%が血液中に存在し、骨や歯を作るほか、筋肉の動きをスムーズにしたり、免疫機構を助ける働きをしています。骨や歯はカルシウムの貯蔵庫になっていて、血液中のカルシウムが少なくなると、骨や歯から足りない分を取ってきます。カルシウム不足で「骨粗鬆症」になってしまうのはそのためです。
学校保健の統計調査によると、日本人の身長平均値は、2000年度代をピークにゆるやかに低くなっていることがわかります。これは、食事におけるカルシウムの不足と深く関わりがあると考えざるを得ません。

火山が多くカルシウムの少ない土壌で暮らす日本人は、古来から魚を食べることでカルシウムを補ってきました。
しかし近年では調理の面倒や環境汚染懸念による魚の敬遠など、いろいろな原因で魚を食べる機会が減ってきており、魚からカルシウムを摂取することが難しくなってきています。その上、カルシウムは体に吸収されにくく、吸収率が良いとされる乳製品でも約50%、小魚類で約30%、葉野菜や海藻で約20%程度しか吸収されません。
子供の成長は骨の成長であるとも言われています。摂りにくく吸収されにくい栄養だからこそ、カルシウムと、カルシウムの吸収を助けるビタミンDを意識して摂ることが大切であると言えるでしょう。
食物繊維はお腹の味方
便秘の子供は意外と多いもの。「出ない」→「溜まる」→「いきむと痛い」→「もっと出ない」の悪循環に陥る前に、腸内環境を改善してあげたいものです。
するんと出すには食物繊維
便秘は、大腸の運動が弱まり、排便が滞るために起こります。繊維分の少ないジャンクフードや柔らかいものばかりを食べ続けていると、腸の粘膜が刺激されず慢性的な便秘になりやすくなります。腸を刺激して蠕動を起こさせ、よい便をスルンと出すためには、成人で毎日18~20g、3~5歳の子供で10g程度の食物繊維質をとることが推奨されています。食物中の繊維は、人間の体の中ではほとんど消化されることがなく、腸の中で水分を吸ってふくらみ、腸の動きを促進させ、腸内の悪玉菌を減らして腸内菌のバランスを整えてくれる働きもあります。
よい便のためには、腸内の善玉菌を増やすことも大切です。ヨーグルトやチーズ、納豆など善玉菌を多く含む食品を積極的に食べたり、善玉菌の餌になるオリゴ糖を砂糖代わりに使うなど少しの工夫をプラスすることで、腸内環境はより改善されます。
脳の働きにも繊維が有効!
昔の栄養学では、「食べ物のカス」と考えられてきた食物繊維ですが、整腸作用の他にも、さまざまな効用があることがわかっています。
なかでも、「血糖値の抑制効果」は、大人だけでなく子供にとっても大切な要素です。白米やパンなどは食後速やかにブドウ糖に変化して血液に溶け、「血糖」として脳のエネルギー源となりますが、急激に血糖値が上がると、私たちの体は、上がった血糖値を下げようとして大量のインスリンを出します。そして、このインスリンの大量放出により、血糖値は急降下するのですが、血糖値の乱高下は、子供のIQに悪影響を及ぼすことがアメリカの研究で明らかになっており、血糖値が急激に上がらないように気をつけなくてはなりません。食物繊維は、食事と一緒に摂ることで糖の吸収スピードを下げ、血糖値の上昇をゆるやかにしてくれる働きがあるのです。血糖値の上昇がゆっくりになれば、脳へのエネルギー供給が安定して行われることになり、結果として子供の脳を最適な状態で働かせることができるのです。
子供の脳にこそDHAを!
魚を食べると頭が良くなる?
DHAは、正式名を「ドコサヘキサエン酸」といい、青魚や天然のマグロに多く含まれる、「オメガ3必須脂肪酸」と呼ばれる種類の油です。生物の細胞は、すべて「細胞膜」という、油からできた膜でおおわれています。「オメガ3必須脂肪酸」には、この細胞膜を柔らかくする働きがあるのです。脳の細胞膜が柔らかくなると、脳細胞同士の情報伝達がスムーズに行われます。魚を食べてDHAを補給すれば、「頭の回転が速い」状態となり、結果として脳の性能が高くなるのは事実と言えるでしょう。
脳細胞の数は5歳で決まる!
人間は、生まれてから5~6歳までに脳細胞が盛んに分裂し、脳細胞の数が決まると言われており、この時期にDHAが極端に不足すると、知能の発育が遅れることが知られています。また、脳内には「神経成長因子」という脳細胞を成長させるホルモンが存在し、DHAはこのホルモンの生産性を高める働きがあります。DHAが不足すると、ホルモンがうまく働かず、脳の発育が遅くなるというデータもあります。体内では作れず、母乳や粉ミルク(
※)にも含まれているDHA。日々発育し発達する子供の脳にこそ、積極的に与えるべき栄養素なのです。
※一部含まれていない商品もあります
お魚、食べてますか?
DHAやEPAなど、脳に良い成分は、魚にたくさん含まれていることは、みなさんよくご存知の事と思います。しかし、近年の環境の問題などにより、積極的に魚を食卓に出すことに躊躇してしまうママも多いのではないでしょうか。

たとえば、放射線によって傷ついた遺伝子は、ガン化しやすくなります。「成長」とは、遺伝子をコピーすること。もしも傷ついた遺伝子がそのままコピーされ、どんどん増えれば、それに伴ってガン化のリスクも高くなります。大人よりも、成長著しい子供の方が放射線の影響を受けやすいのはそのためです。残念ながら、魚は移動するため、安全なものを選んで買うことの難しい食材です。安全なDHAやEPAを子供に与えるためには、栄養補助食品などの利用を考える時代が来ているのかもしれません。
>>予防接種の総合ページは
こちら
>>定期接種の早見表は
こちら
任意接種の早見表
ワクチン名 |
ワクチン |
予防できる病気 |
接種年齢 |
 |
A型肝炎(VPD) |
不活化 |
A型肝炎 |
1歳以上 |
 |
B型肝炎(HBV) |
不活化 |
B型肝炎、
将来の膵臓がん |
生後すぐ~ |
 |
ロタウイルス |
生 |
ロタウイスル感染症 |
生後6週目以降 |
 |
水痘ワクチン
(※1) |
生 |
水疱瘡(みずぼうそう) |
水疱瘡にかかっていない、あるいは感染の可能性が発生してから3日以内の1歳以上 |
 |
ムンプスワクチン |
生 |
おたふくかぜ(流行性耳下腺炎) |
おたふくかぜにかかっていない1歳以上 |
 |
インフルエンザ |
不活化 |
インフルエンザ |
全年齢(一般的には1歳以上) |
 |
ワクチン:不活化
予防できる病気:A型肝炎
接種年齢:1歳以上
ワクチン:不活化
予防できる病気:B型肝炎、将来の膵臓がん
接種年齢:生後すぐ~
ワクチン:生
予防できる病気:ロタウイスル感染症
接種年齢:生後6週目以降
ワクチン:生
予防できる病気:水疱瘡(みずぼうそう)
接種年齢:水疱瘡にかかっていない、あるいは感染の可能性が発生してから3日以内の1歳以上
ワクチン:生
予防できる病気:おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)
接種年齢:おたふくかぜにかかっていない1歳以上
ワクチン:不活化
予防できる病気:インフルエンザ
接種年齢:全年齢(一般的には1歳以上)
(※1) 水痘ワクチンは、2014年10月から定期接種化される予定です。
予防接種はなぜするの?
ウイルスや細菌によって起こる感染症の中には、一度かかると免疫ができ二度とかからずにすむものがあります。
そのことを利用して、実際に感染しないうちに体の中に免疫を作ろうというのが予防接種の目的です!
予防接種の種類

現在、実地されている予防接種は、「
定期接種」と「
任意接種」の2種類あります。
|
定期接種 |
任意接種 |
費用 |
無料(ほとんどが自治体が費用を負担) |
受けるかどうかは親が決める。
費用は自己負担。地域によって異なる。 |
ワクチン |
BCG
三種混合(百日ぜき、ジフテリア、破傷風)
麻しん・風しん
日本脳炎
ポリオ
インフルエンザ |
おたふくかぜ
水ぼうそう…など |
(※2013年現在)
ワクチンの種類

予防接種に使用されるワクチンには、「生ワクチン」、「不活化ワクチン」、「トキソノイド」というものがあります。
● 生ワクチン
・病原微生物の毒性を弱めたもの。
・病気に感染したのと同様の状態にして免疫をつくる。
・1回の接種でも充分な免疫をつくることができる。
・自然感染よりは免疫力が弱いので、5~10年後に追加接種する場合もある。
・ワクチンの種類によっては、2~3回の接種が必要なものもある。
・副反応としてもともとの病気のごく軽い症状がでることがある。
● 不活化ワクチン(ふかつかワクチン)
・定期接種の中で一番多いタイプ。
・ウイルスや細菌の毒性をなくして、免疫をつくるのに必要な成分だけを製剤にしたもの。
・接種しても、その病気になることはないが、残念ながら1回の接種では免疫が充分にはできない。
・ワクチンによって決められた回数の接種が必要。
● トキソイド
感染症によっては細菌の出す毒素が、免疫をつくるのに重要なものもあり、
この毒素の毒性をなくし、
免疫をつくる働きだけにしたものがトキソイド。不活化ワクチンとほとんど同じもの。
予防接種の早見表
定期接種
● MR(麻しん・風しん)混合ワクチン
予防する病気 |
麻しん(はしか)、風しん |
対象 |
1期と2期に分かれます。
1期:生後12ヶ月~24ヶ月になるまでの間です。
2期:5歳以上7才未満の小学校就学前の1年です。 |
方法 |
生ワクチンの皮下注射で、1、2期とも1回接種をします。 |
注意点 |
接種後に、発熱、発疹がでることがあります。
生後12ヶ月未満に麻しんや風しんに感染したり、単独で予防接種を受けたりしても、1期の対象年齢に達した場合は接種できます。 |
● 二種混合ワクチン DT(ジフテリア、破傷風)※3種混合ワクチンの2期にあたる
予防する病気 |
ジフテリア、破傷風 |
対象 |
11歳から13歳未満が対象です。 |
方法 |
トキソイドの皮下注射です。
三種混合ワクチンの第2期接種にあたるのが二種混合ワクチンです。
三種混合ワクチンから百日ぜきを除いたものを1回接種します。 |
注意点 |
副反応は特に見られません。 |
● BCGワクチン
予防する病気 |
結核 |
対象 |
生後11ヶ月までに1回接種します。 |
方法 |
生ワクチンをスポイトで滴下し、塗布した後に、9本の針のついた管針のスタンプを2ヶ所に押して接種します。 |
注意点 |
接種後は、接種部位のワクチンが乾くまで触らないようにしてください。
BCGの後が水疱になり、化膿することがあります。
4種混合や3種混合接種が終わった生後5か月~7か月ごろの摂取がおすすめです。年齢が低いと副作用が大きくなる可能性があったり、先天性免疫不全症の診断がつけにくいため、生後3か月未満での接種は控えた方がよいでしょう。 |
● 日本脳炎ワクチン
予防する病気 |
日本脳炎 |
対象 |
第1期と第2期に分けて摂取します。
第1期:初回は生後6ヶ月~7年6ヶ月未満(標準は3歳)のときに1~4週間隔で2回接種します。追加接種は、初回接種1年後を経過した時期(標準で4歳)に1回行います。
第2期:9~13歳未満(標準では小学4年生)で1回行います。 |
方法 |
不活化ワクチンの皮下注射を行います。 |
注意点 |
副反応としては、接種部分が赤くなったり、痛みがでることがあります。
発熱やけいれん、頭痛などを伴うADEM(急性散在性脳脊髄炎)を起こす危険性があるといわれていますが、ワクチンとの因果関係ははっきりしていません。接種後30分程度は病院内にいることをおすすめします。 |
● 四種混合ワクチン(百日ぜき、ジフテリア、破傷風、不活化ポリオワクチン)
予防する病気 |
百日ぜき、ジフテリア、破傷風、急性灰白髄炎(小児マヒ) |
対象 |
満3か月~7歳6か月未満で、三種混合・ポリオ予防ワクチンいずれも接種していない子供が対象です。 |
方法 |
不活化ワクチンの皮下注射を行います。
初回接種は20~56日の間隔をおいて3回、
追加摂取は初回接種から6ヶ月以上の間隔をおいて1回、合計4回接種します。 |
注意点 |
接種後、注射部位が赤くなったり、腫れたり、しこりがあげれられます。 |
● Hibワクチン
予防する病気 |
Hib髄膜炎 |
対象 |
生後2ヶ月以上5歳未満の希望者が対象です。 |
方法 |
不活性ワクチンの皮下注射です。
初回接種は、生後2ヶ月目以降に4~8週間の間隔をあけて3回行います。
その1年後に追加接種を1回行います。 |
注意点 |
接種時期が四種混合と重なるため、同時接種が理想です。
接種後、接種部位の腫れや赤みのほか、まれに発熱を起こすことがあります。 |
● 小児用肺炎球菌
予防する病気 |
細菌性髄膜炎、菌血症、菌血症を伴う肺炎 |
対象 |
生後2ヶ月以上から5歳未満の子供が対象です。 |
方法 |
不活化ワクチンの皮下注射です。
標準的なスケジュールでは4週間隔で3回、生後12~15か月齢に4回目を接種します。初回の接種月齢・年齢によって接種間隔・回数が異なります。【生後2~6か月】
4回接種。各4週間以上あけて3回接種、3回目から60日以上あけて生後12~15か月に4回目。【生後7~11か月】
3回接種。1回目から4週間以上あけて2回目。
2回目から60日以上あけて生後12~15か月で3回目。【1歳】
2回接種。1回目から60日以上あけて2回目。【2~5歳】
1回接種 |
注意点 |
接種後、注射部位の赤み、腫れ、痛みを伴う場合があります。
全身的な症状として発熱する場合もあります。 |
● 水痘ワクチン(みずぼうそうワクチン)
予防する病気 |
水疱瘡(みずぼうそう) |
対象 |
水疱瘡にかかっていない、もしくは感染者と接触して3日以内の、1歳以上の児 |
方法 |
生ワクチンの皮下注射を1~2回行います。
1回目の接種から約3か月後に2回目を摂取。しっかりと免疫をつけるためにできるだけ2回接種してください。 |
注意点 |
接種後に軽い発熱、発疹がみられることがあります。
かかりやすい病気なので、1歳になったら早目に受けるようにしましょう。 |
● ロタウイルス
予防する病気 |
ロタウイスル感染症 |
対象 |
生後6週目以降の子供が対象です。 |
方法 |
口から飲む生ワクチンです。
4週間以上の間隔をあけ、ワクチンの種類によっては2回または3回接種します。・ロタリックス(1価ワクチン):
4週間隔で2回接種します。
初回は生後14週6日までに、2回目は生後24週目までに完了させます。・ロタテック(5価ワクチン):
4週間間隔で3回接種します。
初回は生後14週6日までに、3回目は生後32週目までに完了させます。 |
注意点 |
まれに腸重積や下痢症状を認めることがあります。 |
● B型肝炎
予防する病気 |
B型肝炎 |
対象 |
母親がキャリアの場合は生後すぐに接種を行います。定期接種は生後2ヶ月以降の児が対象となります。 |
方法 |
不活化ワクチンの皮下注射です。
4週間隔で2回、その後20~24週後に1回の全3回接種します。 |
注意点 |
接種後、体のだるさ、頭痛、注射部位が赤くなったり、痛くなったり、腫れたりすることがあります。 |
任意接種
● インフルエンザワクチン
予防する病気 |
インフルエンザ |
対象 |
法的には全年齢ですが、少なくとも6ヶ月以上、一般的には1才以上が対象です。 |
方法 |
不活性ワクチンの皮下注射です。
6か月~13歳未満は3~4週間間隔で2回、13歳以上は1回接種します。
流行前に2回の摂取がおわるように、1回目を10月中、2回目を11月中に摂取するのが良いでしょう。
抗体が持つのは5か月程度なので、毎年摂取しましょう。 |
注意点 |
副反応はほとんどありませんが、流行のものと種類が異なると効果はありません。
また、卵アレルギーがある場合も接種可能であることが多いのでかかりつけ医に相談してください。 |
● ムンプスワクチン
予防する病気 |
おたふくかぜ(流行性耳下腺炎) |
対象 |
おたふくかぜにかかっていない1歳以上の希望者が対象です。
保育園入園などかかりやすい時は1歳未満でも摂取することがあります。 |
方法 |
生ワクチンの皮下注射を1~2回行います。
1回目の接種から2~4年後に2回目を摂取。しっかりと免疫をつけるためにできるだけ2回接種してください。 |
注意点 |
接種後2~3週間に発熱、耳下腺のはれ、まれには髄膜炎を起こすことがあります。 |
● A型肝炎
予防する病気 |
A型肝炎 |
対象 |
1歳以上が対象です。 |
方法 |
不活化ワクチンの皮下注射または筋肉注射です。
2~4週間間隔で2回接種し、その約半年後に3回目を接種します。 |
注意点 |
微熱、じんましん、注射部位の痛み、赤み、腫れ、倦怠感、頭痛、下痢、筋肉痛が約6%見られます。 |

2013年は春から夏にかけて風疹が流行しました。風疹は妊娠中の母親が感染すると、赤ちゃんの心臓や目、耳などに障害が出る「先天性風疹症候群」になるおそれがあるウィルスで、妊婦にとっては絶対避けるべき病気のひとつです。
そんな中、
10代から20代前半の若い妊婦ほど、風疹ウィルスの抗体が足りない人が多いと報告されています。国立成育医療研究センターが全国の妊婦2万人余りを調べた結果、抗体が十分にない人が10代の妊婦では4割、20歳から24歳では3割、25歳以上の年代では2割程度だったそうです。
2006年度以降、国は風疹ワクチンの定期接種を1回から2回に増やしていて、この対象である現在23歳以下の男女は抗体が十分にあると考えられていたので、予想外の事態となっています。定期接種が義務ではないことで、若い妊婦の接種率が低いか、もしくは接種していても免疫が 十分にできていない可能性があると考えられます。
また、現在の風疹患者の多くは大人で、男性が女性の3倍 以上となっており、男性は30歳代に最も多く、女性では20歳代が最も多い状態です。つまり、子どもをもつ可能性のある世代で風疹が流行しているのです。
これから妊娠・出産を考えている人は、家族などまわりの人も含め、きちんとワクチンを接種して抗体を作っておきましょう。現在妊娠中の人は予防接種は受けられませんが、身近な人に出来るだけ予防接種を受けてもらい感染を防ぐようにしてください。また咳や唾で感染するウィルスなので、外出の際にはマスクを付けるなどして十分に注意しましょう。