妊娠前から気を付けたい生活習慣
女性の身体はストレスや生活習慣の乱れからの影響を受けやすく、生理周期がずれたり無排卵などの症状を引き起こすことがあります。妊娠を望む女性は、ストレスをコントロールする工夫を心がけ、規則正しい生活を送るようにるすことが大切です。
さらに女性が妊娠に気づくタイミングは、多くの場合妊娠二か月目以降です。妊娠初期には胎児の重要な器官が形成される時期であるため、妊娠前からバランスの良い食事を続けておくことが重要です。
● ストレス
最近の研究で、ストレスは不妊の大きな要因の一つであることが分かってきました。排卵を抑えるホルモンの分泌がストレスの影響で増加することも明らかにされています。妊活中の方は日常生活の中でストレスをコントロールし、リラックスした時間が持てるように工夫しましょう。
● 睡眠・運動
睡眠や運動は体温の上昇や血流の改善につながります。特に血流の改善は、生殖機能にも良い影響を与えると言われています。またしっかりとした睡眠をとり、普段から適度に体を動かすことでストレスを発散することができるでしょう。
● 薬
妊娠に心当たりがあるときは、薬を服用する前に医師や薬剤師にまず相談することが大切です。妊娠初期の症状は風邪の症状と似ている点も多いため、安易に自己判断し市販の風邪薬を飲んだりしないようにしましょう。
● たばこ・お酒
喫煙の本数が多い人ほど妊娠しにくく、早産や流産、胎児の生育不良を招く可能性があります。また「乳幼児突然死症候群(SIDS)」※の原因の一つは、保護者の喫煙であることも報告されています。妊娠を希望するなら、たばこは早めにやめることが大切です。
アルコールは胎盤を通しておなかの赤ちゃんへ運ばれます。妊娠を計画している方は、普段からアルコールを控えめにしておきましょう。
※それまで元気だった赤ちゃんが、事故や窒息ではなく眠っている間に突然死亡してしまう病気。 生後2ヵ月から6ヵ月に多く、まれに1歳以上でも発症することがあります。
● カフェイン
コーヒーや紅茶、緑茶などに含まれるカフェインも気をつけておきたいです。カフェインを常習的に大量に摂取すると、血流も悪影響があると言われています。日頃から濃いコーヒーを何杯も飲んでいるという方は、量を減らしていくようにしましょう。
● ダイエット
体重の急な減少があると、女性ホルモンが正しく分泌されなくなり、無排卵の原因になります。また太りすぎの場合にも正常な排卵がされにくいと言われています。適正体重が維持できるように、バランスの良い食事と適度な運動を心がけ、健康的な生活を送りましょう。
● 冷え性
体が冷えると、卵巣や子宮への血液の循環も悪化します。冷え性は月経痛や不妊等の原因にもつながるため、妊活中の女性は対策が必要です。適度な運動を行ったり、お風呂はシャワーではなく湯船で温まるようにすると良いでしょう。血行がの改善やリラックスにも有効です。また飲み物も冷たいものをとりすぎないよう、注意しましょう。
葉酸は ビタミンB群の一種で代謝に関係する栄養素。DNA・RNA、たんぱく質の生合成を促します。細胞の分裂や成熟にも関わり、胎児の脳や脊髄の発達異常とされる神経管閉鎖障害のリスクを減らす働きがあるとされています。
そのため妊娠を希望している人は、妊娠1ヵ月以上前から葉酸を摂ることをおすすめします。 妊娠初期から赤ちゃんの神経系は作られるため、妊活中から摂取することが大切といえます。
葉酸を多く含む食品には、ほうれん草やブロッコリー、アスパラガス、レバー等があげられます。妊娠を予定している女性や妊婦の方は、通常の摂取量の約1.8倍が必要といわれています。食品に加えてサプリメントでの葉酸摂取も厚生労働省から推奨されいます。食事と合わせて、サプリメントも上手に活用すると良いでしょう。
生活習慣や食事を改善するだけではなく、妊娠前には病院でいくつか検査をしておくと安心です。たとえば糖尿病の検査はその一つです。妊娠中にも糖尿病の検査を行いますが、もし合併症を起こしていた場合には赤ちゃんの臓器に影響を与えることもあります。そのため、妊娠前に糖尿病の有無を確認し、血糖管理を習慣づけた後に妊娠することをおすすめします。
また風疹の罹患歴がない方や不明の方は、抗体検査を妊娠前に行っておきましょう。子供のころに予防接種を受けたことがある人でも、ワクチンによる抗体は低下していることもあるため過信してはいけません。風疹抗体がなかった場合には、予防接種を受けておきましょう。※予防接種後約2か月間は避妊期間が必要
その他、子宮頸がんや乳がん、性病や生理不順等の病院で調べてもらうことをおすすめします。妊娠前に発見された疾病なら、治療後に計画妊娠をすることも可能です。早期発見・早期治療のためにも妊娠前の検査や受診が重要となってきます。