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赤ちゃんの睡眠時に潜む危険とは

睡眠中に潜む危険




赤ちゃんの睡眠時には、様々な危険が潜んでいます。乳幼児突然死症候群、ベッドからの転落、タオルケットによる窒息事故など、常に危険と隣合わせです。



乳幼児突然死症候群(SIDS)とはどんな病気?

乳幼児突然死症候群は通称SIDSと呼ばれ、予兆もなく赤ちゃんが亡くなる病気です。

正式には「それまでの健康状態および既往歴からその死亡が予測できず、死亡状況調査と解剖検査によっても原因が同定されない、原則として1歳未満の児に突然の死をもたらした症候群」の総称を呼びます。

乳幼児の死亡原因の第4位となっており、世界各国で様々な研究調査がなされています。しかし、いまだ原因の解明には至っておらず、予防法も確立していないのが現状です。

SIDSを発症する赤ちゃんの月齢や特徴は?

主として睡眠中に発症し、生後2ヵ月から6ヵ月に多く、稀に1歳以上で発症します。日本での発症頻度はおおよそ出生6,000~7,000人に1人と推定され、3:2で男児の多く、冬に多い傾向があります。

出典:京都大学大学院医学研究科法医学講座http://www.fp.med.kyoto-u.ac.jp/study03

出典:京都大学大学院医学研究科法医学講座http://www.fp.med.kyoto-u.ac.jp/study03

発作出現の数日前に、軽い感冒様症状を認めることがあります。低体重出生児、人工栄養児、若い母親、妊娠中の管理が不十分な母親を持つ乳幼児、やわらかい寝具、うつぶせ寝にSIDSの発症が多い傾向があります。

時間帯では朝に発見される率が高いですが、日中の昼寝の時間帯も発生しています。

SIDSの診断方法について

早産など周産期になんらかの異常があったものの死亡したときにはその問題が完全に解決されているものや、剖検所見としては、無視はできないものの死因とは新定できない病変(限局的な気管支炎・肺出血・浮腫、心房中隔欠損症・心肥大など)が認められる、あるいは、死亡状況調査において、死亡にはつながらない異常が存在するときは非典型的SIDSとすることもあります。

死亡診断書(死体検業書)上の死因は「乳幼児突然死症候群」とし、死因の種類は「病死」します。間接的にも強く影響を与えたとは考えられない病変は、副所見に記載します。このため解剖をおこなっていない場合は、SIDSと診断はできません。
SIDSの解剖での中枢神経病変は、軽度のうっ血や出血、脳幹被蓋部のアストロサイトの増加、局在性の皮質下白質軟化と反応性のアストロサイト増加、限局性脳形成異常、髄鞘形成の遅延、小脳外顆粒層の遺残などが報告されています。鑑別にあがる脳症では、アストロサイトは通常の線維構造が破壊され、clasmtodendrosisと呼ばれる顆粒状の構造を示すとされます。
代謝異常症が基礎疾患にあり突然死することもあり、SIDS以外に突然の死をもたらす疾患および窒息や虐待などの外因死と鑑別が必要となります。窒息死と診断するためには、体位に関係なく、ベッドの隙間や柵に挟み込まれるなどで、直接死因を説明しうる睡眠時の物理的状況が重要で、寝具で単にうつぶせというだけでは診断しないようにしています。また、虐待や殺人などによる意図的な窒息死はSIDSとの鑑別が困難な場合があり、SIDSの診断は慎重にします。

SIDSの原因とは

SIDSの原因として、セロトニントランスポーター、IL-10、循環器イオンチャンネル、ヒートショックなどの遺伝的な背景との関連が言われていますが、すべてを説明できるものはいまだありません。ポリソノグラフィー検査で睡眠中の無呼吸の頻度が多いこと、覚醒反応に至る頻度が少ないこと、遺伝性不整脈がSIDSの11.4%とするなど言われています。

呼吸モニター類がSIDSを防げるという実証はありませんが、無呼吸の多い乳児では酸素飽和度のモニターにて管理されることもあります。
乳幼児の予期せぬ突然死のうち感染が関与するものもあり、18から39%にウィルス感染を認めたとされてます。このなかでは、RSウィルスによるものが一番病原体して報告されています。

赤ちゃんの睡眠時には様々な危険が

SIDSの発症だけではなく、赤ちゃんの睡眠時には様々な危険が潜んでいます。ベビーベッドからの転落事故も赤ちゃんの睡眠時に多く発生しており、平成22年から6年半でその発生件数は151件に上ります。

医療機関ネットワーク事業より受けた事故情報を基に消費者庁が特別に精査したデータより(対象:平成22年12月から平成29年6月末まで)

医療機関ネットワーク事業より受けた事故情報を基に消費者庁が特別に精査したデータより(対象:平成22年12月から平成29年6月末まで)

またベビーベッドの隙間に赤ちゃんが挟まれる死亡事故も発生しています。ベッドの下に収納が付いているタイプのベビーベッドで、収納扉のロックが不十分であったためにベッドの床面と開いた扉との間にできた隙間に赤ちゃんの頭が挟まれて窒息死をした事故も起きています。

ベビーベッド転落事故例

ベビーベッド転落事故例

さらに、タオルケットが顔にかかるなどの就寝時の窒息事故は平成25年から5年間で160件発生しており、不慮の事故死全体の32%を占めています。

赤ちゃんの睡眠中の事故を少しでも減らすために、保護者の方はそういった事例を把握しておくことも大切です。

>>SIDSとRSウイルスの関係性はこちら

小児科・思春期科教授 河島尚志監修

 

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