乳幼児から身に付けたい正しい歯ブラシ習慣
むし歯は、放っておくと歯を失うだけではなく、痛みが原因で食事がとりづらくなることや、乳歯の下にある永久歯の歯や歯ならびに悪影響を及ぼすことがあります。むし歯は日常生活にさまざまな影響を及ぼす疾患です。
その為、日々の歯磨きは、むし歯を防ぐために欠かすことができません。乳幼児のうちから適切な歯ブラシを身近に感じてもらい、正しい持ち方、磨き方で歯磨きを習慣づけましょう。
歯ブラシの持ち方とその影響とは
歯ブラシを正しく使ううえで、正しい持ち方を身につけることは欠かせません。歯ブラシをわしづかみすると、磨く力が強すぎるために毛先が広がり、歯垢をしっかりと落とせなくなります。
優しく磨くと汚れが落ちている気がしないかもしれませんが、汚れを落とすのは歯ブラシの毛先であるため、優しい力で細かく磨くことが大切です。
また、歯茎に付着した歯垢はマッサージするように磨いて落とすのですが、力が強すぎると歯茎を傷つけてしまうことがあります。適度な力加減であれば、歯茎にダメージを与えずに汚れを落とすことができます。
ペングリップ式の持ち方のメリット
子供は、歯ブラシを手のひらで握る「パーム式」で持ちがちですが、鉛筆と同じように持つ「ペングリップ式」が推奨されています。ペングリップ式は、パーム式と比べて力の入れ方をコントロールしやすいため、結果として適度な力加減で磨くことができます。
歯磨きのときの適切な力加減は、150~200gとされています。実際にスケールで計測すると、予想以上に優しい力で磨く必要があることがわかるでしょう。判断が難しい場合は、歯ブラシの毛先が広がらない程度の力、もしくは手のひらに歯ブラシを当てて皮膚が少し白くなる程度の力を目安としてください。
ペングリップ式を乳幼児から身に付けましょう
ペングリップ式は、鉛筆の持ち方を習得しているお子さまであれば、抵抗なく持てるようになるはずです。実際にやって見せたり、イラストで伝えたりするとよいでしょう。
続いて、正しい磨き方を伝えてください。磨き方のポイントは、歯ブラシを小刻みに動かして 1 本ずつ磨くこ とです。実際にやって見せるだけではなく、子供の手を持って動かしましょう。
ペングリップ式で磨く場合は、持ち手にガイドがついた歯ブラシが適しています。持ち手が四角形の歯ブラシ は、角度を変えるときに持ちづらく感じてしまい、うまく磨けなくなる可能性があります。
歯磨きへのやる気を育むために
歯磨きの技術を伝えても、本人がやる気にならなければ習慣化はできません。子供が歯磨きに対するモチベーションを高く保てるように、親が導いてあげることも大切です。例えば、好きな色やキャラクターの歯ブラシを使うだけでも、モチベーションアップにつながります。
また、果物の味や匂いがついた歯磨き粉を使うと、歯磨きの時間が楽しみになるかもしれません。そのほか、キャラクターが歯磨きを教えてくれる動画を見せることも効果的です。
子供によって歯磨きに対するやる気やモチベーションが上がるポイントなど異なるため、さまざまな方法を試 してみましょう。
また、歯磨きが終わった後に大げさなぐらいにしっかりと褒めてあげてください。反対に、「なぜうまく磨けないの?」と叱ると、歯磨きが嫌いになる恐れがあります。うまくできなかったり途中でやめてしまったりしても、頑 張ったことを褒めてあげましょう。歯磨きは大人でも完璧に磨けている人は少ないと言われています。子どもたちに教えるときは、1回や2回でできるようになろうとせずに、焦らずに少しずつ習慣付けましょう。少しずつ上手に磨けるようになることを心がけることが大切です。
子どもの頃に正しいセルフケアが身につくと、大人になってからも歯の健康を守りやすくなります。お子様の将来のためにも、歯ブラシの持ち方、ペングリップ式を使うべき理由などについて理解し、正しい歯磨きの方法を教えましょう。