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ダニアレルギーとは

ダニアレルギー

小児科医 浦島崇監修

 

 

ダニアレルギーとは

ダニが原因となってアレルギー症状が起こる病気で、喘息やアレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎の7割がダニが原因だと言われています。ダニの消化管にある酵素(タンパク質)がアレルゲン(アレルギー原因物質)となっており、ダニの糞と死骸に多く含まれ、小さな粒子となって体内に侵入してアレルギー症状を起こします。

ダニアレルギー

アレルギー対策としては、除去することが望ましいですが、ダニはどこの家にも生息しており、完全に除去することはできません。ですので、アレルギー対策としてできることはダニの数を減らすこととダニを増やさないことです。手順としては、①ダニを退治すること、②アレルゲンとなるダニの死骸と糞を除去すること、③ダニが増えないようにすることです。
また、ダニは繁殖力が強く、18日~29日で卵から孵化し、生まれたばかりの幼ダニから成ダニに成長するまでには2ヶ月程度かかります。寿命は3ヶ月~1年程度で、その間に産卵をして爆発的に数が増えていきます。生息に適している湿度と温度になる6月~8月は一気にダニの数が増え、これに比例してアレルギー患者さんも増えます。
この産卵のサイクルも考慮して、ダニ退治、アレルゲン除去を行うことで効率的にアレルゲンを減らすことができます。

ダニの種類

主なダニの種類は3種類で、このうち、ヒョウヒダニ(チリダニ)が一般的にアレルギーの原因のダニとして知られています。

ダニアレルギー

ダニが原因となるアレルギー

ダニアレルギー

気管支喘息

気管支(気道)で炎症が起きて空気の通り道が狭くなり、さらに痰などが出て更に気道が狭くなることで呼吸困難、咳、喘鳴(呼吸をする時にヒューヒューという音がする)などが起こる病気です。小児喘息は8%~14%、成人の喘息では9%~10%の罹患率、原因は、ダニやハウスダスト、ペットのフケ、カビなどが原因と言われています。

ダニアレルギー

アトピー性皮膚炎性皮膚炎

かゆみを伴う湿疹を繰り返す皮膚炎で、アレルギーのある人に発症しやすい病気です。
アレルギーを持っている人が多く、極度の乾燥肌であることも特徴で、皮膚表面の角質が荒れてアレルゲンが新入しやすくなることと皮膚の乾燥から、かゆみを感じやすくなり、爪で掻き壊すため更に湿疹の状態が悪くなるという悪循環に陥り慢性化します。
1才までに65%が発症し、5才までに90%が発症すると言われ、通常では6ヶ月以上症状が継続する場合慢性と診断されます。(乳児の場合は2ヶ月以上)

ダニアレルギー

アレルギー性鼻炎

くしゃみ、鼻水、鼻が詰まる(鼻閉)などの症状が起こる鼻炎です。日本人の5人に1人は、この鼻炎に掛かっているとも言われ、原因は、ダニやハウスダスト、花粉などです。

アレルギー性鼻炎の種類 特徴・原因
通年性アレルギー性鼻炎 1年を通して存在し、冬に比較的強い症状が出る。サラサラとした水のような鼻水、鼻づまりが繰り返し起こる。合併症として、ぜんそくやアトピー性皮膚炎が起こることもある。
季節性アレルギー性鼻炎 一定の季節に限って症状が現れる。そのほとんどは「花粉症」と呼ばれる。鼻の症状のほか、目のかゆみ・充血(アレルギー性結膜炎)、のどの違和感、皮膚のかゆみ・湿疹、咳、頭が重たい感じなどの症状が出ることがある。

ダニアレルギー

ダニの生態

ダニの発生が多い時期と場所

ダニアレルギー

1年の中でダニが一番発生しやすい時期は、6~8月です。湿度、温度が最も高くなる時期に繁殖します。

室温 25度〜30度
湿度 60%〜70%

ダニの多い場所

1番ダニが多いのは、寝具(枕、マットレス)です。ダニの発生条件である「温度」「湿度」「エサ(人のフケやアカ)が多いところだからです。

家の中でダニの多いところ

1位:寝具(枕、マットレス)
2位:カーペット
3位:ソファ

ダニ対策のための寝具の手入れ方法

1 丸洗い
2 布団を干す
3 掃除機をかけて除去する
4 ダニが侵入できない目の細かなシーツを使う

ダニ除去率

(A)排泄物

布団 除去作業 除去前 除去後 除去率
A たたく 10,300 13,600 -32.0%
B たたく+掃除機 23,700 13,900 41.4%
C 掃除機 28,900 14,900 48.4%

(B)虫体

布団 除去作業 除去前 除去後 除去率
A たたく 12,300 15,500 -26.0%
B たたく+掃除機 36,200 19,600 45.9%
C 掃除機 40,300 24,300 39.7%

(引用:『ダニ・カビ完全対策』小峰裕己 編著)

ダニ対策年間スケジュール

ダニアレルギー

一度にダニ対策を行うのではなく、ダニの活動期、繁殖期に合わせて小まめに何回も行って駆除すると効果的です。

●計画性をもって定期的に駆除しましょう。
●カビはダニのエサになるため予防する(結露、洗濯物の室内干し、長時間の加湿器使用)
●布団を小まめに干す。
●部屋の換気を行う。
●室内の湿度を60%以下に保つ。

退治→除去→維持の3段階が効果的

ダニアレルギーの対策のためには、ダニを退治するだけでは足りず、死滅したダニを除去することが必要です。そして、その後、産卵などで再度増えないようにケアをすことでダニの数を減らすことができます。

ダニアレルギー

ダニ対策のためには、まずダニを死滅させることが必要です。しかし、ダニを死滅させても、残った死骸をそのままにしていてはアレルギーの原因となります。また、その後放置してしまっては、産卵などにより再度ダニが増えてしまうため、ダニ対策では、①ダニ退治→②ダニアレルゲンの除去→③ダニ増加防止を繰り返し行うことが大切です。

ダニ退治

ダニを死滅させる方法は、熱処理(50℃で死滅)、乾燥処理、洗濯、薬剤散布 の4通りです。それぞれの処理の効果は下記の通りです。

効果 費用 評価
家庭用洗濯機 シーツ、カバー、衣服であれば十分ダニを洗い落とせますが、毛布や布団などの分厚いモノにはダニ退治効果はあまりありません。
布団乾燥機 1度の使用ではあまり効果はありませんが、朝昼2回連日行うことでダニ退治効果が見込めます。布団、マットレス、畳など様々なものに応用できます。
天日干し 1度ではほぼダニ退治効果はありませんが、こまめに行うことでダニ抑制効果が見込めます。黒い布を被せることで効果UPが見込めます。
掃除機 表面にいるダニの除去には効果がありますが、生地内部にいる大半のダニにはほとんど効果がありません。ダニアレルゲン除去に有用です。
クリーニング業者 費用こそ高いですが、手軽でほぼ確実にダニを退治してもらえます。
スチームアイロン 殺ダニ効果は高いですが、対象物を傷めないか確認し、事後の湿気処理をきちんと行う必要があります。
ダニ取りシート 即効性こそないもののダニをじわじわ減らせられます。大発生後のダニ対策には向きません。本当にダニがいるか確認できます。
ダニ駆除薬剤 リーズナブルにダニを退治できますが、使いすぎには要注意です。
除湿機 × 湿度を抑えることでダニ発生の予防ができますが、大発生してしまったダニの退治方法には向きません。
アロマ × ダニを追い払う効果はありますが殺ダニはできません。一時シノギのダニ退治となります。
熱湯 手軽で効果的だが、素材を痛める。素材によっては使用感を大きく悪化させるので非推奨。

 

小児科医 浦島崇監修

 

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