おなかが大きくなった時の寝方
妊婦さんにとって楽な寝方と言われる、「シムス位」という体勢があります。おなかが大きくなって寝苦しさを感じるときにはおすすめの体勢で、産婦人科等でも紹介されています。シムス位の正しいやり方やメリットなどを確認して、寝苦しい時期を乗り切りましょう。
次の手順でシムス位を行ってください。
1. 身体の左側を下にして、横向きで寝ます。
2. 右足を曲げて、クッションなどの上に乗せます。
3. 手は自分にとって楽な位置に置きます。
寝苦しさが楽になる姿勢は、個人差があります。シムス位が快適ではない場合は、決して無理に行わないようにしましょう。おなかの中の赤ちゃんの位置によっては、左側ではなく右側を下にした方が楽な方もいらっしゃいます。また横向きの寝方がつらい場合は、仰向け寝でも大丈夫です。
自分に合った楽な姿勢を見つけて、安眠をとれるようにすることが大切です。
シムス位は妊娠中の女性の身体にとって、メリットが主に3つあります。
● 胃腸負担の軽減
身体の左側を下にして寝ると、消化系の臓器、胃や膵臓への負担を軽減すると言われています。また胃の形の関係で、左側を下にして寝ると胸やけの原因となる胃酸の食道への逆流を抑制することもできます。
● 腰の痛み緩和
おなかが大きくなると、寝ている時も腰痛に悩まされる方も多くいらっしゃいます。シムス位はおなかの重さを感じにくく、腰痛のつらさを和らげることが可能です。
● 仰臥位低血圧症候群の予防に
仰臥位低血圧症候群とは、妊娠末期に妊婦が仰向け寝をすることで引き起こされる病気です。吐き気や心臓のドキドキ、冷や汗、顔面蒼白などの症状が現れます。左側を向いて寝るシムス位では、血液が循環しやすくなるために仰臥位低血圧症候群を防ぐことができると言われています。
● 妊娠中に控えたい体勢
妊娠中は基本的に、「自分が楽だと感じる体勢」でリラックスして睡眠をとることが大切です。その中で「うつ伏せ寝」はできるだけ控えるようにしましょう。
赤ちゃんは羊水やお母さんの皮下脂肪などのクッションに守られているので、妊娠中にうつ伏せ寝をしたからと言って、赤ちゃんが潰されると言うことはありません。ただし、長時間うつ伏せ寝をすると腰や肩に負担がかかることもあるので、気を付けた方がよいでしょう。多くの場合は、お腹が大きくなると自然とうつ伏せ寝は寝にくくなってくるので、シムス位を試してみることをおすすめします。