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子どもの成長に必要な栄養素

耳鼻咽喉科医 三塚沙希監修

 

子どもにどんな食べ物を与えるかが、今後の成長に大きくかかわります。

手遅れにならないための食知識

ママが子どもに願う事。それは、ママによって様々だと思います。しかし、全てのママに共通する一番の願いは、自分の子どもが元気で健やかに成長していく事ではないでしょうか。子どもが成長していく上で重要な役割をになうもの、それは、「食」。2~7歳の子どもを持つママへのアンケートによると、子どもの 「食」について何らかの悩みを持っているママは、9割以上にのぼります。
有効回答数7832件

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放射性物質、合成甘味料、野菜の栄養量減少などなど・・・
子ども達の健やかな成長をおびやかす現代の「食」の問題が、どんどん大きくなっています。

みなさんは、普段自分が子どもに与えている食べ物が子どもにどのような影響を及ぼすか、しっかり把握されていますか?
たとえば、多くのお菓子やジュースに大量に含まれている合成甘味料が、子どもの「ガン」や「脳腫瘍」のリスクを増加させていることは、ご存知ですか?

子どもは、自分で栄養配分を考えて食べものを選ぶことができません。ママが与えたもの、食べたいものを食べたい分だけ食べるのです。だから、ママには、こどもに必要な栄養を考えて安全な食べ物を与えるという、親としての責任があると私たちは考えています。正しい栄養管理には、食についての正しい知識が必要です。

これから、子どもを愛するママにこそ知っていてほしい、食についての正しい情報をお伝えします。

手遅れになる前に

「身体は食べたもので作られる」と言われますが、これは裏を返せば「有害なものを食べれば、体は有害なものでできてしまう」ということに他なりません。親なら、子どもには安全な食べ物で健康に育ってほしいと誰しも願うものです。しかしながら、放射能に汚染された食物による内部被ばくの疑いや、堂々と売られている合成甘味料トランス脂肪酸入りの食品など、食に関する不安は尽きることがありません。手遅れになる前に、正しい栄養の知識を身に付けること。それが、将来にわたっての子どもの健康を守ることになるのです。

放射線とガンの関連性

人体が放射線にさらされることを「被ばく」といいます。人の体は細胞でできていて、細胞の中には水分や酵素等のタンパク質、遺伝子を構成するDNAなどが入っています。被ばくすると、放射線が細胞の中のDNAを傷つけます。被ばく量が少なければ、DNAの傷は自動的に修復され、細胞は正常な状態に戻りますが、被ばく量が多い場合、DNAが完全に壊れ、細胞は正常な修復ができなくなります。この壊れたDNAこそが、細胞をガン化させるのです。

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成長途中の子どもの体の中では、驚くべきスピードで細胞分裂が行われています。子どものDNAに傷がつけば、異常なDNAを持った細胞も、同じスピードで増えていくことになります。「小さな子どもほど放射線の影響を受けやすい」と言われるのはこのためなのです。

外部被ばくと内部被ばく

体の外にある放射性物質から放射線を受ける事を「外部被ばく」と呼びます。一方、放射性物質で汚染された食物を食べたり、放射性物質を呼吸と共に吸い込んだりして、体の内側から被ばくすることを「内部被ばく」といいます。外部被ばくと違い、内部被ばくでは体内に入った放射性物質が体外に排出されるまでの間、至近距離からピンポイントで強い放射線を継続的に浴び続けることになるため、放射線量が低くても危険性が高く、ガンが発生しやすいと言われています。

注意すべき「食」

放射性物質は今や、雨水や漏水と共に海へ、気流に乗って陸へ、と広範囲に広がってしまっています。そこで収穫される野菜や米、魚なども放射性物質が含まれていると、私たち親は疑ってかかるべきなのかもしれません。
もちろん、汚染されていない、数値の低い食物もたくさんありますが、それらを理解したうえで、産地や食材に注意したいものです。子どもは、親が与えるものしか食べることができません。ですから、子どもの食べ物に関しては、大人の食べ物以上に気を付けるのが、親の責任であるといえるのではないでしょうか。

食べてはいけない!子どもに危険な食品

世の中に出回っている食品には、長期にわたって摂取すると健康被害が懸念される物質が含まれている物がたくさんあります。これらの物質は、抵抗力の弱い子供には絶対に与えるべきではありません。

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お菓子を買うなら裏を見て!

甘味料の中でも特に合成甘味料は、自然界に存在しない甘み成分を化学的に合成して作るもので、子供には摂らせたくない物質です。これらは、体内で分解・代謝されないために「ゼロカロリー甘味料」として、「カロリーオフ」を謳う商品に含まれています。また、砂糖の数百倍の甘さを持ち、使用する量が少なくて済むことから、お菓子や清涼飲料水を始めとした様々な食べ物に、甘味料として使われています。

危険な合成甘味料

アテルスパーム
ホルモンの合成研究中に発見された甘味料。腎臓機能に障害を起こす恐れがあると言われており、脳腫瘍や発がん性の可能性も指摘されています。
アスパルテームの大部分を構成するフェニルアラニンとアスパラギン酸は、単体で摂取すると両方とも脳細胞を興奮させ、死に至らしめる興奮性毒であることが判明しています。

 

アセスルファムカリウム(アセスルファムK)
発がん性の疑いで使用禁止になった甘味料サッカリンやチクロに構造が酷似しており、問題視されています。

 

スクラロース
農薬の研究中に偶然発見された甘味料。分子構造に塩素を持ち、肝臓や免疫系統に障害をもたらすと言われています。ダイオキシンやPCBなど同じ括りの「ハロゲン化合物」という物質であり、138℃以上の高温で塩素ガスを生成します。

現在の日本では、これらの合成甘味料を「体内に入る量が少ないので、人体に影響はない」としています。しかし、「人間が長期間摂取しても安全だ」というデータは非常に少なく、ましてや成長期の子供たちに、将来的に健康被害が起こらない、というデータもありません。

お菓子や清涼飲料水を買うときには、裏面の原材料表示をよく見て、これらが含まれていないものを買うようにしましょう!

 

「食べるプラスチック」トランス脂肪酸

植物油は動物油よりもヘルシーであるとして昔から使われてきましたが、不安定で酸化しやすく、常温では液体であるため、加工しにくいという欠点があります。これを、脂肪分子に水素原子を加える加工を行い、工業的に使いやすくした油脂、それこそが別名「狂った油脂」と呼ばれる「トランス脂肪酸」なのです。

トランス脂肪酸はプラスチックとそっくりな分子構造をしており、心筋梗塞や狭心症のリスクを増加させ、肥満を発症させやすくし、アレルギー疾患の原因となり、妊婦においては胎児の体重減少、流産、死産を生じさせる可能性があることが知られています。また、難病との因果関係が証明されており、先進国では厳しく使用規制をされています。

トランス脂肪酸は主にマーガリンやショートニング、ファットスプレッド、植物性クリームなどに含まれています。日本においては、残念ながら含有表示すら義務付けられていないため、トランス脂肪酸を摂らないためには、原材料に「マーガリン」「ショートニング」「食用精製加工油脂」等と表示されている商品を避ける程度しか対策がないのが現状です。

栄養の「基盤」を整えよう

「生物は一番足りない栄養素の分までしか生育しない」

これは、「ドベネックの桶」と言われる、ドイツの科学者リービッヒが唱えた植物の生育に関する理論です。この理論では、植物の成長を水を満たした木桶に例えます。一枚の板を一つの栄養素と考えて、どれか一つの栄養素でも足りないと、植物は一番足りない栄養素の分までしか生育しないとされています。

私たちの体も、同じく桶に例えることができます。風邪予防にビタミンCが効くからと言って、ビタミンCばかりをたくさん摂っても、他の栄養素が足りなければ、ビタミンCは本来の力を発揮できず、風邪を予防することができません。大人向けサプリメント等で「ベースサプリメント」として、マルチビタミンを摂ることを推奨しているのはこの考え方によるものです。

栄養はバランスよく摂り、基礎を固めてはじめて体に役立つもの。
子供のこれからの体作りのために、「炭水化物」「タンパク質」「ビタミン」「ミネラル」「脂質」からなる「5大栄養素」を中心に、栄養の基盤を整えていきましょう。

きちんと食べてるつもりでも…

日本人の食事摂取基準2010」によれば、3~5歳児の一日の栄養所要推奨量は

カルシウム:600㎎
ビタミンC:45mg
カロチン(ビタミンA):450μg

とされています。どの位の量なのかピンとこないので、わかりやすく食べ物で換算してみましょう。

大人なら食べられそうな量ですが、幼児が毎日食べ続けられる量ではありませんね。

減少する野菜の栄養

化学肥料を多用する栽培方法への変化や、よりえぐみがなく食べやすい野菜を目指した交配などにより、野菜の持つ栄養量はどんどん減っています。たとえばほうれん草100gに含まれるビタミンCの値は、1951年には150mgでしたが約50年後の1994年には、わずか35㎎にまで減少しているのです。

さらに、加熱など調理の過程でも、野菜の栄養素は抜けてしまいます。
十分な量の野菜を食べているつもりでも、実は栄養素が不足してしまっているのです。

ビタミン剤の役割

ビタミンとはなんなのか?

「体の調子を整える」「健康を維持する」何となく、体に必要な物だと思っているけれど、体にどう効くの?何に効くの?たくさん種類があってよくわからない…それがビタミンではないでしょうか。
私たち生物が活動するとき、体の中では様々な化学反応(代謝)が起こっています。その化学反応を起こす物質が、近年注目されている「酵素」です。ただし、ほとんどの酵素は、単体で代謝活動を行うことができません。酵素が活動するには、「補酵素」と呼ばれる、酵素の働きを助ける物質が必要となります。この「補酵素」という物質こそがビタミン。つまり、ビタミンとは、生体活動を助ける働きをする栄養素なのです。
補酵素にはビタミンだけでなく、ミネラルにも含まれます。

脳にも体にも効くビタミン!

ビタミンは「体の機能に必要な栄養素」ととらえてしまいがちですが、実はビタミンは、子供の脳の発達にも、大
きく関わる栄養素です。
ビタミンやミネラルといった「補酵素」と呼ばれる栄養素は、代謝をつかさどる物質である酵素と結びついて、「タンパク質」「脂肪」「糖類」を分解し、脳の栄養となる「ブドウ糖」を作り出し、脳にエネルギーを与える役割を果たします。私たちが何かを考えるとき、脳内では酵素が神経を伝達する物質を一瞬にして作り出していますが、ビタミンやミネラルがなければ、酵素は働くことができません。脳内で酵素を働かせるためには、ビタミンが不可欠なのです。

イギリスでは、マルチビタミンとマルチミネラルのサプリメントを摂取した12~3歳の児童の非言語性IQが、8か月で10ポイント上昇したという研究結果も出ています。子供の体の働きだけでなく、脳が健やかに働くためにもビタミンが必要なことがわかる研究結果と言えるでしょう。

骨を作る栄養「カルシウム」

カルシウムは骨や歯などをつくる栄養素としてよく知られており、乳製品や、小松菜などの葉物、丸ごと食べる魚介類に多く含まれます。ただし、カルシウムの吸収率は乳製品でも約50%と低く、不足しやすい栄養素となっています。

体内のカルシウムは、その99%が骨や歯に蓄えられています。残りの1%が血液中に存在し、骨や歯を作るほか、筋肉の動きをスムーズにしたり、免疫機構を助ける働きをしています。骨や歯はカルシウムの貯蔵庫になっていて、血液中のカルシウムが少なくなると、骨や歯から足りない分を取ってきます。カルシウム不足で「骨粗鬆症」になってしまうのはそのためです。

学校保健の統計調査によると、日本人の身長平均値は、2000年度代をピークにゆるやかに低くなっていることがわかります。これは、食事におけるカルシウムの不足と深く関わりがあると考えざるを得ません。

火山が多くカルシウムの少ない土壌で暮らす日本人は、古来から魚を食べることでカルシウムを補ってきました。
しかし近年では調理の面倒や環境汚染懸念による魚の敬遠など、いろいろな原因で魚を食べる機会が減ってきており、魚からカルシウムを摂取することが難しくなってきています。その上、カルシウムは体に吸収されにくく、吸収率が良いとされる乳製品でも約50%、小魚類で約30%、葉野菜や海藻で約20%程度しか吸収されません。

子供の成長は骨の成長であるとも言われています。摂りにくく吸収されにくい栄養だからこそ、カルシウムと、カルシウムの吸収を助けるビタミンDを意識して摂ることが大切であると言えるでしょう。

食物繊維はお腹の味方

便秘の子供は意外と多いもの。「出ない」→「溜まる」→「いきむと痛い」→「もっと出ない」の悪循環に陥る前に、腸内環境を改善してあげたいものです。

するんと出すには食物繊維

便秘は、大腸の運動が弱まり、排便が滞るために起こります。繊維分の少ないジャンクフードや柔らかいものばかりを食べ続けていると、腸の粘膜が刺激されず慢性的な便秘になりやすくなります。腸を刺激して蠕動を起こさせ、よい便をスルンと出すためには、成人で毎日18~20g、3~5歳の子供で10g程度の食物繊維質をとることが推奨されています。食物中の繊維は、人間の体の中ではほとんど消化されることがなく、腸の中で水分を吸ってふくらみ、腸の動きを促進させ、腸内の悪玉菌を減らして腸内菌のバランスを整えてくれる働きもあります。

よい便のためには、腸内の善玉菌を増やすことも大切です。ヨーグルトやチーズ、納豆など善玉菌を多く含む食品を積極的に食べたり、善玉菌の餌になるオリゴ糖を砂糖代わりに使うなど少しの工夫をプラスすることで、腸内環境はより改善されます。

脳の働きにも繊維が有効!

昔の栄養学では、「食べ物のカス」と考えられてきた食物繊維ですが、整腸作用の他にも、さまざまな効用があることがわかっています。

なかでも、「血糖値の抑制効果」は、大人だけでなく子供にとっても大切な要素です。白米やパンなどは食後速やかにブドウ糖に変化して血液に溶け、「血糖」として脳のエネルギー源となりますが、急激に血糖値が上がると、私たちの体は、上がった血糖値を下げようとして大量のインスリンを出します。そして、このインスリンの大量放出により、血糖値は急降下するのですが、血糖値の乱高下は、子供のIQに悪影響を及ぼすことがアメリカの研究で明らかになっており、血糖値が急激に上がらないように気をつけなくてはなりません。食物繊維は、食事と一緒に摂ることで糖の吸収スピードを下げ、血糖値の上昇をゆるやかにしてくれる働きがあるのです。血糖値の上昇がゆっくりになれば、脳へのエネルギー供給が安定して行われることになり、結果として子供の脳を最適な状態で働かせることができるのです。

子供の脳にこそDHAを!

魚を食べると頭が良くなる?

DHAは、正式名を「ドコサヘキサエン酸」といい、青魚や天然のマグロに多く含まれる、「オメガ3必須脂肪酸」と呼ばれる種類の油です。生物の細胞は、すべて「細胞膜」という、油からできた膜でおおわれています。「オメガ3必須脂肪酸」には、この細胞膜を柔らかくする働きがあるのです。脳の細胞膜が柔らかくなると、脳細胞同士の情報伝達がスムーズに行われます。魚を食べてDHAを補給すれば、「頭の回転が速い」状態となり、結果として脳の性能が高くなるのは事実と言えるでしょう。

脳細胞の数は5歳で決まる!

人間は、生まれてから5~6歳までに脳細胞が盛んに分裂し、脳細胞の数が決まると言われており、この時期にDHAが極端に不足すると、知能の発育が遅れることが知られています。また、脳内には「神経成長因子」という脳細胞を成長させるホルモンが存在し、DHAはこのホルモンの生産性を高める働きがあります。DHAが不足すると、ホルモンがうまく働かず、脳の発育が遅くなるというデータもあります。体内では作れず、母乳や粉ミルク()にも含まれているDHA。日々発育し発達する子供の脳にこそ、積極的に与えるべき栄養素なのです。
一部含まれていない商品もあります

お魚、食べてますか?

DHAやEPAなど、脳に良い成分は、魚にたくさん含まれていることは、みなさんよくご存知の事と思います。しかし、近年の環境の問題などにより、積極的に魚を食卓に出すことに躊躇してしまうママも多いのではないでしょうか。

たとえば、放射線によって傷ついた遺伝子は、ガン化しやすくなります。「成長」とは、遺伝子をコピーすること。もしも傷ついた遺伝子がそのままコピーされ、どんどん増えれば、それに伴ってガン化のリスクも高くなります。大人よりも、成長著しい子供の方が放射線の影響を受けやすいのはそのためです。残念ながら、魚は移動するため、安全なものを選んで買うことの難しい食材です。安全なDHAやEPAを子供に与えるためには、栄養補助食品などの利用を考える時代が来ているのかもしれません。

耳鼻咽喉科医 三塚沙希監修

 

HEALTHCARE 赤ちゃんのヘルスケア情報


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