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赤ちゃんはどんなストレスを感じてる?

渡邊香先生監修

赤ちゃんはどんなストレスを感じているの? 知っておくだけでケアの質が段違い

大人のストレスは何となく自分でも理解できますが、赤ちゃんは常日頃どんなストレスを感じているのでしょうか? 赤ちゃんのストレスの原因や対処方法を理解していれば、より良いケアができるのでないだろうか。こんなことを考えたことはないでしょうか?

赤ちゃんはこんな時にストレスを感じている

まずは赤ちゃんがどんな時にストレスを感じているかをまとめてみました。
日常的に納得できるものから意外に気が付かないものまでたくさんあります。

生理的な不快感

お腹が空いている:赤ちゃんにとって、空腹は非常に強いストレス源です。

眠いのに眠れない:環境が騒がしい、明るい、体が不快など、睡眠が妨げられることもストレスになります。

おむつが汚れている:湿ったり汚れたりしている状態は不快感を引き起こします。

環境の変化

温度や湿度:寒すぎたり暑すぎたりする環境は赤ちゃんにとってストレスです。

騒音や過剰な刺激:大きな音、強い光、急激な動きなどは赤ちゃんを驚かせ、不安感を与えます。

新しい場所や人:見知らぬ環境や人々と接するとき、赤ちゃんは不安や緊張を感じることがあります。

人間関係のストレス

親や養育者との分離:お母さんや主要な養育者と離れるとき、赤ちゃんは強いストレスを感じます。

一貫性のない対応:例えば、あるときは泣いてもすぐに抱っこされ、別のときは無視されるなど、対応が一定でないとストレスを感じます。

身体的な痛みや不快感

体調不良:風邪やお腹の張り、歯が生えるときの痛み(歯ぐずり)などはストレスの一因です。

抱っこや姿勢:不自然な姿勢や抱っこされるときの圧迫感も不快感を与える場合があります。

感情的なストレス

親のストレスを感じ取る:赤ちゃんは親や周囲の人の感情に非常に敏感で、親がストレスを抱えていると、それを感じ取って不安になることがあります。

自己表現ができない:自分の要求や感情を言葉で伝えられないこと自体が、赤ちゃんにとってストレスです。

 

どんなことを意識して赤ちゃんの環境を整えてあげればいいか

発達の初期にあたる赤ちゃんのストレスに対する対処のレパートリーはごく限られています。なかなかはっきりしたストレスのサインを出すことができない場合が少なくありません。そのためにはなるべく赤ちゃんがストレスを感じないような環境や関係を作っていくことが大切です。

 

スキンシップを強化する

赤ちゃんは親の体温や心音を感じることで安心します。特に不安を感じているときは、しっかり抱きしめるだけで気持ちが落ち着きます。抱っこやおんぶをしてみてください。また、手足を優しくさすったり、腹部を時計回りに撫でるなどベビーマッサージもリラックスさせる効果があります。

 

音や明るさ、温度や湿度を調整、五感の刺激を大切に

赤ちゃんは騒がしい環境では眠りにくく、不安を感じやすくなります。部屋の音量を落とし、クラシック音楽や必要に応じて白いノイズ(ホワイトノイズ)を使うと良いでしょう。気持ちを落ち着かせる効果があります。最近はホワイトノイズのスマホアプリなどもあります。

また、夜は照明を暗くし、昼間は適度な明るさを保つことで、昼夜のリズムが整いやすくなります。さらに部屋を快適な室温(20~24℃)と湿度(40~60%)を保つことで、赤ちゃんの快眠を促します。触覚も大切です。赤ちゃんにいろいろな素材を触わらせることで好奇心が働き感覚が刺激され、脳の発達が促されます。ただし興味を示さなかったり嫌がるときには無理に押し付けないでください。

 

規則的な生活リズムを作ってあげる

規則的な生活パターンは赤ちゃんの安心感につながります。毎日同じ時間にお風呂に入れたり、寝る前に同じ音楽や絵本の読み聞かせを行うことで、赤ちゃんは「もうすぐ寝る時間だ」と理解するようになります。日中は積極的に体を動かす時間を設けてあげると、夜にぐっすり眠ることができます。

 

安定した授乳と食事時間を作る

お腹が空いていると赤ちゃんは機嫌が悪くなります。母乳やミルクのタイミングや授乳間隔を一定にすることで、赤ちゃんの不安が減ります。離乳食が始まったら、明るい雰囲気の中で食事を与えると、赤ちゃんもリラックスして食べられます。何より食事を楽しむことのできる環境づくりを考えましょう。

 

不安を和らげる工夫

赤ちゃんにはいくつかのお気に入りのおもちゃやアイテムがあるはずです。おしゃぶりやお気に入りのタオル、ぬいぐるみなどの「安心アイテム」をいつも周りにそろえてあげると安心につながります。外出時に持っていける「安心アイテム」があれば、お出かけの不安が減り、より気分転換がうまくいくはずです。

 

赤ちゃんのリラックスはお母さんや家族のリラックスから

最後に赤ちゃんにとっても大きなストレスとなりうるご両親や家族との関係性の中で生じるストレスについて少し考えてみたいと思います。特にお母さんとの間で起こる様々な感情や関係性の振幅は、時として赤ちゃんにとって大きなストレスになります。

例えばいつもにこやかに自分を見ているお母さんがあるとき無表情な顔で見ただけでも赤ちゃんにとってはストレスになってしまいます。お母さんが赤ちゃんの顔を見るとき、笑い返したり声をかけたりするのが普通です。当然赤ちゃんはお母さんのそうした態度を期待しています。ところがお母さんが無表情な顔で自分を見た時に、自分の期待を裏切られ拒否されたと感じてしまいます。さらにはお母さん自体のストレスの程度まで敏感に察知します。

赤ちゃんのメンタルヘルスは、お母さんのメンタルヘルス、お父さんのメンタルヘルスと非常に密接に関係して連動しており、家族のメンタルヘルスの中心にはお母さんがいると場合が多いと報告されています。
「Parent and Child Stress and Symptoms: An Integrative Analysis」(1989「Developmental Psychology」)

育児は体力的にも精神的にも負担が大きいものです。母親が自分自身のメンタルケアに取り組むことで、育児の疲労感や不安が軽減され、より穏やかな気持ちで赤ちゃんと向き合えます。母親のメンタルケアを具体的に実践するためには、いくつかの方法があります。

まず、お父さんや家族、友人、専門家など、信頼できる人にサポートを求めることが大切です。周囲の協力を得ることで、育児の負担を軽減し、精神的な余裕を持つことができます。また、十分な睡眠やリラックスの時間を確保し、適度に休息を取ることも重要です。心身を休めることで、育児に対するエネルギーを保つことができます。

さらに、育児コミュニティに参加し、同じ境遇の人々と情報や気持ちを共有することは、孤独感を軽減し、共感や安心感を得る助けとなります。

最後に、必要に応じてカウンセリングや医療機関などの専門家の支援を受けることも検討しましょう。専門家に相談することで、適切なアドバイスやサポートを受けることができ、より良い解決策が見つかるかもしれません。

これらの方法を取り入れることで、お母さん自身の心の健康を保ち、赤ちゃんにとっても安心できる環境を整えることができます。赤ちゃんのストレス軽減は、家庭全体の安定にもつながる大切なテーマです。

渡邊香先生監修

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