乳幼児と気管支喘息
喘息とは
気道(気管支)の慢性的な炎症によって起こる病気です。気管支が、ほこりやウイルスなどに過敏に反応し、収縮することで咳やぜーぜーという喘鳴を繰り返します。
近年ではPM2.5が原因の一つになることが知られています。
乳幼児の喘息症状
下記のような症状がみられる場合は、喘息の疑いがあります。風邪と似ている症状も多いため、子ども様子をよく観察し、早めに医療機関を受診しましょう。
☑ 息を吐くときに「ヒューヒュー」「ゼーゼー」という呼吸音がする
☑ 息をするときに、胸のろっ骨や鎖骨のあたりがへこむ
☑ 夜中から朝方にかけて咳が出やすい
☑ 咳がひどくて眠れない
☑ 赤ちゃんの場合、機嫌が悪くなったり母乳やミルクを飲まなくなる
喘息の原因
アトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎を患っていたり、家族に喘息の方がいたりすると、喘息になりやすいと言われています。このようなお子さんがダニやほこり、カビなどのアレルゲンや、たばこや煙などの刺激を受けると過敏に反応し、喘息を引き起こしてしまうと考えられています。
喘息の治療と薬
喘息の治療に使われる薬は、大きく分けて「長期管理薬」と「発作治療薬」の二種類あります。
「長期管理薬」は、気道の炎症を抑え発作を予防するための薬で、吸入ステロイド薬と抗ロイコトリエン拮抗薬があります。これらは、長期間使ってはじめて、本来の効果が現れる薬です。症状がなくなったという理由から途中でやめてしまわず、医師の指示通りに続けることがとても大切です。
もう一つの「発作治療薬」は、発作が起きたときに使う薬です。吸入か内服で使用されるメプチン(β受容体刺激薬)は気管支を広げる働きがあり、即座に効き目が表れることが特徴です。しかし、長期管理薬のように気道の炎症を抑える働きはないため、根本的な治療にはなりません。長期管理薬を使わずに、発作治療薬のみを使用すると気道の炎症が進み、喘息が悪化するおそれがあります。
また、薬での治療の他にも、環境を整備することも大切です。ダニやほこりなどのアレルゲンを除去し、発作が起きにくい環境を心がけることで喘息の治療につながります。
日常生活で気をつけるポイント
☑ シーツ、毛布カバー、枕カバーなどはこまめに交換
☑ 布団は天日干しにした後掃除機をかける。
☑ 布製のソファーや羽毛布団はできるだけ避ける。
☑ 部屋はこまめに喚起をして空気の入れ替えを。
家のホコリやハウスダスト、ダニ等は気管支に炎症を起こすことで喘息発作の原因になります。
こまめに掃除をするように心がけて、環境を整えておきましょう。