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抗生剤について正しい知識を

抗生剤について正しい知識を

宮本先生監修

 
風邪をひいたときは抗生剤を使えばよいとお考えの方も少なくありませんが、実は風邪の約9割はウイルスが原因のため、細菌にのみ効果を発揮する抗生剤では改善につながらないことが多いのです。やみくもに抗生剤を使うと大切なお子さんの健康に悪影響が及ぶ可能性もあるため、どのようなときに使用するのかを確認しておきましょう。
 

抗生剤とは


抗生剤とは、「抗菌薬」の別称です。「抗生物質」や「合成抗菌薬」などの名称もあり、その由来が微生物か完全化学合成かで使い分けられることもありますが、現在はそのように分けないことがほとんどです。微生物由来の薬剤であっても化学合成を施されているものもあります。ですから「抗生剤」という言葉は、細菌を壊したり増殖を抑えたりする薬の総称として一般的には使われています。

抗生剤は、細菌の構造や増殖の仕組みに作用することで、細菌を壊したり増えるのを抑えたりする薬です。例えば、世界で初めて発見された抗生剤のペニシリンは、細菌が持つ細胞壁の合成を邪魔することで細菌を壊します。

人の細胞にはもともと細胞壁が存在しないため、人の細胞に影響を与えることなく細菌を壊すことができます。抗生剤は細菌に対してのみ効果を発揮するものであり、ウイルスやカビなどによる感染症には効果がありません。
抗生剤とは

抗生剤が効く病気、効かない病気


抗生剤が効く病気は細菌感染症、効かない病気はそれ以外の感染症です。

例えば、溶連菌感染症や百日咳、とびひなどは細菌感染が原因のため、抗生剤の効果が期待できます。一方、おたふくかぜ、ヘルパンギーナ、アデノウイルス、手足口病、ロタウイルス感染症、水ぼうそうなどはウイルス感染が原因のため、抗生剤の効果は期待できません。

また、扁桃炎や気管支炎、中耳炎、副鼻腔炎などは細菌とウイルスのどちらでも生じる可能性があるものの、ウイルス感染が原因のケースが多いため、抗生剤を使わなくてもよい場合がほとんどです。

以前は、細菌感染の疑いが強くなくとも抗生剤を処方する流れがありましたが、抗生剤を繰り返し使用することで良い影響を与える常在菌まで破壊されるほか、抗生剤が効かない「耐性菌」が発生して感染症に弱くなる恐れがあるため、抗生剤を処方するかどうか慎重に判断することが求められています。

また、処方された抗生剤を途中で飲むのをやめた場合、ぶり返すことで結果的に長期間服用することになるほか、耐性菌が発生する恐れもあります。処方された抗生剤は最後まで飲みきることが大切です。
 

抗生剤を赤ちゃんに処方する基準


赤ちゃんと幼児、大人において、抗生剤を処方する基準に違いはありません。のどや鼻水の状態、場合によっては血液中の成分を調べて、細菌感染が強く疑われる時に抗生剤を使用します。また、抗生剤にはさまざまな種類があり、感染が起きた箇所や原因となる細菌などに応じて使い分けなければなりません。

1日の内服回数も1回から4回などとさまざまです。抗生剤の効果を十分に得るとともに、耐性菌のリスクを抑えるためにも、医師や薬剤師の指示に従って正しく服用しましょう。
 

抗生剤の飲ませ方


生後半年以内の赤ちゃんは本能的に何でも飲み込もうとするため、抗生剤を飲ませることはそれほど難しくありません。しかし、成長するにつれて味覚の発達や自我の芽生えの影響で抗生剤の服用を嫌がるようになります。

抗生剤を嫌がる場合は、少量の水に溶かして哺乳瓶の乳首やスポイトで飲ませましょう。飲み終わったら、水やミルク、母乳などで口の中に残った薬を流してあげてください。また、好みの食べ物に薬を混ぜて飲ませたり、食べる・薬を飲むを交互に行ったりする有効です。この場合も、口の中に食べ物や薬が残らないように飲み物を飲ませてあげてください。
 

宮本先生監修

HEALTHCARE 赤ちゃんのヘルスケア情報


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