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赤ちゃん用防災グッズの必要性~命を守る備えとは~

 
日本は地震や台風、豪雨など、自然災害の多い国です。特に赤ちゃんがいる家庭では、大人と同じ備えだけでは不十分な場合が多くあります。最近の政府や専門家の発表をもとに、なぜ赤ちゃん専用の防災グッズが必要なのか、具体的に見ていきましょう。

赤ちゃん特有のリスクがある

多くの家庭では、大人用の防災グッズをそのまま赤ちゃんにも使えると考えがちです。しかし乳幼児には、成長段階に応じた特別なニーズがあります。例えば、ミルクや離乳食の確保が難しくなる可能性があります。災害時にはお湯が使えないこともあり、粉ミルクの調乳が困難になります。また、アレルギーを持つ赤ちゃんの場合、避難先でアレルギー対応の食品が手に入らないリスクもあります。

おむつやおしりふきといった衛生用品も、避難所では不足しやすく、乳幼児の衛生状態を保つためには十分な備蓄が欠かせません。さらに、赤ちゃんは体温調節機能が未熟なため、寒さや暑さの影響を受けやすく、防寒・防暑のための備えも必要です。体調管理の面では、鼻づまりが呼吸困難につながるリスクがあることも見逃せません。

2024年1月に内閣府が公開した「乳幼児の防災対策特集ページ」でも、「赤ちゃんの命を守るには、大人とは別の備えが必要」と明記されています。
 

災害の現場から見えてきた必須アイテム

実際の災害時の経験から見えてきたのが、「液体ミルク」「おむつ・おしりふき」「おんぶひも」「体温管理グッズ」「鼻水吸引器」などのアイテムの重要性です。たとえば、2024年2月に日本小児科医会が発表した論文では、停電時でもそのまま使用できる液体ミルクの備蓄が推奨されています。また、アレルギー対応の食品についても、最低1週間分の備蓄が望ましいとされています。

おむつについては、通常品では長期保存が難しいため、2024年1月には5年間保存可能な防災用紙おむつが提案されています。おしりふきは体を拭く用途としても使えるため、多めに備えておくと役立ちます。

避難時の移動手段としては、ベビーカーが倒壊物や段差で使えないケースが多く、2023年11月に消費者庁が「ベビーカーでの避難は危険」と注意喚起しています。そのため、抱っこひもやおんぶひもを活用した移動が現実的であり、NHKの防災番組でも被災者が「おんぶひもが役立った」と証言しています。

また、体温管理においては、寒さ対策として使い捨てカイロやブランケットを、暑さ対策には保冷剤や冷却シートを用意しておくと安心です。避難所の環境は過酷になりやすいため、こうした対策は命に直結します。

鼻水吸引器も非常に重要です。避難生活中はホコリやカビ、温度変化などで鼻づまりを起こしやすくなり、母乳やミルクが飲めなくなることで栄養不足や脱水の危険が生じます。実際の被災者からは「電動吸引器が停電で使えず困った」という声もあり、電池や充電で動く携帯型や手動式の吸引器を防災バッグに入れておくことが推奨されています。

こうした動きを受けて、各自治体や企業でも新しい取り組みが進められています。2023年10月には東京都が段ボール製の簡易仕切りベッドを試作し、授乳やおむつ替えのためのスペース確保を目指しています。乳幼児向けの防災セットも進化を続けており、長期保存可能なミルクや圧縮おむつ、さらには鼻水吸引器までセットになった商品が登場しています。
 

今すぐ家庭でできる備えとは

「3日分+α」の備蓄

従来の「1週間分」から、「3日分+自治体支援が届くまでの予備」に見直されています。ミルク・おむつ・常備薬は最低3日分を確保しましょう。

母子手帳のデジタル保存

母子手帳には予防接種歴や健康情報が記載されています。写真をスマホに保存したり、クラウドにバックアップしておくと安心です。

在宅避難の準備

避難所へ行かず自宅で過ごす「在宅避難」を想定し、水・トイレ・食料・懐中電灯などを備えておくことも大切です。

健康管理グッズの再確認

体温計、解熱剤(小児用)、保湿剤など、自宅で使用している医療品は、予備を確保しておきましょう。避難所では不足しがちです。

災害は突然やってきます。だからこそ、日頃の備えが赤ちゃんの命を守る鍵となります。一見地味に見える鼻水吸引器ひとつとっても、その有無が命を左右することがあります。ここ半年の専門家の助言や政府の情報を参考に、今日からでもできる準備をはじめましょう。
 


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