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気をつけたい乳児・幼児・小児の「二次性頭痛」とは?痛み止め薬を飲む前に専門医による診察を!

浦島崇先生 監修

子どもたちが何かの拍子に発する「頭が痛い」といった一言はとても気になるものですが、どう対応していいものか迷ってしまう言葉でもあります。大人の頭痛はよく聞きますし、自分でも体験することですが、子どもはどの程度頭痛を体験しているのでしょうか?
ある調査によると70%以上の子どもが頭痛の体験があるとされています。原因はさまざまですが、子ども(乳児、幼児、小児)の頭痛について取り上げたいと思います。
 

重篤な疾患が隠れている可能性のある二次性頭痛

初めにみなさんにお伝えしたいことは、「頭が痛い」という子どもの何気ない一言の中に別の病気が隠れていないかということです。頭痛には、一次性頭痛と二次性頭痛の2種類があります。一次性頭痛は、明確な病気やケガが原因ではなく、頭痛そのものが病気というものです。二次性頭痛は、くも膜下出血や頭部のケガなど、何らかの病気やケガが原因で起こる頭痛です。二次性頭痛には生命の危険がある病気も含まれるため、注意深い診察が必要になります。

一次性頭痛の代表格は片頭痛や緊張型頭痛などです。二次性頭痛については、「国際頭痛分類」に記載されていますが、次の8種類に分かれます(国際頭痛分類引より)。その中で子供の頭痛の原因として多い、注意したいものを①~④としました。

① 感染症(髄膜炎、脳炎、敗血症など)による頭痛
② 頭頸部外傷・傷害(頭部の打撲、むち打症など)による頭痛
③ 非血管性頭蓋内疾患(てんかん、低髄圧症、脳腫瘍など)による頭痛
④ 眼・耳・鼻・歯・口などの障害による頭痛や顔面痛
 
その他、大人に多い病気、二次性頭痛は以下の⑤~⑧です。

⑤ 頭頸部血管障害(クモ膜下出血、脳梗塞など)による頭痛
⑥ 物質(医薬品、一酸化炭素中毒、アルコール離脱など)による頭痛
⑦ ホメオスターシス障害(睡眠時無呼吸、高山病、潜水病など)による頭痛
⑧ 精神疾患(うつ病、心身症など)による頭痛

 

これだけは意識しておきたい4つの危険な二次性頭痛

では、子どもの頭痛で注意した方が良い①〜④の二次性頭痛の原因を順番に説明していきましょう。

① 感染症(髄膜炎、脳炎、敗血症など)による頭痛
感染症は、二次性頭痛で最も多い頭痛の原因です。みなさんも経験があると思いますが、高熱があるだけで頭痛を起こしますから、まず初めに子どもに発熱があるかどうかを確かめてください。また地域や職場、保育園などの生活環境の周囲で、インフルエンザなどの感染症が流行っていないかどうかも重要な判断材料になります。夏季でしたら、プールなどで感染しやすいプール熱(咽頭炎=のどの痛み、結膜炎=目の充血、39℃前後の発熱が、数日から1週間続く症状続くとされ、アデノウィルスが原因と考えられる)などにも注意が必要です。

感染症が進行して、髄膜炎、脳炎を起こす場合もあります。発熱と頭痛が改善しないとき、意識がもうろうとしている、けいれんがある場合は、専門医療機関を受診してください。

② 頭頸部外傷・傷害(頭部の打撲、むち打症など)による頭痛
外傷は親の知らないところで受傷している可能性があります。たとえば、子どもが公園に行ったとき、実は鉄棒から転落していることも……。「頭が痛い」と子どもが言ったときに、「いつから?」「どのようなときに?」「どの程度?」といったことを聞いてあげてください。
また乳児や幼児の場合は、自分で状況をうまく説明できませんから、可能な限り受傷したときの状況、観察をメモなどにとっておき、医師に説明できるようにしておくことも大事です。

③ 非血管性頭蓋内疾患(てんかん、低髄圧症、脳腫瘍など)による頭痛
てんかんそのものは、頭痛を起こすことは少ないのですが、てんかん発作後に頭痛が残る場合があります。また非常に稀ですが、脳腫瘍を起こしている場合もあります。小児に多いとされている脳腫瘍は、神経膠腫、胚細胞腫瘍、髄芽腫、頭蓋咽頭腫などです。いずれにしても、強い頭痛が続く場合は脳MRIなどによる画像検査が必要になることもありますので医療機関を受診してください。

④ 眼・耳・鼻・歯・口などの障害による頭痛や顔面痛
子どもは正確に自分の痛いところを説明できません。よって、眼・耳・鼻・歯・口などに異常がある場合にも「頭が痛い」と言うことがよくあります。
この中に含まれる病気は、たくさんの種類がありますが、子どもに比較的多い頭痛は、歯痛、口内炎、中耳炎、副鼻腔炎などが上げられます。また、眼の病気はメガネの矯正や屈折がうまく合わずに頭痛を起こすこともよくあります。

子どもの頭痛には、希ですが「二次性頭痛」の可能性があります。これら二次性の頭痛は、病気によって治療法が異なるので、子どもの様子を見て「おかしいな」と思ったら医療機関でご相談ください。

浦島崇先生 監修

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