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赤ちゃんの健康を支えている食物繊維とは?

高橋 嘉名芽先生監修

赤ちゃんの健康を支えるために食物繊維が大切

赤ちゃんの健やかな成長には、毎日の食事が大きな役割を果たします。その中でも「食物繊維」は重要な栄養素です。
腸内環境を整え、便秘の予防や免疫力の向上、さらには血糖値の安定にも役立つ食物繊維は、赤ちゃんの健康を支える鍵となります。
今回は、食物繊維の役割や赤ちゃんの月齢に合わせた効果的な取り入れ方についてご紹介します。

 

そもそも食物繊維って何?

そもそも食物繊維とは何でしょう。食物繊維は、ヒトの消化酵素では消化できない野菜や果物、穀物などに含まれる成分の総称です。
体内でエネルギー源にはならず、胃や腸を通過する際に消化・吸収されません。水溶性と不溶性の2種類があり、水溶性食物繊維は、水に溶けるとゼリー状になり、胃腸内を緩やかに移動します。
一方、不溶性食物繊維は、胃や腸で水分を吸収してふくらみ、便のかさを増やします。

 

食物繊維が赤ちゃんにもたらす効果

食物繊維は、腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を整える働きがあります。その結果、便通がスムーズになり、便秘を防ぐことができます。さらに、腸は免疫細胞が多く集まる場所でもあるため、腸内環境が良好であれば、免疫力も向上します。これにより、病気にかかりにくい身体づくりが期待できるのです。

食物繊維は血糖値の急激な上昇を防ぐ役割も持っています。一方、乳幼児のインスリン分泌能力は未発達であり、血糖値の上昇に対して十分な量のインスリンを分泌できないため、糖質/インスリン比やインスリン効果値が成人に比べて大きく,血糖変動も激しい傾向があります。(出典:「小児糖尿病診療の将来を見据えたアプローチ」/ 内科 Volume 133, Issue 5, 1180 - 1184 (2024))食物繊維がそうした血糖値の変動を穏やかにする可能性があります。

また、便秘になりやすい赤ちゃんにとって、腸の働きを活発にする食物繊維は快適な毎日をサポートする心強い味方です。

 

食物繊維を含む食品とその与え方

赤ちゃんに食物繊維を取り入れる際は、月齢によって決められた目安量を参考に、発育状況に合わせた工夫が必要です。以下は、比較的食物繊維が多く含まれる食材の具体例と調理方法です。

野菜

離乳食の開始では、ほうれん草や小松菜などの葉物野菜は、柔らかく茹でて裏ごしすることで赤ちゃんでも食べやすくなります。にんじんやかぼちゃといった根菜類も、煮込んでペースト状にすることで消化に優れた形になります。

果物

バナナやりんご、梨などの果物は、加熱してやわらかくしたり、完熟したものをすりおろして与えるのがおすすめです。自然な甘みが赤ちゃんにも喜ばれるでしょう。

いも類

さつまいもやじゃがいもなどを料理に入れて与えると食事のバリエーションが広がります。

豆類

大豆やレンズ豆は栄養豊富で、よく煮て柔らかくしたものを皮を取り除き少量から取り入れることで、消化しやすくなります。

 

与える際の注意点

食物繊維を取り入れる際には、いくつかの注意点を守る必要があります。まず、食物繊維を過剰に摂取すると、お腹が張ったり、おならが増えたりすることがあるため、適量を心がけましょう。また、新しい食品を試す際には少量から始め、アレルギー反応が出ないか赤ちゃんの様子を観察することが大切です。

さらに、赤ちゃんの消化機能は未熟なため、食物繊維を含む食品は柔らかく調理し、飲み込みやすい形状にすることが求められます。特に月齢が低い場合は、ペースト状にするなどの工夫が必要です。また与える量にも注意します。

 

月齢別の工夫

赤ちゃんの月齢に応じて、食物繊維の取り入れ方を工夫することで、より効果的に栄養を与えることができます。

離乳食初期(5〜6カ月)

裏ごしした野菜や果物を少量ずつお粥に混ぜる方法が適しています。例えば、すりおろしたにんじんをお粥に加えると、栄養バランスが向上します。

離乳食中期(7〜8カ月)

細かく刻んだ野菜をスープに加えることで、赤ちゃんが食べやすくなります。また、ヨーグルトにすりおろした果物を混ぜると、自然な甘みが加わり、食事が楽しい時間になります。

離乳食後期(9〜11カ月)

手づかみできる野菜や芋のスティックを取り入れると、自分で食べる楽しさを育むことができます。さらに、豆類を加えることで、栄養価を高める工夫も可能です。

離乳食後期(12〜18カ月)

食べられる食品も増えてきます。食物繊維の多い芋類、野菜、果物、全粒パンなど目安量を参考に食べていきましょう。

 

十分な水分と適量の油も忘れずに

食物繊維を効果的に摂取するためには、十分な水分補給が欠かせません。水分は腸内で食物繊維を膨らませ、便通を促す役割を果たします。また、食物繊維はコレステロールから作られる胆汁酸を体外へ排出するのを促進する働きもあります。離乳食では良質の油であるオリーブオイルなどを適量利用し、食物繊維を含むバランスの取れた食事を提供しましょう。

 

まとめ

赤ちゃんの健康を支えるためには、食物繊維を適切に取り入れることが重要です。月齢や発育に合わせた工夫を凝らし、腸内環境を整えることで、免疫力の向上や便秘予防につなげることができます。ご両親が安心して進められるよう、小児科医に相談しながら食事を工夫するのも良い方法です。

高橋 嘉名芽先生監修

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