肺炎
肺炎とは
肺に炎症ができる病気を、まとめて肺炎と呼びます。主に細菌やウイルスなどの病原微生物により引き起こされます。乳幼児の場合は生後6か月頃から母親由来の免疫が低下し、風邪をこじらせて肺炎となるケースも多いため注意が必要です。特に夏に流行するRSウイルスは肺炎になりやすいことが知られています。
乳幼児の肺炎の症状
乳幼児の肺炎は、発熱や鼻水などからはじまり、痰がからんだような湿った咳が続きます。息苦しい様子も見られることもあります。
もし重症になると、ぐったりとして食欲もなくなり、呼吸困難に陥ってチアノーゼを起こしたり、激しい咳で嘔吐を繰り返して、脱水症状を起こしたりするケースもあります。言葉を上手に話せない乳幼児では、保護者による評価が重要です。夜間頻回に咳嗽で覚醒するとき、飲水や食事が取れず尿量が減っている場合は小児科を受診する必要があります。
肺炎の種類
肺炎には主に下記の3つの種類に分類されます。
細菌性肺炎
インフルエンザ菌や肺炎球菌、黄色ブドウ球菌などの細菌が原因となる肺炎
ウイルス性肺炎
RSウイルスやアデノウイルス、インフルエンザウイルスなどによる肺炎
非定型肺炎
マイコプラズマやクラミジアが原因となる肺炎
乳幼児の肺炎は細菌による肺炎が多いですが、RSウイルスは1歳以下の乳児が多くかかります。
またマイコプラズマは学童期に感染することが多く、4年に一度流行する傾向があります。
治療法
肺炎の治療法は、種類によって変わってきます。
ウイルス性の肺炎であれば特効薬がないため、去痰薬や気管支拡張薬で症状を和らげます。また自然に治っていくケースも多いです。一方、細菌肺炎や非定型肺炎の場合は抗菌薬が処方されます。乳幼児の場合は、脱水や症状が急変する恐れがあるため、多くの場合は入院での治療となります。