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赤ちゃんのお肌トラブル!慌てないために知っておきたいこと

どうして赤ちゃんのスキンケアがそんなに大切なの?

森脇真一先生監修

【第2回】赤ちゃんの肌トラブル:対処法&予防法

赤ちゃんのお肌は非常に敏感で、さまざまな肌トラブルに見舞われることがあります。
今回は、赤ちゃんによく見られる肌のトラブルについて、簡単な説明と対処法、予防法について説明します。

おむつかぶれ

おむつを長時間替えていないとき、下痢をしているときなどにおしっこやうんちが長時間触れているときなどにお尻や太ももの内側などに起きる皮膚の炎症です。かゆみのある赤み、ぶつぶつ、場合によっては水ぶくれやびらんを伴うこともあります。高品質のおむつでも、こまめに替えないとお尻がふやけて傷付きやすくなります。さらにそこに排泄物などの刺激や摩擦が加わると、おむつかぶれが起きやすくなります。

対処法

軽い赤みであれば市販のワセリンを塗って、刺激から肌を守りましょう。ワセリンを塗っても治らないとき、下痢が続いていて悪化したとき、症状がひどいときなどは小児科か皮膚科を受診しましょう。

予防法

おむつはこまめにチェックし、濡れていればすぐに交換します。うんちをしたあとに時間があれば、お尻をシャワーやぬるま湯をたっぷり含ませたティッシュなどで拭いてあげるとさらに効果的です。おむつ交換時には、肌を優しく清潔に拭き、自然乾燥させてからから新しいおむつをつけるとムレにくくなります。また、ワセリンなどの保護クリームを使えば刺激から肌を守ってくれます。普段から通気性の良いおむつを選び、時々おむつをはずして皮膚を空気に触れさせる時間を持たせると効果的です。

 

よだれかぶれ

よだれによって口のまわりが炎症を起こして赤くなったりブツブツができたり、場合によっては肌が乾燥してカサカサになることもあります。赤ちゃんにとってよだれはつきものですので、慌てることはありません。

対処法

赤ちゃんの口周りを清潔に保ち、保湿してあげると、症状は徐々に治まっていきます。食事の後は、軽く押さえるようにして、濡らした柔らかいタオルでやさしく口周りを拭きましょう。口周りを拭いた後は、ワセリンなどの保湿剤を塗って肌を保護しましょう。症状が改善しない場合は小児科や皮膚科を受診しましょう。

予防法

よだれや食事の後の食べかすをこまめに拭きとって、ワセリンなどの保湿剤を口の周りに塗っておくことです。口の周りを拭くときはティッシュやガーゼでこすらず、少し濡らしたものでやさしく押し拭きするよう気を付けましょう。ゴシゴシこすると肌を刺激してしまいます。拭いた後はそのままにしておくと肌が乾燥してしまうので保湿剤を使うといいでしょう。

 

汗疹(あせも)

汗を出すための汗管の出口が塞がれ、汗が皮膚の内部に閉じ込められることで起こる発疹です。小さな赤いぷつぷつとした形状が特徴です。かゆみやチクチクとした軽い痛みを伴う場合もあります。暑い季節や室内が暖かすぎる時、特に首周り、胸、背中などに発生しやすくなります。

対処法

赤ちゃんにこのような症状が現れたらシャワーで流して拭いて、皮膚を清潔にして、涼しい環境で過ごさせましょう。自然によくなっていきます。すでに炎症を起こしていて、かゆみや痛みがひどく不快感を示しているのであれば小児科か皮膚科への受診をお勧めします。

予防法

汗による症状なので、気温や湿度に応じて、通気性の良い衣服を選びます。また、室内の温度と湿度を適切に保ち、赤ちゃんが汗をかきすぎないようにします。さらに汗や汚れを優しく洗い流し、清潔に保つために定期的なシャワーや入浴も大切です。

 

乾燥肌

赤ちゃんの皮膚は水分を保持する能力が低いため、特に冬場に乾燥しやすく、赤みやかゆみ、粉をふくことがあります。 肌を触ってみてザラザラ、カサカサ感を感じたら、バリア機能がうまく働かず水分が逃げてしまって、乾燥気味になっているサインです。発生しやすいのは冬場の乾燥する季節や、室内の暖房によって湿度が低下した環境でよく見られます。顔や手足の露出部分、体の開放部に多く発生します。

対処法

まずは部屋の保湿、加湿器で部屋が乾燥しすぎないようにします。さらに赤ちゃんのお肌を清潔に保つことです。薄い皮膚を傷つけないようにやさしくぬるま湯で洗ってあげましょう。なるべく肌への刺激が少ない弱酸性のボディソープや石けん、ベビーソープを使用してやさしく洗ってあげてください。スポンジやタオルを使うと肌に刺激を与えるおそれがあるため避け、柔らかなガーゼや手のひらで洗いましょう。洗った後にはやはり保湿クリームなどを塗っておきましょう。

予防法

日ごろカサカサになる部分だけではなく、全身にたっぷりと保湿効果のあるベビーオイルやベビーローション、クリームなどを塗り、常に保湿されている状態を作ってあげましょう。 ベビーローションで水分、ベビーオイルで油分をバランス良く補給し、乾燥しやすい部位には油分が豊富なクリームを重ね付けするなどすると一層効果的です。普段から加湿器を使って室内の湿度を適切に保ち、刺激となる長時間のお風呂や熱いお湯は避け、ぬるま湯で短時間の入浴にすることもいいでしょう。

 

かぶれ(接触皮膚炎)

特定の物質に対する刺激反応やアレルギー反応により、皮膚に湿疹が出現する状態です。化粧品や洗剤、柔軟剤など、特定の化学物質に接触したときに、接触部位に発生します。

対処法

濡れタオルや保冷剤、冷やしたガーゼなどで患部を冷やすと赤ちゃんの不快感は少なくなることがあります。ヒリヒリや刺激感があれば、低刺激の洗浄剤で優しく洗い落したり、ワセリンなどを用いた保湿も重要です。症状が軽い場合は数日で完治することもありますが、症状が改善しない場合や長期間続く場合は小児科か皮膚科への受診をおすすめします。

予防法

刺激性のある化学物質や繊維などから肌を守るために、日ごろから赤ちゃん用の製品をきちんと選ぶことが大切です。また、洗濯物は洗剤が残らないように十分にすすぎ、柔軟剤の使用は控えめにします。
新しい衣類は着用前に必ず洗濯し、肌に直接触れることが少なくなるようにします。
これらの予防策を日常生活に取り入れることで、かぶれの可能性をかなり少なくすることができます。

 

乳児脂漏性皮膚炎

皮脂分泌の多い生後3~4週間ごろ、皮脂の分泌が盛んな頭部、眉間、顔面、耳のまわりなどにできはじめます。症状はカサカサしたものから黄色っぽい脂っぽいかったかさぶたができるなどさまざまです。皮脂の分泌が改善する生後3か月ごろより自然と症状は治まります。

対処法

基本の対処法は1日1回、頭や体をお風呂できれいに洗って、保湿することです。石鹸の洗い残しはかぶれの原因になるのでしっかりすすぎましょう。かさぶたは、ベビーオイルなどでふやけさせてから洗うと効果的です。たいていの場合は自然に治っていきますが、かゆみがひどい場合や、1~2カ月たってもなかなか治らない場合は小児科あるいは皮膚科を受診してください。

予防法

おでこや頭部の余分な皮脂は毛穴詰まりの原因になりますから、まずは日ごろから頭皮やおでこをきちんと洗い、余分な皮脂をきちんと落としてあげることが重要です。赤ちゃん用のヘアシャンプーを使って指の腹でしっかり洗いましょう。デリケートな赤ちゃんの肌はこすらずやさしく洗うのが大原則ですが、頭皮はある程度ならゴシゴシ洗いも大丈夫です。過剰な皮脂汚れをきちんと落とすことが大切です。

 

アトピー性皮膚炎

皮膚バリア機能の低下をきっかけに、慢性的な炎症を起こす皮膚の病気です。激しいかゆみや湿疹、皮膚の厚みが増すことなどが特徴です。生後数カ月から顕著になることが多く、顔(特に頬)、首、肘の内側、膝の裏などの屈曲部に起きやすいのが特徴です。赤ちゃんの場合、成長とともに湿疹は改善していく場合が多いのですが、小児期になってもなかなか治らない、あるいは成人型のアトピー性皮膚炎に移行することもあります。

対処法

入浴後や洗顔後すぐに、肌に優しい保湿剤を塗ることで、肌の水分を保持します。強い洗浄力のある石鹸は避け、赤ちゃん用の低刺激の洗浄料を使用し、丁寧にすすぎます。また、室内の湿度を適度に保つことが大切です。特に冬場などは加湿器を使用することが効果的です。
刺激的な衣料や洗剤、柔軟剤は使用を避け、肌に優しい素材の衣類を選びます。
症状が改善しない場合や、日常生活に支障をきたすほどの症状が見られる場合には、なるべく早めに専門の医師によるアドバイスを求めましょう。

予防法

最近の研究で、新生児からスキンケアを行い良い状態の肌を保つことで、アトピー性皮膚炎の発症リスクは3割以上低下するというレポートもあります。

※参考:世界初・アレルギー疾患の発症予防法を発見

また、家庭内のダストやペットの毛など、アレルゲンになり得るものを控えるようにし、アレルギーを引き起こす食品に注意し、栄養バランスの良い食事も大切です。

 

小児ニキビ

思春期や大人のニキビ、赤ちゃんのニキビはどれも皮脂腺の活発化が原因の一つですが、小児ニキビは主に生後数週間から数年発生します。特に新生児ニキビは、生後2〜3週間で出現することがあります。

対処法

沐浴やお風呂などで皮脂の汚れを落とす、肌に合った赤ちゃん用の石鹸で優しく洗う、すすぎをしっかり行うことがおすすめです。新生児ニキビは通常特別な治療を必要とせず、数週間から数カ月で自然に消えます。 重要なのは、赤ちゃんの肌を清潔に保つことです。

予防法

常に皮脂などの汚れに注意して肌を清潔にするように心がけてください。

 

まとめ

赤ちゃんの肌のトラブルは、これまで説明したようなスキンケアによる予防策を日常生活に取り入れることで、最小限に抑え、快適な育児環境を整えることができます。まとめると次のようなポイントになります。

  乾燥肌:保湿クリームやオイルの使用
  湿疹:清潔を保ち、刺激を避ける
  あせも:こまめに汗を拭き、服装に気をつける
  おむつかぶれ:おむつ交換の頻度を上げ、保湿クリームでケア
  アトピー性皮膚炎:日常のスキンケアを徹底し、早めに医師の指示を仰ぐ

しかし、赤ちゃんの肌にブツブツやジクジクしているところがあったり、症状が長期にわたり改善しない場合、特に発熱が続いている場合などは他の疾患が隠れている場合もありますのでなるべく早くかかりつけ医へ受診をしてください。

森脇真一先生監修

HEALTHCARE 赤ちゃんのヘルスケア情報


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